2020年4月12日日曜日

「象が(も・は)動物である」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
(ⅰ)  
1    (1)∀x~(~象x→~動物x)  A
1    (2)  ~(~象a→~動物a)  1UE
 3   (3)     象a∨~動物a   A
  4  (4)     象a        A
  4  (5)   ~~象a        4DN
  4  (6)   ~~象a∨~動物a   5∨I
   7 (7)        ~動物a   A
   7 (8)   ~~象a∨~動物a   7∨I 
 3   (9)   ~~象a∨~動物a   34678∨E
 3   (ア)    ~象a→~動物a   9含意の定義
13   (イ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  2ア&I
1    (ウ)   ~(象a∨~動物a)  3イRAA
1    (エ)    ~象a& 動物a   ウ、ド・モルガンの法則
1    (オ) ∃x(~象a& 動物a)  エEI
(ⅱ)
1    (1) ∃x(~象x& 動物x)  A
 2   (2)    ~象a& 動物a   A
  3  (3)    ~象a→~動物a   A
 2   (4)    ~象a        2&E
 23  (5)        ~動物a   34MPP
 2   (6)         動物a   2&E
 23  (7)    ~動物a&動物a   56&I
 2   (8)  ~(~象a→~動物a)  39RAA
1    (9)  ~(~象a→~動物a)  128EE
   ア (ア) ∃x(~象x→~動物x)  A
    イ(イ)    ~象a→~動物a   A
1   イ(ウ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  9イ&I
1  ア (エ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  アイウEE
1    (オ)~∃x(~象x→~動物x)  アエRAA
1    (カ)∀x~(~象x→~動物x)  オ量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x~(~象x→~動物x)
②  ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)
「両辺」を「否定」しても、「等式」は、成り立つため、
① ~∀x~(~象x→~動物x)
②  ~∃x(~象x& 動物x)
に於いても、
①=② である。
然るに、
(04)
「量化子の関係」と「二重否定律」により、
①  ∀x(~象x→~動物x)
② ~∃x(~象x& 動物x)
に於いても、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)  
1(1)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)     A
1(2)   象a→動物a&~象a→~動物a      1UE
1(3)   象a→動物a               2&E
1(4)∀x(象x→動物x)              3UI
1(5)          ~象a→~動物a      2&E
1(6)       ∀x(~象a→~動物a)     5UI
1(7)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) 46&I
(ⅱ)
1(1)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) A
1(2)∀x(象x→動物x)              1&E
1(3)   象a→動物a               2UE
1(4)           ∀x(~象x→~動物x) 1&E
1(5)              ~象a→~動物a  4UE
1(6)   象a→動物a&~象a→~動物a      35&I
1(7)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)     6UI
従って、
(05)により、
(06)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① ∀x(象x→動物x &~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、象でなくて、動物であるxは、存在しない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x)
③ ∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、象でなくて、動物であるxは、存在しない。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
に於いて、
②=③ ではなく、
②と③ は「矛盾」する。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ∀x(象x→動物x &~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である
に於いて、
①=③ ではなく、
①と③ は「矛盾」する。
然るに、
(10)
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
といふことは、
③ 象動物である。
といふ、ことである。
従って、
(10)により、
(11)
③ 象も動物である。⇔
③ 象は動物であり、象以外も動物である。⇔
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
といふ「等式」が成立する。
然るに、
(12)
(ⅰ)
1  (1)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x) A
1  (2)   象a→動物a&~象a→~動物a  1UE
1  (3)   象a→動物a           2&E
1  (4)          ~象a→~動物a  2&E
 5 (5)               動物a  A
  6(6)          ~象a       A
1 6(7)              ~動物a  46MPP
156(8)          動物a&~動物a  57&I
15 (9)         ~~象a       68RAA
15 (ア)           象a       9DN
1  (イ)          動物a→象a    5アCP
1  (ウ)   象a→動物a&動物a→象a    3イ&I
1  (エ)∀x(象x→動物x&動物x→象x)   ウUI
(ⅱ)
1  (1)∀x(象x→動物x&動物x→象x)   1
1  (2)   象a→動物a&動物a→象a    1UE
1  (3)   象a→動物a           2&E
1  (4)          動物a→象a    2&E
 5 (5)             ~象a    A
  6(6)          動物a       A
1 6(7)              象a    46MPP
156(8)          ~象a&象a    57&I
15 (9)          ~動物a      68RAA
1  (ア)          ~象a→~動物a  59CP
1  (イ)   象a→動物a&~象a→~動物a  3ア&I
1  (ウ)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x) イUI
従って、
(12)により、
(13)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x& 動物x→ 象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが動物であるならば、xは象である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x& 動物x→ 象x)
に於いて、すなはち、
① 象は動物であり、象以外は動物ではない
② 象は動物であり、動物は象である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
② 私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(19)により、
(20)
① 象動物である。
動物は象である。
③ 象以外は動物ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(14)(20)により、
(21)
① 象動物である。
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(14)(21)により、
(22)
② 象動物である。⇔
② 象は動物であり、象以外は動物ではない。⇔
② ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
といふ「等式」が成立する。
(23)
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
に対して、
① 象は動物である。
の場合は、
① 象以外については、何も、述べてはゐない。
然るに、
(24)
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
の場合も、
① 象以外については、何も、述べてはゐない。
従って、
(23)(24)により、
(25)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
といふ「等式」が成立する。
従って、
(11)(22)(25)により、
(26)
① 象は動物である。
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)
といふ「論理式」に、相当する。
令和02年04月12日、毛利太。

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