(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a A
3 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
3 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 3&E
3 (6) ~(鼻ab&~象b)∨~長a 5含意の定義
7 (7) ~(鼻ab&~象b) A
7 (8) ~鼻ab∨~~象b 7ド・モルガンの法則
7 (9) ~~象b∨~鼻ab 8交換法則
7 (ア) ~象b→~鼻ab 9含意の定義
7 (イ) ~長a∨(~象b→~鼻ab) ア∨I
ウ (ウ) ~長a A
ウ (エ) ~長a∨(~象b→~鼻ab) ウ∨I
3 (オ) ~長a∨(~象b→~鼻ab) 37イウエ∨E
3 (カ) 長a→(~象b→~鼻ab) オ含意の定義
キ(キ) ~象b&長a A
キ(ク) 長a キ&E
3 キ(ケ) ~象b→~鼻ab カクMPP
キ(コ) ~象b キ&E
3 キ(サ) ~鼻ab ケコMPP
3 (シ) (~象b&長a)→~鼻ab キサCP
3 (ス) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab 3シ&I
3 (セ) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} スEI
1 (ソ) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} 13セEE
1 (タ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} ソUI
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長x)→~鼻ay} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab A
3 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
3 (5) (~象b&長a)→~鼻ab 3&E
36 (6) 鼻ab A
36 (7) ~~鼻ab 6DN
36 (8) ~(~象b&長a) 57MTT
36 (9) ~~象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
36 (ア) ~象b→~長a 9含意の定義
3 (イ) 鼻ab→(~象b→~長a) 6アCP
ウ (ウ) 鼻ab& ~象b A
ウ (エ) 鼻ab ウ&E
3 ウ (オ) ~象b→~長a イエMPP
ウ (カ) ~象b ウ&E
3 ウ (キ) ~長a オカMPP
3 (ク) (鼻ab&~象b)→~長a ウキCP
3 (ケ) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 4ク&I
3 (コ) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} ケEI
1 (サ) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 13コEE
1 (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} サUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xは、yの鼻でない}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
①{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長い。}といふことは、
①{y(象)の鼻である所のxは、長い。}といふことである。
従って、
(04)
①{xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。}といふことは、
①{y(象)以外の鼻である所のxは、長くない。}といふことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
といふことは、
① 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。
といふことである。
然るに、
(06)
②{yが象でなくて、xが長いならば、xは、yの鼻でない。}
といふことは、
②{象以外(y)の体で長い部分(x)があるとすれば、鼻以外である。}
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xは、yの鼻でない}。
といふことは、
② 象の鼻は長く、象以外で、長い部分が有るとしたら、鼻以外である。
といふことである。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、すなはち、
① 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。
② 象の鼻は長く、象以外で、長い部分が有るとしたら、鼻以外である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
① 象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くない。
② 象の鼻は長く、象以外(兎や馬)で、長い部分が有るとしたら、鼻以外(耳や顔)である。
然るに、
(10)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
(ⅰ){鼻は、象が長い。}
(ⅱ){耳は、兎が長い。}
(ⅲ){顔は、馬が長い。}
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① 鼻は象が長い。⇔
① 象の鼻は長く、象以外(兎や馬)の鼻は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年12月31日、毛利太。
2020年12月31日木曜日
2020年12月30日水曜日
「鼻は象が長い」の「述語論理」の「説明」(其の?)。
(01)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a 1UE
3 (3) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a A
3 (4) (鼻ab&~象b)→~長a &E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) 鼻ab&~象b 9ア&I
3 7(ウ) ~長a 4イMPP
3 7(エ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
3 7(カ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) オEI
3 6 (キ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67カEE
3 6 (ク)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) キEI
35 (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56クEE
1 5 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23ケEE
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
(ⅱ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、象ではなく。xはyの鼻である)。従って、
(ⅲ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
(ⅰ){鼻は、象が長い。}
(ⅱ){耳は、兎が長い。}
(ⅲ){顔は、馬が長い。}
然るに、
(04)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの耳であって、yが兎であるならば、xは長く、xがyの耳であって、yが兎でないならば、xは長くない}。
③ すべてのxとあるyについて{xがyの顔であって、yが馬であるならば、xは長く、xがyの顔であって、yが馬でないならば、xは長くない}。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)ある兎は象ではないが、鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)~(05)により、
(06)
① 鼻は象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年12月30日、毛利太。
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a 1UE
3 (3) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a A
3 (4) (鼻ab&~象b)→~長a &E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) 鼻ab&~象b 9ア&I
3 7(ウ) ~長a 4イMPP
3 7(エ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
3 7(カ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) オEI
3 6 (キ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67カEE
3 6 (ク)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) キEI
35 (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56クEE
1 5 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23ケEE
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
(ⅱ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、象ではなく。xはyの鼻である)。従って、
(ⅲ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
(ⅰ){鼻は、象が長い。}
(ⅱ){耳は、兎が長い。}
(ⅲ){顔は、馬が長い。}
然るに、
(04)
(ⅰ){象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
(ⅱ){兎の耳、象の耳、馬の耳}
(ⅲ){馬の顔、象の顔、兎の顔}
であるならば、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの耳であって、yが兎であるならば、xは長く、xがyの耳であって、yが兎でないならば、xは長くない}。
③ すべてのxとあるyについて{xがyの顔であって、yが馬であるならば、xは長く、xがyの顔であって、yが馬でないならば、xは長くない}。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)ある兎は象ではないが、鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)~(05)により、
(06)
① 鼻は象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年12月30日、毛利太。
2020年12月29日火曜日
「象が動物である」と、その「対偶」の「述語論理」。
(01)
1 (1) ∀x(象x→動x) A
1 (2) 象a→動a 1UE
3 (3) ~動a A
4(4) 象a A
1 4(5) 動a 24MPP
134(6) ~動a&動a 35&I
13 (7) ~象a 46RAA
1 (8) ~動a→~象a 37CP
1 (9)∀x(~動x→~象x) 8UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3 (3) 象a A
4(4) ~動a A
1 4(5) ~象a 24MPP
134(6) 象a&~象a 35&I
13 (7) ~~動a 46RAA
13 (8) 動a 7DN
1 (9) 象a→動a 38CP
1 (ア) ∀x(象x→動x) 9UI
(02)
(ⅱ)
1 (1) ∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3(3) ~動a& 象a A
(4) ~動a 3&E
13(5) ~象a 24MPP
3(6) 象a 3&E
1 (7) ~象a&象a 56&I
1 (8) ~(~動a& 象a) 37RAA
1 (9)∀x~(~動x& 象x) 8UI
1 (ア)~∃x(~動x& 象x) 9量化子の関係
(ⅲ)
1 (1)~∃x(~動x&象x) A
1 (2)Ax~(~動x&象x) 1量化子の関係
1 (3) ~(~動a&象a) 2UE
4 (4) ~動a A
5(5) 象a A
45(6) ~動a&象a 45&I
145(7) ~(~動a&象a)&
(~動a&象a) 36&I
14 (8) ~象a 57RAA
1 (9) ~動a→~象a 48CP
1 (ア)∀x(~動x→~象x) 9UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x( 象x→ 動x)
② ∀x(~動x→~象x)
③ ~∃x(~動x& 象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、 xは動物である)。
② すべてのxについて(xが動物でないならば、xは象ではない)。
③ あるxが(動物でなくて、象である。)といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は動物である。
② 動物でない象はゐない。
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(04)により、
(05)
③ 動物は象である。
④ 象でない動物はゐない。
に於いて、
③=④ も「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
①&③ ⇔ ⑤ 象は動物であり、動物は象である。
②&④ ⇔ ⑥ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
⑤=⑥ である。
然るに、
(07)
① 象は動物であり、
② 桜は植物である。
従って、
(07)により、
(08)
{象、桜}を{対象」とすると、
① 象が動物であり、
② 桜は植物である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
{象、桜}を{対象}とすると、
① 象が動物である。
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外(桜)は動物ではない(植物である)。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(10)により、
(11)
{タゴール記念会員}を{対象}とすると、
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
① AがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(03)(04)により、
(13)
① 象は
② ∀x(象x→
③ すべてのxについて(xが象であるならば、
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
④ Take anything you like: then if it has the property of being an elephant,
従って、
(13)により、
(14)
① 象は
といふ「日本語」は、
② すべてのxについて(xが象であるならば、
といふ「日本語」に、「等しい」。
然るに、
(15)
② すべてのxについて(xが象であるならば、
といふ「日本語」は、
③ これから象についてのことを述べますよ、
といふ「意味」に、解することが、「可能」である。
然るに、
(16)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
「象は」は、テーマを提示する「主題」であり、「これから象についてのことを述べますよという」ことである。
といふ「言ひ方」も、分からないではない。
然るに、
(18)
実際、文法学者が「主語」という「語」を使わなければならないことは、不幸なことだ。この語は、普通のことばでは、とりわけ「話題」(主題)という意味でも使われているからである(イェスペルセン著、安藤貞雄 訳、文法の原理(中)、2006年、45頁)。
従って、
(18)により、
(19)
「主語」であることと、
「主題」であることとは、「矛盾」しない。
従って、
(20)
「象は」が、「主題」であるから。と言って、それだけでは、
「象は」が、「主語」ではない。といふことには、ならない。
令和02年12月29日、毛利太。
1 (1) ∀x(象x→動x) A
1 (2) 象a→動a 1UE
3 (3) ~動a A
4(4) 象a A
1 4(5) 動a 24MPP
134(6) ~動a&動a 35&I
13 (7) ~象a 46RAA
1 (8) ~動a→~象a 37CP
1 (9)∀x(~動x→~象x) 8UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3 (3) 象a A
4(4) ~動a A
1 4(5) ~象a 24MPP
134(6) 象a&~象a 35&I
13 (7) ~~動a 46RAA
13 (8) 動a 7DN
1 (9) 象a→動a 38CP
1 (ア) ∀x(象x→動x) 9UI
(02)
(ⅱ)
1 (1) ∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3(3) ~動a& 象a A
(4) ~動a 3&E
13(5) ~象a 24MPP
3(6) 象a 3&E
1 (7) ~象a&象a 56&I
1 (8) ~(~動a& 象a) 37RAA
1 (9)∀x~(~動x& 象x) 8UI
1 (ア)~∃x(~動x& 象x) 9量化子の関係
(ⅲ)
1 (1)~∃x(~動x&象x) A
1 (2)Ax~(~動x&象x) 1量化子の関係
1 (3) ~(~動a&象a) 2UE
4 (4) ~動a A
5(5) 象a A
45(6) ~動a&象a 45&I
145(7) ~(~動a&象a)&
(~動a&象a) 36&I
14 (8) ~象a 57RAA
1 (9) ~動a→~象a 48CP
1 (ア)∀x(~動x→~象x) 9UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x( 象x→ 動x)
② ∀x(~動x→~象x)
③ ~∃x(~動x& 象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、 xは動物である)。
② すべてのxについて(xが動物でないならば、xは象ではない)。
③ あるxが(動物でなくて、象である。)といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は動物である。
② 動物でない象はゐない。
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(04)により、
(05)
③ 動物は象である。
④ 象でない動物はゐない。
に於いて、
③=④ も「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
①&③ ⇔ ⑤ 象は動物であり、動物は象である。
②&④ ⇔ ⑥ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
⑤=⑥ である。
然るに、
(07)
① 象は動物であり、
② 桜は植物である。
従って、
(07)により、
(08)
{象、桜}を{対象」とすると、
① 象が動物であり、
② 桜は植物である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
{象、桜}を{対象}とすると、
① 象が動物である。
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外(桜)は動物ではない(植物である)。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(10)により、
(11)
{タゴール記念会員}を{対象}とすると、
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
① AがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(03)(04)により、
(13)
① 象は
② ∀x(象x→
③ すべてのxについて(xが象であるならば、
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
④ Take anything you like: then if it has the property of being an elephant,
従って、
(13)により、
(14)
① 象は
といふ「日本語」は、
② すべてのxについて(xが象であるならば、
といふ「日本語」に、「等しい」。
然るに、
(15)
② すべてのxについて(xが象であるならば、
といふ「日本語」は、
③ これから象についてのことを述べますよ、
といふ「意味」に、解することが、「可能」である。
然るに、
(16)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
「象は」は、テーマを提示する「主題」であり、「これから象についてのことを述べますよという」ことである。
といふ「言ひ方」も、分からないではない。
然るに、
(18)
実際、文法学者が「主語」という「語」を使わなければならないことは、不幸なことだ。この語は、普通のことばでは、とりわけ「話題」(主題)という意味でも使われているからである(イェスペルセン著、安藤貞雄 訳、文法の原理(中)、2006年、45頁)。
従って、
(18)により、
(19)
「主語」であることと、
「主題」であることとは、「矛盾」しない。
従って、
(20)
「象は」が、「主題」であるから。と言って、それだけでは、
「象は」が、「主語」ではない。といふことには、ならない。
令和02年12月29日、毛利太。
2020年12月28日月曜日
「象は鼻が長い」と、その「対偶」の「述語論理」。
(01)
1 (1) ∀x(象x→動x) A
1 (2) 象a→動a 1UE
3 (3) ~動a A
4(4) 象a A
1 4(5) 動a 24MPP
134(6) ~動a&動a 35&I
13 (7) ~象a 46RAA
1 (8) ~動a→~象a 37CP
1 (9)∀x(~動x→~象x) 8UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3 (3) 象a A
4(4) ~動a A
1 4(5) ~象a 24MPP
134(6) 象a&~象a 35&I
13 (7) ~~動a 46RAA
13 (8) 動a 7DN
1 (9) 象a→動a 38CP
1 (ア) ∀x(象x→動x) 9UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x( 象x→ 動x)
② ∀x(~動x→~象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
② すべてのxについて(xが動物以外ならば、xは象ではない)。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は動物である。
② 動物でなければ象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3 (3) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) A
4 (4) ∀y(鼻ya→~長y) A
4 (5) 鼻ba→~長b 4UE
4 (6) ~鼻ba∨~長b 5含意の定義
4 (7) ~(鼻ba& 長b) 6ド・モルガンの法則
4 (8) ∀y~(鼻ya& 長y) 7UI
4 (9) ~∃y(鼻ya& 長y) 8量化子の関係
4 (ア) ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 9∨I
イ (イ) ∃z(~鼻za& 長z) A
3 (ウ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 34アイウ∨E
エ (エ) ∃z(~鼻za& 長z) A
オ (オ) ~鼻ba& 長b A
オ (カ) ~( 鼻ba∨~長b) オ、ド・モルガンの法則
オ (キ) ~(~鼻ba→~長b) カ含意の定義
オ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) EI
エ (ケ) ∃z~(~鼻za→~長z) エオクEE
エ (コ) ~∀z(~鼻za→~長z) ケ量化子の関係
エ (サ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) コ∨I
シ (シ) ~∃y(鼻ya& 長y) A
シ (ス) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) シ∨I
3 (セ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ウエサシス∨E
3 (ソ) ~{∃y(鼻ya& 長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} サ、ド・モルガンの法則
13 (タ) ~象a 2ソMTT
1 (チ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 3タCP
1 (ツ)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} チUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象a} A
1 (2) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 1UE
2 (3) 象a A
2 (4) ~~象a 3DN
12 (5) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za&長z)} 4MTT
12 (6) ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za&長z) 5ド・モルガンの法則
12 (7) ~∀y(鼻ya→~長y) 6&E
12 (8) ∃y~(鼻ya→~長y) 7量化子の関係
9 (9) ~(鼻ba→~長b) A
9 (ア) ~(~鼻ba∨~長b) 9含意の定義
9 (イ) 鼻ba& 長b ア、ド・モルガンの法則
9 (ウ) ∃y(鼻ya& 長y) イEI
12 (エ) ∃y(鼻ya& 長y) 89ウEE
12 (オ) ~∃z(~鼻za&長z) 6&E
12 (カ) ∀z~(~鼻za&長z) オ量化子の関係
12 (キ) ~(~鼻ba&長b) カUE
12 (ク) 鼻ba∨~長b キ、ド・モルガンの法則
12 (ケ) ~鼻ba→~長b ク含意の定義
12 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ケUI
12 (サ) ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) エコ&I
1 (シ) 象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2サCP
1 (ス)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z) シUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)か、あるzが(xの鼻以外で、長い)ならば、xは象ではない。}
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長く、 鼻以外は長くない。
② 鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(07)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} 1対偶
1 (3) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 2UE
