(01)
① むしろ、愚人を得るとしても、小人を得てはならない。
②(その、)小人を得るよりは、むしろ愚人を得る方が良い。
③ 小人を得ることは、愚人を得ることに及ばない(愚人を得る方が上である)。
④(徳のないこざかしい)小人を得るよりも、(むしろ愚かでも徳のある)愚人を得る方が良い。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(02)
① 寧得愚人無得小人=
① 寧得(愚人)無〔得(小人)〕⇒
① 寧(愚人)得〔(小人)得〕無=
① 寧ろ(愚人を)得るも〔(小人を)得ること〕無かれ=
① むしろ、愚人を得るとしても、小人を得てはならない(作例)。
(03)
② 与其得小人寧得愚人=
② 与〔其得(小人)〕寧得(愚人)⇒
② 〔其(小人)得〕与寧(愚人)得=
② 〔其の(小人を)得る〕与りは寧ろ(愚人を)得よ=
②(その、)小人を得るよりは、むしろ愚人を得る方が良い(作例)。
cf.
② 其得牛後=S+V+O。
であるため、
②「其の」は、「the(その)」ではない。
(04)
③ 得小人不若得愚人=
③ 得(小人)不[若〔得(愚人)〕]⇒
③ (小人)得[〔(愚人)得〕若]不=
③ (小人を)得るは[〔(愚人を)得るに〕若か]不=
③ 小人を得ることは、愚人を得ることに及ばない(作例)。
(05)
④ 与其得小人寧不若得愚人=
④ 与〔其得(小人)〕寧不[若〔得(愚人)〕]⇒
④ 〔其(小人)得〕与寧[〔(愚人)得〕若]不=
④ 〔其の(小人を)得る〕与りは寧ろ[〔(愚人を)得るに〕しか]ず(資治通鑑-周紀)=
④ 徳のないこざかしい小人を得るよりも、むしろ愚かでも徳のある愚人を得る方が良い(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 寧得愚人無得小人。
② 与其得小人寧得愚人。
③ 得小人不若得愚人。
④ 与其得小人寧不若得愚人。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(07)
④ ご懸念には及びません=心配する必要はありません。
といふ「例文」が、さうであるやうに、
④ 及ばない=必要はない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
② 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る方が良い。
④ 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る必要はない。
に於いて、
②=④ である。
然るに、
(09)
② 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る方が良い。
④ 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る必要はない。
に於いて、明らかに、
②=④ ではないし、固より、
④ 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る必要はない。
といふ「日本語」は、「意味不明」である。
従って、
(04)(09)により、
(10)
④ 与其得小人寧不若得愚人=
④ 与〔其得(小人)〕寧不[若〔得(愚人)〕]⇒
④ 〔其(小人)得〕与寧[〔(愚人)得〕若]不=
④ 〔其の(小人を)得る〕与りは寧ろ[〔(愚人を)得るに〕しか]ず=
④ 小人を得るよりも、愚人を得る方が良い。
といふ「訓読」は、
④ 小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る必要はない。
といふ「誤解」を与へる「余地」が有るが故に、「分りにくい」。
然るに、
(11)
② 与其得小人寧得愚人。
③ 得小人不若得愚人。
に於いて、
②と③を「合はせる」と、
②+③=
④ 与其得小人寧不若得愚人。
然るに、
(06)(11)により、
(12)
③ __得小人_不若得愚人。
④ 与其得小人寧不若得愚人。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(13)
④ 与其得小人寧不若得愚人=
④ 其の小人を得る与りは、寧ろ愚人を得るにしかず。
であるならば、
④ 与其得小人寧不若得愚人=
④(その、)小人を得るよりは、むしろ、愚人を得る必要はない。
となって、「意味不明」である。
と思はれ方が、ゐるのであるあれば、その場合は、
④ 与其得小人寧不若得愚人=
③ __得小人_不若得愚人。
であることを、思ひ出す、必要がある。
(14)
③ 得小人不若得愚人=
③ 得(小人)不[若〔得(愚人)〕]⇒
③ (小人)得[〔(愚人)得〕若]不=
③ (小人を)得るは[〔(愚人を)得るに〕若か]不=
③ 小人を得ることは、愚人を得ることに及ばない。
のであれば、
③ 小人を得ることよりも、愚人を得ることの方が上である。
といふことになり、
③ 小人を得ることよりも、愚人を得ることの方が上である。
であるならば、
④ 徳のないこざかしい小人を得るよりも、むしろ愚かでも徳のある愚人を得る方が良い(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
(15)
⑤ 或不若弟子 (ある人、弟子にしかず)。
⑥ 弟子不必不若師 (弟子は、必ずしも、師にしかずんばあらず)。
⑦ 師而不若其弟子者有之(師にして、その弟子にしかざる者、これ有り)。
に於いて、「命題」としては、
⑤=⑥=⑦ である。
然るに、
(16)
⑤ 或不若弟子 (ある人、弟子にしかず)。
⑥ 弟子不必不若師 (弟子は、必ずしも、師にしかずんばあらず)。
⑦ 師而不若其弟子者有之(師にして、その弟子にしかざる者、これ有り)。
に於ける、「それぞれの印象」は、「同じ」ではない。
然るに、
(06)により、
(17)
① 寧得愚人無得小人 (むしろ、愚人を得るも小人を得ること無かれ)。
② 与其得小人寧得愚人 (その小人を得るよりは、むしろ愚人を得よ)。
③ 得小人不若得愚人 (小人を得るは愚人を得るにしかず)。
④ 与其得小人寧不若得愚人(その小人を得るよりは、むしろ愚人を得るにしかず)。
に於いて、「命題」としては、
①=②=③=④ である。
然るに、
(18)
① 寧得愚人無得小人 (むしろ、愚人を得るも小人を得ること無かれ)。
② 与其得小人寧得愚人 (その小人を得るよりは、むしろ愚人を得よ)。
③ 得小人不若得愚人 (小人を得るは愚人を得るにしかず)。
④ 与其得小人寧不若得愚人(その小人を得るよりは、むしろ愚人を得るにしかず)。
に於ける、「それぞれの印象」も、「同じ」ではない。
平成29年10月31日、毛利太。
2017年10月31日火曜日
2017年10月29日日曜日
「其与A寧不若B」は分りにくい。
(01)
① 寧為鶏口無為牛後=
① 寧為(鶏口)無〔為(牛後)〕⇒
① 寧(鶏口)為〔(牛後)為〕無=
① 寧ろ(鶏口と)為るも〔(牛後と)為る〕無かれ=
① むしろ、鶏口となるとしても、牛後となるな(十八史略)。
然るに、
(02)
② 為牛後不若為鶏口=
② 為(牛後)不[若〔為(鶏口)〕]⇒
② (牛後)為[〔(鶏口)為〕若]不=
② (牛後と)為るは[〔(鶏口と)為るに〕若か]不=
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない(作例)。
cf.
② 百聞は一見にしかず(漢書)。
然るに、
(03)
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない。
のであれば、
② 鶏口と為ることの方が、牛後となることより、好ましい。
(04)
② 鶏口と為ることの方が、牛後となることより、好ましい。
のであれば、
② 牛後となるより、鶏口となるべきである。
然るに、
(05)
むしろ①【《寧(ろ)】(副)①どちらか一つに決めければならない場合に、自分としては、まあその方を選ぶという判断・気持ちを表わす。
(三省堂、新明解 国語辞典、1991年、1258頁)
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない。
のであれば、
③ 牛後となるより、むしろ、鶏口となるべきである。
然るに、
(07)
③ 牛後となるより、むしろ、鶏口となるべきである。
といふのであれば、
① むしろ、鶏口となるとしても、牛後となるな(十八史略)。
といふ、ことになる。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① むしろ鶏口と為るも、牛後と為るなかれ。
② 牛後と為るは、鶏口と為るにしかず。
③ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るになるべきである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
② ご懸念には及びません(心配する必要はありません)。
といふ「例文」がさうであるやうに、
② にしかず=に及ばない(必要はない)。
従って、
(09)により、
(10)
② にしかず =必要はない。
に対して、
③ べきである=必要はない。
ではない。
従って、
(08)(10)により、
(11)
③ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るになるべきである。
④ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るにしかず(必要はない)。
に於いて、
③=④ ではない。
従って、
(11)により、
(12)
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(必要はない)。
に於いて、
③=④ ではない。
然るに、
(13)
⑤ 与其得小人寧不若得愚人=
⑤ 与〔其得(小人)〕寧不[若〔得(愚人)〕]=
⑤ 〔其(小人)得〕与寧[〔(愚人)得〕若]不=
⑤ 〔其の(小人を)得る〕与りは寧ろ[〔(愚人を)得るに〕若か]不(資治通鑑-周紀)=
⑤ 徳のないこざかしい小人を得るよりも、むしろ愚かでも徳のある愚人を得るほうがよい(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
従って、
(13)により、
(14)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口=
④ 与〔其為(牛後)〕寧不[若〔為(鶏口)〕]=
④ 〔其(牛後)為〕与寧[〔(鶏口)為〕若]不=
④ 〔其の(牛後と)為る〕与りは寧ろ[〔(鶏口と)為るに〕若か]不=
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(及ばない)。
であれば、
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)(14)により、
(15)
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(及ばない)。
に於いて、
③=④ ではなく、
尚且つ、
③=④ である。
といふ、ことになる。
従って、
(14)(15)により、
(16)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口⇒
④ 其の、 牛後と為る与りは、寧ろ、 鶏口と為るに若か不=
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(必要はない)。
といふ「訓読」は、「日本語」としては、「矛盾」する。
従って、
(13)(16)により、
(17)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口。
⑤ 与其得小人寧不若得愚人。
といふ「漢文」は、「分りにくい」。
然るに、
(18)
⑦ 喪与其易也、寧戚=
⑦ 喪与(其易)也、寧戚⇒
⑦ 喪(其易)与也、寧戚=
⑦ 喪は(其の易まらん)与りは、寧ろ戚め(論語、八佾)。
従って、
(18)により、
(19)
⑦ 人与其得小人寧得愚人=
⑦ 人与〔其得(小人)〕寧得(愚人)⇒
⑦ 人〔其(小人)得〕与寧(愚人)得=
⑦ 人は〔其の(小人を)得ん〕与りは寧ろ(愚人を)得よ。
といふ、
⑦「作例」が、可能である。
従って、
(08)(13)(19)により、
(20)
⑤ 与其得小人寧不若得愚人=其の小人を得るよりは、むしろ愚人を得るにしかず(愚人を得る方が良い)。
といふ「漢文」は、
⑥ 得小人不若得愚人 =小人を得るは、愚人を得るにしかず(愚人を得る方が良い)。
⑦ 人与其得小人寧得愚人 =人(について言へば、人)は、其の愚人を得るよりは、むしろ愚人を得よ(愚人を得る方が良い)。
といふ、「意味」になる。
従って、
(20)により、
(21)
⑤ 其与A寧不若B。
といふ「漢文」は、
⑥ A不若B =AはBにしかず。
⑦ C与其A寧B=Cは、其のAよりはBせよ。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(22)
⑤ 其与A寧不若B。
⑧ 其与A寧豈若B哉。
に於いて、
⑤ は、「否定」であって、
⑥ は、「反語」である。
然るに、
(23)
反語とは、表現されている内容と反対のことを意味する言い方で、多くは疑問形と同じ形であり、けっきょく、肯定している場合は否定に、否定している場合は肯定の内容になる。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、45頁、1973年)
従って、
(22)(23)により、
(24)
⑤ 其与A寧不若B。
⑧ 其与A寧豈若B哉。
に於いて、
⑤=⑧ である。
従って、
(24)により、
(25)
⑧ 与其従僻人之士也、豈若従僻世之士哉=
⑧ 与[其従〔僻(人)之士〕]也、豈若[従〔僻(世)之士〕]哉⇒
⑧ [其〔(人)僻之士〕従]与也、豈[〔(世)僻之士〕従]若哉⇒
⑧ [其の〔(人を)僻くるの士に〕従はん]与りは、豈に[〔(世を)僻くるの士に〕従ふに]若かんや(論語、微子)=
⑧ (立派な人に仕えたいと)人を選り好みする者に従うよりも、世間を逃れて生きる者に従がったほうがよかろう(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
は、「反語」である。
平成29年10月29日、毛利太 。
① 寧為鶏口無為牛後=
① 寧為(鶏口)無〔為(牛後)〕⇒
① 寧(鶏口)為〔(牛後)為〕無=
① 寧ろ(鶏口と)為るも〔(牛後と)為る〕無かれ=
① むしろ、鶏口となるとしても、牛後となるな(十八史略)。
然るに、
(02)
② 為牛後不若為鶏口=
② 為(牛後)不[若〔為(鶏口)〕]⇒
② (牛後)為[〔(鶏口)為〕若]不=
② (牛後と)為るは[〔(鶏口と)為るに〕若か]不=
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない(作例)。
cf.
