―「昨日(令和03年01月04日)」の記事を書き直します。―
(01)
証明の各行の左側に、仮定を(assumptions)数字で(by number)あげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、序ⅲ改)
従って、
(01)により、
(02)
例へば、
1 (1)P→Q A
2 (2)P A
12 (3) Q 12MPP
といふ「3行の計算」は、
P→Q (1)P→Q A
P (2)P A
P→Q,P(3) Q 12MPP
といふ「3行の計算」に、「等しく」、
P→Q (1)
P (2)
P→Q,P(3)
は「仮定(Assumptions)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① P→Q,P├ Q
といふ「連式(Sequent)」に於いて、
① P→Q,P├
は「仮定(assumptions)」であって、
① ├ Q
は「結論(Conclusion)」である。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1(1)P A
(2)P→P 11CP
(ⅲ)
1(1) P&~P A
(2)~(P&~P) 11RAA
(ⅳ)
1 (1) ~(~P∨P) A
2(2) ~P A
2(3) ~P∨P 2∨I
12(4) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
1 (7) ~P∨P 6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 17&I
(9)~~(~P∨P) 18RAA
(ア) (~P∨P) 9DN
(ⅴ)
1 (1) P A
1 (2) P∨ Q 1∨I
3 (3) ~P&~Q A
4 (4) P A
3 (5) ~P 3&E
34 (6) P&~P 45&I
4 (7) ~(~P&~Q) 36RAA
8 (8) Q A
3 (9) ~Q 3&E
3 8 (ア) Q&~Q 89&I
8 (イ) ~(~P&~Q) 3アRAA
1 (ウ) ~(~P&~Q) 2478イ∨E
エ (エ) ~P A
オ (オ) ~Q A
エオ (カ) ~P&~Q エオ&I
1 エオ (キ) ~(~P&~Q)&
(~P&~Q) ウカ&I
1 エ (ク) ~~Q オキRAA
1 エ (ケ) Q クDN
1 (コ) ~P→Q エケCP
(サ) P→(~P→Q) 1コCP
ス(ス) P& ~P A
ス(セ) P ス&E
ス(ソ) ~P→Q サセMPP
ス(タ) ~P ス&E
ス(チ) Q ソタMPP
(ツ)(P&~P)→Q スチCP
(ⅵ)
(1) (P&~P)→Q TI(定理導入の規則)
2 (2) ~Q A
2 (3) ~(P&~P) 12MTT
4 (4) ~(~P∨P) A
5 (5) ~P A
5 (6) ~P∨P 5∨I
45 (7) ~(~P∨P)
(~P∨P)& 46&I
4 (8) ~~P 57RAA
4 (9) P 8DN
ア(ア) P A
ア(イ) ~P∨P ア∨I
4 ア(ウ) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 4イ&I
4 (エ) ~P アウRAA
4 (オ) P&~P 9エ&I
24 (カ) ~(P&~P)&
(P&~P) 3オ&I
2 (キ) ~~(~P∨P) 4カRAA
2 (ク) ~P∨P キDN
(ケ)~Q→(~P∨P) 2クCP
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① P→Q,P├ Q
② ├ P→ P
③ ├ ~(P&~P)
④ ├ ~P∨ P
⑤ ├ (P&~P)→Q
⑥ ├ ~Q→(~P∨P)
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
然るに、
(05)により、
(06)
① P→Q,P├ Q
といふ「連式」には、「仮定」が(2つ)有るが、
② ├ P→ P
③ ├ ~(P&~P)
④ ├ ~P∨ P
⑤ ├ (P&~P)→Q
⑥ ├ ~Q→(~P∨P)
といふ「連式」には、「結論」だけが有って、「仮定」が無い。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
② P→ P
③ ~(P&~P)
④ ~P∨ P
⑤ (P&~P)→Q
⑥ ~Q→(~P∨P)
といふ「論理式(well-formed formulae」は、5つとも、「仮定の数が、0である所の、証明可能な連式の、結論」である。
然るに、
(08)
② P→ P
③ ~(P&~P)
④ ~P∨ P
すなはち、
② 同一律(Law of identity)
③ 矛盾律(Law of contradiction)
④ 排中律(Law of excluded middle)
等が、さうであるやうに、「恒真式(トートロジー)」とは、「仮定の数が、0である所の、証明可能な連式の、結論」である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
「番号」を付け直すと、
① Pであるならば、Pである(同一律)。
② PであってPでない、といふことはない(矛盾律)。
③ Pでないか、または、Pである(排中律)。
④ PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。
⑤ Qでないならば、Pでないか、または、Pである(爆発律の対偶)。
である所の、
① P→ P
② ~(P&~P)
③ ~P∨ P
④ (P&~P)→Q
⑤ ~Q→(~P∨P)
といふ「論理式」は、「恒真式(仮定の数が、0である所の、証明可能な連式の、結論)」である。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1) P→ P A
2(2) P&~P A
2(3) P 2&E
12(4) P 13MPP
2(5) ~P 2&E
12(6) P&~P 45&I
1 (7)~(P&~P) 26CP
(ⅱ)
1 (1)~(P&~P) 26CP
2 (2) P A
3(3) ~P A
23(4) P&~P 23&I
123(5)~(P&~P)&
(P&~P) 14&I
12 (6) ~~P 35DN
12 (7) P 6DN
1 (8) P→ P 27CP
従って、
(10)により、
(11)
① P→ P
② ~(P&~P)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
(ⅱ)
1 (1) ~(P&~P) A
2 (2) ~(~P∨P) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨P 3∨I
23 (5) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 23&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) P A
8(9) ~P∨P 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 29&I
2 (イ) ~P 8アRAA
2 (ウ) P&~P 7イ&I
12 (エ) ~(P&~P)&
(P&~P) 1ウ&I
1 (オ)~~(~P∨P) 2エRAA
1 (カ) ~P∨P オDN
(ⅲ)
1 (1) ~P∨P A
2 (2) P&~P A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6) ~(P&~P) 25RAA
7(7) P A
2 (8) ~P 2&E
2 7(9) P&~P 78
7(ア) ~(P&~P) 29RAA
1 (イ) ~(P&~P) 1367ア∨E
従って、
(12)により、
(13)
② ~(P&~P)
③ ~P∨ P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(11)(13)により、
(14)
① P→ P
② ~(P&~P)
③ ~P∨ P
に於いて、すなはち、
① 同一律(Law of identity)
② 矛盾律(Law of contradiction)
③ 排中律(Law of excluded middle)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(15)
(ⅳ)
(1) (P&~P)→Q TI(定理導入の規則)
2 (2) ~Q A
2 (3) ~(P&~P) 12MTT
4 (4) ~(~P∨P) A
5 (5) ~P A
5 (6) ~P∨P 5∨I
45 (7) ~(~P∨P)
(~P∨P)& 46&I
4 (8) ~~P 57RAA
4 (9) P 8DN
ア(ア) P A
ア(イ) ~P∨P ア∨I
4 ア(ウ) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 4イ&I
4 (エ) ~P アウRAA
4 (オ) P&~P 9エ&I
24 (カ) ~(P&~P)&
(P&~P) 3オ&I
2 (キ) ~~(~P∨P) 4カRAA
2 (ク) ~P∨P キDN
(ケ)~Q→(~P∨P) 2クCP
(ⅴ)
(1)~Q→(~P∨P) TI(定理導入の規則)
2 (2) P&~P A
3 (3) ~P∨ P A
2 (4) P 2&E
5 (5) ~P A
2 5 (6) P&~P 45&I
5 (7) ~(P&~P) 26RAA
2 (8) ~P 2&E
9(9) P A
2 9(ア) ~P&P 89&I
9(イ) ~(P&~P) 2アRAA
3 (ウ) ~(P&~P) 3579イ∨E
23 (エ) (P&~P)&
~(P&~P) 2ウ&I
2 (オ) ~(~P∨ P) 3エRAA
(カ)~~Q 1オMTT
2 (キ) Q カDN
(ク)(P&~P)→Q 2キCP
従って、
(15)により、
(16)
④ (P&~P)→Q
⑤ ~Q→(~P∨P)
に於いて、
④=⑤ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(17)
(ⅴ)
1 (1) ~Q→(~P∨P) A
2 (2) ~{Q∨(~P∨P)} A
3(3) Q A
3(4) Q∨(~P∨P) 3∨I
23(5) ~{Q∨(~P∨P)}&
{Q∨(~P∨P)} 24&I
2 (6) ~Q 35RAA
12 (7) (~P∨P) 16MPP
12 (8) Q∨(~P∨P) 7∨I
12 (9) ~{Q∨(~P∨P)}&
