2024年2月7日水曜日

「恒真式(トートロジー)」の「3つの定義」。

 ―「含意の定義(Df.→)」―
(01)
1    (1)   P→ Q   A
 2   (2)   P&~Q   A
 2   (3)   P      2&E
12   (4)      Q   12MPP
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7) ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨Q)  A
   9 (9)   ~P     A
   9 (ア)   ~P∨Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P     9イRAA
  8  (エ)    P     ウDN
    オ(オ)      Q   A
    オ(カ)   ~P∨Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8カ&I
  8  (ク)     ~Q   オキRAA
  8  (ケ)   P&~Q   エク&I
1 8  (コ) ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨Q   サDN
(02)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 23   (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカDN
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a) P→ Q
(b) P&~Q
(c)~P∨ Q
に於いて、
(a)と(b)は『矛盾』し、
(b)と(c)も『矛盾』し、それ故、
(a)と(c)は『等しい』。
従って、
(03)により、
(04)
①   P→Q(Pであるならば、Qである)。
②  ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
③ ~~P→Q(Pでない、でないならば、Qである)。
に於いて、
①=②=③ である(含意の定義)。

例へば、
(05)
① P→Q,P├ Q
に於いて、
① P→QとP を   「連式の仮定」と言ひ。
①       Q を「連式の結論」と言ふ。
然るに、
(06)
(a)「連式の仮定」に「偽」が「1つも無く(0個であって)」、
(b)「連式の結論」が「偽」でないならば、そのときに限って、その「連式」は「トートロジー的(tautologous)」である。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1) P→Q        A
 2(2) P          A
12(3)   Q        12MPP
1 (4) P→Q        23CP
  (5)(P→Q)→(P→Q) 14CP
(ⅱ)
 1(1) P&Q     A
 1(2) P       1&E
  (3)(P&Q)→P 12CP
(ⅲ)
 1(1)P       A
 1(2)P∨Q     1∨I
  (3)P→(P∨Q) 12CP
従って、
(06)(07)により、
(08)
① P→Q,P├ Q
②   P&Q├ P
③     P├ P∨Q
は「トートロジー的連式(sequents)」であるため、
      ①├(P→Q)→(P→Q)
      ②├(P&Q)→P
      ③├ P→(P∨Q)
も「トートロジー的連式(sequents)」である。
然るに、
(09)
①├(P→Q)→(P→Q)
②├(P&Q)→P
③├ P→(P∨Q)
といふ「トートロジー的連式(sequents)」に於ける、
①(P→Q)→(P→Q)
②(P&Q)→P
③ P→(P∨Q)
といふ「結論」は、それぞれ、
①「同一律 (トートロジー)」であって、
②「連言除去(トートロジー)」であって、
③「選言導入(トートロジー)」である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
①├(P→Q)→(P→Q)
②├(P&Q)→P
③├ P→(P∨Q)
のやうに、
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の「連式の結論」は、「恒真式(トートロジー)」である。
cf.