4 (4)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)} A
4 (5) 馬a→~∃y(鼻ya&長y) 4UE
6 (6) 馬a A
46 (7) ~∃y(鼻ya&長y) 56MPP
46 (8) ∀y~(鼻ya&長y) 7量化子の関係
46 (9) ~(鼻ba&長b) 8UE
46 (ア) ~鼻ba∨~長b 9ド・モルガンの法則
46 (イ) 鼻ba→~長b ア含意の定義
46 (ウ) ∀y(鼻ya→~長b) イUI
46 (エ) ∀y(鼻ya→~長b)∨∃z(~鼻za&長z) ウ∨I
146 (オ) ~象a 3エMPP
14 (カ) 馬a→~象a 6オCP
14 (キ)∀x(馬x→~象x) カUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)}。従って、
(ⅲ)∀x(馬x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが馬ならば、あるyが(xの鼻であって、長い)といふことは無い。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが馬ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」然るに、
(ⅱ)「馬の鼻は長くない。」従って、
(ⅲ)「馬は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(10)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
オ(オ) 耳ba&長b A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
従って、
(10)により、
(11) (ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。} 然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyは(xの耳であって、長く)、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」 然るに、
(ⅱ)「兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。」従って、
(ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(07)(09)(10)(12)により、
(13)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② であるならば、そのときに限って、
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(14)
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 象は鼻が長い。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
令和02年12月28日、毛利太。
1 (1) ∀x(象x→動x) A
1 (2) 象a→動a 1UE
3 (3) ~動a A
4(4) 象a A
1 4(5) 動a 24MPP
134(6) ~動a&動a 35&I
13 (7) ~象a 46RAA
1 (8) ~動a→~象a 37CP
1 (9)∀x(~動x→~象x) 8UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(~動x→~象x) A
1 (2) ~動a→~象a 1UE
3 (3) 象a A
4(4) ~動a A
1 4(5) ~象a 24MPP
134(6) 象a&~象a 35&I
13 (7) ~~動a 46RAA
13 (8) 動a 7DN
1 (9) 象a→動a 38CP
1 (ア) ∀x(象x→動x) 9UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x( 象x→ 動x)
② ∀x(~動x→~象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
② すべてのxについて(xが動物以外ならば、xは象ではない)。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は動物である。
② 動物でなければ象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3 (3) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) A
4 (4) ∀y(鼻ya→~長y) A
4 (5) 鼻ba→~長b 4UE
4 (6) ~鼻ba∨~長b 5含意の定義
4 (7) ~(鼻ba& 長b) 6ド・モルガンの法則
4 (8) ∀y~(鼻ya& 長y) 7UI
4 (9) ~∃y(鼻ya& 長y) 8量化子の関係
4 (ア) ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 9∨I
イ (イ) ∃z(~鼻za& 長z) A
3 (ウ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 34アイウ∨E
エ (エ) ∃z(~鼻za& 長z) A
オ (オ) ~鼻ba& 長b A
オ (カ) ~( 鼻ba∨~長b) オ、ド・モルガンの法則
オ (キ) ~(~鼻ba→~長b) カ含意の定義
オ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) EI
エ (ケ) ∃z~(~鼻za→~長z) エオクEE
エ (コ) ~∀z(~鼻za→~長z) ケ量化子の関係
エ (サ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) コ∨I
シ (シ) ~∃y(鼻ya& 長y) A
シ (ス) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) シ∨I
3 (セ) ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ウエサシス∨E
3 (ソ) ~{∃y(鼻ya& 長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} サ、ド・モルガンの法則
13 (タ) ~象a 2ソMTT
1 (チ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 3タCP
1 (ツ)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} チUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象a} A
1 (2) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 1UE
2 (3) 象a A
2 (4) ~~象a 3DN
12 (5) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za&長z)} 4MTT
12 (6) ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za&長z) 5ド・モルガンの法則
12 (7) ~∀y(鼻ya→~長y) 6&E
12 (8) ∃y~(鼻ya→~長y) 7量化子の関係
9 (9) ~(鼻ba→~長b) A
9 (ア) ~(~鼻ba∨~長b) 9含意の定義
9 (イ) 鼻ba& 長b ア、ド・モルガンの法則
9 (ウ) ∃y(鼻ya& 長y) イEI
12 (エ) ∃y(鼻ya& 長y) 89ウEE
12 (オ) ~∃z(~鼻za&長z) 6&E
12 (カ) ∀z~(~鼻za&長z) オ量化子の関係
12 (キ) ~(~鼻ba&長b) カUE
12 (ク) 鼻ba∨~長b キ、ド・モルガンの法則
12 (ケ) ~鼻ba→~長b ク含意の定義
12 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ケUI
12 (サ) ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) エコ&I
1 (シ) 象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2サCP
1 (ス)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z) シUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)か、あるzが(xの鼻以外で、長い)ならば、xは象ではない。}
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長く、 鼻以外は長くない。
② 鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(07)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} 1対偶
1 (3) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a 2UE
4 (4)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)} A
4 (5) 馬a→~∃y(鼻ya&長y) 4UE
6 (6) 馬a A
46 (7) ~∃y(鼻ya&長y) 56MPP
46 (8) ∀y~(鼻ya&長y) 7量化子の関係
46 (9) ~(鼻ba&長b) 8UE
46 (ア) ~鼻ba∨~長b 9ド・モルガンの法則
46 (イ) 鼻ba→~長b ア含意の定義
46 (ウ) ∀y(鼻ya→~長b) イUI
46 (エ) ∀y(鼻ya→~長b)∨∃z(~鼻za&長z) ウ∨I
146 (オ) ~象a 3エMPP
14 (カ) 馬a→~象a 6オCP
14 (キ)∀x(馬x→~象x) カUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)}。従って、
(ⅲ)∀x(馬x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが馬ならば、あるyが(xの鼻であって、長い)といふことは無い。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが馬ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」然るに、
(ⅱ)「馬の鼻は長くない。」従って、
(ⅲ)「馬は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(10)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
オ(オ) 耳ba&長b A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
従って、
(10)により、
(11) (ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。} 然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyは(xの耳であって、長く)、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」 然るに、
(ⅱ)「兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。」従って、
(ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(07)(09)(10)(12)により、
(13)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② であるならば、そのときに限って、
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(14)
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 象は鼻が長い。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
令和02年12月28日、毛利太。
2020年12月27日日曜日
三上章の「第一・第二名詞文」。
(01)
① 犬は動物である(が、犬以外にも、動物はゐる)。
② 犬は最古の家畜である(が、犬以外に、最古の家畜はゐない)。
然るに、
(02)
A⊆B:集合Aは、集合Bの真部分集合である。
A=B:集合Aと、集合Bは等しい(2つの集合の要素が同じである)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「集合」の「記号」を用ひるならば、
① 犬⊆動物
② 犬=最古の家畜
といふ、ことになる。
従って、
(04)
① 犬は動物である。
② 犬は最古の家畜である。
といふ「日本語」は、「文型」としては、両方とも、
① AはBである。
② AはBである。
であるものの、
① A⊆B
② A=B
といふ風に、「区別」出来る。
然るに、
(05)
{犬、猫、馬}
であるならば、
① 犬は動物である。
② 猫も動物である。
③ 馬も動物である。
然るに、
(06)
{犬、机、桜}
であるならば、
① 犬は動物である。
② 机は動物ではない。
③ 桜は植物である。
従って、
(06)により、
(07)
{犬、机、桜}
であれば、
① 何が動物であるか。
と言へば、
① 犬が動物である。
然るに、
(08)
{犬、机、桜}
であれば、
{犬}以外={机、桜}
は、動物ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 犬が動物である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(10)
② 動物は犬である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
cf.
(ⅱ)
1 (1) ∀x(動x→犬x) A
1 (2) 動a→犬a 1UE
3 (3) ~犬a A
4(4) 動a A
1 4(5) 犬a 24MPP
134(6) ~犬a&犬a 35&I
13 (7) ~動a 46RAA
1 (8) ~犬a→~動a 37CP
1 (9)∀x(~犬x→~動x) 8UI
(ⅲ)
1 (1)∀x(~犬x→~動x) A
1 (2) ~犬a→~動a 1UE
3 (3) 動a A
4(4) ~犬a A
1 4(5) ~動a 24MPP
134(6) 動a&~動a 35&I
13 (7) ~~犬a 46RAA
13 (8) 犬a 7DN
1 (9) 動a→犬a 38CP
1 (ア) ∀x(動x→犬x) 9UI
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 犬が動物である。
② 動物は犬である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
{犬、桜}
であるならば、
① 動物が犬であり、
② 植物が犬である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
{犬、桜}
であるならば、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
従って、
(13)により、
(14)
{犬、桜}を、{対象}とするならば、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
といふ「日本語」に、「不都合」は無い。
然るに、
(15)
どれが君の傘です?
私が幹事です。
この犬が昨夜吠えたのです。
誰が猫にえさをやっているのです。
これらのセンテンスには、「Ⅹは」が含まれてはいませんが、無題文と呼ぶわけにはいきません。語順をひっくり返すと「Ⅹは」が隠れていると見て、陰題文と呼ばれています。それに対して、「Ⅹは」が現れている方は、顕題文です。
このように、隠題文と表裏を成している顕題文つまり有題文を、三上は第二名詞文としています。第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。「犬は動物である。」をひっくり返した「動物が犬である」は、意味を成さないからです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、三上文法入門、2003年、56頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
「犬は動物である。」をひっくり返した、
「動物が犬である」は、意味を成さない。
といふ言ふものの、
{犬、桜}を{対象}とする限り、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
といふ「日本語」に、「不都合」は無い。
然るに、
(16)により、
(17)
第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。
従って、
(01)(03)(16)(17)により、
(18)
三上章先生 が言ふ所の、
① 犬は動物である(第一名詞文)。
に於ける、
①「は」は、「⊆」に「相当」し、
② 犬は最古の家畜である(第二名詞文)。
に於ける、
②「は」は、「=」に「相当」する。
然るに、
(19)
「何が動物であるか。」といふ「問ひ」に対しては、
「一言では、答へようが無い」が、
「何が最古の家畜か。」といふ「問ひ」に対しては、
「犬が最古の家畜である。」といふ風に、「答へること」が、出来る。
従って、
(18)(19)により、
(20)
②「=」に「相当」する「は」は、
②「が」に「置き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(20)(21)により、
(22)
② 私=タゴール記念会の理事長。
② タゴール記念会の理事長=私。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年12月27日、毛利太。
① 犬は動物である(が、犬以外にも、動物はゐる)。
② 犬は最古の家畜である(が、犬以外に、最古の家畜はゐない)。
然るに、
(02)
A⊆B:集合Aは、集合Bの真部分集合である。
A=B:集合Aと、集合Bは等しい(2つの集合の要素が同じである)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「集合」の「記号」を用ひるならば、
① 犬⊆動物
② 犬=最古の家畜
といふ、ことになる。
従って、
(04)
① 犬は動物である。
② 犬は最古の家畜である。
といふ「日本語」は、「文型」としては、両方とも、
① AはBである。
② AはBである。
であるものの、
① A⊆B
② A=B
といふ風に、「区別」出来る。
然るに、
(05)
{犬、猫、馬}
であるならば、
① 犬は動物である。
② 猫も動物である。
③ 馬も動物である。
然るに、
(06)
{犬、机、桜}
であるならば、
① 犬は動物である。
② 机は動物ではない。
③ 桜は植物である。
従って、
(06)により、
(07)
{犬、机、桜}
であれば、
① 何が動物であるか。
と言へば、
① 犬が動物である。
然るに、
(08)
{犬、机、桜}
であれば、
{犬}以外={机、桜}
は、動物ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 犬が動物である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(10)
② 動物は犬である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
cf.
(ⅱ)
1 (1) ∀x(動x→犬x) A
1 (2) 動a→犬a 1UE
3 (3) ~犬a A
4(4) 動a A
1 4(5) 犬a 24MPP
134(6) ~犬a&犬a 35&I
13 (7) ~動a 46RAA
1 (8) ~犬a→~動a 37CP
1 (9)∀x(~犬x→~動x) 8UI
(ⅲ)
1 (1)∀x(~犬x→~動x) A
1 (2) ~犬a→~動a 1UE
3 (3) 動a A
4(4) ~犬a A
1 4(5) ~動a 24MPP
134(6) 動a&~動a 35&I
13 (7) ~~犬a 46RAA
13 (8) 犬a 7DN
1 (9) 動a→犬a 38CP
1 (ア) ∀x(動x→犬x) 9UI
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 犬が動物である。
② 動物は犬である。
③ 犬以外は動物ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
{犬、桜}
であるならば、
① 動物が犬であり、
② 植物が犬である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
{犬、桜}
であるならば、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
従って、
(13)により、
(14)
{犬、桜}を、{対象}とするならば、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
といふ「日本語」に、「不都合」は無い。
然るに、
(15)
どれが君の傘です?
私が幹事です。
この犬が昨夜吠えたのです。
誰が猫にえさをやっているのです。
これらのセンテンスには、「Ⅹは」が含まれてはいませんが、無題文と呼ぶわけにはいきません。語順をひっくり返すと「Ⅹは」が隠れていると見て、陰題文と呼ばれています。それに対して、「Ⅹは」が現れている方は、顕題文です。
このように、隠題文と表裏を成している顕題文つまり有題文を、三上は第二名詞文としています。第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。「犬は動物である。」をひっくり返した「動物が犬である」は、意味を成さないからです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、三上文法入門、2003年、56頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
「犬は動物である。」をひっくり返した、
「動物が犬である」は、意味を成さない。
といふ言ふものの、
{犬、桜}を{対象}とする限り、
① 動物が犬である。
② 犬は動物である。
③ 動物以外(植物)は犬ではなく、桜である。
といふ「日本語」に、「不都合」は無い。
然るに、
(16)により、
(17)
第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。
従って、
(01)(03)(16)(17)により、
(18)
三上章先生 が言ふ所の、
① 犬は動物である(第一名詞文)。
に於ける、
①「は」は、「⊆」に「相当」し、
② 犬は最古の家畜である(第二名詞文)。
に於ける、
②「は」は、「=」に「相当」する。
然るに、
(19)
「何が動物であるか。」といふ「問ひ」に対しては、
「一言では、答へようが無い」が、
「何が最古の家畜か。」といふ「問ひ」に対しては、
「犬が最古の家畜である。」といふ風に、「答へること」が、出来る。
従って、
(18)(19)により、
(20)
②「=」に「相当」する「は」は、
②「が」に「置き換へ」ることが、出来る。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(20)(21)により、
(22)
② 私=タゴール記念会の理事長。
② タゴール記念会の理事長=私。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年12月27日、毛利太。
2020年12月21日月曜日
「同一命題」としての「私が理事長である」。
(01)
① AはBである。
② AならばBである。
に於いて、
①=② である。
(02)
② AならばBである。
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
に於いて、
②=③ である。
(03)
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
④(BでなくてAである。)といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
(04)
④(BでなくてAである。)といふことはない。
⑤ Bでないならば、Aでない。
に於いて、
④=⑤ である。
(05)
⑤ Bでないならば、Aでない。
⑥ B以外は、 Aでない。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① AはBである。
② AならばBである。
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
④(BでなくてAである。)といふことはない。
⑤ Bでないならば、Aでない。
⑥ B以外は、 Aでない。
といふ「日本語」に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥ である。
従って、
(06)により、
(07)
「番号」を付け直すと、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
といふ「日本語」に於いて、
①=② である。
といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1) A→ B 仮定
2 (2) A&~B 仮定
2 (3) A 2&E
2 (4) ~B 2&E
12 (5) B 13MPP
12 (6) ~B&B 45&I
1 (7)~(A&~B) 26RAA
8 (8) ~B 仮定
9(9) A 仮定
89(ア) A&~B 89&I
1 89(イ)~(A&~B)&
(A&~B) 7ア&I
1 8 (ウ) ~A 9イRAA
1 (エ) ~B→~A 8ウCP
(ⅱ)
1 (1) ~B→~A 仮定
2 (2) ~B& A 仮定
2 (3) ~B 2&E
2 (4) A 2&E
12 (5) ~A 13MPP
12 (6) A&~A 45&I
1 (7)~(~B& A) 26RAA
8 (8) A 仮定
9(9) ~B 仮定
89(ア) ~B& A 89&I
1 89(イ)~(~B& A)&
(~B& A) 7ア&I
1 8 (ウ) ~~B 9イRAA
1 8 (エ) B ウDN
1 (オ) A→ B 8エCP
従って、
(08)により、
(09)
① A→ B
② ~B→~A
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① AならばBである。
② BでないならばAでない。
に於いて、すなはち、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)~(11)により、
(11)
『日本語』で「思考」しても、
『論理学』で「計算」しても、いづれにせよ、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
に於いて、
①=② といふ「等式(Contraposition)」は、「正しい」。
従って、
(11)により、
(12)
A=理事長
B=私
として、
① 理事長は私である。
② 私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=② といふ「等式(Contraposition)」は、「正しい」。
然るに、
(12)により、
(13)
① 理事長は私である。
② 私以外は、理事長でない。
といふ「命題」は、
① 私は理事長である。
② 私は理事長である。
といふ「命題」を、「含意」する。
従って、
(12)(13)により
(14)
① 私は理事長であり、理事長は私である。
② 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=② といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=②=③ といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことは、要するに、
④「私」と「理事長」が、「同一人物(The same person)」である。
といふことに、他ならない。
従って、
(17)により、
(18)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
④ 私と理事長は、「同一」である。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(19)
⑤ 昨夜吠えたのはこの犬だ。
⑥ 犬は動物である。
に於いて、
⑤「昨夜吠えた犬」と「この犬」は、「同一」であるが、
⑥「犬」と「動物」は、「同一」ではない。
cf.