② 百聞は一見にしかず(漢書)。
然るに、
(03)
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない。
のであれば、
② 鶏口と為ることの方が、牛後となることより、好ましい。
(04)
② 鶏口と為ることの方が、牛後となることより、好ましい。
のであれば、
② 牛後となるより、鶏口となるべきである。
然るに、
(05)
むしろ①【《寧(ろ)】(副)①どちらか一つに決めければならない場合に、自分としては、まあその方を選ぶという判断・気持ちを表わす。
(三省堂、新明解 国語辞典、1991年、1258頁)
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
② 牛後と為ることは、鶏口と為ることに及ばない。
のであれば、
③ 牛後となるより、むしろ、鶏口となるべきである。
然るに、
(07)
③ 牛後となるより、むしろ、鶏口となるべきである。
といふのであれば、
① むしろ、鶏口となるとしても、牛後となるな(十八史略)。
といふ、ことになる。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① むしろ鶏口と為るも、牛後と為るなかれ。
② 牛後と為るは、鶏口と為るにしかず。
③ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るになるべきである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
② ご懸念には及びません(心配する必要はありません)。
といふ「例文」がさうであるやうに、
② にしかず=に及ばない(必要はない)。
従って、
(09)により、
(10)
② にしかず =必要はない。
に対して、
③ べきである=必要はない。
ではない。
従って、
(08)(10)により、
(11)
③ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るになるべきである。
④ 牛後と為るよりは、むしろ、鶏口と為るにしかず(必要はない)。
に於いて、
③=④ ではない。
従って、
(11)により、
(12)
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(必要はない)。
に於いて、
③=④ ではない。
然るに、
(13)
⑤ 与其得小人寧不若得愚人=
⑤ 与〔其得(小人)〕寧不[若〔得(愚人)〕]=
⑤ 〔其(小人)得〕与寧[〔(愚人)得〕若]不=
⑤ 〔其の(小人を)得る〕与りは寧ろ[〔(愚人を)得るに〕若か]不(資治通鑑-周紀)=
⑤ 徳のないこざかしい小人を得るよりも、むしろ愚かでも徳のある愚人を得るほうがよい(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
従って、
(13)により、
(14)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口=
④ 与〔其為(牛後)〕寧不[若〔為(鶏口)〕]=
④ 〔其(牛後)為〕与寧[〔(鶏口)為〕若]不=
④ 〔其の(牛後と)為る〕与りは寧ろ[〔(鶏口と)為るに〕若か]不=
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(及ばない)。
であれば、
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)(14)により、
(15)
③ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るになるべきである。
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(及ばない)。
に於いて、
③=④ ではなく、
尚且つ、
③=④ である。
といふ、ことになる。
従って、
(14)(15)により、
(16)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口⇒
④ 其の、 牛後と為る与りは、寧ろ、 鶏口と為るに若か不=
④ その人が、牛後と為るよりは、むしろ、(その人は)鶏口と為るにしかず(必要はない)。
といふ「訓読」は、「日本語」としては、「矛盾」する。
従って、
(13)(16)により、
(17)
④ 与其為牛後寧不若為鶏口。
⑤ 与其得小人寧不若得愚人。
といふ「漢文」は、「分りにくい」。
然るに、
(18)
⑦ 喪与其易也、寧戚=
⑦ 喪与(其易)也、寧戚⇒
⑦ 喪(其易)与也、寧戚=
⑦ 喪は(其の易まらん)与りは、寧ろ戚め(論語、八佾)。
従って、
(18)により、
(19)
⑦ 人与其得小人寧得愚人=
⑦ 人与〔其得(小人)〕寧得(愚人)⇒
⑦ 人〔其(小人)得〕与寧(愚人)得=
⑦ 人は〔其の(小人を)得ん〕与りは寧ろ(愚人を)得よ。
といふ、
⑦「作例」が、可能である。
従って、
(08)(13)(19)により、
(20)
⑤ 与其得小人寧不若得愚人=其の小人を得るよりは、むしろ愚人を得るにしかず(愚人を得る方が良い)。
といふ「漢文」は、
⑥ 得小人不若得愚人 =小人を得るは、愚人を得るにしかず(愚人を得る方が良い)。
⑦ 人与其得小人寧得愚人 =人(について言へば、人)は、其の愚人を得るよりは、むしろ愚人を得よ(愚人を得る方が良い)。
といふ、「意味」になる。
従って、
(20)により、
(21)
⑤ 其与A寧不若B。
といふ「漢文」は、
⑥ A不若B =AはBにしかず。
⑦ C与其A寧B=Cは、其のAよりはBせよ。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(22)
⑤ 其与A寧不若B。
⑧ 其与A寧豈若B哉。
に於いて、
⑤ は、「否定」であって、
⑥ は、「反語」である。
然るに、
(23)
反語とは、表現されている内容と反対のことを意味する言い方で、多くは疑問形と同じ形であり、けっきょく、肯定している場合は否定に、否定している場合は肯定の内容になる。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、45頁、1973年)
従って、
(22)(23)により、
(24)
⑤ 其与A寧不若B。
⑧ 其与A寧豈若B哉。
に於いて、
⑤=⑧ である。
従って、
(24)により、
(25)
⑧ 与其従僻人之士也、豈若従僻世之士哉=
⑧ 与[其従〔僻(人)之士〕]也、豈若[従〔僻(世)之士〕]哉⇒
⑧ [其〔(人)僻之士〕従]与也、豈[〔(世)僻之士〕従]若哉⇒
⑧ [其の〔(人を)僻くるの士に〕従はん]与りは、豈に[〔(世を)僻くるの士に〕従ふに]若かんや(論語、微子)=
⑧ (立派な人に仕えたいと)人を選り好みする者に従うよりも、世間を逃れて生きる者に従がったほうがよかろう(教学者、風呂で覚える漢文、1998年、50頁)。
は、「反語」である。
平成29年10月29日、毛利太 。
2017年10月26日木曜日
「明日が晴れならば」の「~が」。
(01)
1 (1)P→Q A
2 (2)P&~Q A
2 (3)P 2&E
12 (4)Q 23MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6)Q&~Q 45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(02)
1 (1)~(P&~Q) A
2 (2)P A
3(3)~Q A
23(4)P&~Q 34&I
123(5)~(P&~Q)&(P&~Q) 14&I
12 (6)~~Q 35RAA
12 (7) Q 6DN
1 (8)P→Q 27CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P→ Q
② ~(P&~Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① PならばQである。
② PであってQない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
② PであってQでない。といふことはない。
といふ「命題」は、
② PであってQでない。
ならば、その時に限って、「偽(ウソ)」になる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① PならばQである。
といふ「命題」も、
① PであってQでない。
ならば、その時に限って、「偽(ウソ)」になる。
従って、
(06)により、
(07)
① PならばQである。
といふ「命題」は、
① Pでない。
といふ「場合」に関しては、「何も言ってゐない」。
然るに、
(08)
① P=明日は晴れである。
① Q=釣りに行く。
とする。
然るに、
(09)
今日は、「平成29年10月26日」であるが故に、
明日は、「平成29年10月27日」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①{27日}以外の、
③{28日、29日、30日、31日、1日}等に関しては、「何も言ってゐない」。
従って、
(10)により、
(11)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①(27日以外ではない所の)明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ、「意味」になる。
cf.
排他的命題(exclusive proposition)。
従って、
(11)により、
(12)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(13)
あのチャップリンが大往生。
のような場合、「あの」がついている以上、未知とはいえないという議論も有りうるが、むしろ既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。
(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、41頁)
然るに、
(14)
③ あのチャップリンが大往生。
の場合は、
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(14)により、
(15)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
③ あのチャップリンが大往生。
であれば、
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
といふ「意味」である。
然るに、
(16)
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
に対して、
①(他ならぬ)明日は晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンは大往生。
といふ「日本語」は、ない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 明日が晴れならば、
③ あのチャップリンが
に於ける、
① ~が
③ ~が
は、二つとも、
①(他ならぬ)
③(他ならぬ)
といふ「意味」を、「言外」に「表してゐる」と、すべきである。
平成29年10月26日、毛利太。
―「関連記事」―
AはBである=AならばBである(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_25.html)。
1 (1)P→Q A
2 (2)P&~Q A
2 (3)P 2&E
12 (4)Q 23MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6)Q&~Q 45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(02)
1 (1)~(P&~Q) A
2 (2)P A
3(3)~Q A
23(4)P&~Q 34&I
123(5)~(P&~Q)&(P&~Q) 14&I
12 (6)~~Q 35RAA
12 (7) Q 6DN
1 (8)P→Q 27CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P→ Q
② ~(P&~Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① PならばQである。
② PであってQない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
② PであってQでない。といふことはない。
といふ「命題」は、
② PであってQでない。
ならば、その時に限って、「偽(ウソ)」になる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① PならばQである。
といふ「命題」も、
① PであってQでない。
ならば、その時に限って、「偽(ウソ)」になる。
従って、
(06)により、
(07)
① PならばQである。
といふ「命題」は、
① Pでない。
といふ「場合」に関しては、「何も言ってゐない」。
然るに、
(08)
① P=明日は晴れである。
① Q=釣りに行く。
とする。
然るに、
(09)
今日は、「平成29年10月26日」であるが故に、
明日は、「平成29年10月27日」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①{27日}以外の、
③{28日、29日、30日、31日、1日}等に関しては、「何も言ってゐない」。
従って、
(10)により、
(11)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①(27日以外ではない所の)明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ、「意味」になる。
cf.
排他的命題(exclusive proposition)。
従って、
(11)により、
(12)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ「命題」は、
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(13)
あのチャップリンが大往生。
のような場合、「あの」がついている以上、未知とはいえないという議論も有りうるが、むしろ既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。
(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、41頁)
然るに、
(14)
③ あのチャップリンが大往生。
の場合は、
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(14)により、
(15)
① 明日が晴れならば、釣りに行く。
③ あのチャップリンが大往生。
であれば、
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
といふ「意味」である。
然るに、
(16)
①(他ならぬ)明日が晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンが大往生。
に対して、
①(他ならぬ)明日は晴れならば、釣りに行く。
③(他ならぬ)あのチャップリンは大往生。
といふ「日本語」は、ない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 明日が晴れならば、
③ あのチャップリンが
に於ける、
① ~が
③ ~が
は、二つとも、
①(他ならぬ)
③(他ならぬ)
といふ「意味」を、「言外」に「表してゐる」と、すべきである。
平成29年10月26日、毛利太。
―「関連記事」―
AはBである=AならばBである(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_25.html)。
2017年10月25日水曜日
AはBである=AならばBである。
(01)
① AはBなり(AはBである)。
に於いて、
① A は、「主語」であって、
① B は、「述語」である。
然るに、
(02)
なら なり・に なり なる なれ なれ
未然 連用 終止 連体 已然 命令
は、「断定の助動詞」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① AはBなり。
ではなく、
② AならばBなり。
の場合は、
② Aなら(未然形) は、「述語」であり、
② Bなり(終止形) も、「述語」である。
従って、
(03)により、
(04)
② AならばBである。
の場合は、
② 主語、主語。
がない。
従って、
(04)により、
(05)
② 中野区民ならば、東京都民である。
の場合は、
③(ある人が)中野区民ならば、(その人は)東京都民である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(06)
③(ある人が)中野区民ならば、(その人は)東京都民である。
といふことは、要するに、
① 中野区民は、東京都民である。
といふ、ことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 中野区民は、東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふことが、常にさうである。
といふことは、
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふ、ことである。
然るに、
(09)
④「xの変域」を「人」として、
④ 区民(x)=xは中野区民である。
④ 都民(x)=xは東京都民である。
とする。
従って、
(09)により、
(10)
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふ「言ひ方」は、
④ ∀x{区民(x)→ 都民(x)}
といふ、「述語論理」に、「対応」する。
然るに、
(11)
1 (1) ∀x{区民(x)→ 都民(x)} A
2 (2) ∃x{区民(x)& ~都民(x)} A
3(3) 区民(a)& ~都民(a) A
3(4) ~~{区民(a)& ~都民(a)} 3DN
3(5) ~{~区民(a)∨~~都民(a)} 4ド・モルガンの法則
3(6) ~{~区民(a)∨ 都民(a)} 5DN
3(7) ~{ 区民(a)→ 都民(a)} 6含意の定義
1 (8) 区民(a)→ 都民(a) 1UE
1 3(9) ~{区民(a)→ 都民(a)}&
{区民(a)→ 都民(a)} 78&I
3(α)~∀x{区民(x)→ 都民(x)} 19RAA
2 (β)~∀x{区民(x)→ 都民(x)} 23αEE
12 (γ)~∀x{区民(x)→ 都民(x)}&
∀x{区民(x)→ 都民(x)} 1β&I
1 (δ)~∃x{区民(x)& ~都民(x)} 2γRAA
(12)
1 (1)~∃x{区民(x)& ~都民(x)} A
2 (2) ~{区民(a)→ 都民(a)} A
2 (3) ~{~区民(a)∨ 都民(a)} 2含意の定義。
2 (4) ~~区民(a)& ~都民(a) ド・モルガンの法則
2 (5) 区民(a)& ~都民(a) 4DN
2 (6) ∃x{区民(x)& ~都民(x)} 5EI
12 (7)~∃x{区民(x)& ~都民(x)}&
∃x{区民(x)& ~都民(x)} 16&I
1 (8) ~~{区民(a)→ 都民(a)} 27RAA
1 (9) {区民(a)→ 都民(a)} 8DN
1 (α) ∀x{区民(x)→ 都民(x)} 9UI
従って、
(11)(12)により、
(13)
④ ∀x{区民(x)→ 都民(x)}
⑤ ~∃x{区民(x)&~都民(x)}
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(09)により、
(14)
⑤ ~∃x{区民(x)&~都民(x)}
といふ「述語論理」は、
⑤ 中野区民であって、東京都民でない人はゐない。
といふ「日本語」に相当する。
従って、
(07)~(14)により、
(15)
① 中野区民は、東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
⑤ 中野区民であって、東京都民でない人はゐない。
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
従って、
(15)により、
(16)
いづれにせよ、
① 中野区民は、 東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(16)により、
(17)
一般に、
① αはβである。
② αならばβである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
1 (1)α→β A
2 (2)α A
3(3)~β A
12 (4) β 12MPP
123(5)~β&β 34&I
1 3(6)~α 25RAA
1 (7)~β→~α 36CP
(19)
1 (1)~β→~α A
2 (2)~β A
3(3) α A
12 (4)~α 12MPP
123(5)α&~α 34&I
1 3(6)~~β 25RAA
1 3(7) β 6DN
1 (8)α→β 37CP
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
② αならば、 βである。: α→ β
③ βでないならば、αでない。:~β→~α
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(21)
③ βでないならば、αでない。
④ β以外は、 αでない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(17)(21)により、
(22)
① αは βである。
② αならばβである。
③ βでないならば、αでない。
④ β以外は、 αでない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
平成29年10月25日、毛利太。
―「関連記事」―
「が」と「強調形」と「排他的命題」と「WH移動(疑問文)」(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_23.html)。
① AはBなり(AはBである)。
に於いて、
① A は、「主語」であって、
① B は、「述語」である。
然るに、
(02)
なら なり・に なり なる なれ なれ
未然 連用 終止 連体 已然 命令
は、「断定の助動詞」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① AはBなり。
ではなく、
② AならばBなり。
の場合は、
② Aなら(未然形) は、「述語」であり、
② Bなり(終止形) も、「述語」である。
従って、
(03)により、
(04)
② AならばBである。
の場合は、
② 主語、主語。
がない。
従って、
(04)により、
(05)
② 中野区民ならば、東京都民である。
の場合は、
③(ある人が)中野区民ならば、(その人は)東京都民である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(06)
③(ある人が)中野区民ならば、(その人は)東京都民である。
といふことは、要するに、
① 中野区民は、東京都民である。
といふ、ことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 中野区民は、東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふことが、常にさうである。
といふことは、
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふ、ことである。
然るに、
(09)
④「xの変域」を「人」として、
④ 区民(x)=xは中野区民である。
④ 都民(x)=xは東京都民である。
とする。
従って、
(09)により、
(10)
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
といふ「言ひ方」は、
④ ∀x{区民(x)→ 都民(x)}
といふ、「述語論理」に、「対応」する。
然るに、
(11)
1 (1) ∀x{区民(x)→ 都民(x)} A
2 (2) ∃x{区民(x)& ~都民(x)} A
3(3) 区民(a)& ~都民(a) A
3(4) ~~{区民(a)& ~都民(a)} 3DN
3(5) ~{~区民(a)∨~~都民(a)} 4ド・モルガンの法則
3(6) ~{~区民(a)∨ 都民(a)} 5DN
3(7) ~{ 区民(a)→ 都民(a)} 6含意の定義
1 (8) 区民(a)→ 都民(a) 1UE
1 3(9) ~{区民(a)→ 都民(a)}&
{区民(a)→ 都民(a)} 78&I
3(α)~∀x{区民(x)→ 都民(x)} 19RAA
2 (β)~∀x{区民(x)→ 都民(x)} 23αEE
12 (γ)~∀x{区民(x)→ 都民(x)}&
∀x{区民(x)→ 都民(x)} 1β&I
1 (δ)~∃x{区民(x)& ~都民(x)} 2γRAA
(12)
1 (1)~∃x{区民(x)& ~都民(x)} A
2 (2) ~{区民(a)→ 都民(a)} A
2 (3) ~{~区民(a)∨ 都民(a)} 2含意の定義。
2 (4) ~~区民(a)& ~都民(a) ド・モルガンの法則
2 (5) 区民(a)& ~都民(a) 4DN
2 (6) ∃x{区民(x)& ~都民(x)} 5EI
12 (7)~∃x{区民(x)& ~都民(x)}&
∃x{区民(x)& ~都民(x)} 16&I
1 (8) ~~{区民(a)→ 都民(a)} 27RAA
1 (9) {区民(a)→ 都民(a)} 8DN
1 (α) ∀x{区民(x)→ 都民(x)} 9UI
従って、
(11)(12)により、
(13)
④ ∀x{区民(x)→ 都民(x)}
⑤ ~∃x{区民(x)&~都民(x)}
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(09)により、
(14)
⑤ ~∃x{区民(x)&~都民(x)}
といふ「述語論理」は、
⑤ 中野区民であって、東京都民でない人はゐない。
といふ「日本語」に相当する。
従って、
(07)~(14)により、
(15)
① 中野区民は、東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
③ ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
④ 全ての人に於いて、ある人が中野区民ならば、その人は東京都民である。
⑤ 中野区民であって、東京都民でない人はゐない。
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
従って、
(15)により、
(16)
いづれにせよ、
① 中野区民は、 東京都民である。
② 中野区民ならば、東京都民である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(16)により、
(17)
一般に、
① αはβである。
② αならばβである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
1 (1)α→β A
2 (2)α A
3(3)~β A
12 (4) β 12MPP
123(5)~β&β 34&I
1 3(6)~α 25RAA
1 (7)~β→~α 36CP
(19)
1 (1)~β→~α A
2 (2)~β A
3(3) α A
12 (4)~α 12MPP
123(5)α&~α 34&I
1 3(6)~~β 25RAA
1 3(7) β 6DN
1 (8)α→β 37CP
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
② αならば、 βである。: α→ β
③ βでないならば、αでない。:~β→~α
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(21)
③ βでないならば、αでない。
④ β以外は、 αでない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(17)(21)により、
(22)
① αは βである。
② αならばβである。
③ βでないならば、αでない。
④ β以外は、 αでない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
平成29年10月25日、毛利太。
―「関連記事」―
「が」と「強調形」と「排他的命題」と「WH移動(疑問文)」(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_23.html)。
2017年10月23日月曜日
「が」と「強調形」と「排他的命題」と「WH移動(疑問文)」。
(01)― 結論。―
(Ⅰ)「~は」には、「二通り」のそれが有る。
(Ⅱ)「~が」 は、「強調形」である。
(Ⅲ)「強調形」は、「排他的命題」を主張する。
(Ⅳ)「疑問詞」は、「疑問詞が」であって、「疑問詞は」ではない。
(Ⅴ)「漢文」では、「目的語」の「倒置」は、「強調形」である。
(Ⅵ)「英語」も亦、「目的語」の「倒置」は、「強調形」である。
(02)
① Tokyo is a city of Japan =
① Tokyo is[a‐city〔of(Japan)〕]⇒
① Tokyo [〔(Japan)of〕a‐cityl]is=
① 東京は[〔(日本)の〕都市]である。
(03)
② Tokyo is the capital of Japan =
② Tokyo is[the‐capital〔of(Japan)〕]⇒
② Tokyo [〔(Japan)of〕the‐capital]is=
② 東京は[〔(日本)の〕首都]である。
(04)
③ No other city but Tokyo is the capital of Japan =
③ No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
③ {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
③ {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 東京は日本の都市である(Tokyo is a city of Japan)。
② 東京は日本の首都である(Tokyo is the capital of Japan)。
③ 東京以外の他の都市は日本の首都ではない(No other city but Tokyo is the capital of Japan)。
に於いて、
① といふ「命題」は、「正しく」、
② といふ「命題」は、「正しく」、
③ といふ「命題」も、「正しい」。
然るに、
(06)
④ 東京以外の都市も、日本に在る限りは、日本の都市である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 東京は日本の都市である。
② 東京は日本の首都である。
といふ「日本語」は、
① 東京は(いくつか有る、日本の都市の)一つである。
② 東京は(一つだけ有る、日本の首都の)一つである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(07)により、
(08)
① 東京≠日本の都市
② 東京=日本の首都
である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 東京は日本の都市である(東京≠日本の都市)。
② 東京は日本の首都である(東京=日本の都市)。
である。
従って、
(09)により、
(10)
一般に、
① PはQである(P≠Q)。
② PはQである(P=Q)。
といふ、「二通り」がある。
然るに、
(11)
② P=Q ならば、その時に限って、
② P以外はQでない(PでないならばQでない)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① PはQである(P以外もQである)。
② PはQである(P以外はQでない)。
といふ、「二通り」がある。
然るに、
(13)
② P以外はQでない(PでないならばQでない)。
は、その「対偶(Contraposition)」である、
③ QならばPである(QはPである)。
に、「等しい」。
cf.
