2024年2月2日金曜日

「(古典論理の)含意」について。

(01)
(ⅰ)
1(1) ¬A   A
1(2) ¬A∨B 1∨I
1(3)  A→B 2含意の定義
(ⅱ)
1(1) ¬A    A
1(2) ¬A∨¬B 1∨I
1(3)  A→¬B 2含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
① ¬A├ A→ B
② ¬A├ A→¬B
といふ「連式」は、2つとも「妥当」である。
然るに、
(02)により、
(03)
① ¬A├ A→ B
② ¬A├ A→¬B
といふ「連式」は、2つとも「妥当」である。
といふことは、
① A→ B
② A→¬B
に於いて、
① Aが(偽)であるならば、 B(Bであり)、
② Aが(偽)であるならば、¬B(Bでない)。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1)  A   A
1(2)¬¬A∨B 1∨I
1(3) ¬A→B 2含意の定義
(ⅱ)
1(1)  A    A
1(2)¬¬A∨¬B 1∨I
1(3) ¬A→¬B 2含意の定義
従って、
(04)により、
(05)
① A├ ¬A→ B
② A├ ¬A→¬B
といふ「連式」は、2つとも「妥当」である。
然るに、
(05)により、
(06)
① A├ ¬A→ B
② A├ ¬A→¬B
といふ「連式」は、2つとも「妥当」である。
といふことは、
① ¬A→ B
② ¬A→¬B
に於いて、
① ¬Aが(偽)であるならば、 B(Bであり)、
② ¬Aが(偽)であるならば、¬B(Bでない)。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(03)(06)により、
(07)
いづれにせよ、
①(偽)→(真)
②(偽)→(偽)
は、両方とも、「真」である。
然るに、
(08)
③(真)→(真)
④(真)→(偽)
に於いて、
③ は「真」であり、
④ は「偽」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①(偽)→(真)
②(偽)→(偽)
③(真)→(真)
④(真)→(偽)
に於いて、
④ だけが「偽」であるものの、
①(偽)→(真)
②(偽)→(偽)
が、両方とも「真」である。
といふことは、「分かり難い」といふ風に、思ふ人が、100年前から、「少なくからずゐる」。
cf.

然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)¬A    A
1 (2)¬A∨ B 1∨I
1 (3) A→ B 2含意の定義
 2(4) A    A
12(5)¬A& A 14&I
1 (6)¬A    25RAA
であるため、
(〃)
1 (1)¬A    A
1 (2)¬A∨ B 1∨I
1 (3) A→ B 2含意の定義
 2(4) A    A
12(5)    B 34MPP
といふことには、ならないし、
(ⅱ)
1 (1)¬A    A
1 (2)¬A∨¬B 1∨I
1 (3) A→¬B 2含意の定義
 2(4) A    A
12(5)¬A& A 14&I
1 (6)¬A    25RAA
であるため、
(〃)
1 (1)¬A    A
1 (2)¬A∨¬B 1∨I
1 (3) A→¬B 2含意の定義
 2(4) A    A
12(5)   ¬B 34MPP
といふことにも、ならない。
従って、
(10)により、
(11)
① ¬A├ A→ B
② ¬A├ A→¬B
① A├ ¬A→ B
② A├ ¬A→¬B
といふ「連式」が「妥当」であるからと言って、
① B&¬B(矛盾)が「導出」されるわけでも、
② ¬B&B(矛盾)が「導出」されるわけでない。
然るに、
(12)
(ⅲ)
1(1)    B   A
1(2) ¬A∨B   1∨I
1(3)  A→B   2含意の定義
1(4)¬¬A∨B   3∨I
1(5) ¬A→B   4含意の定義
1(6) (A→B)&
1(7)(¬A→B)  35&I
従って、
(12)により、
(13)
③ B├(A→B)&(¬A→B)
であるものの、この「連式」は、
③ Bなので、Aであらうと、なからうと、いづれにせよ、Bである。
といふ「意味」に取れるし、
③ Bなので、Aであらうと、なからうと、いづれにせよ、Bである。
といふことは、もちろん、「正しい」。
令和6年2月2日、毛利太。

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