⑤ A=B(A⇔B)
⑥ A≠B(A⊂B)
然るに、
(20)
9 私が幹事です(陰題と顕題)
話を名詞文に戻します。名詞文の中には、特殊な名詞文があります。指定を表す名詞文です。
君の傘はどれです?
幹事は私です。
昨夜吠えたのはこの犬だ。
猫にえさをやっているのは誰だ?
これらの名詞文は、指定を表していますが、語順を変えて、指定以前のセンテンスに戻すことができます。
どれが君の傘です?
私が幹事です。
この犬が昨夜吠えたのです。
誰が猫にえさをやっているのです。
これらのセンテンスには、「Ⅹは」が含まれてはいませんが、無題文と呼ぶわけにはいきません。語順をひっくり返すと「Ⅹは」が隠れていると見て、陰題文と呼ばれています。それに対して、「Ⅹは」が現れている方は、顕題文です。
このように、隠題文と表裏を成している顕題文つまり有題文を、三上は第二名詞文としています。第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。「犬は動物である。」をひっくり返した「動物が犬である」は、意味を成さないからです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、三上文法入門、2003年、56頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑤ 昨夜吠えたのは(=)この犬だ。
⑥ 犬は(⊂)動物である。
といふ「日本語の違ひ」を説明する際に「必要」なのは、「同一(同値)」といふ「用語」であって、「陰題と顕題」といふ「用語」ではない。
(22)
① 2は偶素数である。
② 3は奇素数である。
であるため、
① 2=偶素数。
② 3∈奇素数。
である。
(23)
① 2=偶素数。
であるならば、
② 2が偶素数であり、
③ 2は偶素数であり、偶素数は2であり、
④ 2は偶素数であり、2以外は、偶素数でない。
従って、
(23)により、
(24)
最も、簡単に言ふと、「が」といふ「助詞」は、「=(⇔)」といふ「等号」に、相当する。
令和02年12月21日、毛利太。
① AはBである。
② AならばBである。
に於いて、
①=② である。
(02)
② AならばBである。
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
に於いて、
②=③ である。
(03)
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
④(BでなくてAである。)といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
(04)
④(BでなくてAである。)といふことはない。
⑤ Bでないならば、Aでない。
に於いて、
④=⑤ である。
(05)
⑤ Bでないならば、Aでない。
⑥ B以外は、 Aでない。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① AはBである。
② AならばBである。
③(Aであって、Bない。)といふことはない。
④(BでなくてAである。)といふことはない。
⑤ Bでないならば、Aでない。
⑥ B以外は、 Aでない。
といふ「日本語」に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥ である。
従って、
(06)により、
(07)
「番号」を付け直すと、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
といふ「日本語」に於いて、
①=② である。
といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1) A→ B 仮定
2 (2) A&~B 仮定
2 (3) A 2&E
2 (4) ~B 2&E
12 (5) B 13MPP
12 (6) ~B&B 45&I
1 (7)~(A&~B) 26RAA
8 (8) ~B 仮定
9(9) A 仮定
89(ア) A&~B 89&I
1 89(イ)~(A&~B)&
(A&~B) 7ア&I
1 8 (ウ) ~A 9イRAA
1 (エ) ~B→~A 8ウCP
(ⅱ)
1 (1) ~B→~A 仮定
2 (2) ~B& A 仮定
2 (3) ~B 2&E
2 (4) A 2&E
12 (5) ~A 13MPP
12 (6) A&~A 45&I
1 (7)~(~B& A) 26RAA
8 (8) A 仮定
9(9) ~B 仮定
89(ア) ~B& A 89&I
1 89(イ)~(~B& A)&
(~B& A) 7ア&I
1 8 (ウ) ~~B 9イRAA
1 8 (エ) B ウDN
1 (オ) A→ B 8エCP
従って、
(08)により、
(09)
① A→ B
② ~B→~A
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① AならばBである。
② BでないならばAでない。
に於いて、すなはち、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)~(11)により、
(11)
『日本語』で「思考」しても、
『論理学』で「計算」しても、いづれにせよ、
① AはBである。
② B以外は、Aでない。
に於いて、
①=② といふ「等式(Contraposition)」は、「正しい」。
従って、
(11)により、
(12)
A=理事長
B=私
として、
① 理事長は私である。
② 私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=② といふ「等式(Contraposition)」は、「正しい」。
然るに、
(12)により、
(13)
① 理事長は私である。
② 私以外は、理事長でない。
といふ「命題」は、
① 私は理事長である。
② 私は理事長である。
といふ「命題」を、「含意」する。
従って、
(12)(13)により
(14)
① 私は理事長であり、理事長は私である。
② 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=② といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=②=③ といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことは、要するに、
④「私」と「理事長」が、「同一人物(The same person)」である。
といふことに、他ならない。
従って、
(17)により、
(18)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は、理事長でない。
④ 私と理事長は、「同一」である。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(19)
⑤ 昨夜吠えたのはこの犬だ。
⑥ 犬は動物である。
に於いて、
⑤「昨夜吠えた犬」と「この犬」は、「同一」であるが、
⑥「犬」と「動物」は、「同一」ではない。
cf.
⑤ A=B(A⇔B)
⑥ A≠B(A⊂B)
然るに、
(20)
9 私が幹事です(陰題と顕題)
話を名詞文に戻します。名詞文の中には、特殊な名詞文があります。指定を表す名詞文です。
君の傘はどれです?
幹事は私です。
昨夜吠えたのはこの犬だ。
猫にえさをやっているのは誰だ?
これらの名詞文は、指定を表していますが、語順を変えて、指定以前のセンテンスに戻すことができます。
どれが君の傘です?
私が幹事です。
この犬が昨夜吠えたのです。
誰が猫にえさをやっているのです。
これらのセンテンスには、「Ⅹは」が含まれてはいませんが、無題文と呼ぶわけにはいきません。語順をひっくり返すと「Ⅹは」が隠れていると見て、陰題文と呼ばれています。それに対して、「Ⅹは」が現れている方は、顕題文です。
このように、隠題文と表裏を成している顕題文つまり有題文を、三上は第二名詞文としています。第二名詞文は、第一名詞文、たとえば、
犬は動物である。
のような名詞文(措定)と区別しなければなりません。「犬は動物である。」をひっくり返した「動物が犬である」は、意味を成さないからです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、三上文法入門、2003年、56頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑤ 昨夜吠えたのは(=)この犬だ。
⑥ 犬は(⊂)動物である。
といふ「日本語の違ひ」を説明する際に「必要」なのは、「同一(同値)」といふ「用語」であって、「陰題と顕題」といふ「用語」ではない。
(22)
① 2は偶素数である。
② 3は奇素数である。
であるため、
① 2=偶素数。
② 3∈奇素数。
である。
(23)
① 2=偶素数。
であるならば、
② 2が偶素数であり、
③ 2は偶素数であり、偶素数は2であり、
④ 2は偶素数であり、2以外は、偶素数でない。
従って、
(23)により、
(24)
最も、簡単に言ふと、「が」といふ「助詞」は、「=(⇔)」といふ「等号」に、相当する。
令和02年12月21日、毛利太。
2020年12月15日火曜日
「ド・モルガンの法則」の「証明(2通り)」。
(01)
①「1」は「素数」ではなく、「偶数」でもない。
②「2」は「素数」であって、「偶数」である。
③「3」は「素数」であって、「偶数」ではない。
④「4」は「素数」ではなく、「偶数」である。
従って、
(01)により、
(02)
S=素数である。
G=偶数である。
とするならば、
① 1=~S&~G
② 2= S& G
③ 3= S&~G
④ 4=~S& G
然るに、
(03)
{①、②、③、④}を{変域(ドメイン)}とすると、
① でない。⇔ ② か、③ か、④ である。
② でない。⇔ ① か、③ か、④ である。
③ でない。⇔ ① か、② か、④ である。
④ でない。⇔ ① か、② か、③ である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~1=~(~S&~G)⇔( S& G)∨( S&~G)∨(~S& G)
② ~2=~( S& G)⇔(~S&~G)∨( S&~G)∨(~S& G)
③ ~3=~( S&~G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨(~S& G)
④ ~4=~(~S& G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨( S&~G)
然るに、
(05)
①(S&G)∨(S&~G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=真,G=真
(ⅱ)S=真,G=偽
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=偽,G=偽
である際に、「偽」になるが、
① S∨ G
といふ「式」もさうである。
(06)
②(~S&~G)∨(S&~G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=偽
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=真,G=真
である際に、「偽」になるが、
② ~S∨~G
といふ「式」もさうである。
(07)
③(~S&~G)∨(S&G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=真
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=真,G=偽
である際に、「偽」になるが、
③ ~S∨ G
といふ「式」もさうである。
(08)
④(~S&~G)∨(S&G)∨(S&~G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=真
(ⅲ)S=真,G=偽
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=偽,G=真
である際に、「偽」になるが、
④ S∨~G
といふ「式」もさうである。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
① ~1=~(~S&~G)⇔( S& G)∨( S&~G)∨(~S& G)
② ~2=~( S& G)⇔(~S&~G)∨( S&~G)∨(~S& G)
③ ~3=~( S&~G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨(~S& G)
④ ~4=~(~S& G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨( S&~G)
といふ「等式」は、
① ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
② ~( S& G)⇔(~S∨~G)
③ ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
④ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」に、「等しい」。
然るに、
(10)
例へば
(ⅳ)
1 (1) ~(~S& G) A
2 (2) ~( S∨~G) A
3 (3) S A
3 (4) S∨~G 3∨I
23 (5) ~( S∨~G)&
( S∨~G) 14&I
2 (6) ~S 35RAA
7(8) ~G A
7(9) S∨~G 8∨I
2 7(ア) ~( S∨~G)&
( S∨~G) 19&I
2 (イ) ~~G 7アRAA
2 (ウ) G イDN
2 (エ) ~S& G 6ウ&I
12 (オ) ~(~S& G)&
(~S& G) 1エ&I
1 (カ)~~( S∨~G) 2オRAA
1 (キ) ( S∨~G) カDN
(ⅴ)
1 (1) ( S∨~G) A
2 (2) ~S& G A
3 (3) S A
2 (4) ~S 2&E
23 (5) S&~S 34&I
3 (6) ~(~S& G) 25RAA
7(7) ~G A
2 (8) G 2&E
2 7(9) ~G&G 78&I
7(ア) ~(~S& G) 29RAA
1 (イ) ~(~S& G) 1367ア∨E
従って、
(10)により、
(11)
④ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
といふ「等式」が成立し、「同じ計算」により、
① ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
② ~( S& G)⇔(~S∨~G)
③ ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
「真理表(Truth table)」と、
「命題計算(propositional calculus)」の「両方」により、
① ~( S& G)⇔(~S∨~G)
② ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
③ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
④ ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
従って、
(12)により、
(13)
「左辺」と「右辺」を「逆」にして、
「両辺」を「否定」すると、「2重否定」により、
⑤ ~(~S∨~G)⇔ ~~( S& G)⇔( S& G)
⑥ ~(~S∨ G)⇔ ~~( S&~G)⇔( S&~G)
⑦ ~( S∨~G)⇔ ~~(~S& G)⇔(~S& G)
⑧ ~( S∨ G)⇔ ~~(~S&~G)⇔(~S&~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ~( S& G)⇔(~S∨~G)
② ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
③ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
④ ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
⑤ ~(~S∨~G)⇔( S& G)
⑥ ~(~S∨ G)⇔( S&~G)
⑦ ~( S∨~G)⇔(~S& G)
⑧ ~( S∨ G)⇔(~S&~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
令和02年12月15日、毛利太。
①「1」は「素数」ではなく、「偶数」でもない。
②「2」は「素数」であって、「偶数」である。
③「3」は「素数」であって、「偶数」ではない。
④「4」は「素数」ではなく、「偶数」である。
従って、
(01)により、
(02)
S=素数である。
G=偶数である。
とするならば、
① 1=~S&~G
② 2= S& G
③ 3= S&~G
④ 4=~S& G
然るに、
(03)
{①、②、③、④}を{変域(ドメイン)}とすると、
① でない。⇔ ② か、③ か、④ である。
② でない。⇔ ① か、③ か、④ である。
③ でない。⇔ ① か、② か、④ である。
④ でない。⇔ ① か、② か、③ である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~1=~(~S&~G)⇔( S& G)∨( S&~G)∨(~S& G)
② ~2=~( S& G)⇔(~S&~G)∨( S&~G)∨(~S& G)
③ ~3=~( S&~G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨(~S& G)
④ ~4=~(~S& G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨( S&~G)
然るに、
(05)
①(S&G)∨(S&~G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=真,G=真
(ⅱ)S=真,G=偽
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=偽,G=偽
である際に、「偽」になるが、
① S∨ G
といふ「式」もさうである。
(06)
②(~S&~G)∨(S&~G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=偽
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=真,G=真
である際に、「偽」になるが、
② ~S∨~G
といふ「式」もさうである。
(07)
③(~S&~G)∨(S&G)∨(~S&G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=真
(ⅲ)S=偽,G=真
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=真,G=偽
である際に、「偽」になるが、
③ ~S∨ G
といふ「式」もさうである。
(08)
④(~S&~G)∨(S&G)∨(S&~G)
といふ「式」は、「真理表(Truth table)」が示す所により、
(ⅰ)S=偽,G=偽
(ⅱ)S=真,G=真
(ⅲ)S=真,G=偽
である際に、「真」になり、
(ⅳ)S=偽,G=真
である際に、「偽」になるが、
④ S∨~G
といふ「式」もさうである。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
① ~1=~(~S&~G)⇔( S& G)∨( S&~G)∨(~S& G)
② ~2=~( S& G)⇔(~S&~G)∨( S&~G)∨(~S& G)
③ ~3=~( S&~G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨(~S& G)
④ ~4=~(~S& G)⇔(~S&~G)∨( S& G)∨( S&~G)
といふ「等式」は、
① ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
② ~( S& G)⇔(~S∨~G)
③ ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
④ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」に、「等しい」。
然るに、
(10)
例へば
(ⅳ)
1 (1) ~(~S& G) A
2 (2) ~( S∨~G) A
3 (3) S A
3 (4) S∨~G 3∨I
23 (5) ~( S∨~G)&
( S∨~G) 14&I
2 (6) ~S 35RAA
7(8) ~G A
7(9) S∨~G 8∨I
2 7(ア) ~( S∨~G)&
( S∨~G) 19&I
2 (イ) ~~G 7アRAA
2 (ウ) G イDN
2 (エ) ~S& G 6ウ&I
12 (オ) ~(~S& G)&
(~S& G) 1エ&I
1 (カ)~~( S∨~G) 2オRAA
1 (キ) ( S∨~G) カDN
(ⅴ)
1 (1) ( S∨~G) A
2 (2) ~S& G A
3 (3) S A
2 (4) ~S 2&E
23 (5) S&~S 34&I
3 (6) ~(~S& G) 25RAA
7(7) ~G A
2 (8) G 2&E
2 7(9) ~G&G 78&I
7(ア) ~(~S& G) 29RAA
1 (イ) ~(~S& G) 1367ア∨E
従って、
(10)により、
(11)
④ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
といふ「等式」が成立し、「同じ計算」により、
① ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
② ~( S& G)⇔(~S∨~G)
③ ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
「真理表(Truth table)」と、
「命題計算(propositional calculus)」の「両方」により、
① ~( S& G)⇔(~S∨~G)
② ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
③ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
④ ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
従って、
(12)により、
(13)
「左辺」と「右辺」を「逆」にして、
「両辺」を「否定」すると、「2重否定」により、
⑤ ~(~S∨~G)⇔ ~~( S& G)⇔( S& G)
⑥ ~(~S∨ G)⇔ ~~( S&~G)⇔( S&~G)
⑦ ~( S∨~G)⇔ ~~(~S& G)⇔(~S& G)
⑧ ~( S∨ G)⇔ ~~(~S&~G)⇔(~S&~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ~( S& G)⇔(~S∨~G)
② ~( S&~G)⇔(~S∨ G)
③ ~(~S& G)⇔( S∨~G)
④ ~(~S&~G)⇔( S∨ G)