1 (1)~P→~Q A
2 (2)~P A
3(3) Q A
12 (4)~Q 12MPP
123(5)Q&~Q 34&I
1 3(6)~~P 25RAA
1 3(7) P 6DN
1 (8)Q→P 38CP
(9)(~P→~Q)→(Q→P)18CP
ア (ア)Q→P A
イ (イ)Q A
ウ(ウ)~P A
アイ (エ)P アイMPP
アイウ(オ)~P&P ウエ&I
ア ウ(カ)~Q イオRAA
ア (キ)~P→~Q ウカCP
(ク)(Q→P)→(~P→~Q)アキCP
従って、
(12)(13)により、
(14)
① PはQである(P以外もQである)。
② PはQである(P以外はQでない)。
③ PはQである(QはPである)。
に於いて、
①≠② であって、
②=③ である。
然るに。
(15)
① PはQである。
② PはQである。
③ PはQである。
に対して、
① P is Q.
② P is Q.
③ P is Q.
である。
従って、
(05)(14)(15)により、
(16)
① Tokyo is a city of Japan.
② Tokyo is the capital of Japan.
③ No other city but Tokyo is the capital of Japan.
がさうであるやうに、
① P is Q(P以外もQである).
② P is Q(P以外はQでない).
③ P is Q(QはPである).
でなければ、ならない。
然るに、
(17)
② P以外はQでない.
③ QはPである.
といふことを、「主張」する場合は、
② P is Q.
③ P is Q.
といふ「英語」に於いて、
② P は、「強く発音」される。はずである。
③ P は、「強く発音」される。はずである。
然るに、
(18)
② P以外はQでない.
③ QはPである.
といふことを、「主張」する場合、「日本語」では、
② PがQである。
③ PがQである。
といふ風に、言ふのであって、
② PはQである。
③ PはQである。
とは、言はない。
然るに、
(19)
① Pは
② Pが
に於いて、
①「は」は「清音」であって、
②「が」は「濁音」である。
然るに、
(20)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① Pは
② Pが
に於いて、
① の「心理的な音量」は、
② の「心理的な音量」よりも、「大きい」。
従って、
(21)により、
(22)
① Pは
に対する、
② Pが
③ Pが
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」である。
然るに、
(23)
Definition of exclusive proposition
:a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other “none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition
(Merriam-Webster since 1828)
従って、
(18)(23)により、
(24)
② PがQである(P以外はQでない)。
③ PがQである(QはPである)。
といふ「日本語」は、
②「排他的命題(exclusive proposition)」である。
③「排他的命題(exclusive proposition)」である。
従って、
(22)(24)により、
(25)
① Pは
に対する、
② Pが
③ Pが
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
② PがQである(P以外はQでない)。
③ PがQである(QはPである)。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(17)(25)により、
(26)
「英語」に於いても、「日本語」に於いても、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
然るに、
(27)
GA WITH QUESTION WORDS
When a question word such as "who" and "what" is the subject of a sentence, it is always followed by "ga," never by "wa." To answer the question, it also has to be followed by "ga."
Dare ga kimasu ka.
誰が来ますか。 Who is coming?
Yoko ga kimasu.
陽子が来ます。 Yoko is coming?
(by Namiko Abe.Updated August 23, 2017)
従って、
(27)により、
(28)
④ 誰は来ますか。
ではなく、
⑤ 誰が来ますか。
である。
然るに、
(29)
④ 少なくとも、陽子は来る。
といふ、のであれば、
④ 陽子は来ます。
であって、
⑤ 陽子以外は来ない。
といふ、のであれば、
⑤ 陽子が来ます。
である。
従って、
(25)(28)(29)により、
(30)
⑤ 誰が来ますか。
⑤ 陽子が来ます。
に於いて、
⑤ 誰が
⑤ 陽子が
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
⑤ 誰が来ますか。
⑤ 陽子が来ます。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(30)により、
(31)
⑤(教科の中では)何が好きですか。
⑤(教科の中では)化学が好きです。
に於いて、
⑤ 何が
⑤ 化学が
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
⑤ 何が好きですか。
⑤ 化学が好きです。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(31)により、
(32)
⑥ What subject do you like?
⑥ I like chemistry best.
といふ「英語」も、「排他的命題」であると、すべきである。
然るに、
(33)
[1]wh移動
意味を導くための深層構造が必要だという説明の時に、一番最初に取り上げられたのは疑問詞が文頭にある疑問文でした。主語はともかく、目的語が動詞の直後ではなく、動詞の前しかも文の先頭にあるという事実を説明するためには、目的語である疑問詞がちゃんと動詞の直後にある深層構造を設定すればよいわけです(町田健、チョムスキー入門、2006年、117頁)。
従って、
(32)(33)により、
(34)
⑥ I like chemistry.
といふ「語順」からすれば、
⑥ What do you like?
といふ「語順」は、
⑥ Do you like what?
でなければ、ならない。
然るに、
(35)
普通「aをbする」というときは「ba」の語順になる。從って「aを事とす」は「事a」となるべきだが、「a」にあたる語が「何」「誰」などの「疑問代名詞」であるときは、例外もあるけれども、一般的にいって、その語順が轉倒し「何事」となる(岩波全書、漢文入門、1957年、23頁)。
従って、
(34)(35)により、
(36)
⑥ I like chemistry.
⑦ 我誉彼(我、彼を誉めん)。
といふ「語順」からすれば、
⑥ What do you like?
⑦ 我誰誉(我、誰をか誉めん)。
といふ「語順」は、
⑥ Do you like what?
⑦ 我誉誰(我、誰をか誉めん)。
でなければ、ならない。
然るに、
(37)
前置による強調
動詞についての目的語は、その動詞の後に置かれるのが、漢語における基本構造としての単語の配列のしかたである。また、漢語における介詞は、ほとんど、動詞から発達したものであって、その目的語も、その介詞の後に置かれるのが、通則であるということができる。しかし、古代
漢語においては、それらの目的語が疑問詞である場合には、いずれも、その動詞・介詞の前におかれている。このように、漢語としての通常の
語順を変えて、目的語の疑問詞を前置することは、疑問文において、その疑問の中心になっている疑問詞を、特に強調したものにちがいない。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、334・5頁)
従って、
(36)(37)により、
(38)
「漢文」の場合、
⑦ 誉彼(彼を誉めん)。
に対する、
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ、
⑦「目的語」の「前置(倒置)形」は、「目的語」を、「強調」する。
然るに、
(39)
⑦ 誰かを誉める。
といふことは、
⑦ 誰かが誉められ、その誰か以外は、誉められない。
といふ、ことである。
従って、
(38)(39)により、
(40)
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ、
⑦「目的語」の「倒置(前置)形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦ 誰誉(論語、衛霊公)。
といふ「漢文」は、「排他的命題」である。
然るに、
(41)
まずは、「目的語」を強調したいときの例を見ていきましょう。
以下は、通常の文の形です。
I like chemistry, but I don’t like biology.
「化学は好きだけど、生物は好きじゃない。」という内容の文。
では、この文の「目的語」を強調してみます。
Chemistry I like, but biology I don’t like.
(化学は好きだけど、生物は好きじゃない。)
(Webサイト:英語の倒置法の使い方!強調・否定・仮定を例文付きでズバッと解説!)
cf.
生物=化学以外。
従って、
(24)(41)により、
(42)
⑥ I like chemistry.
に対する、
⑦ Chemistry I like.
といふ、
⑦「目的語」の「倒置形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦ Chemistry I like.
といふ「英文」は、「排他的命題」である。
従って、
(31)(40)(42)により、
(43)
⑦ Whom do I praise(誰をか誉めん)?
⑦ Who is to be praised(誰が誉められのですか)?
といふ「英文」であっても、
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ「漢文」がさうであるやうに、
⑦「目的語」の「倒置形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦「強調形」は「排他的命題」を「主張」する。といふ風に、「理解」するべきである。
従って、
(33)(43)により、
(44)
⑦ 誰誉。
⑦ Whom do I praise?
といふ「語順(Wh移動)」を、考へる上で、チョムスキーが言ふ所の、「深層構造(Deep structure)」は、「不要」である。
平成29年10月23日、毛利太。
―「関連記事」―
AはBである=AならばBである(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_25.html)。
(Ⅰ)「~は」には、「二通り」のそれが有る。
(Ⅱ)「~が」 は、「強調形」である。
(Ⅲ)「強調形」は、「排他的命題」を主張する。
(Ⅳ)「疑問詞」は、「疑問詞が」であって、「疑問詞は」ではない。
(Ⅴ)「漢文」では、「目的語」の「倒置」は、「強調形」である。
(Ⅵ)「英語」も亦、「目的語」の「倒置」は、「強調形」である。
(02)
① Tokyo is a city of Japan =
① Tokyo is[a‐city〔of(Japan)〕]⇒
① Tokyo [〔(Japan)of〕a‐cityl]is=
① 東京は[〔(日本)の〕都市]である。
(03)
② Tokyo is the capital of Japan =
② Tokyo is[the‐capital〔of(Japan)〕]⇒
② Tokyo [〔(Japan)of〕the‐capital]is=
② 東京は[〔(日本)の〕首都]である。
(04)
③ No other city but Tokyo is the capital of Japan =
③ No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
③ {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
③ {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 東京は日本の都市である(Tokyo is a city of Japan)。
② 東京は日本の首都である(Tokyo is the capital of Japan)。
③ 東京以外の他の都市は日本の首都ではない(No other city but Tokyo is the capital of Japan)。
に於いて、
① といふ「命題」は、「正しく」、
② といふ「命題」は、「正しく」、
③ といふ「命題」も、「正しい」。
然るに、
(06)
④ 東京以外の都市も、日本に在る限りは、日本の都市である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 東京は日本の都市である。
② 東京は日本の首都である。
といふ「日本語」は、
① 東京は(いくつか有る、日本の都市の)一つである。
② 東京は(一つだけ有る、日本の首都の)一つである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(07)により、
(08)
① 東京≠日本の都市
② 東京=日本の首都
である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 東京は日本の都市である(東京≠日本の都市)。
② 東京は日本の首都である(東京=日本の都市)。
である。
従って、
(09)により、
(10)
一般に、
① PはQである(P≠Q)。
② PはQである(P=Q)。
といふ、「二通り」がある。
然るに、
(11)
② P=Q ならば、その時に限って、
② P以外はQでない(PでないならばQでない)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① PはQである(P以外もQである)。
② PはQである(P以外はQでない)。
といふ、「二通り」がある。
然るに、
(13)
② P以外はQでない(PでないならばQでない)。
は、その「対偶(Contraposition)」である、
③ QならばPである(QはPである)。
に、「等しい」。
cf.
1 (1)~P→~Q A
2 (2)~P A
3(3) Q A
12 (4)~Q 12MPP
123(5)Q&~Q 34&I
1 3(6)~~P 25RAA
1 3(7) P 6DN
1 (8)Q→P 38CP
(9)(~P→~Q)→(Q→P)18CP
ア (ア)Q→P A
イ (イ)Q A
ウ(ウ)~P A
アイ (エ)P アイMPP
アイウ(オ)~P&P ウエ&I
ア ウ(カ)~Q イオRAA
ア (キ)~P→~Q ウカCP
(ク)(Q→P)→(~P→~Q)アキCP
従って、
(12)(13)により、
(14)
① PはQである(P以外もQである)。
② PはQである(P以外はQでない)。
③ PはQである(QはPである)。
に於いて、
①≠② であって、
②=③ である。
然るに。
(15)
① PはQである。
② PはQである。
③ PはQである。
に対して、
① P is Q.
