2021年1月18日月曜日

「ド・モルガンの法則」と「グー・チョキ・パー」。

(01)
 ―「ド・モルガンの法則」の証明。―
(ⅰ)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
          ~P∨~Q   29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅱ)
1   (1)   ~P∨~Q   A
 2  (2)    P& Q   A
  3 (3)   ~P      A
 2  (4)    P      2&E
 23 (5)   ~P&P    34&I
  3 (6) ~( P& Q)  25RAA
   7(7)      ~Q   A
 2  (8)       Q   2&E
 2 7(9)    ~Q&Q   78&I
   7(ア) ~( P& Q)  29RAA
1   (イ) ~( P& Q)  1367ア∨E
(01)により、
(02)
① ~(P& Q)≡(Pであって、その上、Qである)といふことはない。
②  ~P∨~Q ≡ Pでないか、または、Qでない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1  (1)~{(P&Q)&R}  A
1  (2)~(P&Q)∨~R   1ド・モルガンの法則
 3 (3)~(P&Q)      A
 3 (4)(~P∨~Q)     3ド・モルガンの法則
 3 (5)(~P∨~Q)∨~R  4∨I
  6(6)       ~R   A
  6(7)(~P∨~Q)∨~R  6∨I
1  (8)(~P∨~Q)∨~R  13567∨E
1  (9) ~P∨~Q ∨~R  8結合法則
(ⅳ)
1  (1) ~P∨~Q ∨~R  A
1  (2)(~P∨~Q)∨~R  1結合法則
 3 (3)(~P∨~Q)     A
 3 (4) ~(P&Q)     3ド・モルガンの法則
 3 (5) ~(P&Q)∨~R  4∨I
   6(6)        ~R  A
  6(7) ~(P&Q)∨~R  6∨I
1  (8) ~(P&Q)∨~R  13567∨E
1  (9)~{(P&Q)&R}  6ド・モルガンの法則
従って、
(03)により、
(04)
③ ~{(P&Q)&R}≡{(Pであって、その上、Qであって、)その上、Rである}といふことはない。
④   ~P∨~Q∨~R ≡  Pでないか、または、Qでないか、または、Rでない。
に於いて、
③=④ である。
(05)
(a)~(P&Q∨R)
であれば、
(b)~{(P&Q)∨R}
であるか、
(c)~{P&(Q∨R)}
であるかの、いづれかである。
然るに、
(06)
(ⅴ)
1(1)~{(P&Q)∨ R} A
1(2) ~(P&Q)&~R  1ド・モルガンの法則
1(3) ~(P&Q)     2&E
1(4)(~P∨~Q)     3ド・モルガンの法則
1(5)        ~R  2&E
1(6)(~P∨~Q)&~R  45&E
(ⅵ)
1(1)(~P∨~Q)&~R  A
1(2)(~P∨~Q)     1&E
1(3) ~(P&Q)     2ド・モルガンの法則
1(4)        ~R  1&E
1(5) ~(P&Q)&~R  34&I
1(6)~{(P&Q)∨ R} 5ド・モルガンの法則
従って、
(06)により、
(07)
⑤ ~{(P&Q)∨ R}≡{(Pであって、その上、Qであるか、)または、Rである}といふことはない。
⑥ (~P∨~Q)&~R ≡ (Pでないか、または、Qでなくて、)その上、Rではない。
に於いて、
⑤=⑥ である。
(08)
(ⅶ)
1  (1)~{P&(Q∨R)} A
1  (2)~P∨~(Q∨R)  1ド・モルガンの法則
 3 (3)~P         A
 3 (4)~P∨(~Q&~R) 3∨I
  5(5)   ~(Q∨R)  A
  5(6)   (~Q&~R) 5ド・モルガンの法則
  5(7)~P∨(~Q&~R) 6∨I
1  (8)~P∨(~Q&~R) 13457∨E
(ⅷ)
1  (1)~P∨(~Q&~R) A
 2 (2)~P         A
 2 (3)~P∨~(Q∨R)  2∨I
  4(4)   (~Q&~R) A
  4(5)   ~(Q∨R)  4ド・モルガンの法則
  4(6)~P∨~(Q∨R)  4∨I
1  (7)~P∨~(Q∨R)  12346∨E
1  (8)~{P&(Q∨R)} 7ド・モルガンの法則
従って、
(08)により、
(09)
⑦ ~{P&(Q∨ R)}≡{Pであって、その上、(Qであるか、または、Rである)}といふことはない。
⑧ ~P∨(~Q&~R) ≡ Pでないか、または、(Qでなくて、その上、Rでない)。
に於いて、
⑦=⑧ である。
然るに、
(09)により、
(10)
「含意の定義」により、
⑧ ~P∨(~Q&~R) ≡ Pでないか、または、(Qでなくて、その上、Qでない)。
⑨   P→(~Q&~R) ≡ Pであるならば、  (Qでなくて、その上、Rでない)。
に於いて、
⑧=⑨ である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
⑦ ~{P&(Q∨ R)}≡{Pであって、その上、(Qであるか、または、Rである)}といふことはない。
⑨  P→(~Q&~R) ≡ Pであるならば、  (Qでなくて、その上、Rでない)。
に於いて、
⑦=⑨ である。
然るに、
(12)
(ⅸ)
1 (1) P→(~Q&~R) A
 2(2)     Q∨ R  A
 2(3)  ~(~Q&~R) 2ド・モルガンの法則
12(4)~P         13MTT
1 (5) (Q∨R)→~P  24CP
(ⅹ)
1 (1) (Q∨R)→~P  A
 2(2)        P  A
 2(3)      ~~P  2DN
12(4)~(Q∨R)     13MTT
12(5)(~Q&~R)    4ド・モルガンの法則
1 (6) P→(~Q&~R) 25CP
従って、
(12)により、
(13)
⑨ P→(~Q&~R)≡ Pであるならば、(Qでなくて、その上、Rでない)。
⑩ (Q∨R)→~P ≡(Qであるか、または、Rである)ならば、Pでない。
に於いて、
⑨=⑩ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
⑦ ~{P&(Q∨ R)}≡{Pであって、その上、(Qであるか、または、Rである)}といふことはない。
⑨  P→(~Q&~R) ≡ Pであるならば、  (Qでなくて、その上、Rでない)。
⑩ (Q∨R)→~P  ≡(Qであるか、または、Rである)ならば、Pでない。
に於いて、
⑦=⑨=⑩ である。
従って、
(14)により、
(15)
「番号」を付け直すと、
①{Pであって、その上、(Qであるか、または、Rである)}といふことはない。
②  Pであるならば、  (Qでなくて、その上、Rでない)。
③(Qであるか、または、Rである)ならば、Pでない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(15)により、
(16)
例へば、
P=グー である。
Q=チョキである。
R=パー である。
とするならば、
①{グーであって、その上、(チョキであるか、または、パーである)}といふことはない。
②  グーであるならば、  (チョキでなくて、その上、パーでない)。
③(チョキであるか、または、パーである)ならば、グーでない。
に於いて、
①=②=③ である。
令和03年01月18日、毛利太。

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