⑤ ~(~S∨~G)⇔( S& G)
⑥ ~(~S∨ G)⇔( S&~G)
⑦ ~( S∨~G)⇔(~S& G)
⑧ ~( S∨ G)⇔(~S&~G)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、「確認」することが、出来る。
令和02年12月15日、毛利太。
2020年12月14日月曜日
「ルカジェヴィッツの公理(1)」と「パースの法則」の、「読み方」。
(01)
① P→P
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
に於いて、
① を、「同一律」といひ、
② を、「ルカジェヴィッツの公理(1)」といひ、
③ を、「パースの方法」といふ。
(02)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3(3) ~P A
3(4) ~P∨Q 3∨I
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
12 (8) Q 17MPP
12 (9) ~P∨Q 8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 29&I
1 (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1 (ウ) ~P∨Q イDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(02)により、
(03)
② P→Q(Pならば、Qである)
③ ~P∨Q(PでないかQである)
に於いて
②=③ である(含意の定義)。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1) P A
1(2)~Q∨P 1∨I
1(3) Q→P 2含意の定義
(4)P→(Q→P) 13CP
(ⅱ)
1 (1) (P→Q)→P A
2 (2) ~P∨Q A
2 (3) P→Q 3含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
8 (8) ~P A
8 (9) ~P∨Q 8∨I
78 (ア)~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 79&I
7 (イ) ~~P 8アRAA
7 (ウ) P イDN
エ(エ) P A
1 (オ) P 67ウエエ∨E
(カ) ((P→Q)→P)→P 1オCP
従って、
(04)により、
(05)
②├ P→(Q→P)
③├((P→Q)→P)→P
とい「連式(Sequents)」は「妥当」である。
然るに、
(06)
① P├ P
② P├(Q→P)
③((P→Q)→P)├ P
といふ「連式(Sequents)」に対して、
①├ P→P
②├ P→(Q→P)
③├((P→Q)→P)→P
とい「連式(Sequents)」を、「恒真式(トートロジー)」と言ふ。
然るに、
(07)
「恒真式(トートロジー)」は、「恒に、真」であって、「偽」であることが無い。
従って、
(06)(07)により、
(08)
例へば、
②├ P→(Q→P)
であれば、すなはち、「ルカジェヴィッツの公理(1)」であれば、
②├ 真→(真→真)
②├ 真→(偽→真)
は、「両方とも、真である」。
然るに、
(09)
②├ P→(Q→P)
に於いて、
②├ 真→(真→真)
②├ 真→(偽→真)
の、「両方が真である」。
といふことは、
②├ P→(Q→P)
に於いて、
Pが「真」であるならば、
Qが「真」であらうと、
Qが「偽」であらうと、いづれにせよ、
Pは「真」である。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(09)により、
(10)
② P→(Q→P)
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
といふ「意味」になる。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
③├((P→Q)→P)→P
の場合も、
③ ((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ「意味」になる。
然るに、
(12)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式」は、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
と「読む」のが、「普通」である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ「意味」であるにも拘らず、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
といふ風に、「読まれる」ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」には、「意味と読み」に於いて、「齟齬」が有る。
といふ、ことにない。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「その意味」を考慮する限り、
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」を、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
といふ風に、「読む」ことは、「間違ひ」であると、言はざるを得ない。
すなはち、
(16)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ風に、「読む」のが、「正しい」。
令和02年12月14日、毛利太。
① P→P
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
に於いて、
① を、「同一律」といひ、
② を、「ルカジェヴィッツの公理(1)」といひ、
③ を、「パースの方法」といふ。
(02)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3(3) ~P A
3(4) ~P∨Q 3∨I
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
12 (8) Q 17MPP
12 (9) ~P∨Q 8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 29&I
1 (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1 (ウ) ~P∨Q イDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(02)により、
(03)
② P→Q(Pならば、Qである)
③ ~P∨Q(PでないかQである)
に於いて
②=③ である(含意の定義)。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1) P A
1(2)~Q∨P 1∨I
1(3) Q→P 2含意の定義
(4)P→(Q→P) 13CP
(ⅱ)
1 (1) (P→Q)→P A
2 (2) ~P∨Q A
2 (3) P→Q 3含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
8 (8) ~P A
8 (9) ~P∨Q 8∨I
78 (ア)~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 79&I
7 (イ) ~~P 8アRAA
7 (ウ) P イDN
エ(エ) P A
1 (オ) P 67ウエエ∨E
(カ) ((P→Q)→P)→P 1オCP
従って、
(04)により、
(05)
②├ P→(Q→P)
③├((P→Q)→P)→P
とい「連式(Sequents)」は「妥当」である。
然るに、
(06)
① P├ P
② P├(Q→P)
③((P→Q)→P)├ P
といふ「連式(Sequents)」に対して、
①├ P→P
②├ P→(Q→P)
③├((P→Q)→P)→P
とい「連式(Sequents)」を、「恒真式(トートロジー)」と言ふ。
然るに、
(07)
「恒真式(トートロジー)」は、「恒に、真」であって、「偽」であることが無い。
従って、
(06)(07)により、
(08)
例へば、
②├ P→(Q→P)
であれば、すなはち、「ルカジェヴィッツの公理(1)」であれば、
②├ 真→(真→真)
②├ 真→(偽→真)
は、「両方とも、真である」。
然るに、
(09)
②├ P→(Q→P)
に於いて、
②├ 真→(真→真)
②├ 真→(偽→真)
の、「両方が真である」。
といふことは、
②├ P→(Q→P)
に於いて、
Pが「真」であるならば、
Qが「真」であらうと、
Qが「偽」であらうと、いづれにせよ、
Pは「真」である。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(09)により、
(10)
② P→(Q→P)
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
といふ「意味」になる。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
③├((P→Q)→P)→P
の場合も、
③ ((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ「意味」になる。
然るに、
(12)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式」は、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
と「読む」のが、「普通」である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ「意味」であるにも拘らず、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
といふ風に、「読まれる」ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」には、「意味と読み」に於いて、「齟齬」が有る。
といふ、ことにない。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「その意味」を考慮する限り、
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」を、
② Pならば(QならばPである)。
③((PならばQならば)Pならば)Pである。
といふ風に、「読む」ことは、「間違ひ」であると、言はざるを得ない。
すなはち、
(16)
② P→(Q→P)
③((P→Q)→P)→P
といふ「式(トートロジー)」は、
② Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。
③((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)Pならば)Pである。
といふ風に、「読む」のが、「正しい」。
令和02年12月14日、毛利太。
2020年12月13日日曜日
「Pは(が)Qである」と、 P→Q ┤├(P→Q)∨(P⇔Q)。
(01)
(ⅰ)
1(1)(P→Q) A
1(2)(P⇔Q)∨(P→Q) 1∨I
(ⅱ)
1 (1)(P⇔Q)∨(P→Q) A
2 (2)(P⇔Q) A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4)(P→Q) 3&E
5(5) (P→Q) A
1 (6)(P→Q) 12455∨E
従って、
(01)により、
(02)
①(P→Q)
②(P⇔Q)∨(P→Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) P A
2 (3)~Q∨P 2∨I
2 (4) Q→P 3含意の定義
12 (5)(P→Q)&(Q→P) 14&I
12 (6)(P⇔Q) 5Df.⇔
12 (7)(P⇔Q)∨Q 6∨I
(ⅱ)
1 (1)(P⇔Q)∨Q A
2 (2) P⇔Q A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4) P→Q 3&E
5(5) Q A
5(6) ~P∨Q 5∨I
5(7) P→Q 6含意の定義
1 (8) P→Q 12457∨E
従って、
(04)により、
(05)
① P,P→Q ├ (P⇔Q)∨Q
② P→Q ┤ (P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequents)」は「妥当」であるが、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」ではない。
然るに、
(06)
5 原始的規則あるいは導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでもともに用いて証明せよ。
(a)├ P∨(P→Q)
― 中略、―
(j)P→Q ┤├ (P⇔Q)∨Q
― 後略、―
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁)
cf.
「論理学初歩、E.J.レモン」には「解答」が載ってゐないので、「練習問題(Exercise)」は、自分で、解くことになる。
従って、
(05)(06)により、
(07)
「練習問題(Exercise)」に挙げられてゐる以上、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」ではない。
は、「間違ひ」であって、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) P→ Q A
(2) Q∨~Q TI(定理導入の規則:排中律)
3 (3) Q A
3 (4) (P⇔Q)∨Q 2∨I
5 (5) ~Q A
5 (6) ~Q∨P 4∨I
5 (7) Q→P 5含意の定義
1 5 (8)(P→Q)&(Q→P) 17&I
1 5 (9) P⇔Q 8Df.⇔
1 5 (ア) (P⇔Q)∨Q 9∨I
1 (イ) (P⇔Q)∨Q 2345ア∨E
ウ (ウ) (P⇔Q) A
ウ (エ) (P⇔Q)∨(P→Q) ウ∨I
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨Q オ∨I
オ(キ) P→Q カ含意の定義
オ(ク) (P⇔Q)∨(P→Q) キ∨I
1 (ケ) (P⇔Q)∨(P→Q) イウエオク∨E
(ⅳ)
1 (1) (P⇔Q)∨Q A
2 (2) P⇔Q A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4) P→Q 3&E
5(5) Q A
5(6) ~P∨Q 5∨I
5(7) P→Q 6含意の定義
1 (8) P→Q 12457∨E
従って、
(08)により、
(09)
果たして、
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q
④(P⇔Q)∨Q
に於いて、
③=④ である。
cf.
(ⅰ)
③ 真→真
④ 真∨{(真→真)&(真→真)}
∴ ③=④ である。
(ⅱ)
③ 真→偽
④ 偽∨{(真→偽)&(偽→真)}
∴ ③=④ である。
(ⅲ)
③ 偽→真
④ 真∨{(偽→真)&(真→偽)}
∴ ③=④ である。
(ⅳ)
③ 偽→偽
④ 偽∨{(偽→偽)&(偽→偽)}
∴ ③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1 (1) P→ Q A
(2) Q∨~Q TI(定理導入の規則:排中律)
3 (3) Q A
3 (4) (P⇔Q)∨Q 3∨I
5 (5) ~Q A
5 (6) ~Q∨P 4∨I
5 (7) Q→P 5含意の定義
1 5 (8)(P→Q)&(Q→P) 17&I
1 5 (9) P⇔Q 8Df.⇔
1 5 (ア) (P⇔Q)∨Q 9∨I
1 (イ) (P⇔Q)∨Q 2345ア∨E
ウ (ウ) (P⇔Q) A
ウ (エ) (P⇔Q)∨(P→Q) ウ∨I
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨Q オ∨I
オ(キ) P→Q カ含意の定義
オ(ク) (P⇔Q)∨(P→Q) キ∨I
1 (ケ) (P⇔Q)∨(P→Q) イウエオク∨E
(ⅳ)
1 (1) (P⇔Q)∨(P→Q) A
2 (2) (P⇔Q) A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4)(P→Q) 3&E
5 (5) (P→Q) A
1 (6)(P→Q) 12455∨E
従って、
(11)により、
(12)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q
④(P⇔Q)∨(P→Q)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
④ P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨( Q)
④ P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
「Df.⇔」により、
③ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨( Q)
④ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨(P→Q)
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
然るに、
(15)により、
(16)
③ は、ともかく、として、
④ の場合は、
④(PならばQである)は、{(PならばQである)&(QならばPである)}か、または、(PならばQである)。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(15)(16)により、
(17)
④ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨(P→Q)
の場合は、
④(PはQである)は、(PはQである)か、または、{(PはQである)&(QはPである)}。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(17)により、
(18)
④ P→Q ┤├(P→Q)∨{(P→Q)&(Q→P)}
といふ「連式」は、
④(PはQである)といふ「日本語」には、「逆が真でない」場合と、「さうでない」場合が有る。
といふことを、示してゐる。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(19)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(18)(19)により、
(20)
④ P→Q ┤├(P→Q)∨{(P→Q)&(Q→P)}
といふ「連式」は、
④(PはQである)といふ「日本語」には、(PはQである)と、(PがQである)による、「2通り」がある。
といふことを、示してゐる。
といふ風に、解することが、出来る。
令和02年12月13日、毛利太。
(ⅰ)
1(1)(P→Q) A
1(2)(P⇔Q)∨(P→Q) 1∨I
(ⅱ)
1 (1)(P⇔Q)∨(P→Q) A
2 (2)(P⇔Q) A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4)(P→Q) 3&E
5(5) (P→Q) A
1 (6)(P→Q) 12455∨E
従って、
(01)により、
(02)
①(P→Q)
②(P⇔Q)∨(P→Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) P A
2 (3)~Q∨P 2∨I
2 (4) Q→P 3含意の定義
12 (5)(P→Q)&(Q→P) 14&I
12 (6)(P⇔Q) 5Df.⇔
12 (7)(P⇔Q)∨Q 6∨I
(ⅱ)
1 (1)(P⇔Q)∨Q A
2 (2) P⇔Q A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4) P→Q 3&E
5(5) Q A
5(6) ~P∨Q 5∨I
5(7) P→Q 6含意の定義
1 (8) P→Q 12457∨E
従って、
(04)により、
(05)
① P,P→Q ├ (P⇔Q)∨Q
② P→Q ┤ (P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequents)」は「妥当」であるが、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」ではない。
然るに、
(06)
5 原始的規則あるいは導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでもともに用いて証明せよ。
(a)├ P∨(P→Q)
― 中略、―
(j)P→Q ┤├ (P⇔Q)∨Q
― 後略、―
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁)
cf.
「論理学初歩、E.J.レモン」には「解答」が載ってゐないので、「練習問題(Exercise)」は、自分で、解くことになる。
従って、
(05)(06)により、
(07)
「練習問題(Exercise)」に挙げられてゐる以上、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」ではない。
は、「間違ひ」であって、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) P→ Q A
(2) Q∨~Q TI(定理導入の規則:排中律)
3 (3) Q A
3 (4) (P⇔Q)∨Q 2∨I
5 (5) ~Q A
5 (6) ~Q∨P 4∨I
5 (7) Q→P 5含意の定義
1 5 (8)(P→Q)&(Q→P) 17&I
1 5 (9) P⇔Q 8Df.⇔
1 5 (ア) (P⇔Q)∨Q 9∨I
1 (イ) (P⇔Q)∨Q 2345ア∨E
ウ (ウ) (P⇔Q) A
ウ (エ) (P⇔Q)∨(P→Q) ウ∨I
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨Q オ∨I
オ(キ) P→Q カ含意の定義
オ(ク) (P⇔Q)∨(P→Q) キ∨I
1 (ケ) (P⇔Q)∨(P→Q) イウエオク∨E
(ⅳ)
1 (1) (P⇔Q)∨Q A
2 (2) P⇔Q A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4) P→Q 3&E
5(5) Q A
5(6) ~P∨Q 5∨I
5(7) P→Q 6含意の定義
1 (8) P→Q 12457∨E
従って、
(08)により、
(09)
果たして、
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q
④(P⇔Q)∨Q
に於いて、
③=④ である。
cf.
