2021年8月13日金曜日

「量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則」の例(Ⅱ)。

(01)
(ハ)量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則
16.{∃x(Fx)→∃x(Gx)}→{∃x(Fx→Gx)}
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
(02)
(ⅰ)
1   (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1   (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3  (3)~∃x(Fx)        A
 3  (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3  (5)   ~Fa         4UE
 3  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
 3  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
 3  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
  9 (9)        ∃x(Gx) A
   ア(ア)           Ga  A
   ア(イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   ア(ウ)        Fa→Ga  イ含意の定義
   ア(エ)     ∃x(Fx→Gx) ウEI
  9 (オ)     ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1   (カ) ∃x(Fx→Gx)     2389オ∨E
(ⅱ)
1   (1) ∃x(Fx→Gx)     A
   (2)    F→G      A
  3 (3) ∃x(Fx)        A
   4(4)    Fa         A
 2 4(5)       Ga      24MPP
 2 4(6)    ∃x(Gx)     5EI
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
 2  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1   (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
の場合は、
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
の行が、「間違ひ」である。
cf.
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、154・155頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1  (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3 (3)~∃x(Fx)        A
 3 (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3 (5)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
  6(6)        ∃x(Gx) A
  6(7)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 6∨I
1  (8)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 13567∨E
(ⅱ)
1  (1)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) A
 2 (2)∀x(~Fx)        A
 2 (3)~∃x(Fx)        2量化子の関係
 2 (4)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 3∨I
  5(5)        ∃x(Gx) A
  5(6)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 5∨I
1  (7)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 12456∨E
1  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 7含意の定義
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
 2(2)    Fa→Ga  A
 2(3)   ~Fa∨Ga  2含意の定義
 2(4)∃x(~Fx∨Gx) 3EI
1 (5)∃x(~Fx∨Gx) 124EE
(ⅱ)
1 (1)∃x(~Fx∨Gx) A
 2(2)   ~Fa∨Ga  A
 2(3)    Fa→Ga  2含意の定義
 2(4) ∃x(Fx→Gx) 3EI
1 (5) ∃x(Fx→Gx) 124EE
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
③ ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
④ ∃x(~Fx∨Gx)
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
「番号」を付け直すと、
① ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ∃x(~Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であって、
② ならば、① である。
然るに、
(08)
{xの変域}が{a,b,c}であるとして、
① ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ∃x(~F∨Gx)
といる「述語論理式」は、「順番」に、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(09)
「∨」と「&」の「働き(作用)」により、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
といふことは、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
といふことによって、「確認」することが、出来る。
令和03年08月13日、毛利太。

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