{Q∨(~P∨P)} 28&I
1 (ア)~~{Q∨(~P∨P)} 29RAA
1 (イ) Q∨(~P∨P) アDN
(ⅵ)
1 (1) Q∨ (~P∨P) A
2 (2) ~Q&~(~P∨P) A
3 (3) Q A
2 (4) ~Q 2&E
23 (5) Q&~Q 34&I
3 (6)~(~Q&~(~P∨P)} 25RAA
7 (7) (~P∨P) A
2 (8) ~(~P∨P) 2&E
2 7 (9) (~P∨P)&
~(~P∨P) 78&I
7 (ア)~(~Q&~(~P∨P)} 29RAA
1 (イ)~(~Q&~(~P∨P)} 1367ア
ウ (ウ) ~Q A
エ(エ) ~(~P∨P) A
ウエ(オ) ~Q&~(~P∨P) ウエ&I
1 ウエ(カ)~(~Q&~(~P∨P)}&
{~Q&~(~P∨P)} イオ&I
1 ウ (キ) ~~(~P∨P) エカRAA
1 ウ (ク) (~P∨P) キDN
1 (ケ) ~Q→(~P∨P) ウクCP
従って、
(17)により、
(18)
⑤ ~Q→(~P∨P)
⑥ Q∨(~P∨P)
に於いて、
⑤=⑥ は、「含意の定義」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
④ (P&~P)→Q
⑤ ~Q→(~P∨P)
⑥ Q∨(~P∨P)
に於いて、
④=⑤=⑥ である。
従って、
(09)(14)(19)により、
(20)
① Pであるならば、Pである(同一律)。
② PであってPでない、といふことはない(矛盾律)。
③ Pでないか、または、Pである(排中律)。
④ PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。
⑤ Qでないならば、Pでないか、または、Pである(爆発律の対偶)。
⑥ Qであるか、または、Pでないか、または、Pである(爆発律の対偶の、含意の定義)。
である所の、
① P→ P
② ~(P&~P)
③ ~P∨ P
④ (P&~P)→Q
⑤ ~Q→(~P∨P)
⑥ Q∨(~P∨P)
といふ「論理式」は、「恒真式」であって、尚且つ、
①=②=③ であって、
④=⑤=⑥ である。
従って、
(20)により、
(21)
④ (矛盾)→Q
⑤ ~Q→(排中律)
といふ「論理式」は、「恒真式」であって、尚且つ、
④=⑤ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(21)により、
(22)
④ (偽)→Q
⑤ ~Q→(真)
は、「真」である。
然るに、
(23)
④ P→Q(Pであるならば、Qである。)
⑤ ~Q→P(Qでないならば、Pである。)
は、「仮言命題」であって、
④ P→Q(Pであるならば、Qである。)
であれば、
④ Pを、「前件」と言ひ、
④ Qを、「後件」と言ふ。
従って、
(22)(23)により、
(24)
④「仮言命題」は、「前件」が「偽」であれば、「後件」の「真偽」に拘らず、「真」あり、
⑤「仮言命題」は、「後件」が「真」であれば、「前件」の「真偽」に拘らず、「真」ある。
従って、
(20)(24)により、
(25)
④(P&~P)→Q
④ PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。
であれば、
④「前件」である、(P&~P)が「偽(矛盾)」であるため、
④「前件」である、 Qは、「真(本当)」であらうと、「偽(ウソ)」であらうと、
④(P&~P)→Q
④ PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。
といふ「仮言命題」自体は、「恒に、真」である。
従って、
(25)により、
(26)
例へば、
④(太陽が東から昇り、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である。
がさうである所の、「爆発律」の場合は、
④(バカボンのパパは天才である)。
といふことと、「無関係」に、
④「仮言命題」自体は、「恒真(トートロジー)」である。
cf.
「関連性の誤謬(Relevance fallacy)」
然るに、
(20)により、
(27)
② PであってPでない、といふことはない(矛盾律)。
④ PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。
である所の、
② ~(P&~P)
④ (P&~P)→Q
の場合は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(27)により、
(28)
(ⅰ)PであってPでない、ならば、Qである(爆発律)。然るに、
(ⅱ)PであってPでない、といふことはない(矛盾律)。従って、
(ⅲ)Qであるか、Qでないかは、「不明」である。
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅰ)(太陽が東から昇り、太陽が西から昇る)のであれば、バカボンのパパは天才である(爆発律)。然るに、
(ⅱ)(太陽が東から昇り、太陽が西から昇る)といふことはない(矛盾律)。従って、
(ⅲ)バカボンのパパが、天才であるかどうかは、「不明」である。
令和03年01月05日、毛利太、
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