(01)
「普通」は、
① この学校は、鈴木先生が校長です。
と言ふのであって、
① この学校は、鈴木先生は校長です。
とは、言はない。
然るに、
(02)
1 (1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]} A
1 (2) この学校の先生a→∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)] 1UE
3 (3) この学校の先生a A
13 (4) ∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 鈴木b&校長ba&∀z(校長za→b=z) A
5 (6) 鈴木b&校長ba 5&E
5 (7) ∀z(校長za→b=z) 5&E
5 (8) 校長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(佐藤z&~鈴木z) A
ア (ア) 佐藤c&~鈴木c A
ア (イ) 佐藤c ア&E
ア (ウ) ~鈴木c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~鈴木b ウエ=E
5 (カ) 鈴木b 6&E
5 アエ(キ) ~鈴木b&鈴木b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~校長ca 8クMTT
5 ア (コ) 佐藤c&~校長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(佐藤z&~校長za) コEI
59 (シ) ∃z(佐藤z&~校長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(佐藤z&~校長za) 45シEE
1 9 (セ) この学校の先生a→∃z(佐藤z&~校長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)} セUI
1 9 (〃)この学校は、佐藤先生は、校長ではない。 セUI
従って、
(03)
(1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}。然るに、
(9)∃z(佐藤z&~鈴木z)。従って、
(シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(1)すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(9)あるzは佐藤であって、zは鈴木ではない。従って、
(シ)すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるzは佐藤氏であって、zはxの校長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
(1)この学校は、鈴木先生が校長です。 然るに、
(9)佐藤先生は、鈴木先生ではない。 従って、
(シ)この学校の校長は、佐藤先生ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① この学校は、鈴木先生が校長です。⇔
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」が成立する。
然るに、
(06)
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふことは、
② この学校の校長は、鈴木先生であって、鈴木先生以外は、校長ではない。
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① この学校は、鈴木先生が校長です。
② この学校の校長は、鈴木先生であって、鈴木先生以外は、校長ではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
① この学校は、鈴木先生が校長です。
② この学校は、鈴木先生は校長であり、鈴木先生以外は校長ではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)により、
(09)
① 鈴木先生が校長です。
② 鈴木先生は校長であり、鈴木先生以外は校長ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
① 鈴木先生が校長である。ならば、
① 鈴木先生は校長である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ 鈴木先生は校長です。
と言はずに、
① 鈴木先生が校長です。
と言ふのであれば、
② 鈴木先生以外は校長ではない。
といふ風に、「言ふ必要」が有ることになる。
然るに、
(12)
助詞の「は」と「が」を使い分ける方法の説明として、今までになされてきたものを野田尚史が五つに分類してまとめている。
(1)新情報か旧情報かによって使い分ける方法。
会話の中や文脈で、主格となる名詞が未知(=新情報)の場合は「が」を使って表し、既知(=旧情報)の場合は「は」を使って表すという基準である。
・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
(は」と「が」の使い分け | 日本語教育能力検定試験用語検索)
従って、
(11)(12)により、
(13)
・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」は、
・鈴木さんは校長です。(「鈴木先生以外は校長ではない。」といふことを、敢へて、言ふ必要がないので「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。(「鈴木先生以外は校長ではない。」といふことを、言ふ必要があるので、「が」を付けて表す)
といふ「説明」に、変へることが、出来る。
然るに、
(14)
・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」では、
1 (1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]} A
1 (2) この学校の先生a→∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)] 1UE
3 (3) この学校の先生a A
13 (4) ∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 鈴木b&校長ba&∀z(校長za→b=z) A
5 (6) 鈴木b&校長ba 5&E
5 (7) ∀z(校長za→b=z) 5&E
5 (8) 校長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(佐藤z&~鈴木z) A
ア (ア) 佐藤c&~鈴木c A
ア (イ) 佐藤c ア&E
ア (ウ) ~鈴木c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~鈴木b ウエ=E
5 (カ) 鈴木b 6&E
5 アエ(キ) ~鈴木b&鈴木b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~校長ca 8クMTT
5 ア (コ) 佐藤c&~校長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(佐藤z&~校長za) コEI
59 (シ) ∃z(佐藤z&~校長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(佐藤z&~校長za) 45シEE
1 9 (セ) この学校の先生a→∃z(佐藤z&~校長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)} セUI
1 9 (〃)この学校は、佐藤先生は、校長ではない。 セUI
といふ「計算」の「妥当性」を、「説明」出来ない。
従って、
(04)(14)により、
(15)
・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」は、
(1)この学校は、鈴木先生が校長です。 然るに、
(9)佐藤先生は、鈴木先生ではない。 従って、
(シ)この学校の校長は、佐藤先生ではない。
といふ「推論」の「妥当性」を、「説明」出来ない。
従って、
(15)により、
(16)
・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」は、
① この学校は、鈴木先生が校長です。⇔
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」を、「理解」する上での、「妨げ」になる。
令和02年04月12日、毛利太。
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