   「仮定の個数」が「0個」であるならば、固より、「偽なる仮定の個数」も「0個」である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1(1) ~{(P→Q)→(P→Q)} A
1(2)~{~(P→Q)∨(P→Q)} 1含意の定義
1(3)  (P→Q)&~(P→Q)  2ド・モルガンの法則
1(4)  (P→Q)         3&E
1(5)        ~(P→Q)  3&E
1(6)       ~(~P∨Q)  5含意の定義
1(7)         P&~Q   6ド・モルガンの法則
1(8)         P      7&E
1(9)     Q          48MPP
1(ア)           ~Q   7&E
1(イ)     Q&~Q       89&I
 (ウ)~~{(P→Q)→(P→Q)} 1RAA
 (エ)   (P→Q)→(P→Q)  ウDN
(ⅱ)
1(1) ~{(P&Q)→ P} A
1(2)~{~(P&Q)∨ P} 1含意の定義
1(3)   (P&Q)&~P  2ド・モルガンの法則
1(4)    P&Q      3&E
1(5)    P        4&E
1(6)         ~P  3&E
1(7)    P&~P     56&I
 (8)~~{(P&Q)→ P} 17RAA
 (9)   (P&Q)→ P  8DN
(ⅲ)
1(1) ~{P→(P∨Q)} A
1(2)~{~P∨(P∨Q)} 1含意の定義
1(3)  P&~(P∨Q)  2ド・モルガンの法則
1(4)  P         3&E
1(5)    ~(P∨Q)  3&E
1(6)    ~P&~Q   5ド・モルガンの法則
1(7)    ~P      6&E
1(8)  P&~P      47&I
 (9)  P→(P∨Q)   18RAA
従って、
(11)により、
(12)
① ~{(P→Q)→(P→Q)}├ Q&~Q
②     ~{(P&Q)→P}├ P&~P
③     ~{P→(P∨Q)}├ P&~P
のやうに、
(ⅱ)「否定」をすると「矛盾」が生じる所の「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(10)(12)により、
(13)
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の、「連式の結論(恒真式)」は、その一方で、
(ⅱ)「否定」をすると「矛盾」が生じる所の「論理式」である。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1(1)  P&Q        A
1(2)    Q        1&E
1(3) ~P∨Q        2∨I
1(4)  P→Q        3含意の定義
1(5)~(P→Q)∨(P→Q) 4∨I
1(6) (P→Q)→(P→Q) 5含意の定義
(ⅱ)
1 (1) P&~Q        A
 2(2) P→ Q        A
1 (3) P           1&E
12(4)    Q        23MPP
1 (5)   ~Q        1&E
12(6) Q&~Q        45&I
1 (7)~(P→Q)       26RAA
1 (8)~(P→Q)∨(P→Q) 7∨I
1 (9) (P→Q)→(P→Q) 8含意の定義
(ⅲ)
1(1) ~P&Q        A

1(2) ~P          1&E
1(3) ~P∨Q        2∨I
1(4)  P→Q        3含意の定義
1(5)~(P→Q)∨(P→Q) 4∨I
1(6) (P→Q)→(P→Q) 5含意の定義
(ⅳ)
1(1) ~P&~Q       A

1(2) ~P          1&E
1(3) ~P∨Q        2∨I
1(4)  P→Q        3含意の定義
1(5)~(P→Q)∨(P→Q) 4∨I
1(6) (P→Q)→(P→Q) 5含意の定義
然るに、
(15)
(ⅰ)
1(1)  P&Q    A
1(2)  P      1&E
1(3)~(P&Q)∨P 2∨I
1(4) (P&Q)→P 3含意の定義
(ⅱ)
1(1)  P&~Q   A
1(2)  P      1&E
1(3)~(P&Q)∨P 2∨I
1(4) (P&Q)→P 3含意の定義
(ⅲ)
1 (1) ~P&Q    A
 2(2)  P&Q    A
1 (3) ~P      1&E
 2(4)  P      2&E
12(5) ~P&P    34&I
1 (6)~(P&Q)   25RAA
1 (7)~(P&Q)∨P 6∨I
1 (8) (P&Q)→P 7含意の定義
(ⅳ)
1 (1) ~P&~Q   A
 2(2)  P& Q   A
1 (3)     Q   1&E
 2(4)    ~Q   2&E
12(5)  ~Q&Q   34&I
1 (6)~(P&Q)   25RAA
1 (7)~(P&Q)∨P 6∨I
1 (8) (P&Q)→P 7含意の定義
然るに、
(16)
(ⅰ)
