(01)
「結論」として、
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
といふ「命題」が「真」であるならば、
① Fa→Ga
① Fa→Gb
① Fa→Gc
① Fb→Gb
① Fb→Ga
① Fb→Gc
① Fc→Gc
① Fc→Ga
① Fc→Gb
といふ「9通り」が、「真」であることが、「可能」である。
cf.
1(1) Gb A
1(2)~Fa∨Gb 1∨I
1(3) Fa→Gb 2含意の定義
然るに、
(02)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
であるならば、
② Fa→Ga
② Fb→Gb
② Fc→Gc
という「3通り」が、「真」であることが、「可能」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(04)
{xの変域}が{a,b,c}であるとして、
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
③ ∃x(Fx)→∃x(Gx)
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1 (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~∃x(Fx) A
3 (4)∀x(~Fx) 3量化子の関係
3 (5) ~Fa 4UE
3 (6) ~Fa∨Ga 5∨I
3 (7) Fa→Ga 6含意の定義
3 (8) ∃x(Fx→Gx) 7EI
9 (9) ∃x(Gx) A
ア(ア) Ga A
ア(イ) ~Fa∨Ga ア∨I
ア(ウ) Fa→Ga イ含意の定義
ア(エ) ∃x(Fx→Gx) ウEI
9 (オ) ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1 (カ) ∃x(Fx→Gx) 2389オ∨E
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
2 (2) Fa→Ga A
3 (3) ∃x(Fx) A
4(4) Fa A
2 4(5) Ga 24MPP
2 4(6) ∃x(Gx) 5EI
23 (7) ∃x(Gx) 346EE
2 (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1 (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
の場合は、
23 (7) ∃x(Gx) 346EE
の行が、「間違ひ」である。
cf.
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、154・155頁)
従って、
(06)により、
(07)
果たして、
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(08)
(ハ)量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則
16.{∃x(Fx)→∃x(Gx)}→{∃x(Fx→Gx)}
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
「量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則」として、
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
令和03年08月15日、毛利太。
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