② P is Q.
③ P is Q.
である。
従って、
(05)(14)(15)により、
(16)
① Tokyo is a city of Japan.
② Tokyo is the capital of Japan.
③ No other city but Tokyo is the capital of Japan.
がさうであるやうに、
① P is Q(P以外もQである).
② P is Q(P以外はQでない).
③ P is Q(QはPである).
でなければ、ならない。
然るに、
(17)
② P以外はQでない.
③ QはPである.
といふことを、「主張」する場合は、
② P is Q.
③ P is Q.
といふ「英語」に於いて、
② P は、「強く発音」される。はずである。
③ P は、「強く発音」される。はずである。
然るに、
(18)
② P以外はQでない.
③ QはPである.
といふことを、「主張」する場合、「日本語」では、
② PがQである。
③ PがQである。
といふ風に、言ふのであって、
② PはQである。
③ PはQである。
とは、言はない。
然るに、
(19)
① Pは
② Pが
に於いて、
①「は」は「清音」であって、
②「が」は「濁音」である。
然るに、
(20)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① Pは
② Pが
に於いて、
① の「心理的な音量」は、
② の「心理的な音量」よりも、「大きい」。
従って、
(21)により、
(22)
① Pは
に対する、
② Pが
③ Pが
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」である。
然るに、
(23)
Definition of exclusive proposition
:a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other “none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition
(Merriam-Webster since 1828)
従って、
(18)(23)により、
(24)
② PがQである(P以外はQでない)。
③ PがQである(QはPである)。
といふ「日本語」は、
②「排他的命題(exclusive proposition)」である。
③「排他的命題(exclusive proposition)」である。
従って、
(22)(24)により、
(25)
① Pは
に対する、
② Pが
③ Pが
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
② PがQである(P以外はQでない)。
③ PがQである(QはPである)。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(17)(25)により、
(26)
「英語」に於いても、「日本語」に於いても、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
然るに、
(27)
GA WITH QUESTION WORDS
When a question word such as "who" and "what" is the subject of a sentence, it is always followed by "ga," never by "wa." To answer the question, it also has to be followed by "ga."
Dare ga kimasu ka.
誰が来ますか。 Who is coming?
Yoko ga kimasu.
陽子が来ます。 Yoko is coming?
(by Namiko Abe.Updated August 23, 2017)
従って、
(27)により、
(28)
④ 誰は来ますか。
ではなく、
⑤ 誰が来ますか。
である。
然るに、
(29)
④ 少なくとも、陽子は来る。
といふ、のであれば、
④ 陽子は来ます。
であって、
⑤ 陽子以外は来ない。
といふ、のであれば、
⑤ 陽子が来ます。
である。
従って、
(25)(28)(29)により、
(30)
⑤ 誰が来ますか。
⑤ 陽子が来ます。
に於いて、
⑤ 誰が
⑤ 陽子が
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
⑤ 誰が来ますか。
⑤ 陽子が来ます。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(30)により、
(31)
⑤(教科の中では)何が好きですか。
⑤(教科の中では)化学が好きです。
に於いて、
⑤ 何が
⑤ 化学が
といふ「日本語」は、「(濁音による)強調形」であって、尚且つ、
⑤ 何が好きですか。
⑤ 化学が好きです。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
従って、
(31)により、
(32)
⑥ What subject do you like?
⑥ I like chemistry best.
といふ「英語」も、「排他的命題」であると、すべきである。
然るに、
(33)
[1]wh移動
意味を導くための深層構造が必要だという説明の時に、一番最初に取り上げられたのは疑問詞が文頭にある疑問文でした。主語はともかく、目的語が動詞の直後ではなく、動詞の前しかも文の先頭にあるという事実を説明するためには、目的語である疑問詞がちゃんと動詞の直後にある深層構造を設定すればよいわけです(町田健、チョムスキー入門、2006年、117頁)。
従って、
(32)(33)により、
(34)
⑥ I like chemistry.
といふ「語順」からすれば、
⑥ What do you like?
といふ「語順」は、
⑥ Do you like what?
でなければ、ならない。
然るに、
(35)
普通「aをbする」というときは「ba」の語順になる。從って「aを事とす」は「事a」となるべきだが、「a」にあたる語が「何」「誰」などの「疑問代名詞」であるときは、例外もあるけれども、一般的にいって、その語順が轉倒し「何事」となる(岩波全書、漢文入門、1957年、23頁)。
従って、
(34)(35)により、
(36)
⑥ I like chemistry.
⑦ 我誉彼(我、彼を誉めん)。
といふ「語順」からすれば、
⑥ What do you like?
⑦ 我誰誉(我、誰をか誉めん)。
といふ「語順」は、
⑥ Do you like what?
⑦ 我誉誰(我、誰をか誉めん)。
でなければ、ならない。
然るに、
(37)
前置による強調
動詞についての目的語は、その動詞の後に置かれるのが、漢語における基本構造としての単語の配列のしかたである。また、漢語における介詞は、ほとんど、動詞から発達したものであって、その目的語も、その介詞の後に置かれるのが、通則であるということができる。しかし、古代
漢語においては、それらの目的語が疑問詞である場合には、いずれも、その動詞・介詞の前におかれている。このように、漢語としての通常の
語順を変えて、目的語の疑問詞を前置することは、疑問文において、その疑問の中心になっている疑問詞を、特に強調したものにちがいない。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、334・5頁)
従って、
(36)(37)により、
(38)
「漢文」の場合、
⑦ 誉彼(彼を誉めん)。
に対する、
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ、
⑦「目的語」の「前置(倒置)形」は、「目的語」を、「強調」する。
然るに、
(39)
⑦ 誰かを誉める。
といふことは、
⑦ 誰かが誉められ、その誰か以外は、誉められない。
といふ、ことである。
従って、
(38)(39)により、
(40)
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ、
⑦「目的語」の「倒置(前置)形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦ 誰誉(論語、衛霊公)。
といふ「漢文」は、「排他的命題」である。
然るに、
(41)
まずは、「目的語」を強調したいときの例を見ていきましょう。
以下は、通常の文の形です。
I like chemistry, but I don’t like biology.
「化学は好きだけど、生物は好きじゃない。」という内容の文。
では、この文の「目的語」を強調してみます。
Chemistry I like, but biology I don’t like.
(化学は好きだけど、生物は好きじゃない。)
(Webサイト:英語の倒置法の使い方!強調・否定・仮定を例文付きでズバッと解説!)
cf.
生物=化学以外。
従って、
(24)(41)により、
(42)
⑥ I like chemistry.
に対する、
⑦ Chemistry I like.
といふ、
⑦「目的語」の「倒置形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦ Chemistry I like.
といふ「英文」は、「排他的命題」である。
従って、
(31)(40)(42)により、
(43)
⑦ Whom do I praise(誰をか誉めん)?
⑦ Who is to be praised(誰が誉められのですか)?
といふ「英文」であっても、
⑦ 誰誉(誰をか誉めん)。
といふ「漢文」がさうであるやうに、
⑦「目的語」の「倒置形」は、「目的語」を、「強調」し、尚且つ、
⑦「強調形」は「排他的命題」を「主張」する。といふ風に、「理解」するべきである。
従って、
(33)(43)により、
(44)
⑦ 誰誉。
⑦ Whom do I praise?
といふ「語順(Wh移動)」を、考へる上で、チョムスキーが言ふ所の、「深層構造(Deep structure)」は、「不要」である。
平成29年10月23日、毛利太。
―「関連記事」―
AはBである=AならばBである(https://kannbunn.blogspot.com/2017/10/blog-post_25.html)。
2017年10月20日金曜日
お爺さんが、川へ洗濯に行きました。
(01)
「平成29年10月20日(今日)の記事」に書いた通り、
① AはBである。
② AがBである。
に於いて、
①「Aは」に対する、
②「Aが」は、「濁音による、強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
すなはち、
(02)
① AはBである=AはBである。
であるのに対して、
② AがBである=AはBであって、A以外はBでない。
である。
従って、
(02)により、
(03)
② お爺さんとお婆さんがゐました。
といふのであれば、
② お爺さんとお婆さんはゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふ、「意味」にある。
然るに、
(04)
例へば、
② 西暦2017年10月20日の、地球上には、お爺さんとお婆さん以外も、住んでゐる。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② お爺さんとお婆さんは住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふのであれば、
②「西暦xxxx年の、ある場所」に、
② お爺さんとお婆さんは住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふ、ことになる。
従って、
(05)により、
(06)
② お爺さんとお婆さんが住んでゐました。
といふのであれば、
②(昔、ある所に、)お爺さんとお婆さんが住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外は住んでゐませんでした)。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(07)
② The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
であれば、「桃太郎の話」の「通り」であるが、
③ The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であれば、「桃太郎の話」とは「逆」である。
従って、
(07)により、
(08)
② Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
ではなく、
③ Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、
③「桃太郎の話」とは「逆」に、
③ 山へ芝刈りに行ったのは、お婆さんであって、
③ 川へ洗濯しに行ったのが、お爺さんである。
といふことを、「確認」する「必要」がある。
然るに、
(09)
③ (お爺さんではなく)お婆さんが、山へ芝刈りに行った。
③ (お婆さんではなく)お爺さんが、川へ洗濯に行った。
といふことは、
③ お婆さんは山へ芝刈りに行った(が、二人の内の、お婆さん以外は行かなかった)。
③ お爺さんは川へ洗濯に行った(が、二人の内の、お爺さん以外は行かなかった)。
といふことに、他ならない。
従って、
(02)(08)(09)により、
(10)
③ The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、その場合は、
② お婆さんは、山へ芝刈りに、お爺さんは、川へ洗濯に行きました。
ではなく、
③ お婆さんが、山へ芝刈りに、お爺さんが、川へ洗濯に行きました。
といふ風に、書くことになる。
従って、
(08)(10)により、
(11)
② Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
③ Long,long ago there lived an old woman and an old man.The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐて、(「桃太郎の話」の通り、)お爺さんは、山へ芝刈りに、お婆さんは、川へ洗濯に行きました。
③ 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐて、(「桃太郎の話」とは逆に)お婆さんが、山へ芝刈りに、お爺さんが、川へ洗濯に行きました。
といふ、ことになる。
従って、
(11)により、
(12)
「が」は未知のものを受け、「は」は既知のものを受ける。例えば、「むか~し昔、あるところに、おじいさんとおばあさんガいました」と言ったとき、このおじいさんとおばあさんは、突然登場した未知の人です。でも、「おじいさんハ山へ芝刈りに、おばあさんハ川へ洗濯に行きました」と続けた時、このおじいさんとおばあさんは、名前は知らないけど、既に出てきた既知の人です(Webサイト:助詞の「は」は既知、「が」は未知を意味する!?)。
といふことには、ならない。
平成29年10月20日、毛利太。
「平成29年10月20日(今日)の記事」に書いた通り、
① AはBである。
② AがBである。
に於いて、
①「Aは」に対する、
②「Aが」は、「濁音による、強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
すなはち、
(02)
① AはBである=AはBである。
であるのに対して、
② AがBである=AはBであって、A以外はBでない。
である。
従って、
(02)により、
(03)
② お爺さんとお婆さんがゐました。
といふのであれば、
② お爺さんとお婆さんはゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふ、「意味」にある。
然るに、
(04)
例へば、
② 西暦2017年10月20日の、地球上には、お爺さんとお婆さん以外も、住んでゐる。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② お爺さんとお婆さんは住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふのであれば、
②「西暦xxxx年の、ある場所」に、
② お爺さんとお婆さんは住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外はゐませんでした)。
といふ、ことになる。
従って、
(05)により、
(06)
② お爺さんとお婆さんが住んでゐました。
といふのであれば、
②(昔、ある所に、)お爺さんとお婆さんが住んでゐました(が、お爺さんとお婆さん以外は住んでゐませんでした)。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(07)
② The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
であれば、「桃太郎の話」の「通り」であるが、
③ The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であれば、「桃太郎の話」とは「逆」である。
従って、
(07)により、
(08)
② Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
ではなく、
③ Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、
③「桃太郎の話」とは「逆」に、
③ 山へ芝刈りに行ったのは、お婆さんであって、
③ 川へ洗濯しに行ったのが、お爺さんである。
といふことを、「確認」する「必要」がある。
然るに、
(09)
③ (お爺さんではなく)お婆さんが、山へ芝刈りに行った。
③ (お婆さんではなく)お爺さんが、川へ洗濯に行った。
といふことは、
③ お婆さんは山へ芝刈りに行った(が、二人の内の、お婆さん以外は行かなかった)。
③ お爺さんは川へ洗濯に行った(が、二人の内の、お爺さん以外は行かなかった)。
といふことに、他ならない。
従って、
(02)(08)(09)により、
(10)
③ The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、その場合は、
② お婆さんは、山へ芝刈りに、お爺さんは、川へ洗濯に行きました。
ではなく、
③ お婆さんが、山へ芝刈りに、お爺さんが、川へ洗濯に行きました。
といふ風に、書くことになる。
従って、
(08)(10)により、
(11)
② Long,long ago there lived an old man and an old woman.The old man went to the mountain to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
③ Long,long ago there lived an old woman and an old man.The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であるならば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐて、(「桃太郎の話」の通り、)お爺さんは、山へ芝刈りに、お婆さんは、川へ洗濯に行きました。
③ 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐて、(「桃太郎の話」とは逆に)お婆さんが、山へ芝刈りに、お爺さんが、川へ洗濯に行きました。
といふ、ことになる。
従って、
(11)により、
(12)
「が」は未知のものを受け、「は」は既知のものを受ける。例えば、「むか~し昔、あるところに、おじいさんとおばあさんガいました」と言ったとき、このおじいさんとおばあさんは、突然登場した未知の人です。でも、「おじいさんハ山へ芝刈りに、おばあさんハ川へ洗濯に行きました」と続けた時、このおじいさんとおばあさんは、名前は知らないけど、既に出てきた既知の人です(Webサイト:助詞の「は」は既知、「が」は未知を意味する!?)。
といふことには、ならない。
平成29年10月20日、毛利太。
「は」と「が」。TOKYO is the capital of Japan.
(01)
① Tokyo is the capital of Japan =
① Tokyo is[the‐capital〔of(Japan)〕]⇒
① Tokyo [〔(Japan)of〕the‐capital]is=
① 東京は[〔(日本)の〕首都]である。
(02)
② No other city but Tokyo is the capital of Japan =
② No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
② {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
② {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
然るに、
(03)
ただ単に、
① Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「述べる」のではなく、
② No other city but Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「主張」する場合は、
② Tokyo を、「強く発音(強調)」するはずである。
然るに、
(04)
① 東京は日本の首都である。
② 東京が日本の首都である。
に於いて、
①「は」は、「清音」であって、
②「が」は、「濁音」である。
然るに、
(05)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
(06)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① 東京は
② 東京が
に於いて、
② は、①に対する、「濁音」による「強調形」である。
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
ただ単に、
① Tokyo is capital of Japan.