1(1)    P& Q A
1(2)    P    1&E
1(3)    P∨Q  2∨I
1(4)~P∨(P∨Q) 3∨I
1(5) P→(P∨Q) 4含意の定義
(ⅱ)
1(1)    P&~Q A
1(2)    P    1&E
1(3)    P∨Q  2∨I
1(4)~P∨(P∨Q) 3∨I
1(5) P→(P∨Q) 4含意の定義
(ⅲ)
1(1)   ~P& Q A
1(2)   ~P    1&E
1(3)~P∨(P∨Q) 2∨I
1(4) P→(P∨Q) 3含意の定義
(ⅳ)
1(1)   ~P&~Q A
1(2)   ~P    1&E
1(3)~P∨(P∨Q) 2∨I
1(4) P→(P∨Q) 3含意の定義
従って、
(14)により、
(17)
①  P& Q├(P→Q)→(P→Q)
②  P&~Q├(P→Q)→(P→Q)
③ ~P& Q├(P→Q)→(P→Q)
④ ~P&~Q├(P→Q)→(P→Q)
然るに、
(15)により、
(18)
①  P& Q├(P&Q)→P
②  P&~Q├(P&Q)→P
③ ~P& Q├(P&Q)→P
④ ~P&~Q├(P&Q)→P
然るに、
(16)により、
(19)
①  P& Q├ P→(P∨Q)
②  P&~Q├ P→(P∨Q)
③ ~P& Q├ P→(P∨Q)
④ ~P&~Q├ P→(P∨Q)
従って、
(17)により、
(20)
① P(真)&Q(真)├(P→Q)→(P→Q)
② P(真)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
③ P(偽)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
④ P(偽)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
然るに、
(18)により、
(21)
① P(真)&Q(真)├(P&Q)→P
② P(真)&Q(偽)├(P&Q)→P
③ P(偽)&Q(偽)├(P&Q)→P
④ P(偽)&Q(偽)├(P&Q)→P
然るに、
(19)により、
(22)
① P(真)&Q(真)├ P→(P∨Q)
② P(真)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
③ P(偽)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
④ P(偽)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
然るに、
(23)
1(1)~P    A
 (2)~P→~P 11CP
 (3) P∨~P 2含意の定義
(ⅱ)
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  13&I
1 (5)  ~P      24RAA
1 (6)   P∨~P   5∨I
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  16&I
  (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P   8DN
然るに、
(24)
        (1)  P∨~P       TI(排中律
        (2)  Q∨~Q       TI(排中律
3       (3)  P          A
 4      (4)  Q          A
34      (5)  P&Q        34&I
34      (6)    Q        5&E
34      (7) ~P∨Q        6∨I
34      (8)  P→Q        7含意の定義
34      (9)~(P→Q)∨(P→Q) 8∨I
  ア     (ア)    ~Q       A
3 ア     (イ)  P&~Q       3ア&I
   ウ    (ウ)  P→ Q       A
3 ア     (エ)  P          イ&E
3 アウ    (オ)     Q       ウエMPP
3 ア     (カ)    ~Q       イ&E
3 アウ    (キ)  Q&~Q       オカ&I
3 ア     (ク)~(P→Q)       ウキRAA
3 ア     (ケ)~(P→Q)∨(P→Q) ク∨I
3       (コ)~(P→Q)∨(P→Q) 249アケ∨E
    サ   (サ)    ~P       A
 4  サ   (シ) ~P&Q        4サ&I
 4  サ   (ス) ~P          シ&E
 4  サ   (セ) ~P∨Q        ス∨I
 4  サ   (ソ)  P→Q        セ含意の定義
 4  サ   (タ)~(P→Q)∨(P→Q) ソ∨I
  ア サ   (ツ) ~P&~Q       アサ&I
  ア サ   (テ)    ~P       ツ&E
  ア サ   (ト)    ~P∨Q     テ∨I
  ア サ   (ナ)     P→Q     ト含意の定義
