2021年1月25日月曜日

「パースの法則」は「当然」である。

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
(02)
10個の原始的規則のみを用いて、つぎの連式を証明せよ(Using only 10 primitive rules, prove the following sequent)。
(P→Q)→P ┤├(P&~Q)∨P
〔解答〕
(ⅰ)
1       (1)   (P→Q)→ P    A
 2      (2)   (P→Q)&~P    A
 2      (3)   (P→Q)       2&E
12      (4)          P    13MPP
 2      (5)         ~P    2&E
12      (6)       P&~P    45&I
1       (7) ~{(P→Q)&~P}   26RAA
  8     (8) ~(P&~Q)&~P    A
  8     (9) ~(P&~Q)       8&E
   ア    (ア)   P           A
    イ   (イ)     ~Q        A
   アイ   (ウ)   P&~Q        アイ&I
  8アイ   (エ) ~(P&~Q)&
             (P&~Q)       9ウ&I
  8ア    (オ)    ~~Q        イエRAA
  8ア    (カ)      Q        オDN
  8     (キ)    P→Q        アカCP
  8     (ク)         ~P    8&E
  8     (ケ)   (P→Q)&~P    キク&I
1 8     (コ) ~{(P→Q)&~P}&
              (P→Q)&~P    7ケ&I
1       (サ)~{~(P&~Q)&~P}  8コRAA
     シ  (シ) ~{(P&~Q)∨ P}  A
      ス (ス)   (P&~Q)      A
      ス (セ)   (P&~Q)∨ P   シ∨I
     シス (ソ) ~{(P&~Q)∨ P}&
             {(P&~Q)∨ P}  シセ&I
     シ  (タ)  ~(P&~Q)      スソRAA
       チ(チ)           P   A
       チ(ツ)   (P&~Q)∨ P   チ∨I
     シ チ(テ) ~{(P&~Q)∨ P}&
             {(P&~Q)∨ P}  シチ&I
     シ  (ト)          ~P   チテRAA
     シ  (ナ)  ~(P&~Q)&~P   タト&I
1    シ  (ニ)~{~(P&~Q)&~P}&
            {~(P&~Q)&~P}  サナ&I
1       (ヌ)~~{(P&~Q)∨ P}  シニRAA
1       (ネ)   (P&~Q)∨ P   ヌDN
(ⅱ)
1        (1)   (P&~Q)∨ P  A
 2       (2)    P&~Q      A
  3      (3)    P→ Q      A
 2       (4)    P         2&E
 23      (5)       Q      34MPP
 2       (6)      ~Q      2&E
 23      (7)    Q&~Q      56&I
 2       (8)  ~(P→ Q)     37RAA
 2       (9)  ~(P→ Q)∨ P  8∨I
   ア     (ア)           P  A
1        (イ)  ~(P→ Q)∨ P  129アア∨E
    ウ    (ウ)   (P→ Q)&~P  A
     エ   (エ)  ~(P→ Q)     A
    ウ    (オ)   (P→ Q)     ウ&E
    ウエ   (カ) ~(P→Q)&(P→Q) エオ&I
     エ   (キ) ~{(P→Q)&~P}  ウカRAA
      ク  (ケ)           P  A
    ウ    (コ)          ~P  ウ&E
    ウク   (サ)        P&~P  ケコ&
     ク   (シ) ~{(P→Q)&~P}  ウサRAA
1        (ス) ~{(P→Q)&~P}  1エキクシ∨E
       セ (セ)   (P→Q)      A
        ソ(ソ)         ~P   A
       セソ(タ)   (P→Q)&~P   セソ&I
1      セソ(チ) ~{(P→Q)&~P}&
              {(P→Q)&~P}  キタ&I
1      セ (ツ)        ~~P   ソチRAA
1      セ (テ)          P   ツDN
1        (ト)   (P→Q)→ P   セテCP
従って、
(02)により、
(03)
①(P→ Q)→P
②(P&~Q)∨P
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「日本語」で言ふと、
①(Pであるならば、Qである)ならば、Pである。
②(であって、Qでない)か、またはである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
②(P&~Q)∨P
といふのであれば、すなはち、
②(であって、Qでない)か、またはである。
といふのであれば、いづれにせよ
② である。
従って、
(05)により、
(06)
②{(P&~Q)∨P}→P
②{(Pであって、Qでない)か、またはPである}ならば、Pである
といふ「式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①{(P→ Q)→P}→P
①{(Pであるならば、Qである)ならば、Pである}ならば、Pである。
といふ「式」も、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
②{(P&~Q)∨P}→P
②{(Pであって、Qでない)か、またはPである}ならば、Pである
といふのであれば、
②(Qでなく)とも、Pである
従って、
(07)(08)により、
(09)
①{(P→ Q)→P}→P
といふ「式」は、
①{(Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと)、Pである}ならば、Pである
といふ「意味」になる。
従って、
(02)~(09)により、
(10)
①{(P→ Q)→P}→P
②{(P&~Q)∨P}→P
に於いて、
①=② である所の、「パースの法則」は、「日本語」で言ふと、
①{(Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと)、Pである}ならば、Pである。
②{(Pであって、Qでない)か、または、Pである}ならば、Pである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(10)により、
(11)
①{(Pであるならば、Qであらうと、Qでなからうと)、Pである}ならば、Pである。
②{(Pであって、Qでない)か、または、Pである}ならば、Pである。
に於いて、
①=② である所の「パースの法則」と、
③ 命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる(ウィキペディア)。
といふこととは、「関係」が無い
令和03年01月25日、毛利太

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