といふことを、「述べる」のではなく、
② No other city but Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「主張」する場合は、
① 東京は日本の首都である。
とは、言はずに、
② 東京が日本の首都である。
と、言ふことになる。
然るに、
(09)
② 東京以外の他の都市は、日本の首都ではない。
といふことは、
② 東京は日本の首都であって、日本の首都は東京である。
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② 日本の首都は東京である。
といふことを、「主張」する場合は、
① 東京は日本の首都である。
とは、言はずに、
② 東京が日本の首都である。
と、言ふことになる。
従って、
(10)により、
(11)
③ AはBを統治する。
に対して、
④ AがBを統治する。
の場合は、
④「統治」するのは、Aであって、A以外ではない。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
に対して、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
の場合は、
④「統治」するのは、「大日本帝国」であって、「大日本帝国」以外ではない。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)により、
(13)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
とするならば、
④ 大日本帝国が、「統治す」といふ「動詞」の「主語」になる。
従って、
(13)により、
(14)
③ 万世一系の天皇を、「統治す」といふ「動詞」の「主語」とするためには、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
といふ風に、書くことは、出来ない。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
③ 万世一系の天皇を、「統治す」といふ「動詞」の「主語」とするためには、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
といふ風に、書かざるを得ない。
cf.
大日本帝国憲法
第1章 天皇
第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
従って、
(13)(15)により、
(16)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「大日本帝国は」は、「主語」ではなく、
④「大日本帝国が」は、「主語」である。
然るに、
(17)
Roughly speaking, "wa" is a topic marker, and "ga" is a subject marker(by Namiko AbeUpdated August 23, 2017).
従って、
(16)(17)により、
(18)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「は」は、「主語の目印(a subject marke)」ではなく、
④「が」は、「主語の目印(a subject marke)」である。
とすることは、「結果」に於いて、「正しい」。
従って、
(17)(18)により、
(19)
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
である「理由」を、「質問」された際に、
④「が」は、「主語の目印(a subject marker)」であるものの、この場合、
③ 大日本帝国者万世一系之天皇所統治也(大日本帝国は万世一系の天皇の統治する所なり)。
といふことからすれば、
③「大日本帝国」は、「主語」ではあり得ないからである。
といふ風に「説明」することは、「結果」に於いて、「正しい」。
(20)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「は」は、「主語の目印(a subject marke)」ではなく、
④「が」は、「主語の目印(a subject marke)」である「理由」を、「質問」された場合は、「(01)~(16)」のやうに、「説明」することになる。
然るに、
(21)
Definition of exclusive proposition
:a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other “none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition
(Merriam-Webster since 1828)
従って、
(01)(21)により、
(22)
② No other city but Tokyo is the capital of Japan =
② No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
② {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
② {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
は、「排他的命題(exclusive proposition)」である。
従って、
(04)~(09)、(22)により、
(23)
① AはBである(Bする)。
② AがBである(Bする)。
に於いて、
①「Aは」に対する、
②「Aが」は、「濁音による、強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
平成29年10月20日、毛利太。
① Tokyo is the capital of Japan =
① Tokyo is[the‐capital〔of(Japan)〕]⇒
① Tokyo [〔(Japan)of〕the‐capital]is=
① 東京は[〔(日本)の〕首都]である。
(02)
② No other city but Tokyo is the capital of Japan =
② No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
② {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
② {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
然るに、
(03)
ただ単に、
① Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「述べる」のではなく、
② No other city but Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「主張」する場合は、
② Tokyo を、「強く発音(強調)」するはずである。
然るに、
(04)
① 東京は日本の首都である。
② 東京が日本の首都である。
に於いて、
①「は」は、「清音」であって、
②「が」は、「濁音」である。
然るに、
(05)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
(06)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① 東京は
② 東京が
に於いて、
② は、①に対する、「濁音」による「強調形」である。
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
ただ単に、
① Tokyo is capital of Japan.
といふことを、「述べる」のではなく、
② No other city but Tokyo is the capital of Japan.
といふことを、「主張」する場合は、
① 東京は日本の首都である。
とは、言はずに、
② 東京が日本の首都である。
と、言ふことになる。
然るに、
(09)
② 東京以外の他の都市は、日本の首都ではない。
といふことは、
② 東京は日本の首都であって、日本の首都は東京である。
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② 日本の首都は東京である。
といふことを、「主張」する場合は、
① 東京は日本の首都である。
とは、言はずに、
② 東京が日本の首都である。
と、言ふことになる。
従って、
(10)により、
(11)
③ AはBを統治する。
に対して、
④ AがBを統治する。
の場合は、
④「統治」するのは、Aであって、A以外ではない。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
に対して、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
の場合は、
④「統治」するのは、「大日本帝国」であって、「大日本帝国」以外ではない。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)により、
(13)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
とするならば、
④ 大日本帝国が、「統治す」といふ「動詞」の「主語」になる。
従って、
(13)により、
(14)
③ 万世一系の天皇を、「統治す」といふ「動詞」の「主語」とするためには、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
といふ風に、書くことは、出来ない。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
③ 万世一系の天皇を、「統治す」といふ「動詞」の「主語」とするためには、
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
といふ風に、書かざるを得ない。
cf.
大日本帝国憲法
第1章 天皇
第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス
従って、
(13)(15)により、
(16)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「大日本帝国は」は、「主語」ではなく、
④「大日本帝国が」は、「主語」である。
然るに、
(17)
Roughly speaking, "wa" is a topic marker, and "ga" is a subject marker(by Namiko AbeUpdated August 23, 2017).
従って、
(16)(17)により、
(18)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「は」は、「主語の目印(a subject marke)」ではなく、
④「が」は、「主語の目印(a subject marke)」である。
とすることは、「結果」に於いて、「正しい」。
従って、
(17)(18)により、
(19)
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
ではなく、
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
である「理由」を、「質問」された際に、
④「が」は、「主語の目印(a subject marker)」であるものの、この場合、
③ 大日本帝国者万世一系之天皇所統治也(大日本帝国は万世一系の天皇の統治する所なり)。
といふことからすれば、
③「大日本帝国」は、「主語」ではあり得ないからである。
といふ風に「説明」することは、「結果」に於いて、「正しい」。
(20)
③ 大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す。
④ 大日本帝国が、万世一系の天皇、これを統治す。
に於いて、
③「は」は、「主語の目印(a subject marke)」ではなく、
④「が」は、「主語の目印(a subject marke)」である「理由」を、「質問」された場合は、「(01)~(16)」のやうに、「説明」することになる。
然るに、
(21)
Definition of exclusive proposition
:a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other “none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition
(Merriam-Webster since 1828)
従って、
(01)(21)により、
(22)
② No other city but Tokyo is the capital of Japan =
② No{other‐city〔but(Tokyo)〕is[the‐capital〔of(Japan)〕]}⇒
② {〔(Tokyo)but〕other‐city[〔(Japan)of〕the‐capital]is}No=
② {〔(東京)以外の〕他の都市は[〔(日本)の〕首都]では}ない。
は、「排他的命題(exclusive proposition)」である。
従って、
(04)~(09)、(22)により、
(23)
① AはBである(Bする)。
② AがBである(Bする)。
に於いて、
①「Aは」に対する、
②「Aが」は、「濁音による、強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
平成29年10月20日、毛利太。
2017年10月19日木曜日
主語は・目的語は・トピックは
(01)
馬 引きて、童 帰りぬ。
馬を引いて、少年が帰った。
馬を引いて、少年は帰った。
のやうに、「古文」の場合は、「を・は・が」を、「省略」することがある。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、5頁を参照)
然るに、
(02)
「古文」ではなく、
「訓読」であれば、
「馬を引きて」であって、
「馬 引きて」ではない。
(03)
① 玉琢か_ざれば=玉を琢かなければ
であれば、
① 玉=玉を
であるが、
① 玉琢かれざれば=玉は琢かれなければ
であれば、
① 玉=玉は
である。
(04)
② 吾が道 =私の道。
② 吾が欲する所=私が好きなもの。
② 有子が曰く =有子が言ふこと。
に於いて、
②「~が」は、「名詞」を「修飾」し、
② 火の滅するが如し =火が消えるときのやうである。
② 日月の食するが如し =日食や月食のやうである。
② 嵩山の五獄に於けるが如し=五獄に於ける嵩山のやうである。
に於いて、
②「~が」は、「如し」の前に在る。
然るに、
(05)
②「~が」が、「名詞」を「修飾」し、
②「~が」が、「如し」の前に在る場合以外に、
②「~が」といふ「言ひ方」は、「訓読」には無い(はずである)。
然るに、
(06)
【1】[が][の]
② 連体修飾語を作る。〈・・・・・ノ〉
【20】[ごとし]
接続「体言+の」に付く。また活用語の「連体形+が」に付く。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、143・154頁改)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
「古文や訓読」に於ける「~が」は、「~の」と同じく、「My」のやうな「所有格」であって、「I」のやうな「主格」ではない。
(08)
③ 孔子、楚より帰る。
に対して、
③ 孔子は楚より帰る。
③ 孔子が楚より帰る。
といふ「言ひ方」は、「訓読」には無い。
(09)
④ 孔子は聖人なり。
に対して、
④ 孔子が聖人なり。
④ 孔子、聖人なり。
といふ「訓読」は、「訓読」には無い。
cf.
④ 孔子が聖人なり=聖人は孔子なり=孔子以外は聖人ではない。
(10)
⑤ 君子不器=
⑤ 君子不(器)⇒
⑤ 君子(器)不=
⑤ 君子は(器なら)ず=
⑤ 君子は、器とは異なり、その働きは自由である。
に於いて、
⑤「君子は」は、「主語」である。
(11)
⑥ 君子不以其所以養人者害人=
⑥ 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
⑥ 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不=
⑥ 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}不=
⑥ 君子は、彼自身が、人々を養ふための手段とするモノ(土地)のために、人々を害さない。
に於いて、
⑥「其の人を養ふ所以の者を以て」は、「副詞句」である。
従って、
(12)
⑥ 君子不害人=
⑥ 君子不〔害(人)〕⇒
⑥ 君子〔(人)害〕不=
⑥ 君子は〔(人を)害せ〕不=
⑥ 君子は、人々を害さない。
に於いて、
⑥「君子は」は、「主語」である。
(13)
⑦ 軍旅之事吾不学之=
⑦ 軍旅之事吾不(之学)〕⇒
⑦ 軍旅之事吾(之学)不=
⑦ 軍旅之事は吾(これを学ば)ず=
⑦ 軍隊のことは、私は学ばない。
に於いて、
⑦ 軍旅之事は=これを
である。
従って、
(13)により、
(14)
⑦ 軍旅之事は、吾これを学ばず。
に於いて、
⑦「吾」が、「主語」であって、
⑦「軍旅之事は」は、「目的語」である。
(15)
⑧ 父母之年不可不知=
⑧ 父母之年不[可〔不(知)〕]⇒
⑧ 父母之年[〔(知)不〕可]不=
⑧ 父母之年は[〔(知ら)不る〕可から]不=
⑧ (子たる者は)父母の年を知らないわけにいかない。
に於いて、
⑧「父母の年は」は、「目的語」である。
従って、
(10)(12)(14)(15)に於いて、
(16)
⑤ 君子は、器ならず。
⑥ 君子は、人を養ふ所以の者を以て人を害せず。
⑦ 軍旅の事は、これを学ばず。
⑧ 父母の年は、知らざるべからず。
に於いて、
⑤「君子は」は、「主語」である。
⑥「君子は」は、「主語」である。
⑦「軍旅の事は」は、「目的語」である。
⑧「父母の年は」は、「目的語」である。
従って、
(16)により、
(17)
「~は」自体は、「主語」そのものでも、「目的語」そのものでもない。
然るに、
(18)
Roughly speaking, "wa" is a topic marker, and "ga" is a subject marker(by Namiko AbeUpdated August 23, 2017).
(19)
トピック【topic】の意味
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 論題。題目。「トピック別に分類する」
2 話題になる事柄・出来事。また、話題。トピックス。「トピックニュース」
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
⑤ 君子は、器ならず。
⑥ 君子は、人を養ふ所以の者を以て人を害せず。
⑦ 軍旅の事は、これを学ばず。
⑧ 父母の年は、知らざるべからず。
に於いて、
⑤「君子は」は、「話題」である。
⑥「君子は」は、「話題」である。
⑦「軍旅の事は」は、「話題」である。
⑧「父母の年は」は、「話題」である。
との、ことである。
然るに、
(21)
「 主語 」であることと、「話題」であることは、「矛盾」せず、
「目的語」であることと、「話題」であることは、「矛盾」しない。
従って、
(16)(20)(21)により、
(22)
⑤「君子は」は、「話題」であって「主語」である。
⑥「君子は」は、「話題」であって「主語」である。
⑦「軍旅の事は」は、「話題」であって「目的語」である。
⑧「父母の年は」は、「話題」であって「目的語」である。
然るに、
(18)により、
(23)
"ga" is a subject marker(ガは主語の目印である)。
然るに、
(08)(09)により、
(24)
③ 孔子、楚より帰る。
④ 孔子は聖人なり。
に対して、
③ 孔子は楚より帰る。
③ 孔子が楚より帰る。
④ 孔子が聖人なり。
といふ「訓読」は無い。
従って、
(23)(24)により、
(25)
"ga" is a subject marker(ガは主語の目印である)。
といふことは、「漢文」の場合には、成立しない。
平成29年10月19日、毛利太。
馬 引きて、童 帰りぬ。
馬を引いて、少年が帰った。
馬を引いて、少年は帰った。
のやうに、「古文」の場合は、「を・は・が」を、「省略」することがある。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、5頁を参照)
然るに、
(02)
「古文」ではなく、
「訓読」であれば、
「馬を引きて」であって、
「馬 引きて」ではない。
(03)
① 玉琢か_ざれば=玉を琢かなければ
であれば、
① 玉=玉を
であるが、
① 玉琢かれざれば=玉は琢かれなければ
であれば、
① 玉=玉は
である。
(04)
② 吾が道 =私の道。
② 吾が欲する所=私が好きなもの。
② 有子が曰く =有子が言ふこと。
に於いて、
②「~が」は、「名詞」を「修飾」し、
② 火の滅するが如し =火が消えるときのやうである。
② 日月の食するが如し =日食や月食のやうである。
② 嵩山の五獄に於けるが如し=五獄に於ける嵩山のやうである。
に於いて、
②「~が」は、「如し」の前に在る。
然るに、
(05)
②「~が」が、「名詞」を「修飾」し、
②「~が」が、「如し」の前に在る場合以外に、
②「~が」といふ「言ひ方」は、「訓読」には無い(はずである)。
然るに、
(06)
【1】[が][の]
② 連体修飾語を作る。〈・・・・・ノ〉
【20】[ごとし]
接続「体言+の」に付く。また活用語の「連体形+が」に付く。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、143・154頁改)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
「古文や訓読」に於ける「~が」は、「~の」と同じく、「My」のやうな「所有格」であって、「I」のやうな「主格」ではない。
(08)
③ 孔子、楚より帰る。
に対して、
③ 孔子は楚より帰る。
③ 孔子が楚より帰る。
といふ「言ひ方」は、「訓読」には無い。
(09)
④ 孔子は聖人なり。
に対して、
④ 孔子が聖人なり。
④ 孔子、聖人なり。
といふ「訓読」は、「訓読」には無い。
cf.