(ⅰ)
③ 真→真
④ 真∨{(真→真)&(真→真)}
∴ ③=④ である。
(ⅱ)
③ 真→偽
④ 偽∨{(真→偽)&(偽→真)}
∴ ③=④ である。
(ⅲ)
③ 偽→真
④ 真∨{(偽→真)&(真→偽)}
∴ ③=④ である。
(ⅳ)
③ 偽→偽
④ 偽∨{(偽→偽)&(偽→偽)}
∴ ③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨Q
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1 (1) P→ Q A
(2) Q∨~Q TI(定理導入の規則:排中律)
3 (3) Q A
3 (4) (P⇔Q)∨Q 3∨I
5 (5) ~Q A
5 (6) ~Q∨P 4∨I
5 (7) Q→P 5含意の定義
1 5 (8)(P→Q)&(Q→P) 17&I
1 5 (9) P⇔Q 8Df.⇔
1 5 (ア) (P⇔Q)∨Q 9∨I
1 (イ) (P⇔Q)∨Q 2345ア∨E
ウ (ウ) (P⇔Q) A
ウ (エ) (P⇔Q)∨(P→Q) ウ∨I
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨Q オ∨I
オ(キ) P→Q カ含意の定義
オ(ク) (P⇔Q)∨(P→Q) キ∨I
1 (ケ) (P⇔Q)∨(P→Q) イウエオク∨E
(ⅳ)
1 (1) (P⇔Q)∨(P→Q) A
2 (2) (P⇔Q) A
2 (3)(P→Q)&(Q→P) 2Df.⇔
2 (4)(P→Q) 3&E
5 (5) (P→Q) A
1 (6)(P→Q) 12455∨E
従って、
(11)により、
(12)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q
④(P⇔Q)∨(P→Q)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
④ P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequent)」は「妥当」である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
「TI(定理導入の規則:排中律)」により、
③ P→Q ┤├(P⇔Q)∨( Q)
④ P→Q ┤├(P⇔Q)∨(P→Q)
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
「Df.⇔」により、
③ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨( Q)
④ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨(P→Q)
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
然るに、
(15)により、
(16)
③ は、ともかく、として、
④ の場合は、
④(PならばQである)は、{(PならばQである)&(QならばPである)}か、または、(PならばQである)。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(15)(16)により、
(17)
④ P→Q ┤├{(P→Q)&(Q→P)}∨(P→Q)
の場合は、
④(PはQである)は、(PはQである)か、または、{(PはQである)&(QはPである)}。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(17)により、
(18)
④ P→Q ┤├(P→Q)∨{(P→Q)&(Q→P)}
といふ「連式」は、
④(PはQである)といふ「日本語」には、「逆が真でない」場合と、「さうでない」場合が有る。
といふことを、示してゐる。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(19)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(18)(19)により、
(20)
④ P→Q ┤├(P→Q)∨{(P→Q)&(Q→P)}
といふ「連式」は、
④(PはQである)といふ「日本語」には、(PはQである)と、(PがQである)による、「2通り」がある。
といふことを、示してゐる。
といふ風に、解することが、出来る。
令和02年12月13日、毛利太。
2020年12月12日土曜日
AがBである。⇔ BはAである。⇔ A以外はBではない。
(01)
①{象,机}であれば、
①{机}は「動物」ではないため、
①{象}が「動物」である。
然るに、
(02)
②{象,馬}であれば、
②{象}は「動物」であるとしも、
②{馬}も「動物」であるため、
②{象}が「動物」である。
とは、言へない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①{象}は「動物」であり、
①{象}以外は「動物」ではない。
ならば、そのときに限って、
①{象}が「動物」である。
然るに、
(04)
①{象}以外は「動物」ではない。
②「動物」は{象}である。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象が動物である。
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AがBである。
② BはAである。
③ A以外はBではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① 私が大野です。
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
【名字】大野
【読み】おおの,おの,おおや,おうの
【全国順位】 71位
【全国人数】 およそ220,000人
(苗字由来net)
従って、
(09)(10)により、
(11)
全国には、大野さんが、約22万人ゐるにも拘らず、
③ 私以外は大野ではない。
といふのであれば、
①(今、この場に於いては)私が大野です。
②(今、この場に於いては)大野は私です。
③(今、この場に於いては)私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
確かに、
①(今、この場に於いては)私が大野です。
②(今、この場に於いては)大野は私です。
③(今、この場に於いては)私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(14)
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(12)(14)により、
(15)
① 私が大野です。
② 大野は私です。
に於いて、
①=② である。といふことは、
① 私が大野です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=③ である。といふことに、他ならない。
然るに、
(12)により、
(16)
「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。
とあるものの、
「すでに登場してゐる」のは、「大野」なる「人物」ではなく、「大野」といふ「名前」である。
従って、
(12)(16)により、
(17)
「大野さんはどちらですか」といふ「問ひ」が、なされる以上、
「大野」といふ「名前」については、「既知」であるとしても、
「大野」といふ「人物」は、「未知」であると、すべきである。
令和02年12月12日、毛利太。
①{象,机}であれば、
①{机}は「動物」ではないため、
①{象}が「動物」である。
然るに、
(02)
②{象,馬}であれば、
②{象}は「動物」であるとしも、
②{馬}も「動物」であるため、
②{象}が「動物」である。
とは、言へない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①{象}は「動物」であり、
①{象}以外は「動物」ではない。
ならば、そのときに限って、
①{象}が「動物」である。
然るに、
(04)
①{象}以外は「動物」ではない。
②「動物」は{象}である。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象が動物である。
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AがBである。
② BはAである。
③ A以外はBではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① 私が大野です。
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
【名字】大野
【読み】おおの,おの,おおや,おうの
【全国順位】 71位
【全国人数】 およそ220,000人
(苗字由来net)
従って、
(09)(10)により、
(11)
全国には、大野さんが、約22万人ゐるにも拘らず、
③ 私以外は大野ではない。
といふのであれば、
①(今、この場に於いては)私が大野です。
②(今、この場に於いては)大野は私です。
③(今、この場に於いては)私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
確かに、
①(今、この場に於いては)私が大野です。
②(今、この場に於いては)大野は私です。
③(今、この場に於いては)私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(14)
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(12)(14)により、
(15)
① 私が大野です。
② 大野は私です。
に於いて、
①=② である。といふことは、
① 私が大野です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=③ である。といふことに、他ならない。
然るに、
(12)により、
(16)
「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。
とあるものの、
「すでに登場してゐる」のは、「大野」なる「人物」ではなく、「大野」といふ「名前」である。
従って、
(12)(16)により、
(17)
「大野さんはどちらですか」といふ「問ひ」が、なされる以上、
「大野」といふ「名前」については、「既知」であるとしても、
「大野」といふ「人物」は、「未知」であると、すべきである。
令和02年12月12日、毛利太。
2020年12月9日水曜日
「甲と乙は犯人ではない。丙が犯人だ。」の「述語論理」。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)} A
1 (2) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙) 23MPP
5 (5) (a=甲) A
5 (6) ~(a≠甲) 5DN
5 (7) ~(a≠甲)∨(a=乙) 5∨I
8 (8) (a=乙) A
8 (9) ~(a≠甲)∨(a=乙) 8∨I
13 (ア) ~(a≠甲)∨(a=乙) 45789∨E
13 (イ) (a≠甲)→(a=乙) ア含意の定義
1 (ウ) (犯人a)→(a≠甲)→(a=乙) 3イCP
エ(エ) (犯人a)&(a≠甲) A
エ(オ) (犯人a) エ&E
1 エ(オ) (a≠甲)→(a=乙) ウオMPP
エ(カ) (a≠甲) エ&E
1 エ(キ) (a=乙) オカMPP
1 (ク) (犯人a)&(a≠甲)→(a=乙) エキCP
1 (ケ)∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙) クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)} A
1 (2) (犯人a)&(a≠甲)→(a=乙) A
3 (3) (犯人a) A
4 (4) (a≠甲) A
34 (5) (犯人a)&(a≠甲) 34&I
134 (6) (a=乙) 25MPP
13 (7) (a≠甲)→(a=乙) 46CP
13 (8) ~(a≠甲)∨(a=乙) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠甲) A
9 (ア) (a=甲) 9DN
9 (イ) (a=甲)∨(a=乙) ア∨I
ウ(ウ) (a=乙) A
ウ(エ) (a=甲)∨(a=乙) ウ∨I
13 (オ) (a=甲)∨(a=乙) 89イウエ∨
1 (カ) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙) 3オCP
1 (キ)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)} カUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1 (1)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)} A
1 (2) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 23MPP
13 (5) {(a=甲)∨(a=乙)}∨(a=丙) 4結合法則
6 (6) {(a=甲)∨(a=乙)} A
7 (7) (a=甲) A
7 (8) ~(a≠甲) DN
7 (9) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] 8∨I
ア (ア) (a=乙) A
ア (イ) ~(a≠乙) アDN
ア (ウ) ~(a≠乙)∨(a=丙) イ∨I
ア (エ) (a≠乙)→(a=丙) ウ含意の定義
ア (オ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] エ∨I
6 (カ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] 679アオ∨E
6 (キ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] カ含意の定義
ク (ク) (a=乙) A
ク (ケ) ~(a≠乙)∨(a=乙) ク∨I
ク (コ) (a≠乙)→(a=乙) コ含意の定義
ク (サ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] サ∨I
ク (シ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] シ含意の定義
13 (ス) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] 56キクス∨I
1 (セ) (犯人a)→{(a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)]} 3スCP
ソ(ソ) (犯人a)& (a≠甲)& (a≠乙) A
ソ(タ) (犯人a) ソ&E
ソ(チ) (a≠甲) ソ&E
ソ(ツ) (a≠乙) ソ&E
1 ソ(テ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] セタMPP
1 ソ(ト) (a≠乙)→(a=丙) チテMPP
1 ソ(ナ) (a=丙) ツトMPP
1 (ニ) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙)→(a=丙) ソナCP
1 (ヌ)∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)} ニUI
(ⅳ)
1 (1)∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)} A
1 (2) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙)→(a=丙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
4 (4) (a≠甲) A
5 (5) (a≠乙) A
34 (6) (犯人a)&(a≠甲) 34&I
345 (7) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙) 56&I
1345 (8) (a=丙) 27MPP
134 (9) (a≠乙)→(a=丙) 58CP
ア (ア) ~(a=乙) A
ア (イ) (a≠乙) Df.≠
134 ア (ウ) (a=丙) 9イMPP
134 (エ) ~(a=乙)→(a=丙) アウCP
134 (オ) (a=乙)∨(a=丙) エ含意の定義
13 (カ) (a≠甲)→[(a=乙)∨(a=丙)] 4オCP
キ(キ) ~(a=甲) A
キ(ク) (a≠甲) クDf.≠
13 キ(ケ) [(a=乙)∨(a=丙)] カクMPP
13 (コ) ~(a=甲)→[(a=乙)∨(a=丙)] キケCP
13 (サ) (a=甲)∨[(a=乙)∨(a=丙)] コ含意の定義
13 (シ) (a=甲)∨ (a=乙)∨(a=丙) サ結合法則
1 (ス) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 3シCP
1 (セ)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)} スUI
従って、
(03)により、
(04)
③ ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)}
④ ∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙か、丙である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でなく、xが乙でもないならば、xは丙である}。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)}
③ ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)}
④ ∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙か、丙である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でなく、xが乙でもないならば、xは丙である}。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(05)により、
(06)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
従って、
(07)
①(誰が犯人か、)Aが犯人である。
②(誰が犯人か、)A以外は犯人ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1 (1) ~A→~犯人 仮定
2 (2) 犯人 仮定
3(3) ~A 仮定
1 3(4) ~犯人 13MPP
123(5) 犯人&~犯人 24&I
12 (6)~~A 35RAA
12 (7) A 6DN
1 (8) 犯人→A 27CP
(ⅲ)
1 (1) 犯人→A 仮定
2 (2) ~A 仮定
3(3) 犯人 仮定
1 3(4) A 13MPP
123(5) ~A&A 24&I
12 (6)~犯人 35RAA
1 (7)~A→~犯人 23CP
従って、
(08)により、
(09)
② ~A→~犯人≡Aでないならば、犯人でない。
③ 犯人→ A ≡犯人であるならば、Aである。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①(誰が犯人か、)Aが犯人である。
②(誰が犯人か、)A以外は犯人ではない。
③(犯人は誰か、)犯人はAである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(11)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)により、
(12)
私=A
大野=犯人
といふ「代入(Substitution)」を行ふと
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
Aが犯人である。
これは、「犯人は誰か」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「A」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
犯人はAです。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる。
然るに、
(13)
「犯人は誰か」というような問いに対する答えとして使われる。
つまり文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
といふ「言ひ方」は、『変』である。
(14)
文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
とは言ふものの、
「犯人は誰か」といふ「問ひ」が為される以上、「(犯人は)既知」ではなく、「(犯人は)未知」であると、すべきである。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
とは言ふものの、
「大野さんは誰ですか」といふ「問ひ」が為される以上、「(大野は)既知」ではなく、「(大野は)未知」であると、すべきである。
令和02年12月09日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)} A
1 (2) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙) 23MPP
5 (5) (a=甲) A
5 (6) ~(a≠甲) 5DN
5 (7) ~(a≠甲)∨(a=乙) 5∨I
8 (8) (a=乙) A
8 (9) ~(a≠甲)∨(a=乙) 8∨I
13 (ア) ~(a≠甲)∨(a=乙) 45789∨E
13 (イ) (a≠甲)→(a=乙) ア含意の定義
1 (ウ) (犯人a)→(a≠甲)→(a=乙) 3イCP
エ(エ) (犯人a)&(a≠甲) A
エ(オ) (犯人a) エ&E
1 エ(オ) (a≠甲)→(a=乙) ウオMPP
エ(カ) (a≠甲) エ&E
1 エ(キ) (a=乙) オカMPP
1 (ク) (犯人a)&(a≠甲)→(a=乙) エキCP
1 (ケ)∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙) クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)} A
1 (2) (犯人a)&(a≠甲)→(a=乙) A
3 (3) (犯人a) A
4 (4) (a≠甲) A
34 (5) (犯人a)&(a≠甲) 34&I
134 (6) (a=乙) 25MPP
13 (7) (a≠甲)→(a=乙) 46CP
13 (8) ~(a≠甲)∨(a=乙) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠甲) A
9 (ア) (a=甲) 9DN
9 (イ) (a=甲)∨(a=乙) ア∨I
ウ(ウ) (a=乙) A
ウ(エ) (a=甲)∨(a=乙) ウ∨I
13 (オ) (a=甲)∨(a=乙) 89イウエ∨
1 (カ) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙) 3オCP
1 (キ)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)} カUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1 (1)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)} A
1 (2) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 23MPP
13 (5) {(a=甲)∨(a=乙)}∨(a=丙) 4結合法則
6 (6) {(a=甲)∨(a=乙)} A
7 (7) (a=甲) A
7 (8) ~(a≠甲) DN
7 (9) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] 8∨I
ア (ア) (a=乙) A
ア (イ) ~(a≠乙) アDN
ア (ウ) ~(a≠乙)∨(a=丙) イ∨I
ア (エ) (a≠乙)→(a=丙) ウ含意の定義
ア (オ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] エ∨I
6 (カ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] 679アオ∨E
6 (キ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] カ含意の定義
ク (ク) (a=乙) A
ク (ケ) ~(a≠乙)∨(a=乙) ク∨I
ク (コ) (a≠乙)→(a=乙) コ含意の定義
ク (サ) ~(a≠甲)∨[(a≠乙)→(a=丙)] サ∨I
ク (シ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] シ含意の定義
13 (ス) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] 56キクス∨I
1 (セ) (犯人a)→{(a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)]} 3スCP
ソ(ソ) (犯人a)& (a≠甲)& (a≠乙) A
ソ(タ) (犯人a) ソ&E
ソ(チ) (a≠甲) ソ&E
ソ(ツ) (a≠乙) ソ&E
1 ソ(テ) (a≠甲)→[(a≠乙)→(a=丙)] セタMPP
1 ソ(ト) (a≠乙)→(a=丙) チテMPP
1 ソ(ナ) (a=丙) ツトMPP
1 (ニ) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙)→(a=丙) ソナCP
1 (ヌ)∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)} ニUI
(ⅳ)
1 (1)∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)} A
1 (2) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙)→(a=丙) 1UE
3 (3) (犯人a) A
4 (4) (a≠甲) A
5 (5) (a≠乙) A
34 (6) (犯人a)&(a≠甲) 34&I
345 (7) (犯人a)&(a≠甲)&(a≠乙) 56&I
1345 (8) (a=丙) 27MPP
134 (9) (a≠乙)→(a=丙) 58CP
ア (ア) ~(a=乙) A
ア (イ) (a≠乙) Df.≠
134 ア (ウ) (a=丙) 9イMPP
134 (エ) ~(a=乙)→(a=丙) アウCP
134 (オ) (a=乙)∨(a=丙) エ含意の定義
13 (カ) (a≠甲)→[(a=乙)∨(a=丙)] 4オCP
キ(キ) ~(a=甲) A
キ(ク) (a≠甲) クDf.≠
13 キ(ケ) [(a=乙)∨(a=丙)] カクMPP
13 (コ) ~(a=甲)→[(a=乙)∨(a=丙)] キケCP
13 (サ) (a=甲)∨[(a=乙)∨(a=丙)] コ含意の定義
13 (シ) (a=甲)∨ (a=乙)∨(a=丙) サ結合法則
1 (ス) (犯人a)→(a=甲)∨(a=乙)∨(a=丙) 3シCP
1 (セ)∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)} スUI
従って、
(03)により、
(04)
③ ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)}
④ ∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙か、丙である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でなく、xが乙でもないならば、xは丙である}。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{(犯人x)&(x≠甲)→(x=乙)}
③ ∀x{(犯人x)→(x=甲)∨(x=乙)∨(x=丙)}
④ ∀x{(犯人x)&(x≠甲)&(x≠乙)→(x=丙)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙か、丙である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でなく、xが乙でもないならば、xは丙である}。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(05)により、
(06)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
従って、
(07)
①(誰が犯人か、)Aが犯人である。
②(誰が犯人か、)A以外は犯人ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1 (1) ~A→~犯人 仮定
2 (2) 犯人 仮定
3(3) ~A 仮定
1 3(4) ~犯人 13MPP
123(5) 犯人&~犯人 24&I
12 (6)~~A 35RAA
12 (7) A 6DN
1 (8) 犯人→A 27CP
(ⅲ)
1 (1) 犯人→A 仮定
2 (2) ~A 仮定
3(3) 犯人 仮定
1 3(4) A 13MPP
123(5) ~A&A 24&I
12 (6)~犯人 35RAA
1 (7)~A→~犯人 23CP
従って、
(08)により、
(09)
② ~A→~犯人≡Aでないならば、犯人でない。
③ 犯人→ A ≡犯人であるならば、Aである。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①(誰が犯人か、)Aが犯人である。
②(誰が犯人か、)A以外は犯人ではない。
③(犯人は誰か、)犯人はAである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(11)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)により、
(12)
私=A
大野=犯人
といふ「代入(Substitution)」を行ふと
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
Aが犯人である。
これは、「犯人は誰か」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「A」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
犯人はAです。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる。
然るに、
(13)
「犯人は誰か」というような問いに対する答えとして使われる。
つまり文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
といふ「言ひ方」は、『変』である。
(14)
文脈において、「犯人」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
とは言ふものの、
「犯人は誰か」といふ「問ひ」が為される以上、「(犯人は)既知」ではなく、「(犯人は)未知」であると、すべきである。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて「既知」である。
とは言ふものの、
「大野さんは誰ですか」といふ「問ひ」が為される以上、「(大野は)既知」ではなく、「(大野は)未知」であると、すべきである。
令和02年12月09日、毛利太。
2020年12月8日火曜日
「甲は犯人ではない。乙が犯人だ。」の「は・が」。
(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)} A
1 (2) 犯人a→(a=甲)∨(a=乙) 1UE
3 (3) 犯人a A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙) 23MPP
5 (5) (a=甲) A
5 (6) ~(a≠甲) 5DN
5 (7) ~(a≠甲)∨(a=乙) 5∨I
8 (8) (a=乙) A
8 (9) ~(a≠甲)∨(a=乙) 8∨I
13 (ア) ~(a≠甲)∨(a=乙) 45789∨E
13 (イ) (a≠甲)→(a=乙) ア含意の定義
1 (ウ) 犯人a→(a≠甲)→(a=乙) 3イCP
エ(エ) 犯人a&(a≠甲) A
エ(オ) 犯人a エ&E
1 エ(オ) (a≠甲)→(a=乙) ウオMPP
エ(カ) (a≠甲) エ&E
1 エ(キ) (a=乙) オカMPP
1 (ク) 犯人a&(a≠甲)→(a=乙) エキCP
1 (ケ)∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙) クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙)} A
1 (2) 犯人a&(a≠甲)→(a=乙) A
3 (3) 犯人a A
4 (4) (a≠甲) A
34 (5) 犯人a&(a≠甲) 34&I
134 (6) (a=乙) 25MPP
13 (7) (a≠甲)→(a=乙) 46CP
13 (8) ~(a≠甲)∨(a=乙) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠甲) A
9 (ア) (a=甲) 9DN
9 (イ) (a=甲)∨(a=乙) ア∨I
ウ(ウ) (a=乙) A
ウ(エ) (a=甲)∨(a=乙) ウ∨I
13 (オ) (a=甲)∨(a=乙) 89イウエ∨
1 (カ) 犯人a→(a=甲)∨(a=乙) 3オCP
1 (キ)∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)} カUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅲ)
1 (1)∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)} A
1 (2) 犯人a→(a=乙)∨(a=甲) 1UE
3 (3) 犯人a A
13 (4) (a=乙)∨(a=甲) 23MPP
5 (5) (a=乙) A
5 (6) ~(a≠乙) 5DN
5 (7) ~(a≠乙)∨(a=甲) 5∨I
8 (8) (a=甲) A
8 (9) ~(a≠乙)∨(a=甲) 8∨I
13 (ア) ~(a≠乙)∨(a=甲) 45789∨E
13 (イ) (a≠乙)→(a=甲) ア含意の定義
1 (ウ) 犯人a→(a≠乙)→(a=甲) 3イCP
エ(エ) 犯人a&(a≠乙) A
エ(オ) 犯人a エ&E
1 エ(オ) (a≠乙)→(a=甲) ウオMPP
エ(カ) (a≠乙) エ&E
1 エ(キ) (a=甲) オカMPP
1 (ク) 犯人a&(a≠乙)→(a=甲) エキCP
1 (ケ)∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲) クUI
(ⅳ)
1 (1)∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲)} A
1 (2) 犯人a&(a≠乙)→(a=甲) A
3 (3) 犯人a A
4 (4) (a≠乙) A
34 (5) 犯人a&(a≠乙) 34&I
134 (6) (a=甲) 25MPP
13 (7) (a≠乙)→(a=甲) 46CP
13 (8) ~(a≠乙)∨(a=甲) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠乙) A
9 (ア) (a=乙) 9DN
9 (イ) (a=乙)∨(a=甲) ア∨I
ウ(ウ) (a=甲) A
ウ(エ) (a=乙)∨(a=甲) ウ∨I
13 (オ) (a=乙)∨(a=甲) 89イウエ∨
1 (カ) 犯人a→(a=乙)∨(a=甲) 3オCP
1 (キ)∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)} カUI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙)}
③ ∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)}
④ ∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは乙か、甲である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが乙でないならば、xは甲である}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(03)により、
(04)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
①(誰が犯人か、)甲が犯人である。
②(犯人は誰か、)犯人は甲である。
③(誰が犯人か、)甲以外は犯人ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
② 犯人は甲である。
③ 甲以外は犯人ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(06)により、
(07)
④ 甲は犯人である。
⑤ 犯人以外は甲ではない。
に於いて、
④=⑤ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(08)
③(犯人は誰か、)甲以外は犯人ではない。
⑤(犯人は誰か、)犯人以外は甲ではない。
といふ「言ひ方」に於いて、
③ は、「普通」であって、
⑤ は、「普通」ではない。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
といふ「事情」により、
①(誰が犯人か、)甲が犯人である。
②(犯人は誰か、)犯人は甲である。
③(誰が犯人か、)甲以外は犯人ではない。
といふ「言ひ方」に対して、
④(誰は犯人か、)甲は犯人である。
⑤(犯人は誰か、)犯人以外は甲ではない。
といふ「言ひ方」は、「普通」ではない。
然るに、
(10)
例2:「誰が窓を割ったんだ?」
この例では、話し手自身が「窓を割った」人物が「誰」であるのかを知らない(未知)ために、「が」が使われています。
(日本語を考える by takashi hayashi)
然るに、
(11)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ
(「月光仮面は誰でしょう」川内康範作詞・小川寛興作曲)
然るに、
(11)により、
(12)
「誰もがみんな知っている、月光仮面のおじさん。」
といふことから、
「月光仮面」自体は、「既知」である。
然るに、
(11)により、
(13)
「(我々は皆、)月光仮面が、どこの誰かは知らない。」
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ
といふことは、
「(誰もがみんな知っている)月光仮面(既知)が、どこの誰か(未知)は知らない。」
といふことに、他ならない。
従って、
(10)~(14)により、
(15)
例2:「誰が窓を割ったんだ?」
この例では、話し手自身が「窓を割った」人物が「誰」であるのかを知らない(未知)ために、「が」が使われています。
とは言ふものの、「月光仮面は誰でしょう」の「歌詞」といふ「反例」により、必ずしも、
『未知+が』であるとは、限らない。
令和02年12月08日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)} A
1 (2) 犯人a→(a=甲)∨(a=乙) 1UE
3 (3) 犯人a A
13 (4) (a=甲)∨(a=乙) 23MPP
5 (5) (a=甲) A
5 (6) ~(a≠甲) 5DN
5 (7) ~(a≠甲)∨(a=乙) 5∨I
8 (8) (a=乙) A
8 (9) ~(a≠甲)∨(a=乙) 8∨I
13 (ア) ~(a≠甲)∨(a=乙) 45789∨E
13 (イ) (a≠甲)→(a=乙) ア含意の定義
1 (ウ) 犯人a→(a≠甲)→(a=乙) 3イCP
エ(エ) 犯人a&(a≠甲) A
エ(オ) 犯人a エ&E
1 エ(オ) (a≠甲)→(a=乙) ウオMPP
エ(カ) (a≠甲) エ&E
1 エ(キ) (a=乙) オカMPP
1 (ク) 犯人a&(a≠甲)→(a=乙) エキCP
1 (ケ)∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙) クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙)} A
1 (2) 犯人a&(a≠甲)→(a=乙) A
3 (3) 犯人a A
4 (4) (a≠甲) A
34 (5) 犯人a&(a≠甲) 34&I
134 (6) (a=乙) 25MPP
13 (7) (a≠甲)→(a=乙) 46CP
13 (8) ~(a≠甲)∨(a=乙) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠甲) A
9 (ア) (a=甲) 9DN
9 (イ) (a=甲)∨(a=乙) ア∨I
ウ(ウ) (a=乙) A
ウ(エ) (a=甲)∨(a=乙) ウ∨I
13 (オ) (a=甲)∨(a=乙) 89イウエ∨
1 (カ) 犯人a→(a=甲)∨(a=乙) 3オCP
1 (キ)∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)} カUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅲ)
1 (1)∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)} A
1 (2) 犯人a→(a=乙)∨(a=甲) 1UE
3 (3) 犯人a A
13 (4) (a=乙)∨(a=甲) 23MPP
5 (5) (a=乙) A
5 (6) ~(a≠乙) 5DN
5 (7) ~(a≠乙)∨(a=甲) 5∨I
8 (8) (a=甲) A
8 (9) ~(a≠乙)∨(a=甲) 8∨I
13 (ア) ~(a≠乙)∨(a=甲) 45789∨E
13 (イ) (a≠乙)→(a=甲) ア含意の定義
1 (ウ) 犯人a→(a≠乙)→(a=甲) 3イCP
エ(エ) 犯人a&(a≠乙) A
エ(オ) 犯人a エ&E
1 エ(オ) (a≠乙)→(a=甲) ウオMPP
エ(カ) (a≠乙) エ&E
1 エ(キ) (a=甲) オカMPP
1 (ク) 犯人a&(a≠乙)→(a=甲) エキCP
1 (ケ)∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲) クUI
(ⅳ)
1 (1)∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲)} A
1 (2) 犯人a&(a≠乙)→(a=甲) A
3 (3) 犯人a A
4 (4) (a≠乙) A
34 (5) 犯人a&(a≠乙) 34&I
134 (6) (a=甲) 25MPP
13 (7) (a≠乙)→(a=甲) 46CP
13 (8) ~(a≠乙)∨(a=甲) 7含意の定義
9 (9) ~(a≠乙) A
9 (ア) (a=乙) 9DN
9 (イ) (a=乙)∨(a=甲) ア∨I
ウ(ウ) (a=甲) A
ウ(エ) (a=乙)∨(a=甲) ウ∨I
13 (オ) (a=乙)∨(a=甲) 89イウエ∨
1 (カ) 犯人a→(a=乙)∨(a=甲) 3オCP
1 (キ)∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)} カUI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{犯人x→(x=甲)∨(x=乙)}
② ∀x{犯人x&(x≠甲)→(x=乙)}
③ ∀x{犯人x→(x=乙)∨(x=甲)}
④ ∀x{犯人x&(x≠乙)→(x=甲)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは甲か、乙である}。
② すべてのxについて{xが犯人であって、xが甲でないならば、xは乙である}。
③ すべてのxについて{xが犯人であるならば、xは乙か、甲である}。
④ すべてのxについて{xが犯人であって、xが乙でないならば、xは甲である}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(03)により、
(04)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
①(誰が犯人か、)甲が犯人である。
②(犯人は誰か、)犯人は甲である。
③(誰が犯人か、)甲以外は犯人ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
② 犯人は甲である。
③ 甲以外は犯人ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(06)により、
(07)
④ 甲は犯人である。
⑤ 犯人以外は甲ではない。
に於いて、
④=⑤ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(08)
③(犯人は誰か、)甲以外は犯人ではない。
⑤(犯人は誰か、)犯人以外は甲ではない。
といふ「言ひ方」に於いて、
③ は、「普通」であって、
⑤ は、「普通」ではない。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
{容疑者}の中から、「犯人自身を特定する」ことは、
{容疑者}の中から、「犯人以外を特定する」ことによって、「犯人を特定する」ことに「等しい」。
といふ「事情」により、
①(誰が犯人か、)甲が犯人である。
②(犯人は誰か、)犯人は甲である。
③(誰が犯人か、)甲以外は犯人ではない。
といふ「言ひ方」に対して、
④(誰は犯人か、)甲は犯人である。
⑤(犯人は誰か、)犯人以外は甲ではない。
といふ「言ひ方」は、「普通」ではない。
然るに、
(10)
例2:「誰が窓を割ったんだ?」
この例では、話し手自身が「窓を割った」人物が「誰」であるのかを知らない(未知)ために、「が」が使われています。
(日本語を考える by takashi hayashi)
然るに、
(11)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ
(「月光仮面は誰でしょう」川内康範作詞・小川寛興作曲)
然るに、
(11)により、
(12)
「誰もがみんな知っている、月光仮面のおじさん。」
といふことから、
「月光仮面」自体は、「既知」である。
然るに、
(11)により、
(13)
「(我々は皆、)月光仮面が、どこの誰かは知らない。」
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
月光仮面の おじさんは
正義の味方よ よい人よ
といふことは、
「(誰もがみんな知っている)月光仮面(既知)が、どこの誰か(未知)は知らない。」
といふことに、他ならない。
従って、
(10)~(14)により、
(15)
例2:「誰が窓を割ったんだ?」
この例では、話し手自身が「窓を割った」人物が「誰」であるのかを知らない(未知)ために、「が」が使われています。
とは言ふものの、「月光仮面は誰でしょう」の「歌詞」といふ「反例」により、必ずしも、
『未知+が』であるとは、限らない。
令和02年12月08日、毛利太。
昔々、お爺さんが川へ洗濯に行きました。の「既知が」。
(01)
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(今、目の前に)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(02)により、
(03)
① お爺さんと御婆さんがゐた。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐた。
といふ「意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さん_ゐました。
といふのであれば、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんがゐました。
といふのであって、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんはゐました。
とは、言はない。
然るに、
(05)
「(普通の)桃太郎」であれば、
① お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
である。
然るに、
(06)
②(お婆さんではなく、)お爺さん_川へ洗濯へ行き、御婆さん_山に、薪を集めに行きました。
といふのであれば、
②(お婆さんではなく、)お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふのであって、
①(お婆さんではなく、)お爺さんは川へ洗濯へ行き、御婆さんは山に、薪を集めに行きました。
とは、言はない。
従って、
(06)により、
(07)
② 川へ洗濯へ行きに行ったのは、お爺さんであって、御婆さんではない。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
然るに、
(08)
② 川へ洗濯へ行ったのは、お爺さんである。
③ お爺さん以外は、川へ洗濯へ行かなかった。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行ました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(09)により、
(10)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがゐましたが、
②(お婆さんではなく)お爺さんが川へ洗濯へ行き、(お爺さんではなく)御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「日本語」は、「少しも、不自然ではない」。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the mountains to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
② Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the river to do the washing, and the old woman went to the mountains to gather wood.
に対する、
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐました。 お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐましたが、お爺さんが川へ、洗濯に行き、お婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「翻訳」は、「両方も、不自然ではない」。
従って、
(11)により、
(12)
① The old man(お爺さんは)
② The old man(お爺さんが)
であるため、
①「The ~」と「~ は」が、「既知」に対応するのであれば、
②「The ~」と「~ が」も、「既知」に対応する。
従って、
(12)により、
(13)
「The ~」の「The」が「既知」を表してゐるやうに、
「~ は」 の「は」 も「既知」を表してゐる。
といふことには、ならない。
従って、
(13)により、
(14)
次の例を見てください。
例1:「むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが いました。
おじいさんは 山へ 芝刈りに、おばあさんは 川へ 洗濯に . . . 」
初めの方の文では、「おじいさん」と「おばあさん」は(話し手は知っているが、
聞き手はまだ知らない)新しい情報として提示されているために「が」が使われ、
後の方の文では、(話し手だけでなく、聞き手も既に知っている)情報であると
いうことで「は」が使われています(日本語を考える by takashi hayashi)。
といふことには、ならない。
令和02年12月08日、毛利太。
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(今、目の前に)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(02)により、
(03)
① お爺さんと御婆さんがゐた。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐた。
といふ「意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さん_ゐました。
といふのであれば、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんがゐました。
といふのであって、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんはゐました。
とは、言はない。
然るに、
(05)
「(普通の)桃太郎」であれば、
① お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
である。
然るに、
(06)
②(お婆さんではなく、)お爺さん_川へ洗濯へ行き、御婆さん_山に、薪を集めに行きました。
といふのであれば、
②(お婆さんではなく、)お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふのであって、
①(お婆さんではなく、)お爺さんは川へ洗濯へ行き、御婆さんは山に、薪を集めに行きました。
とは、言はない。
従って、
(06)により、
(07)
② 川へ洗濯へ行きに行ったのは、お爺さんであって、御婆さんではない。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
然るに、
(08)
② 川へ洗濯へ行ったのは、お爺さんである。
③ お爺さん以外は、川へ洗濯へ行かなかった。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行ました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(09)により、
(10)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがゐましたが、
②(お婆さんではなく)お爺さんが川へ洗濯へ行き、(お爺さんではなく)御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「日本語」は、「少しも、不自然ではない」。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the mountains to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
② Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the river to do the washing, and the old woman went to the mountains to gather wood.