  ア サ   (ニ)~(P→Q)∨(P→Q) ナ∨I
    サ   (ヌ)~(P→Q)∨(P→Q) 24タアニ∨E
        (ネ)~(P→Q)∨(P→Q) 13コサヌ∨E
        (ノ) (P→Q)→(P→Q) ネ含意の定義
従って、
(24)により、
(25)
①  P& Q├(P→Q)→(P→Q)
②  P&~Q├(P→Q)→(P→Q)
③ ~P& Q├(P→Q)→(P→Q)
④ ~P&~Q├(P→Q)→(P→Q)
といふ「連式」、すなはち、
① P(真)&Q(真)├(P→Q)→(P→Q)
② P(真)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
③ P(偽)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
④ P(偽)&Q(偽)├(P→Q)→(P→Q)
といふ「連式」は、4とつも、
①├(P→Q)→(P→Q)
②├(P→Q)→(P→Q)
③├(P→Q)→(P→Q)
④├(P→Q)→(P→Q)
といふ風に、
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の、「連式」に、「書き換へる」ことが出来る。
従って、
(20)~(25)により、
(26)
「同様」にして、
① P(真)&Q(真)├(P&Q)→P
② P(真)&Q(偽)├(P&Q)→P
③ P(偽)&Q(偽)├(P&Q)→P
④ P(偽)&Q(偽)├(P&Q)→P
といふ「連式」と、
① P(真)&Q(真)├ P→(P∨Q)
② P(真)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
③ P(偽)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
④ P(偽)&Q(偽)├ P→(P∨Q)
といふ「連式」も、
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の、「連式」に、「書き換へる」ことが出来る。
従って、
(10)(25)(26)により、
(27)
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の、「連式の結論(恒真式)」は、その一方で、
(ⅲ)「命題変数(PとQ)の真偽」に関わらず、「恒に真」である所の「論理式」である。
従って、
(13)(27)により、
(28)
(ⅰ)「恒真式(トートロジー)」とは、
(ⅱ)「仮定の個数」が「0個」である所の、 「連式の結論」であって、
(ⅲ)「否定」をすると「矛盾」が生じる所の 「論理式」であって、その上、
(ⅳ)「命題変数(PとQ)の真偽」に関はらず「恒に真」である所の「論理式」である。
然るに、
(29)
1  (1)   ~(((P→Q)→P)→ P) A
1  (2)  ~(((~P∨Q)→P)→ P) 1含意の定義
1  (3) ~((~(~P∨Q)∨P)→ P) 2含意の定義
1  (4)~(~(~(~P∨Q)∨P)∨ P) 3含意の定義
1  (5)   (~(~P∨Q)∨P)&~P  4ド・モルガンの法則
1  (6)    ((P&~Q)∨P)&~P  5ド・モルガンの法則
1  (7)     (P&~Q)∨P      6&E
 8 (8)      P&~Q         A
 8 (9)      P            8&E
  ア(ア)            P      A
1  (イ)      P            789アア∨E
1  (ウ)               ~P  6&E
1  (エ)      P&~P(矛盾)     イウ&I
   (オ)  ~~(((P→Q)→P)→ P) 1エRAA
   (カ)     ((P→Q)→P)→ P  オDN
従って、
(30)
⑤├((P→Q)→P)→P
といふ「(仮定の個数が0である所の)連式」は「妥当」である。
然るに、
(31)
 (ⅰ)
 1(1)   P&Q       A
 1(2)   P         1&E
 1(3)~((P→Q)→P)∨P 2∨I
 1(4) ((P→Q)→P)→P 3含意の定義
(ⅱ)
 1(1)   P&~Q      A
 1(2)   P         1&E
 1(3)~((P→Q)→P)∨P 2∨I
 1(4) ((P→Q)→P)→P 3含意の定義
(ⅲ)
1 (1)  ~P&Q       A
 2(2)  (P→Q)→P    A
1 (3)     Q       1&E
1 (4)  ~P∨Q       3∨I
1 (5)   P→Q       4含意の定義
12(6)        P    25MPP
1 (7)  ~P         1&E
12(8)  ~P&P       67&I
1 (9)~((P→Q)→P)   28RAA
1 (ア)~((P→Q)→P)∨P 9∨I
1 (イ) ((P→Q)→P)→P ア含意の定義
(ⅳ)
1 (1)  ~P&~Q      A
1 (2)  ~P         1&E
1 (3)  ~P∨Q       2∨I