④ 孔子が聖人なり=聖人は孔子なり=孔子以外は聖人ではない。
(10)
⑤ 君子不器=
⑤ 君子不(器)⇒
⑤ 君子(器)不=
⑤ 君子は(器なら)ず=
⑤ 君子は、器とは異なり、その働きは自由である。
に於いて、
⑤「君子は」は、「主語」である。
(11)
⑥ 君子不以其所以養人者害人=
⑥ 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
⑥ 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不=
⑥ 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}不=
⑥ 君子は、彼自身が、人々を養ふための手段とするモノ(土地)のために、人々を害さない。
に於いて、
⑥「其の人を養ふ所以の者を以て」は、「副詞句」である。
従って、
(12)
⑥ 君子不害人=
⑥ 君子不〔害(人)〕⇒
⑥ 君子〔(人)害〕不=
⑥ 君子は〔(人を)害せ〕不=
⑥ 君子は、人々を害さない。
に於いて、
⑥「君子は」は、「主語」である。
(13)
⑦ 軍旅之事吾不学之=
⑦ 軍旅之事吾不(之学)〕⇒
⑦ 軍旅之事吾(之学)不=
⑦ 軍旅之事は吾(これを学ば)ず=
⑦ 軍隊のことは、私は学ばない。
に於いて、
⑦ 軍旅之事は=これを
である。
従って、
(13)により、
(14)
⑦ 軍旅之事は、吾これを学ばず。
に於いて、
⑦「吾」が、「主語」であって、
⑦「軍旅之事は」は、「目的語」である。
(15)
⑧ 父母之年不可不知=
⑧ 父母之年不[可〔不(知)〕]⇒
⑧ 父母之年[〔(知)不〕可]不=
⑧ 父母之年は[〔(知ら)不る〕可から]不=
⑧ (子たる者は)父母の年を知らないわけにいかない。
に於いて、
⑧「父母の年は」は、「目的語」である。
従って、
(10)(12)(14)(15)に於いて、
(16)
⑤ 君子は、器ならず。
⑥ 君子は、人を養ふ所以の者を以て人を害せず。
⑦ 軍旅の事は、これを学ばず。
⑧ 父母の年は、知らざるべからず。
に於いて、
⑤「君子は」は、「主語」である。
⑥「君子は」は、「主語」である。
⑦「軍旅の事は」は、「目的語」である。
⑧「父母の年は」は、「目的語」である。
従って、
(16)により、
(17)
「~は」自体は、「主語」そのものでも、「目的語」そのものでもない。
然るに、
(18)
Roughly speaking, "wa" is a topic marker, and "ga" is a subject marker(by Namiko AbeUpdated August 23, 2017).
(19)
トピック【topic】の意味
出典:デジタル大辞泉(小学館)
1 論題。題目。「トピック別に分類する」
2 話題になる事柄・出来事。また、話題。トピックス。「トピックニュース」
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
⑤ 君子は、器ならず。
⑥ 君子は、人を養ふ所以の者を以て人を害せず。
⑦ 軍旅の事は、これを学ばず。
⑧ 父母の年は、知らざるべからず。
に於いて、
⑤「君子は」は、「話題」である。
⑥「君子は」は、「話題」である。
⑦「軍旅の事は」は、「話題」である。
⑧「父母の年は」は、「話題」である。
との、ことである。
然るに、
(21)
「 主語 」であることと、「話題」であることは、「矛盾」せず、
「目的語」であることと、「話題」であることは、「矛盾」しない。
従って、
(16)(20)(21)により、
(22)
⑤「君子は」は、「話題」であって「主語」である。
⑥「君子は」は、「話題」であって「主語」である。
⑦「軍旅の事は」は、「話題」であって「目的語」である。
⑧「父母の年は」は、「話題」であって「目的語」である。
然るに、
(18)により、
(23)
"ga" is a subject marker(ガは主語の目印である)。
然るに、
(08)(09)により、
(24)
③ 孔子、楚より帰る。
④ 孔子は聖人なり。
に対して、
③ 孔子は楚より帰る。
③ 孔子が楚より帰る。
④ 孔子が聖人なり。
といふ「訓読」は無い。
従って、
(23)(24)により、
(25)
"ga" is a subject marker(ガは主語の目印である)。
といふことは、「漢文」の場合には、成立しない。
平成29年10月19日、毛利太。
2017年10月16日月曜日
AがBである(排他的命題)。
(01)
1 (1) P→Q A
2 (2)~Q A
3 (3) P A
13 (4) Q 12MPP
123(5)~Q&Q 23&I
12 (6)~P 35RAA
1 (7)~Q→~P 26CP
(8)(P→Q)→(~Q→~P) 17CP
(02)
1 (1)~Q→~P A
2 (2)P A
2 (3)~~P 2DN
12 (4)~~Q 13MTT
12 (5)Q 4DN
1 (6)P→Q 25CP
(7)(~Q→~P)→(P→Q) 16CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(P→Q)は、(~Q→~P)に、等しい。
従って、
(03)により、
(04)
「PならばQである。」は、「QでないならばPでない。」に、等しい。
cf.
対偶(Contraposition)
従って、
(04)により、
(05)
「QならばPである。」は、「PでないならばQでない。」に、等しい。
従って、
(04)(05)により、
(06)
「PならばQであり、QならばPである。」は、
「PならばQであり、PでないならばQでない。」に、等しい。
従って、
(06)により、
(07)
「PはQであり、QはPである。」は、
「PはQであり、P以外はQでない。」に、等しい。
従って、
(07)により、
(08)
「東京は日本の首都であり、日本の首都は東京である。」は、
「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」に、等しい。
然るに、
(09)
〔63〕a.TOM sent Mary flowers.
b.Ton SENT Mary flowers.
c.Tom sent MARY flowers.
d.Tom sent Mary FLOWERS.
”Tom sent Mary flowers.”(トムはメアリーに花を送った)という文は、四つの単語からできていますが、どの単語を強調して発音するかによって少しずつ意味が違ってきます。
〔63〕では、強調して発音される単語は全部大文字で示してあります。 Tom を強調して発音すれば、「他の誰でもないトムがメアリーに花を送った」という意味になります。つまり、主語として、「トム」という人間が他の人間と対比されているということです。
(町田健、チョムスキー入門、2006年、150頁)
従って、
(09)により、
(10)
①「Tokyo is the capital of Japan.」ではなく、
②「TOKYO is the capital of Japan.」であるならば、その場合は、
①「東京は日本の首都である。」ではなく、
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」といふ、「意味」になる。
然るに、
(11)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、
音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
(12)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
然るに、
(13)
①「は」は、「清音」であって、
②「が」は、「濁音」である。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
①「東京は日本の首都である。」ではなく、
②「東京が日本の首都である。」であるならば、
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」といふ、「意味」になる。
然るに、
(15)
②「東京は日本の首都であり、日本の首都は東京である。」
従って、
(08)(15)により、
(16)
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」
従って、
(14)(16)により、
(17)
②「東京が日本の首都である。」
平成29年10月16日、毛利太。
1 (1) P→Q A
2 (2)~Q A
3 (3) P A
13 (4) Q 12MPP
123(5)~Q&Q 23&I
12 (6)~P 35RAA
1 (7)~Q→~P 26CP
(8)(P→Q)→(~Q→~P) 17CP
(02)
1 (1)~Q→~P A
2 (2)P A
2 (3)~~P 2DN
12 (4)~~Q 13MTT
12 (5)Q 4DN
1 (6)P→Q 25CP
(7)(~Q→~P)→(P→Q) 16CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(P→Q)は、(~Q→~P)に、等しい。
従って、
(03)により、
(04)
「PならばQである。」は、「QでないならばPでない。」に、等しい。
cf.
対偶(Contraposition)
従って、
(04)により、
(05)
「QならばPである。」は、「PでないならばQでない。」に、等しい。
従って、
(04)(05)により、
(06)
「PならばQであり、QならばPである。」は、
「PならばQであり、PでないならばQでない。」に、等しい。
従って、
(06)により、
(07)
「PはQであり、QはPである。」は、
「PはQであり、P以外はQでない。」に、等しい。
従って、
(07)により、
(08)
「東京は日本の首都であり、日本の首都は東京である。」は、
「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」に、等しい。
然るに、
(09)
〔63〕a.TOM sent Mary flowers.
b.Ton SENT Mary flowers.
c.Tom sent MARY flowers.
d.Tom sent Mary FLOWERS.
”Tom sent Mary flowers.”(トムはメアリーに花を送った)という文は、四つの単語からできていますが、どの単語を強調して発音するかによって少しずつ意味が違ってきます。
〔63〕では、強調して発音される単語は全部大文字で示してあります。 Tom を強調して発音すれば、「他の誰でもないトムがメアリーに花を送った」という意味になります。つまり、主語として、「トム」という人間が他の人間と対比されているということです。
(町田健、チョムスキー入門、2006年、150頁)
従って、
(09)により、
(10)
①「Tokyo is the capital of Japan.」ではなく、
②「TOKYO is the capital of Japan.」であるならば、その場合は、
①「東京は日本の首都である。」ではなく、
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」といふ、「意味」になる。
然るに、
(11)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、
音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
(12)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
然るに、
(13)
①「は」は、「清音」であって、
②「が」は、「濁音」である。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
①「東京は日本の首都である。」ではなく、
②「東京が日本の首都である。」であるならば、
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」といふ、「意味」になる。
然るに、
(15)
②「東京は日本の首都であり、日本の首都は東京である。」
従って、
(08)(15)により、
(16)
②「東京は日本の首都であり、東京以外は日本の首都ではない。」
従って、
(14)(16)により、
(17)
②「東京が日本の首都である。」
平成29年10月16日、毛利太。
2017年10月15日日曜日
憲法は/憲法が/これを
(01)
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
といふ「日本語」は、
① 主権者たる国民が、日本国憲法を制定する。
といふ、「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
であるならば、
① 日本国憲法は =目的語
① 主権者たる国民=主語
である。
然るに、
(03)
② 日本国憲法が、主権者たる国民、これを制定す。
であるならば、
② 日本国憲法が =主語
② 主権者たる国民=目的語
である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
② 日本国憲法が、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
① 日本国憲法は=目的語
② 日本国憲法が=主語
である。
然るに、
(05)
① 東京は日本である。
② 東京が日本である。
に於いて、
① は、正しく、
② は、正しくない。
cf.
② (東京と倫敦と巴里であれば、)東京が日本である。が、
② (東京以外の道府県も日本であるあるため、)東京が日本である。とは、言へない。
然るに、
(06)
① 東京は日本の首都である。
② 東京が日本の首都である。
に於いて、
① は、正しく、
② も、正しい。
然るに、
(07)
① 東京は日本であるが、日本は東京ではない。
② 東京は日本の首都であって、日本の首都は東京である。
に於いて、
① は、正しく、
② も、正しい。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
② AはBであって、BはAである。
といふことは、
② AがBである。
と言ひ得る上での、「必要条件」である。
然るに、
(09)
② AはBであって、BはAである。
といふことは、
② A=B
といふことに、他ならず、
② A=B
といふことは、
② AはBであって、A以外はBでない。
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② AはBであって、A以外はBでない。
といふことは、
② AがBである。
と言ひ得る上での、「必要条件」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
② A以外はBでない(BはAである)。
といふことを、言ひたい場合は、
② AはBである。
とは言はずに、
② AがBである。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(11)により、
(12)
② AがBである。
といふことは、
②(A以外ではない所の)AがBである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)により、
(13)
② AがBする。
といふことは、
②(A以外ではない所の)AがBする。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(14)
②(A以外ではない所の)AがBする。
といふことは、
② Bする。の主語は、A以外ではない。
といふことを、「強調」する。
従って、
(14)により、
(15)
② 日本国憲法_、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
② 制定す。の「主語」が、「日本国憲法」である。といふことを、「主張」する場合は、
① 日本国憲法は、
ではなく、
② 日本国憲法が、
でなければ、ならない。
従って、
(15)により、
(16)
① 日本国憲法_、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
① 制定す。の「主語」が、「主権者たる国民」である。といふことを、「主張」する場合は、
② 日本国憲法が、
ではなく、
① 日本国憲法は、
でなければ、ならない。
(17)
第一条 日本国憲法ハ主権者タル国民之ヲ制定ス
といふ「それ」は、言うまでも無く、「作例」である。
平成29年10月15日、毛利太。
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
といふ「日本語」は、
① 主権者たる国民が、日本国憲法を制定する。
といふ、「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
であるならば、
① 日本国憲法は =目的語
① 主権者たる国民=主語
である。
然るに、
(03)
② 日本国憲法が、主権者たる国民、これを制定す。
であるならば、
② 日本国憲法が =主語
② 主権者たる国民=目的語
である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 日本国憲法は、主権者たる国民、これを制定す。
② 日本国憲法が、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
① 日本国憲法は=目的語
② 日本国憲法が=主語
である。
然るに、
(05)
① 東京は日本である。
② 東京が日本である。
に於いて、
① は、正しく、
② は、正しくない。
cf.