に対する、
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐました。 お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐましたが、お爺さんが川へ、洗濯に行き、お婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「翻訳」は、「両方も、不自然ではない」。
従って、
(11)により、
(12)
① The old man(お爺さんは)
② The old man(お爺さんが)
であるため、
①「The ~」と「~ は」が、「既知」に対応するのであれば、
②「The ~」と「~ が」も、「既知」に対応する。
従って、
(12)により、
(13)
「The ~」の「The」が「既知」を表してゐるやうに、
「~ は」 の「は」 も「既知」を表してゐる。
といふことには、ならない。
従って、
(13)により、
(14)
次の例を見てください。
例1:「むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが いました。
おじいさんは 山へ 芝刈りに、おばあさんは 川へ 洗濯に . . . 」
初めの方の文では、「おじいさん」と「おばあさん」は(話し手は知っているが、
聞き手はまだ知らない)新しい情報として提示されているために「が」が使われ、
後の方の文では、(話し手だけでなく、聞き手も既に知っている)情報であると
いうことで「は」が使われています(日本語を考える by takashi hayashi)。
といふことには、ならない。
令和02年12月08日、毛利太。
2020年12月7日月曜日
「私が大野です」⇔「大野は私です」⇔「私以外は大野ではない」。
(01)
1 (1) ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)} A
2 (2) 私a&∀y(大野y→a=y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ∀y(大野y→a=y) 2&E
2 (5) 大野b→a=b 4UE
6 (6) 大野b A
26 (7) a=b 56MPP
26 (8) 大野a 67=E
26 (9) 私a&大野a 3&I
2 (ア) 大野b→私a&大野a 69CP
イ (イ) 私a→~大野a A
イ (ウ) ~私a∨~大野a イ含意の定義
イ (エ) ~(私a&大野a) ウ、ド・モルガンの法則
2 イ (オ) ~大野b アエMTT
2 (カ) (私a→~大野a)→~大野b イオCP
キ (キ) ~(私a& 大野a) A
キ (ク) ~私a∨~大野a ク、ド・モルガンの法則
キ (ケ) (私a→~大野a) ク含意の定義
2 キ (コ) ~大野b カケMPP
2 (サ) ~(私a& 大野a)→~大野b キコCP
シ(シ) 大野b A
シ(ス) ~~大野b スDN
2 シ(セ) ~~(私a& 大野a) サスMTT
2 シ(ソ) (私a& 大野a) セDN
2 (タ) 大野b→(私a&大野a) シソCP
2 (チ) ∀y{大野y→(私a&大野a)} タUI(2にbは無い)
2 (ツ)∃x∀y{大野y→(私x&大野x)} チEI
1 (テ)∃x∀y{大野y→(私x&大野x)} 12ツEE
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)}
② ∃x∀y{大野y→(私x&大野x)}
に於いて、すなはち、
① あるxは{私であって、すべてのyについて(yが大野であるならば、xはyである)。}
② あるxとすべてのyについて{yが大野ならば(xは私であって、大野である)。}
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(03)
① ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)}
② ∃x∀y{大野y→(私x&大野x)}
に於いて、
① には「=」があるが、
② には「=」が無い。
従って、
(04)
① ならば、② である。
と「同時」に、
② ならば、① である。
としても、そのことを「証明」する『術(=に関する、規則)』が無い。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} A
2 (2) 私a& ∀y(大野y→a=y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ∀y(大野y→a=y) 2&E
2 (5) 大野b→a=b 4UE
2 (6) ~大野b∨a=b 5含意の定義
1 (1) ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)} A
2 (2) 私a&∀y(大野y→a=y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ∀y(大野y→a=y) 2&E
2 (5) 大野b→a=b 4UE
6 (6) 大野b A
26 (7) a=b 56MPP
26 (8) 大野a 67=E
26 (9) 私a&大野a 3&I
2 (ア) 大野b→私a&大野a 69CP
イ (イ) 私a→~大野a A
イ (ウ) ~私a∨~大野a イ含意の定義
イ (エ) ~(私a&大野a) ウ、ド・モルガンの法則
2 イ (オ) ~大野b アエMTT
2 (カ) (私a→~大野a)→~大野b イオCP
キ (キ) ~(私a& 大野a) A
キ (ク) ~私a∨~大野a ク、ド・モルガンの法則
キ (ケ) (私a→~大野a) ク含意の定義
2 キ (コ) ~大野b カケMPP
2 (サ) ~(私a& 大野a)→~大野b キコCP
シ(シ) 大野b A
シ(ス) ~~大野b スDN
2 シ(セ) ~~(私a& 大野a) サスMTT
2 シ(ソ) (私a& 大野a) セDN
2 (タ) 大野b→(私a&大野a) シソCP
2 (チ) ∀y{大野y→(私a&大野a)} タUI(2にbは無い)
2 (ツ)∃x∀y{大野y→(私x&大野x)} チEI
1 (テ)∃x∀y{大野y→(私x&大野x)} 12ツEE
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)}
② ∃x∀y{大野y→(私x&大野x)}
に於いて、すなはち、
① あるxは{私であって、すべてのyについて(yが大野であるならば、xはyである)。}
② あるxとすべてのyについて{yが大野ならば(xは私であって、大野である)。}
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(03)
① ∃x{私x&∀y(大野y→x=y)}
② ∃x∀y{大野y→(私x&大野x)}
に於いて、
① には「=」があるが、
② には「=」が無い。
従って、
(04)
① ならば、② である。
と「同時」に、
② ならば、① である。
としても、そのことを「証明」する『術(=に関する、規則)』が無い。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} A
2 (2) 私a& ∀y(大野y→a=y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ∀y(大野y→a=y) 2&E
2 (5) 大野b→a=b 4UE
2 (6) ~大野b∨a=b 5含意の定義
7 (7) 大野b&a≠b A
8 (8) ~大野b A(6選言枝、右)
7 (9) 大野b 7&E
78 (ア) ~大野b&大野b 89&I
8 (イ) ~(大野b&a≠b) 7アRAA
ウ(ウ) a=b A(6選言枝、左)
7 (エ) a≠b 7&I
7 ウ(オ) a=b&a≠b ウエ&I
ウ(カ) ~(大野b&a≠b) 7オRAA
2 (キ) ~(大野b&a≠b) 28イウカ∨E
2 (ク) ∀y~(大野y&a≠y) キUI(2にbは無い)
2 (ケ) ~∃y(大野y&a≠y) ク量化子の関係
8 (8) ~大野b A(6選言枝、右)
7 (9) 大野b 7&E
78 (ア) ~大野b&大野b 89&I
8 (イ) ~(大野b&a≠b) 7アRAA
ウ(ウ) a=b A(6選言枝、左)
7 (エ) a≠b 7&I
7 ウ(オ) a=b&a≠b ウエ&I
ウ(カ) ~(大野b&a≠b) 7オRAA
2 (キ) ~(大野b&a≠b) 28イウカ∨E
2 (ク) ∀y~(大野y&a≠y) キUI(2にbは無い)
2 (ケ) ~∃y(大野y&a≠y) ク量化子の関係
2 (コ) 私a&~∃y(大野y&a≠y) 3ケ&I
2 (サ)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} コEI
1 (シ)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} 12サEE
(ⅲ)
1 (1)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} A
2 (2) 私a&~∃y(大野y&a≠y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ~∃y(大野y&a≠y) 2&E
2 (5) ∀y~(大野y&a≠y) 4量化子の関係
2 (6) ~(大野b&a≠b) 5UE
2 (7) ~大野b∨~(a≠b) 6ド・モルガンの法則
2 (8) ~大野b∨a=b 7DN
2 (9) 大野b→a=b 8含意の定義
2 (ア) ∀y(大野y→a=y) 9UI(2にbは無い)
2 (イ) 私a& ∀y(大野y→a=y) 3ア&I
2 (ウ)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} イEI
1 (エ)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} 12ウEE
従って、
(05)により、
(06)
① ∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)}
③ ∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)}
に於いて、すなはち、
① あるxは{私であって、すべてのyについて(yが大野であるならば、x=yである)。}
③ あるxは{私であって、あるyが(大野であって、尚且つ、x=yでない)といふことはない。}
に於いて、
①=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私と、大野は、同一人物である。
③ 私以外に、大野は、存在しない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(08)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 私は大野であり、大野は私である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 大野は私である。
③ 私以外に、大野はゐない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
(3)未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
③ 私以外は大野ではない。
といふことが、「事実」であって、尚且つ、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が有るならば、そのときに限って、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、「発言」する。
従って、
(12)により、
(13)
③ 私以外は大野ではない。
といふことが、「事実」であったとしても、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が無いのであれば、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
とは言はずに、
④ 私は大野です。
といふ風に、「発言」する。
従って、
(10)(13)により、
(14)
「大野さんはどちらですか」というような問いがある場合は、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が有るが故に、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、「返答」する。
従って、
(14)により、
(15)
「逆」に言へば、
「大野さんはどちらですか」というような問いが無い。
に拘らず、
④ 私は大野です。
とは言はずに、いきなり、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、言ふのであれば、その場合は、
「相手の側」は、「怪訝」に思ふ、ことになる。
令和02年12月07日、毛利太。
2 (サ)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} コEI
1 (シ)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} 12サEE
(ⅲ)
1 (1)∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)} A
2 (2) 私a&~∃y(大野y&a≠y) A
2 (3) 私a 2&E
2 (4) ~∃y(大野y&a≠y) 2&E
2 (5) ∀y~(大野y&a≠y) 4量化子の関係
2 (6) ~(大野b&a≠b) 5UE
2 (7) ~大野b∨~(a≠b) 6ド・モルガンの法則
2 (8) ~大野b∨a=b 7DN
2 (9) 大野b→a=b 8含意の定義
2 (ア) ∀y(大野y→a=y) 9UI(2にbは無い)
2 (イ) 私a& ∀y(大野y→a=y) 3ア&I
2 (ウ)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} イEI
1 (エ)∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)} 12ウEE
従って、
(05)により、
(06)
① ∃x{私x& ∀y(大野y→x=y)}
③ ∃x{私x&~∃y(大野y&x≠y)}
に於いて、すなはち、
① あるxは{私であって、すべてのyについて(yが大野であるならば、x=yである)。}
③ あるxは{私であって、あるyが(大野であって、尚且つ、x=yでない)といふことはない。}
に於いて、
①=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私と、大野は、同一人物である。
③ 私以外に、大野は、存在しない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(08)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 私は大野であり、大野は私である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 大野は私である。
③ 私以外に、大野はゐない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
(3)
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 私と、大野が、「同一人物」である。
ならば、そのときに限って、
② 大野は私です。
③ 私以外は大野ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
③ 私以外は大野ではない。
といふことが、「事実」であって、尚且つ、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が有るならば、そのときに限って、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、「発言」する。
従って、
(12)により、
(13)
③ 私以外は大野ではない。
といふことが、「事実」であったとしても、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が無いのであれば、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
とは言はずに、
④ 私は大野です。
といふ風に、「発言」する。
従って、
(10)(13)により、
(14)
「大野さんはどちらですか」というような問いがある場合は、
③ 私以外は大野ではない。
といふ「情報」に、「価値」が有るが故に、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、「返答」する。
従って、
(14)により、
(15)
「逆」に言へば、
「大野さんはどちらですか」というような問いが無い。
に拘らず、
④ 私は大野です。
とは言はずに、いきなり、
① 私が大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、言ふのであれば、その場合は、
「相手の側」は、「怪訝」に思ふ、ことになる。
令和02年12月07日、毛利太。
2020年12月3日木曜日
「ただAだけがBである」の「が」。
(01)
① ただ空の名残のみぞ惜しき(徒然草)。
② ただ空の名残だけが惜しい(口語訳)。
に於いて、
①=② である。
cf.
【惜し】失うにしのびない。惜しい。残念だ。捨てがたい。
(旺文社、全訳学習古語辞典、2006年、931頁)
従って、
(02)
① 空の名残のみぞ惜しき。
② 空の名残だけが惜しい。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)
① 空の名残 ぞ惜しき。
② 空の名残 が惜しい。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
ぞ(係助詞)〔上代には「そ」とも〕
①(ア)主語の強調 ・・・が。
(旺文社、全訳学習古語辞典、2006年、463頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 空の名残ぞ惜しき。
② 空の名残が惜しい。
に於いて
①「ぞ」は、「強調」する「語気」を表しゐて、
②「が」は、「強調」する「語気」を表しゐる。
然るに、
(06)
「惟」と「唯」
「惟」は、《書経》の〈商周書〉にきわめて多く用いられており、総字数に対して、二.五%強の高い使用率のものであったのであるが、春秋以降には、次第に用いられなくなっている。しかし、この強調する語気の「惟」は、次第に、専一・単独などの意味を表わす副詞として用いられるようになり、多く「唯」と書かれるようになっている。それで右の例(3)の「惟」は「タダ」と読んでいる人もある。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、309・310頁)
従って、
(06)により、
(07)
「強調」する「語気」は、それ自体が、「Only(専一・単独)」といふ「副詞の意味」を表すことが、出来る。
従って、
(01)(05)(06)(07)により、
(08)
① 空の名残ぞ惜しき。
② 空の名残が惜しい。
といふ「言ひ方」は、それ自体が、
① ただ空の名残のみぞ惜しき(徒然草)。
② ただ空の名残だけが惜しい(口語訳)。
といふ「意味」になる。
然るに、
(09)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである。
(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)
従って、
(05)(09)により、
(10)
① 空の名残が惜しい。
② 私が理事長です。
に於いて、
①「が」は、「強調」する「語気」を表しゐて、
②「が」は、「強調」する「語気」を表しゐる。
従って、
(05)~(10)により、
(11)
① 空の名残が惜しい。
② 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
① ただ空の名残だけが惜しい。
② ただ私だけが理事長です。
といふ「意味」になる。
然るに、
(12)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外にも理事長がゐる。
に於いて、
①&③ は、「矛盾(contradiction)」である。
従って、
(12)により、
(13)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(14)
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は私である。
に於いて、
③=④ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 私が理事長です。
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は私である。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(16)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(17)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は、私である。
に於いて、明らかに、
②=③=④ である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
① 私 が理事長である。
② ただ私だけが理事長である。
に於いて、
①=② で、なければ、ならない。
令和02年12月03日、毛利太。
① ただ空の名残のみぞ惜しき(徒然草)。
② ただ空の名残だけが惜しい(口語訳)。
に於いて、
①=② である。
cf.