1 (4)   P→Q       3含意の定義
 2(5)  (P→Q)→P    A
12(6)        P    45MPP
12(7)  ~P&P       26&I
1 (8)~((P→Q)→P    27RAA
1 (9)~((P→Q)→P)∨P 8∨I
1 (ア) ((P→Q)→P)→P 8含意の定義
従って、
(20)~(25)、(31)により、
(32)
    (1)P∨~P        TI(排中律)
    (2)Q∨~Q        TI(排中律)
3   (3)P           A
 4  (4)  ~P        A
  5 (5)Q           A
   6(6)  ~Q        A
3 5 (7)((P→Q)→P)→P 35SI(ⅰ)
3  6(8)((P→Q)→P)→P 36SI(ⅱ)
 45 (9)((P→Q)→P)→P 37SI(ⅲ)
 4 6(ア)((P→Q)→P)→P 38SI(ⅳ)
5   (イ)((P→Q)→P)→P 13749∨E
   6(ウ)((P→Q)→P)→P 1384ア∨E
    (エ)((P→Q)→P)→P 25イ6ウ∨E
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、113頁改)
といふ「(排中律を用いた)計算」によって、
①├((P→Q)→P)→P
②├((P→Q)→P)→P
③├((P→Q)→P)→P
④├((P→Q)→P)→P
といふ風に、
(ⅰ)「仮定の個数」が「0個」である所の、「連式(パースの法則)」に、「書き換へる」ことが出来る。
従って、
(09)(28)(32)により、
(33)
(ⅰ)「恒真式(トートロジー)」とは、
(ⅱ)「同一律・連言除去・選言導入・パースの法則」等がそうであるやうに、
(ⅲ)「仮定の個数」が「0個」である所の、 「連式の結論」であって、
(ⅳ)「否定」をすると「矛盾」が生じる所の 「論理式」であって、その上、
(ⅴ)「命題変数(PとQ)の真偽」に関はらず「恒に真」である所の「論理式」である。
従って、
(33)により、
(34)
トートロジー(英: tautology, 希: ταυτολογία, 語源はギリシャ語で「同じ」を意味するταυτοから)とは、ある事柄を述べるのに、同義語[1]または類語[2]または同語[3]を反復させる修辞技法のこと。同義語反復、類語反復、同語反復等と訳される。関連した概念に冗語があり、しばしば同じ意味で使われることもある。また、撞着語法はトートロジーの反対の技法である(ウィキペディア)。
といふ「説明」は、「恒真式(トートロジー)」の「説明」としては、「表面的」であって、「正しい」とは言へない。

然るに、
(04)により、
(35)
もう一度、確認すると、
①  P→Q(Pであるならば、Qである)。
② ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(36)
1  (1)~P∨Q A
 2 (2)~P   A
 2 (3)~P∨Q 2∨I
 2 (4) P→Q 3含意の定義
  5(5)   Q A
  5(6)~P∨Q 5∨I
  5(7) P→Q 6含意の定義
1  (8) P→Q 12457∨E
従って、
(36)により、
(37)
1  (1)~P∨Q A
ではなく、
1  (2)P&~Q A
であるならば、
 2 (3)~P∨Q 2∨I
 2 (4) P→Q 3含意の定義
  5(5)   Q A
  5(6)~P∨Q 5∨I
  5(7) P→Q 6含意の定義
1  (8) P→Q 12457∨E
といふことには、「ならない」。
従って、
(36)により、
(37)
①  P& Q├   P→Q
②  P&~Q├ ~(P→Q)
③ ~P& Q├   P→Q
④ ~P&~Q├   P→Q
然るに、
(38)
1(1) ~(P→Q) A
1(2)~(~P∨Q) 1含意の定義
1(3)  P&~Q  2ド・モルガンの法則
然るに、
(39)
① P&~P
② P&~Q
に於いて、言ふまでもなく、
① は「矛盾」であるが、
② は「矛盾」ではない
従って、
(38)(39)により、
(40)
(ⅰ)
1(1) ~(P→P) A
1(2)~(~P∨P) 1含意の定義
1(3)  P&~P  2ド・モルガンの法則
 (4)~~(P→P) 13RAA
 (5)   P→P  4DN
に対して、
(ⅱ)
1(1) ~(P→Q) A
1(2)~(~P∨Q) 1含意の定義
1(3)  P&~Q  2ド・モルガンの法則
 (4)~~(P→Q) 13RAA
 (5)   P→Q  4DN
ではない。
従って、
(33)~(40)により、
(41)
例へば、
① P→P(Pであるならば、Pである)。
② P→Q(Pであるならば、Qである)。
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であるが、
② は、「恒真式(トートロジー)」ではない
令和6年2月7日、毛利太。

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