② (東京と倫敦と巴里であれば、)東京が日本である。が、
② (東京以外の道府県も日本であるあるため、)東京が日本である。とは、言へない。
然るに、
(06)
① 東京は日本の首都である。
② 東京が日本の首都である。
に於いて、
① は、正しく、
② も、正しい。
然るに、
(07)
① 東京は日本であるが、日本は東京ではない。
② 東京は日本の首都であって、日本の首都は東京である。
に於いて、
① は、正しく、
② も、正しい。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
② AはBであって、BはAである。
といふことは、
② AがBである。
と言ひ得る上での、「必要条件」である。
然るに、
(09)
② AはBであって、BはAである。
といふことは、
② A=B
といふことに、他ならず、
② A=B
といふことは、
② AはBであって、A以外はBでない。
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② AはBであって、A以外はBでない。
といふことは、
② AがBである。
と言ひ得る上での、「必要条件」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
② A以外はBでない(BはAである)。
といふことを、言ひたい場合は、
② AはBである。
とは言はずに、
② AがBである。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(11)により、
(12)
② AがBである。
といふことは、
②(A以外ではない所の)AがBである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(12)により、
(13)
② AがBする。
といふことは、
②(A以外ではない所の)AがBする。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(14)
②(A以外ではない所の)AがBする。
といふことは、
② Bする。の主語は、A以外ではない。
といふことを、「強調」する。
従って、
(14)により、
(15)
② 日本国憲法_、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
② 制定す。の「主語」が、「日本国憲法」である。といふことを、「主張」する場合は、
① 日本国憲法は、
ではなく、
② 日本国憲法が、
でなければ、ならない。
従って、
(15)により、
(16)
① 日本国憲法_、主権者たる国民、これを制定す。
に於いて、
① 制定す。の「主語」が、「主権者たる国民」である。といふことを、「主張」する場合は、
② 日本国憲法が、
ではなく、
① 日本国憲法は、
でなければ、ならない。
(17)
第一条 日本国憲法ハ主権者タル国民之ヲ制定ス
といふ「それ」は、言うまでも無く、「作例」である。
平成29年10月15日、毛利太。
2017年10月13日金曜日
鳥獣と+鳥獣は=鳥獣とは
(01)
① 鳥獣不可与同群=
① 鳥獣不[可〔与同(群)〕]⇒
① 鳥獣[〔与(群)同〕可]不=
① 鳥獣は[〔与に(群を)同じくする〕可から]不。
は、「論語」である。
然るに、
(02)
先生はがっかりしてしていわれた、「鳥や獣とはいっしょに暮らすわけにいかない。」
(岩波文庫、論語、1963年、368頁)
然るに、
(03)
① 誰が、「鳥や獣とはいっしょに暮らすわけにいかない」のかと言へば、孔子(先生)である。
然るに、
(04)
2 ともニ
A与レBC [読み]A、BトともニCす。[訳]AはBと一緒にCする。
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、347頁改)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 鳥獣不可与同群。
といふ「漢文」は、
② 与之=与鳥獣
であるとして、
② 鳥獣吾不可与之同群=
② 鳥獣吾不[可〔与(之)同(群)〕]⇒
② 鳥獣吾[〔(之)与(群)同〕可]不=
② 鳥獣は吾[〔(之と)与に(群を)同じくする〕可から]不。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
従って、
(01)(05)により、
(06)
① 与(ともに)=
② 与之(これとともに)=with them
に於ける、
② them は、鳥獣 である。
従って、
(01)(06)により、
(07)
① 鳥獣不可与同群=
① 鳥獣不[可〔与同(群)〕]⇒
① 鳥獣[〔与(群)同〕可]不=
① 鳥獣は[〔与に(群を)同じくする〕可から]不。
に於ける、
① 鳥獣 は、
① 与(with)の、「目的語」である。
従って、
(07)により、
(08)
① 鳥獣不可与同群。
といふ「漢文」は、
③ 不可与鳥獣同群=
③ 不[可〔与(鳥獣)同(群)〕]⇒
③ [〔(鳥獣)与(群)同〕可]不=
③ [〔(鳥獣と)与に(群を)同じくする〕可から]不。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 鳥獣はともに群を同じくするべからず。
③ 鳥獣とともに群を同じくするべからず。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 鳥獣は
③ 鳥獣と
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(02)により、
(11)
③ 鳥獣とともに群を同じくするべからず。
といふ「日本語」は、
③ 鳥獣とはともに群を同じくするべからず。
といふ風に、書くことが出来る。
平成29年10月13日、毛利太。
① 鳥獣不可与同群=
① 鳥獣不[可〔与同(群)〕]⇒
① 鳥獣[〔与(群)同〕可]不=
① 鳥獣は[〔与に(群を)同じくする〕可から]不。
は、「論語」である。
然るに、
(02)
先生はがっかりしてしていわれた、「鳥や獣とはいっしょに暮らすわけにいかない。」
(岩波文庫、論語、1963年、368頁)
然るに、
(03)
① 誰が、「鳥や獣とはいっしょに暮らすわけにいかない」のかと言へば、孔子(先生)である。
然るに、
(04)
2 ともニ
A与レBC [読み]A、BトともニCす。[訳]AはBと一緒にCする。
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、347頁改)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 鳥獣不可与同群。
といふ「漢文」は、
② 与之=与鳥獣
であるとして、
② 鳥獣吾不可与之同群=
② 鳥獣吾不[可〔与(之)同(群)〕]⇒
② 鳥獣吾[〔(之)与(群)同〕可]不=
② 鳥獣は吾[〔(之と)与に(群を)同じくする〕可から]不。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
従って、
(01)(05)により、
(06)
① 与(ともに)=
② 与之(これとともに)=with them
に於ける、
② them は、鳥獣 である。
従って、
(01)(06)により、
(07)
① 鳥獣不可与同群=
① 鳥獣不[可〔与同(群)〕]⇒
① 鳥獣[〔与(群)同〕可]不=
① 鳥獣は[〔与に(群を)同じくする〕可から]不。
に於ける、
① 鳥獣 は、
① 与(with)の、「目的語」である。
従って、
(07)により、
(08)
① 鳥獣不可与同群。
といふ「漢文」は、
③ 不可与鳥獣同群=
③ 不[可〔与(鳥獣)同(群)〕]⇒
③ [〔(鳥獣)与(群)同〕可]不=
③ [〔(鳥獣と)与に(群を)同じくする〕可から]不。
といふ風に、「書き換へ」ることが、出来る。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 鳥獣はともに群を同じくするべからず。
③ 鳥獣とともに群を同じくするべからず。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 鳥獣は
③ 鳥獣と
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(02)により、
(11)
③ 鳥獣とともに群を同じくするべからず。
といふ「日本語」は、
③ 鳥獣とはともに群を同じくするべからず。
といふ風に、書くことが出来る。
平成29年10月13日、毛利太。
2017年10月12日木曜日
2<3>1 等は、無い。
(01)
1234567
は、「百二十三万四千五百六十七」ではなく、
1234567
は、「7個の、一桁の数値」とする。
(02)
① (12)3。
に於いて、
① ( )の中を「先に読む」ならば、
① 123。である。
然るに、
(03)
② 3(12)。
に於いて、
② ( )の中を「先に読ん」だとしても、
② 123。である。
従って、
(03)により、
(04)
③ 2(31)。
に於いて、
③ ( )の中を「先に読む」ならば、
③ 312。である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② ( )といふ「括弧」は、
② 312。 といふ「順番」を、
② 123。 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「可能」であるが、
その一方で、
③ ( )といふ「括弧」は、
③ 231。 といふ「順番」を、
③ 123。 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「可能」ではない。
従って、
(06)
③ ( )といふ「括弧」は、
③ 2<3>1
といふ「順番」を、
③ 1<2<3
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
然るに、
(07)
③ 2二3三1一。
のやうに、
③ 231。に対して、
③ 二三一 といふ「返り点」を「付ける」ならば、
③ 231。 といふ「順番」を、
③ 123。 といふ「順番」で、「読むこと」が、「出来る」。
然るに、
(08)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であって、「上から下へ、降りる点」ではない。
従って、
(09)
「返り点」とは、「横書き」であれば、「右から左へ、返る点」であって、「左から右へ、もどる点」ではない。
従って、
(07)(09)により、
(10)
③ 二→三
のやうに、「左から右へ、もどる点」を含む所の、
③ 二三一
といふ「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(05)(10)により、
(11)
③ ( ) といふ「括弧 」と、「返り点」は、
③ 2<3>1 といふ「順番」を、
③ 1<2<3 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「出来ない」。
(12)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
に於いて、
④ 7 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
④ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
④ 6 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
と、するならば、
④ 7 は、7番目に、「読む」。
④ 3 は、3番目に、「読む」。
④ 6 は、6番目に、「読む」。
然るに、
(13)
⑤ 〔(12)3(45)6〕7。
に於いて、
⑤ 「左から右へ」読む。
と、するならば、
⑤ 7 は、7番目に、「読む」。
⑤ 3 は、3番目に、「読む」。
⑤ 6 は、6番目に、「読む」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
に於いて、
④ 7 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
④ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
④ 6 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑤ 〔(12)3(45)6〕7。
に於いて、
⑤ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
従って、
(14)により、
(15)
⑥ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
に於いて、
⑥ 如 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
⑥ 揮 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
⑥ 断 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑥ 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如。
に於いて、
⑥ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(16)
⑥ 如=如し
⑥ 揮=揮って
⑥ 快刀=快刀を
⑥ 断=断つが
⑥ 乱麻=乱麻を
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑥ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
⑥ 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し。
である。
然るに、
(18)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
ではなく、
⑦ 6〔3(12)7(45)〕。
に於いて、
⑦ 6 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
⑦ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
⑦ 7 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑦ 〔(12)3(45)7〕6。
に於いて、
⑦ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(19)
⑦ 〔(12)3(45)7〕6。
であるならば、
⑦ 1<2<3<4<5<7>6。
である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
⑦ 〔 ( ) ( )〕
といふ「括弧」は、
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を含む所の、
⑦ 6 3 1 2 7 4 5
といふ「順番」を、
⑦ 1<2<3<4<5<6<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
然るに、
(21)
⑥ 如下揮二快刀一断中乱麻上。
である。
従って、
(21)により、
(22)
⑥ 7下3二12一6中45上。
である。
従って、
(22)により、
(23)
⑦ 6中3二12一7下45上。
である。
然るに、
(09)(10)により、
(24)
⑦ 中→下
のやうに、「左から右へ、もどる点」を含む所の、
⑦ 中 二 一 下 上
といふ「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(20)(24)により、
(25)
⑦ 〔 ( ) ( )〕といふ「括弧」と「返り点」は、
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を含む所の、
⑦ 6 3 1 2 7 4 5
といふ「順番」を、
⑦ 1<2<3<4<5<6<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
従って、
(11)(25)により、
(26)
「括弧」と「返り点」は、
③ 2<3>1
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を、
③ 1<2<3
⑦ 6<5<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
平成29年10月12日、毛利太。
1234567
は、「百二十三万四千五百六十七」ではなく、
1234567
は、「7個の、一桁の数値」とする。
(02)
① (12)3。
に於いて、
① ( )の中を「先に読む」ならば、
① 123。である。
然るに、
(03)
② 3(12)。
に於いて、
② ( )の中を「先に読ん」だとしても、
② 123。である。
従って、
(03)により、
(04)
③ 2(31)。
に於いて、
③ ( )の中を「先に読む」ならば、
③ 312。である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② ( )といふ「括弧」は、
② 312。 といふ「順番」を、
② 123。 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「可能」であるが、
その一方で、
③ ( )といふ「括弧」は、
③ 231。 といふ「順番」を、
③ 123。 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「可能」ではない。
従って、
(06)
③ ( )といふ「括弧」は、
③ 2<3>1
といふ「順番」を、
③ 1<2<3
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
然るに、
(07)
③ 2二3三1一。
のやうに、
③ 231。に対して、
③ 二三一 といふ「返り点」を「付ける」ならば、
③ 231。 といふ「順番」を、
③ 123。 といふ「順番」で、「読むこと」が、「出来る」。
然るに、
(08)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であって、「上から下へ、降りる点」ではない。
従って、
(09)
「返り点」とは、「横書き」であれば、「右から左へ、返る点」であって、「左から右へ、もどる点」ではない。
従って、
(07)(09)により、
(10)
③ 二→三
のやうに、「左から右へ、もどる点」を含む所の、
③ 二三一
といふ「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(05)(10)により、
(11)
③ ( ) といふ「括弧 」と、「返り点」は、
③ 2<3>1 といふ「順番」を、
③ 1<2<3 といふ「順番」に、「並び替へ」ることが、「出来ない」。
(12)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
に於いて、
④ 7 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
④ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
④ 6 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
と、するならば、
④ 7 は、7番目に、「読む」。
④ 3 は、3番目に、「読む」。
④ 6 は、6番目に、「読む」。
然るに、
(13)
⑤ 〔(12)3(45)6〕7。
に於いて、
⑤ 「左から右へ」読む。
と、するならば、
⑤ 7 は、7番目に、「読む」。
⑤ 3 は、3番目に、「読む」。
⑤ 6 は、6番目に、「読む」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
に於いて、
④ 7 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
④ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
④ 6 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑤ 〔(12)3(45)6〕7。
に於いて、
⑤ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
従って、
(14)により、
(15)
⑥ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
に於いて、
⑥ 如 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
⑥ 揮 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
⑥ 断 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑥ 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如。
に於いて、
⑥ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(16)
⑥ 如=如し
⑥ 揮=揮って
⑥ 快刀=快刀を
⑥ 断=断つが
⑥ 乱麻=乱麻を
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑥ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
⑥ 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し。
である。
然るに、
(18)
④ 7〔3(12)6(45)〕。
ではなく、
⑦ 6〔3(12)7(45)〕。
に於いて、
⑦ 6 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
⑦ 3 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
⑦ 7 は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
といふことは、
⑦ 〔(12)3(45)7〕6。
に於いて、
⑦ 「左から右へ」読む。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(19)
⑦ 〔(12)3(45)7〕6。
であるならば、
⑦ 1<2<3<4<5<7>6。
である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
⑦ 〔 ( ) ( )〕
といふ「括弧」は、
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を含む所の、
⑦ 6 3 1 2 7 4 5
といふ「順番」を、
⑦ 1<2<3<4<5<6<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
然るに、
(21)
⑥ 如下揮二快刀一断中乱麻上。
である。
従って、
(21)により、
(22)
⑥ 7下3二12一6中45上。
である。
従って、
(22)により、
(23)
⑦ 6中3二12一7下45上。
である。
然るに、
(09)(10)により、
(24)
⑦ 中→下
のやうに、「左から右へ、もどる点」を含む所の、
⑦ 中 二 一 下 上
といふ「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(20)(24)により、
(25)
⑦ 〔 ( ) ( )〕といふ「括弧」と「返り点」は、
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を含む所の、
⑦ 6 3 1 2 7 4 5
といふ「順番」を、
⑦ 1<2<3<4<5<6<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
従って、
(11)(25)により、
(26)
「括弧」と「返り点」は、
③ 2<3>1
⑦ 6<7>5
といふ「順番」を、
③ 1<2<3
⑦ 6<5<7
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)」ることが、「出来ない」。
平成29年10月12日、毛利太。
2017年10月11日水曜日
「括弧」と「返り点」(Ⅱ)。
(01)
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
に於いて、「ひら仮名・カタ仮名」を、「左から右へ読む」ならば、
① あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」ことなる。
然るに、
(02)
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
といふ「それ」を、
① あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」といふことは、
② オ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② キ は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
② コ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② サ は、[ ]の中を読んだ「直後」に読む。
② ス は、{ }の中を読んだ「直後」に読む。
といふことに、他ならない。
然るに、
(03)
② あス{いサ[キ〔オ(うえ)か〕コ(くけ)]し}せ。
に於いて、
② ス{ }⇒{ }ス
② サ[ ]⇒[ ]サ
② キ〔 〕⇒〔 〕キ
② オ( )⇒( )オ
② コ( )⇒( )サ
といふ「移動」を行ふと、
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② あス{いサ[キ〔オ(うえ)か〕コ(くけ)]し}せ。
に於いても、
② オ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② キ は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
② コ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② サ は、[ ]の中を読んだ「直後」に読む。
② ス は、{ }の中を読んだ「直後」に読む。
とするならば、
② あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」ことになる。
従って、
(04)により、
(05)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に於いて、
