(01)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
F,G,H,・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
従って、
(01)により、
(02)
{変域}を、{人間}とするならば、
xは、「誰か(someone)」であって、
yも、「誰か(someone)」であって、
zも、「誰か(someone)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 愛xy=xはyを愛す。
② 愛yx=yはxを愛す。
③ 誰かが誰かを愛す。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
{変域}を、{人間}とするならば、
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
は、それぞれ、
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∃x∃y(愛xy) A
2 (2) ∃y(愛ay) A
3(3) 愛ab A
3(4) ∃x(愛xb) 3EI
2 (5) ∃x(愛xb) 234EE
2 (6)∃y∃x(愛xy) 5EI
1 (7)∃y∃x(愛xy) 126EE
(ⅱ)
1 (1)∃y∃x(愛xy) A
2 (2) ∃x(愛xb) A
3(3) (愛ab) A
3(4) ∃y(愛ay) 3EI
2 (5) ∃y(愛ay) 234EE
2 (6)∃x∃y(愛xy) 5EI
1 (7)∃x∃y(愛xy) 126EE
従って、
(05)により、
(06)
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
「論理的」には、
① Somebody loves somebody.
② Somebody is loved by somebody.
に於いて、「(能動態・受動態の)区別」は、無い。
然るに、
(09)
(ⅲ)
1 (1)∃x∀y(愛xy) A
2(2) ∀y(愛ay) A
2(3) 愛ab 2UE
2(4) ∃x(愛xb) 3EI
2(5)∀y∃x(愛xy) 4UI
1 (6)∀y∃x(愛xy) 125EE
(ⅳ)
1 (1)∀y∃x(愛xy) A
1 (2) ∃x(愛xb) 1UE
3(3) 愛ab A
3(4) ∀y(愛ay) 3UI(は、反則なので、無効である。)
3(5)∃x∀y(愛xy) 4EI
1 (6)∃x∀y(愛xy) 135EE
従って、
(09)により、
(10)
③ ∃x∀y(愛xy)
④ ∀y∃x(愛xy)
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない。
従って、
(10)により、
(11)
③ ある人は、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人によって愛される。
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない。
従って、
(06)(11)により、
(12)
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
に於いては、
①=② であるが、
③ ∃x∀y(愛xy)
④ ∀y∃x(愛xy)
に於いては、
③=④ ではない。
令和03年08月05日、毛利太。
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