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 以 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 求 は、[ ]の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 非 は、{ }の中を読んだ「直後」に「読む」。
とするならば、
③ 我 必 中 文 解 法 以 漢 文 解 求 者 非 也。
といふ風に、「読む」ことになる。
然るに、
(06)
③ 我=我は
③ 非=非ざる
③ 必=必ずしも
③ 求=求る
③ 以=以て
③ 解=解する
③ 中文=中文を
③ 法=法を
③ 解=解せんことを
③ 求=求むる
③ 者=者に
③ 也=なり
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「漢文」の「訓読」は、
③ 我は{必ずしも[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
である。
(08)
{ }=地 天
[ ]=乙 甲
〔 〕=下 上
( )=二 一
とするならば、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
④ 我非地必求乙以下解二中文一法上解二漢文一甲者天也。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
実際の「返り点」としては、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
⑤ 我非地必求丙以下解二中文一法上解乙漢文甲者天也。
に於いて、
③=⑤ である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
⑤ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」を、
④ 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天
といふ風に、「書き換へ」るならば、④ は、
③ { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] }
といふ「括弧」に、「等しい」。
平成29年10月11日、毛利太。
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
に於いて、「ひら仮名・カタ仮名」を、「左から右へ読む」ならば、
① あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」ことなる。
然るに、
(02)
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
といふ「それ」を、
① あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」といふことは、
② オ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② キ は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
② コ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② サ は、[ ]の中を読んだ「直後」に読む。
② ス は、{ }の中を読んだ「直後」に読む。
といふことに、他ならない。
然るに、
(03)
② あス{いサ[キ〔オ(うえ)か〕コ(くけ)]し}せ。
に於いて、
② ス{ }⇒{ }ス
② サ[ ]⇒[ ]サ
② キ〔 〕⇒〔 〕キ
② オ( )⇒( )オ
② コ( )⇒( )サ
といふ「移動」を行ふと、
① あ{い[〔(うえ)オか〕キ(くけ)コ]サし}スせ。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② あス{いサ[キ〔オ(うえ)か〕コ(くけ)]し}せ。
に於いても、
② オ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② キ は、〔 〕の中を読んだ「直後」に読む。
② コ は、( )の中を読んだ「直後」に読む。
② サ は、[ ]の中を読んだ「直後」に読む。
② ス は、{ }の中を読んだ「直後」に読む。
とするならば、
② あ い う え オ か キ く け コ サ し ス せ。
といふ風に、「読む」ことになる。
従って、
(04)により、
(05)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に於いて、
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 以 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 求 は、[ ]の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 非 は、{ }の中を読んだ「直後」に「読む」。
とするならば、
③ 我 必 中 文 解 法 以 漢 文 解 求 者 非 也。
といふ風に、「読む」ことになる。
然るに、
(06)
③ 我=我は
③ 非=非ざる
③ 必=必ずしも
③ 求=求る
③ 以=以て
③ 解=解する
③ 中文=中文を
③ 法=法を
③ 解=解せんことを
③ 求=求むる
③ 者=者に
③ 也=なり
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「漢文」の「訓読」は、
③ 我は{必ずしも[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
である。
(08)
{ }=地 天
[ ]=乙 甲
〔 〕=下 上
( )=二 一
とするならば、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
④ 我非地必求乙以下解二中文一法上解二漢文一甲者天也。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
実際の「返り点」としては、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
⑤ 我非地必求丙以下解二中文一法上解乙漢文甲者天也。
に於いて、
③=⑤ である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
⑤ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」を、
④ 地 乙 下 二 一 上 二 一 甲 天
といふ風に、「書き換へ」るならば、④ は、
③ { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] }
といふ「括弧」に、「等しい」。
平成29年10月11日、毛利太。
2017年10月9日月曜日
「括弧」と「返り点」。
(01)
① 不〔読(書)〕。
であれば、
① 不 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
① 読 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
従って、
(01)により、
(02)
「結果」として、
① 不〔読(書)〕。
といふ「語順」を、
① 〔(書)読〕不。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(03)
① 不=ず
① 読=読ま
① 書=書を
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 不〔読(書)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
① 〔(書を)読ま〕ず。
である。
(05)
② 我不〔常読(英文)〕。
であれば、
② 我 は、「そのまま読む」。
② 不 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
② 常 は、「そのまま読む」。
② 読 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
従って、
(05)により、
(06)
「結果」として、
② 我不〔常読(英文)〕。
といふ「語順」を、
② 我〔常(英文)読〕不。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(07)
② 我=我
② 不=ず
② 常=常には
② 読=読ま
② 英文=英文を
従って、
(06)(07)により、
(08)
② 我不〔常読(英文)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
② 我〔常には(英文を)読ま〕ず。
である。
(09)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
であれば、
③ 我 は、「そのまま読む」。
③ 非 は、{ }の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 必 は、「そのまま読む」。
③ 求 は、[ ]の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 以 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 法 は、「そのまま読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 者 は、「そのまま読む」。
③ 也 は、「そのまま読む」。
従って、
(09)により、
(10)
「結果」として、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「語順」を、
③ 我{必[〔(中文)解法〕以(漢文)解]求者}非也。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(11)
③ 我=我は
③ 非=非ざる
③ 必=必ずしも
③ 求=求る
③ 以=以て
③ 解=解する
③ 中文=中文を
③ 法=法を
③ 解=解せんことを
③ 求=求むる
③ 者=者に
③ 也=なり
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「漢文」の「訓読」は、
③ 我は{必ずしも[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
である。
然るに、
(13)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常読(英文)〕。
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に対する「返り点」は、次の通りである。
然るに、
(14)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常読(英文)〕。
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に於ける、
① 〔( )〕
② 〔( )〕
③ {[〔( )〕( )]}
といふ「括弧」は、
① 不読書。
② 我不常読英文。
③ 我非必求以解中文法解漢文者也。
といふ「漢文」の「補足構造」を、表してゐる。
従って、
(15)により、
(16)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「補足構造」は、「等しい」。
然るに、
(17)
② 我不〔常読(英文)。
に於いて、
② 我=主語
② 常=連用修飾語
② 英=連体修飾語
である。
従って、
(17)により、
(18)
① 不〔読(書)〕。
の場合は、
① 主語
① 連用修飾語
① 連体修飾語
がない。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「補足構造」は、「等しい」ものの、
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「構造自体」が、「等しい」といふ、ことではない。
平成29年10月09日、毛利太。
① 不〔読(書)〕。
であれば、
① 不 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
① 読 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
従って、
(01)により、
(02)
「結果」として、
① 不〔読(書)〕。
といふ「語順」を、
① 〔(書)読〕不。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(03)
① 不=ず
① 読=読ま
① 書=書を
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 不〔読(書)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
① 〔(書を)読ま〕ず。
である。
(05)
② 我不〔常読(英文)〕。
であれば、
② 我 は、「そのまま読む」。
② 不 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
② 常 は、「そのまま読む」。
② 読 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
従って、
(05)により、
(06)
「結果」として、
② 我不〔常読(英文)〕。
といふ「語順」を、
② 我〔常(英文)読〕不。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(07)
② 我=我
② 不=ず
② 常=常には
② 読=読ま
② 英文=英文を
従って、
(06)(07)により、
(08)
② 我不〔常読(英文)〕。
といふ「漢文」の「訓読」は、
② 我〔常には(英文を)読ま〕ず。
である。
(09)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
であれば、
③ 我 は、「そのまま読む」。
③ 非 は、{ }の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 必 は、「そのまま読む」。
③ 求 は、[ ]の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 以 は、〔 〕の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 法 は、「そのまま読む」。
③ 解 は、( )の中を読んだ「直後」に「読む」。
③ 者 は、「そのまま読む」。
③ 也 は、「そのまま読む」。
従って、
(09)により、
(10)
「結果」として、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「語順」を、
③ 我{必[〔(中文)解法〕以(漢文)解]求者}非也。
といふ「語順」と「見做した」上で、「左から右へ読む」。
然るに、
(11)
③ 我=我は
③ 非=非ざる
③ 必=必ずしも
③ 求=求る
③ 以=以て
③ 解=解する
③ 中文=中文を
③ 法=法を
③ 解=解せんことを
③ 求=求むる
③ 者=者に
③ 也=なり
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「漢文」の「訓読」は、
③ 我は{必ずしも[〔(中文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
である。
然るに、
(13)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常読(英文)〕。
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に対する「返り点」は、次の通りである。
然るに、
(14)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常読(英文)〕。
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に於ける、
① 〔( )〕
② 〔( )〕
③ {[〔( )〕( )]}
といふ「括弧」は、
① 不読書。
② 我不常読英文。
③ 我非必求以解中文法解漢文者也。
といふ「漢文」の「補足構造」を、表してゐる。
従って、
(15)により、
(16)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「補足構造」は、「等しい」。
然るに、
(17)
② 我不〔常読(英文)。
に於いて、
② 我=主語
② 常=連用修飾語
② 英=連体修飾語
である。
従って、
(17)により、
(18)
① 不〔読(書)〕。
の場合は、
① 主語
① 連用修飾語
① 連体修飾語
がない。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「補足構造」は、「等しい」ものの、
① 不〔読(書)〕。
② 我不〔常(英文)〕。
に於ける、「構造自体」が、「等しい」といふ、ことではない。
平成29年10月09日、毛利太。
2017年10月5日木曜日
願はくば、もう一度得ん、兎を。
(01)
対格(たいかく、英: accusative case 、羅: casus accusativus 。略号ACC)は、名詞がもつ格のひとつで、主格対格型言語の場合、他動詞の直接目的語を標識する場合に用いられる。目的格・業格と呼ばれることもある。ドイツ語では4格(der vierte Fall)ということもある。日本語の場合、「を」が該当する(ウィキペディア)。
従って、
(01)により、
(02)
① 兎を、得る。
② 得る、兎を。
に於いて、
① 兎を は「対格」である。
② 兎を は「対格」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 冀はくば、復た、兎を得ん。
といふ「日本語」は、
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(04)
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
といふ「それ」から、「平仮名」を除き、
① 冀復得兎。
といふ風に、書くことにする。
然るに、
(05)
宋人有耕田者。 田中有株。兔走 觸株、折頸而死。 因釈其耒而守株、冀復得兔。
宋の国の人で、畑を耕作しているものがあった。(その)畑の中に木の切り株があった。(ちょうどそこへ)兎が走ってきてその切り株にぶつかり、くびの骨を折って死んでしまった。(これはしめたと彼は)そこで手にしていたすきを捨てて(耕作の仕事をやめ、いつまでも)切り株を見まもり、もう一度兎を手に入れたいものだと願った。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973年、35頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 冀復得兎。
といふ「漢文(韓非子)」は、
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
① 願はくば、もう一度得ん、兎を。
といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
② 復冀得兎。
といふ「漢文」は、
② もう一度、願はくば、得ん、兎を。
といふ「意味」である。
従って、
(03)(07)により、
(08)
① 冀復得兎。
② 復冀得兎。
といふ「漢文」は、それぞれ、
① 願はくば、もう一度、兎を得ん。
② もう一度、願はくば、兎を得ん。
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
◆ 冀二復得一レ兎
この句は「復た兎を得んことを冀ふ」と読むが、いまかりに原文の「冀」と「復」とを入れかえて「復冀レ得レ兎」としても読み方はかわらない。しかし意味内容のうえでは大きな違いがあるので注意を要する。「冀二復得一レ兎」の場合は「冀ふ」の内容が下の「復得レ兎」となる形であるから、「ふたたび兎を手に入れる」ということを「ねがう」の意で、まえにも兎を入れたが、さらにもう一度兎を手に入れたいと望むことになる。ところが「復冀レ得レ兎」の場合は「復」が「冀」の上にあるので、「復」が「冀」を修飾する形であり、「冀ふ」の内容は「得レ兎」だけになる。つまり「兎を手に入れること」を「もう一度ねがう」の意である。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973年、36頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 冀〔復得(兎)〕。
② 復冀〔得(兎)〕。
に於いて、それぞれ、
① 願はくば、もう一度、兎を得ん。
② もう一度、願はくば、兎を得ん。
といふ「意味」であるものの、「訓読」に関しては、両方とも、
① 復た兎を得んことを冀ふ。
② 復た兎を得んことを冀ふ。
である。
然るに、
(11)
(A)不二常得一レ油(常に、油を得ず)
(B)常不レ得レ油 (常には油を得ず)
この例は次のように下から返読してその意味をはっきりさせることができる。
(A)不レ常レ得レ油(油を得ること常ならず)
(B)常レ不レ得レ油(油を得ざること常なり)
(原田種成、私の漢文講義、1995年、156頁改)
従って、
(11)により、
(12)
③ 不[常〔得(兎)〕]。
④ 常[不〔得(兎)〕]。
であれば、それぞれ、
③ [〔(兎を)得ること〕常なら]ず。
④ [〔(兎を)得〕ざること]常なり。
といふ風に、「返読」することが、出来る。
従って、
(12)により、
(13)
① 冀[復〔得(兎)〕]。
② 復[冀〔得(兎)〕]。
であれば、それぞれ、
① [〔(兎を)得ることの〕復びならんことを]冀ふ。
② [〔(兎を)得んと〕冀ふこと]復びなり。
といふ風に、「返読」することが、出来る。
平成29年10月05日、毛利太。
対格(たいかく、英: accusative case 、羅: casus accusativus 。略号ACC)は、名詞がもつ格のひとつで、主格対格型言語の場合、他動詞の直接目的語を標識する場合に用いられる。目的格・業格と呼ばれることもある。ドイツ語では4格(der vierte Fall)ということもある。日本語の場合、「を」が該当する(ウィキペディア)。
従って、
(01)により、
(02)
① 兎を、得る。
② 得る、兎を。
に於いて、
① 兎を は「対格」である。
② 兎を は「対格」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 冀はくば、復た、兎を得ん。
といふ「日本語」は、
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(04)
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
といふ「それ」から、「平仮名」を除き、
① 冀復得兎。
といふ風に、書くことにする。
然るに、
(05)
宋人有耕田者。 田中有株。兔走 觸株、折頸而死。 因釈其耒而守株、冀復得兔。
宋の国の人で、畑を耕作しているものがあった。(その)畑の中に木の切り株があった。(ちょうどそこへ)兎が走ってきてその切り株にぶつかり、くびの骨を折って死んでしまった。(これはしめたと彼は)そこで手にしていたすきを捨てて(耕作の仕事をやめ、いつまでも)切り株を見まもり、もう一度兎を手に入れたいものだと願った。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973年、35頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 冀復得兎。
といふ「漢文(韓非子)」は、
① 冀はくば、復た得ん、兎を。
① 願はくば、もう一度得ん、兎を。
といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
② 復冀得兎。
といふ「漢文」は、
② もう一度、願はくば、得ん、兎を。
といふ「意味」である。
従って、
(03)(07)により、
(08)
① 冀復得兎。
② 復冀得兎。
といふ「漢文」は、それぞれ、
① 願はくば、もう一度、兎を得ん。
② もう一度、願はくば、兎を得ん。
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
◆ 冀二復得一レ兎
この句は「復た兎を得んことを冀ふ」と読むが、いまかりに原文の「冀」と「復」とを入れかえて「復冀レ得レ兎」としても読み方はかわらない。しかし意味内容のうえでは大きな違いがあるので注意を要する。「冀二復得一レ兎」の場合は「冀ふ」の内容が下の「復得レ兎」となる形であるから、「ふたたび兎を手に入れる」ということを「ねがう」の意で、まえにも兎を入れたが、さらにもう一度兎を手に入れたいと望むことになる。ところが「復冀レ得レ兎」の場合は「復」が「冀」の上にあるので、「復」が「冀」を修飾する形であり、「冀ふ」の内容は「得レ兎」だけになる。つまり「兎を手に入れること」を「もう一度ねがう」の意である。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973年、36頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 冀〔復得(兎)〕。
② 復冀〔得(兎)〕。
に於いて、それぞれ、
① 願はくば、もう一度、兎を得ん。
② もう一度、願はくば、兎を得ん。
といふ「意味」であるものの、「訓読」に関しては、両方とも、
① 復た兎を得んことを冀ふ。
② 復た兎を得んことを冀ふ。
である。
然るに、
(11)
(A)不二常得一レ油(常に、油を得ず)
(B)常不レ得レ油 (常には油を得ず)
この例は次のように下から返読してその意味をはっきりさせることができる。
(A)不レ常レ得レ油(油を得ること常ならず)
(B)常レ不レ得レ油(油を得ざること常なり)
(原田種成、私の漢文講義、1995年、156頁改)
従って、
(11)により、
(12)
③ 不[常〔得(兎)〕]。
④ 常[不〔得(兎)〕]。
であれば、それぞれ、
③ [〔(兎を)得ること〕常なら]ず。
④ [〔(兎を)得〕ざること]常なり。
といふ風に、「返読」することが、出来る。
従って、
(12)により、
(13)
① 冀[復〔得(兎)〕]。
② 復[冀〔得(兎)〕]。
であれば、それぞれ、
① [〔(兎を)得ることの〕復びならんことを]冀ふ。
② [〔(兎を)得んと〕冀ふこと]復びなり。
といふ風に、「返読」することが、出来る。
平成29年10月05日、毛利太。
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