【惜し】失うにしのびない。惜しい。残念だ。捨てがたい。
(旺文社、全訳学習古語辞典、2006年、931頁)
従って、
(02)
① 空の名残のみぞ惜しき。
② 空の名残だけが惜しい。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)
① 空の名残 ぞ惜しき。
② 空の名残 が惜しい。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
ぞ(係助詞)〔上代には「そ」とも〕
①(ア)主語の強調 ・・・が。
(旺文社、全訳学習古語辞典、2006年、463頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 空の名残ぞ惜しき。
② 空の名残が惜しい。
に於いて
①「ぞ」は、「強調」する「語気」を表しゐて、
②「が」は、「強調」する「語気」を表しゐる。
然るに、
(06)
「惟」と「唯」
「惟」は、《書経》の〈商周書〉にきわめて多く用いられており、総字数に対して、二.五%強の高い使用率のものであったのであるが、春秋以降には、次第に用いられなくなっている。しかし、この強調する語気の「惟」は、次第に、専一・単独などの意味を表わす副詞として用いられるようになり、多く「唯」と書かれるようになっている。それで右の例(3)の「惟」は「タダ」と読んでいる人もある。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、309・310頁)
従って、
(06)により、
(07)
「強調」する「語気」は、それ自体が、「Only(専一・単独)」といふ「副詞の意味」を表すことが、出来る。
従って、
(01)(05)(06)(07)により、
(08)
① 空の名残ぞ惜しき。
② 空の名残が惜しい。
といふ「言ひ方」は、それ自体が、
① ただ空の名残のみぞ惜しき(徒然草)。
② ただ空の名残だけが惜しい(口語訳)。
といふ「意味」になる。
然るに、
(09)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである。
(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)
従って、
(05)(09)により、
(10)
① 空の名残が惜しい。
② 私が理事長です。
に於いて、
①「が」は、「強調」する「語気」を表しゐて、
②「が」は、「強調」する「語気」を表しゐる。
従って、
(05)~(10)により、
(11)
① 空の名残が惜しい。
② 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
① ただ空の名残だけが惜しい。
② ただ私だけが理事長です。
といふ「意味」になる。
然るに、
(12)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外にも理事長がゐる。
に於いて、
①&③ は、「矛盾(contradiction)」である。
従って、
(12)により、
(13)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(14)
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は私である。
に於いて、
③=④ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 私が理事長です。
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は私である。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(16)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(17)
② ただ私だけが理事長である。
③ 私以外は理事長ではない。
④ 理事長は、私である。
に於いて、明らかに、
②=③=④ である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
① 私 が理事長である。
② ただ私だけが理事長である。
に於いて、
①=② で、なければ、ならない。
令和02年12月03日、毛利太。
2020年11月29日日曜日
「これは良いです」と「これが良いです」の「は」と「が」。
(01)
「普通」は、
① 象は動物であるが、逆に、
② 動物は象ではない。
然るに、
(02)
①{象、兎、馬}を{対象}とするならば「動物は象ではない」が、
②{象、本、机}を{対象}とするならば「動物は象である」。
然るに、
(03)
①{象、兎、馬}を{対象}とするならば「象以外(兎と馬)も動物である」が、
②{象、本、机}を{対象}とするならば「象以外(本と机)は動物ではない」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
といふ「日本語」は、
② 象は動物である。
③ 象は動物である。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により
(09)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)
① AがBです。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBではない。
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
(ⅰ)
1(1) A⇔B A
1(2)(A→B)&(B→A) 1Df.⇔
(ⅱ)
1 (1)(A→B)&(B→A) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) B→A 1&E
4 (4) ~A A
5(5) B A
1 5(6) A 35MPP
145(7) ~A&A 46&I
14 (8) ~B 57RAA
1 (9) ~A→~B 48CP
1 (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1 (1)(A→B)&(~A→~B) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) ~A→~B 1&E
4 (4) B A
5(5) ~A A
1 5(6) ~B 35MPP
145(7) B&~B 46&I
14 (8) ~~A 57RAA
14 (9) A 8DN
1 (ア) B→A 49CP
1 (イ) (A→B)&(B→A) 2ア&I
従って、
(10)により、
(11)
① これが良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとガで意味が反対になることがある。
これはいいです。(不用)
これがいいです。(入用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語が同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
然るに、
(13)
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふのであれば、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① これが良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
といふのであれば、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これが良いです。
と言へば、それだけで、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(09)~(14)により、
(15)
三上章 先生は、
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、「気が付かなかった」が故に、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これが良いです。
と言へば、それだけで、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふ「意味」になり、それ故、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になる。
といふことに、「気付けなかった」と、いふことになる。
令和02年01月29日、毛利太。
「普通」は、
① 象は動物であるが、逆に、
② 動物は象ではない。
然るに、
(02)
①{象、兎、馬}を{対象}とするならば「動物は象ではない」が、
②{象、本、机}を{対象}とするならば「動物は象である」。
然るに、
(03)
①{象、兎、馬}を{対象}とするならば「象以外(兎と馬)も動物である」が、
②{象、本、机}を{対象}とするならば「象以外(本と机)は動物ではない」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
といふ「日本語」は、
② 象は動物である。
③ 象は動物である。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により
(09)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)
① AがBです。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBではない。
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
(ⅰ)
1(1) A⇔B A
1(2)(A→B)&(B→A) 1Df.⇔
(ⅱ)
1 (1)(A→B)&(B→A) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) B→A 1&E
4 (4) ~A A
5(5) B A
1 5(6) A 35MPP
145(7) ~A&A 46&I
14 (8) ~B 57RAA
1 (9) ~A→~B 48CP
1 (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1 (1)(A→B)&(~A→~B) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) ~A→~B 1&E
4 (4) B A
5(5) ~A A
1 5(6) ~B 35MPP
145(7) B&~B 46&I
14 (8) ~~A 57RAA
14 (9) A 8DN
1 (ア) B→A 49CP
1 (イ) (A→B)&(B→A) 2ア&I
従って、
(10)により、
(11)
① これが良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとガで意味が反対になることがある。
これはいいです。(不用)
これがいいです。(入用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語が同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
然るに、
(13)
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふのであれば、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① これが良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
といふのであれば、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これが良いです。
と言へば、それだけで、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(09)~(14)により、
(15)
三上章 先生は、
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、「気が付かなかった」が故に、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これが良いです。
と言へば、それだけで、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふ「意味」になり、それ故、
④ これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になる。
といふことに、「気付けなかった」と、いふことになる。
令和02年01月29日、毛利太。
2020年11月25日水曜日
「象がゐる」と「マンモスはゐる」。
(01)
「記号」で書くと、
① A⇔B
②(A→B)&(B→A)
に於いて、
①=② である。 然るに、
(02)
(ⅱ)
1 (1)(A→B)&(B→A) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) B→A 1&E
4 (4) ~A A
5(5) B A
1 5(6) A 35MPP
145(7) ~A&A 46&I
14 (8) ~B 57RAA
1 (9) ~A→~B 48CP
1 (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1 (1)(A→B)&(~A→~B) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) ~A→~B 1&E
4 (4) B A
5(5) ~A A
1 5(6) ~B 35MPP
145(7) B&~B 46&I
14 (8) ~~A 57RAA
14 (9) A 8DN
1 (ア) B→A 49CP
1 (イ) (A→B)&(B→A) 2ア&I
従って、
(02)により、
(03)
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「記号」で書くと、
① A⇔B
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
「日本語」でいふと、
① Aならば、そのときに限って、Bである。
②(AならばBであり、)尚且つ、(BならばAである。)
③(AならばBであり、)尚且つ、(A以外ならばBでない。)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AだけがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私だけが理事長である。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私が理事長である。
と言へば、
① 私だけが理事長である。
と言はなくとも、それだけで、
① 私だけが理事長である。⇔
② 私は理事長であり、理事長は私である。⇔
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない。
といふ「意味」になる。
従って、
(09)により、
(10)
① 象がゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふ「意味」になる。
然るに、
(11)
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふのであれば、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
然るに、
(12)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐるかも知れないため、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「命題」は、厳密に言へば、「偽」である場合の方が、「多い」と、せざるを得ない。
然るに、
(13)
② 心不在焉、視而不見=
② 心不在於是、視而不見=
② 心不[在〔於(是)〕]、視而不(見)⇒
② 心[〔(是)於〕在]不、視而(見)不=
② 心[〔(ここ)に〕在ら]不れば、視れども(見え)ず=
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にあっても、見えてはゐない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐたとしても、
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にゐたとしても、見えてはゐないが故に、
① 象がゐる。
と言へば、
② 象はゐるが、象以外はゐない。⇔
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(14)により、
(15)
① マンモスがゐる。
と言へば、
② マンモスはゐるが、マンモス以外はゐない。⇔
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(16)
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」ではなく、
③(今でも、何処かに)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ風に、言ひたいのであれば、すなはち、
③ マンモス(といふ種)はまだ、絶滅してゐない。
といふ風に、言ひたいのであれば、
② マンモスがゐる。
とは言はずに、
③ マンモスはゐる。
といふ風に、言はざるを、得ない。
従って、
(16)により、
(17)
② マンモスがゐる。
③ マンモスはゐる。
に於いて、
② は「個体」としても「マンモス」の「存在」を述べてゐて、
③ は「集合」としての「マンモス」の「存在」を述べてゐる。
従って、
(17)により、
(18)
② マンモスが・・・・・。
と言はずに、
③ マンモスは・・・・・。
と言ふ場合は、「普通」は、
③ マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である(ウィキペディア)。
といふ場合がさうであるやうに、
③ マンモスといふ「種」としての、マンモスであって、
②「個体」としての、マンモスではない。
然るに、
(19)
「三上文法」によると、
③「マンモスは」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
③「マンモスは」は、「主題」であるとされ、
②「マンモスが」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
②「マンモスが」は、「(主格としての)補語」である。
然るに、
(09)(10)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
① 象がゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふ「意味」になり、
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふのであれば、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
従って、
(20)により、
(21)
② 象がゐる=(今、目の前に)象がゐる。
といふ風に、誰か言ってから、「千数百数十数年」が「経過」したとすれば、
② 象がゐた=(昔々、ある所に)象がゐた。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
② 象がゐる=(今、目の前に)象がゐる。
といふことからすれば、)
②(昔々、ある所に)象がゐました。
であって、
③(昔々、ある所に)象はゐました。
ではない。
といふことは、「当然」である。
令和02年11月25日、毛利太。
「記号」で書くと、
① A⇔B
②(A→B)&(B→A)
に於いて、
①=② である。 然るに、
(02)
(ⅱ)
1 (1)(A→B)&(B→A) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) B→A 1&E
4 (4) ~A A
5(5) B A
1 5(6) A 35MPP
145(7) ~A&A 46&I
14 (8) ~B 57RAA
1 (9) ~A→~B 48CP
1 (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1 (1)(A→B)&(~A→~B) A
1 (2) A→B 1&E
1 (3) ~A→~B 1&E
4 (4) B A
5(5) ~A A
1 5(6) ~B 35MPP
145(7) B&~B 46&I
14 (8) ~~A 57RAA
14 (9) A 8DN
1 (ア) B→A 49CP
1 (イ) (A→B)&(B→A) 2ア&I
従って、
(02)により、
(03)
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「記号」で書くと、
① A⇔B
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
「日本語」でいふと、
① Aならば、そのときに限って、Bである。
②(AならばBであり、)尚且つ、(BならばAである。)
③(AならばBであり、)尚且つ、(A以外ならばBでない。)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AだけがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私だけが理事長である。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私が理事長である。
と言へば、
① 私だけが理事長である。
と言はなくとも、それだけで、
① 私だけが理事長である。⇔
② 私は理事長であり、理事長は私である。⇔
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない。
といふ「意味」になる。
従って、
(09)により、
(10)
① 象がゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふ「意味」になる。
然るに、
(11)
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふのであれば、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
然るに、
(12)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐるかも知れないため、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「命題」は、厳密に言へば、「偽」である場合の方が、「多い」と、せざるを得ない。
然るに、
(13)
② 心不在焉、視而不見=
② 心不在於是、視而不見=
② 心不[在〔於(是)〕]、視而不(見)⇒
② 心[〔(是)於〕在]不、視而(見)不=
② 心[〔(ここ)に〕在ら]不れば、視れども(見え)ず=
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にあっても、見えてはゐない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐたとしても、
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にゐたとしても、見えてはゐないが故に、
① 象がゐる。
と言へば、
② 象はゐるが、象以外はゐない。⇔
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(14)により、
(15)
① マンモスがゐる。
と言へば、
② マンモスはゐるが、マンモス以外はゐない。⇔
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(16)
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」ではなく、
③(今でも、何処かに)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ風に、言ひたいのであれば、すなはち、
③ マンモス(といふ種)はまだ、絶滅してゐない。
といふ風に、言ひたいのであれば、
② マンモスがゐる。
とは言はずに、
③ マンモスはゐる。
といふ風に、言はざるを、得ない。
従って、
(16)により、
(17)
② マンモスがゐる。
③ マンモスはゐる。
に於いて、
② は「個体」としても「マンモス」の「存在」を述べてゐて、
③ は「集合」としての「マンモス」の「存在」を述べてゐる。
従って、
(17)により、
(18)
② マンモスが・・・・・。
と言はずに、
③ マンモスは・・・・・。
と言ふ場合は、「普通」は、
③ マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である(ウィキペディア)。
といふ場合がさうであるやうに、
③ マンモスといふ「種」としての、マンモスであって、
②「個体」としての、マンモスではない。
然るに、
(19)
「三上文法」によると、
③「マンモスは」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
③「マンモスは」は、「主題」であるとされ、
②「マンモスが」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
②「マンモスが」は、「(主格としての)補語」である。
然るに、
(09)(10)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
① 象がゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふ「意味」になり、
② 象はゐるが、象以外はゐない。
といふのであれば、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
従って、
(20)により、
(21)
② 象がゐる=(今、目の前に)象がゐる。
といふ風に、誰か言ってから、「千数百数十数年」が「経過」したとすれば、
② 象がゐた=(昔々、ある所に)象がゐた。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
② 象がゐる=(今、目の前に)象がゐる。
といふことからすれば、)
②(昔々、ある所に)象がゐました。
であって、
③(昔々、ある所に)象はゐました。
ではない。
といふことは、「当然」である。
令和02年11月25日、毛利太。
2020年11月23日月曜日
「象が鼻が長い」の「述語論理」(Ⅱ)。
―「一昨日の記事(令和02年11月23日)」を書き直します。―
(01)
アジア象のメスは牙を持たないこともあります。
(アフリカ旅行の道祖神ブログ)
(02)
マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目象科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。
現生の象の類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある(ウィキペディア)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
以下では、「鼻に加へて、牙も長いマンモスは、象ではなく、象の牙は長くない。」とする。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は、 鼻は長く、 鼻以外は長くない。
② カバは、 鼻は長くなく、鼻以外も長くない。
③ マンモスは、鼻は長く、 鼻以外(牙は、5.2メートルに達する)も長い。
従って、
(04)により、
(05)
①{象、カバ、マンモス}
を{変域(ドメイン)}とすると、
① 象だけが、鼻だけが長い。
従って、
(05)により、
(06)
①{象、カバ、マンモス}
ではなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
を{変域(ドメイン)}とすると、
② 象だけが、鼻だけが長い。
かどうかは、「不明」である。
然るに、
(07)
② レックは、「一頭のカバ」の 「固有名詞」であって、
③ レーナは、「一頭のマンモス」の「固有名詞」である。
と、するならば、
①{象、カバ、マンモス}
といふ{変域(ドメイン)}だけでなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
といふ{変域(ドメイン)}に於いても、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「命題」は、「真」である。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
② 象以外の動物が、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
② 鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(11)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
① 象自身は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象だけが、鼻だけが長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(13)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(14)
① 理事長は私です。
② 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(16)
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
④ 私だけが理事長です。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 私だけが理事長です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① 私が理事長です。
といへば、それだけで、
② 私だけが理事長です。
といふ「意味」になる。
従って、
(18)により、
(19)
① 象が、鼻が長い。
といふのであれば、それだけで、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(12)(19)により、
(20)
① 象が、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(21)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 2Df.⇔
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3&E
6 (6) ~象a A
16 (7) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 65MTT
16 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
16 (9) ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y) 8交換法則
16 (ア) ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y) 9含意の定義
イ (イ) ∀z(~鼻za→~長z) A
16イ (ウ) ~∃y(鼻ya&長y) アイMPP
16イ (エ) ∀y~(鼻ya&長y) ウ量化子の関係
16イ (オ) ~(鼻ba&長b) エUI
16イ (カ) ~鼻ba∨~長b カ、ド・モルガンの法則
16イ (キ) 鼻ba→~長b カ含意の定義
16イ (ク) ∀y(鼻ya→~長y) キUI
16 (ケ) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) イクCP
1 (コ)~象a→[∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)] 6ケCP
シ (サ)~象a& ∀z(~鼻za→~長z) A
シ (シ)~象a シ&E
シ (ス) ∀z(~鼻za→~長z) シ&E
1 シ (セ) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) コシMPP
1 シ (ソ) ∀y(鼻ya→~長y) スセMPP
1 (タ) ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) シソCP
1 (チ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4UI
1 (ツ)∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)} タUI
1 (テ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)} チツ&I
(ⅱ)
1 (1)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)} A
1 (2)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1&E
1 (3) 象a→∃y( 鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2UE
1 (4)∀x{~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀z( 鼻ya→~長y)} 1&E
1 (5) ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y) 4UE
6 (6) ~象a A
7 (7) ∀z(~鼻za→~長z) A
67 (8) ~象a&∀z(~鼻za→~長z) 67&I
167 (9) ∀y( 鼻ya→~長y) 58MPP
16 (ア) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y) 79CP
イ (イ) ∃y(鼻ya& 長y) A
ウ (ウ) 鼻ba& 長b A
ウ (エ) ~~(鼻ba& 長b) ウ&I
ウ (オ) ~(~鼻ba∨~長b) エ、ド・モルガンの法則
ウ (カ) ~(鼻ba→~長b) オ含意の定義
ウ (キ) ∃y~(鼻ya→~長y) カEI
イ (ク) ∃y~(鼻ya→~長y) イウキEE
イ (ケ) ~∀y(鼻ya→~長y) ク量化子の関係
16 イ (コ) ~∀z(~鼻za→~長z) アケMTT
16 (サ) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) イコCP
16 (シ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) サ含意の定義
16 (ス) ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} シ、ド・モルガンの法則
1 (セ) ~象a→~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 6スCP
ソ(ソ) ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) A
ソ(タ) ~~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} ソDN
1 ソ(チ) ~~象a セタMTT
1 ソ(ツ) 象a チDN
1 (テ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a ソツCP
1 (ト) 象a→∃y(鼻ya 長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3テ&I
1 (ナ) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) トDf.⇔
1 (ニ) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ナUI
(22)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 2Df.⇔
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3&E
6 (6) ~象a A
16 (7) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 65MTT
16 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
16 (9) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 8含意の定義
ア (ア) ∃y(鼻ya&長y) A
16ア (イ) ~∀z(~鼻za→~長z) 9アMPP
16ア (ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イ量化子の関係
エ (エ) ~(~鼻ba→~長b) A
エ (オ) ~(鼻ba∨~長b) エ含意の定義
エ (カ) ~鼻ba& 長b オ、ド・モルガンの法則
エ (キ) ∃z(~鼻za& 長z) カEI
16ア (ク) ∃z(~鼻za& 長z) ウエキEE
16 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) アクCP
1 (コ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] 6ケCP
サ(サ)~象a& ∃y(鼻ya&長y) A
サ(シ)~象a サ&E
サ(ス) ∃y(鼻ya&長y) サ&E
1 サ(セ) [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] コシMPP
1 サ(ソ) ∃z(~鼻za& 長z) スセMPP
1 (タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) サソCP
1 (チ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4UI
1 (ツ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} タUI
1 (テ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
1 ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} チツ&I
(ⅲ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} A
1 (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1&E
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2UE
1 (4)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 1&E
1 (5) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z) 4UE
6 (6) ~象a A
7 (7) ∃y(鼻ya&長y) A
67 (8) ~象a&∃y(鼻ya&長y) 67&I
167 (9) ∃z(~鼻za&長z) 58MPP
ア (ア) ~鼻ba&長b A
ア (イ) ~(鼻ba∨~長b) ア、ド・モルガンの法則
ア (ウ) ~(~鼻ba→~長b) イ含意の定義
ア (エ) ∃z~(~鼻za→~長z) ウEI
167 (オ) ∃z~(~鼻za→~長z) 9アエEE
167 (カ) ~∀z(~鼻za→~長z) オ量化子の関係
16 (キ) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 7カCP
16 (ク) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) キ含意の定義
16 (ケ) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} ク、ド・モルガンの法則
1 (コ)~象a→~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 6ケCP
サ(サ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) A
サ(シ) ~~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} サDN
1 サ(ス)~~象a ケシMTT
1 サ(セ) 象a スDN
1 (ソ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a サセCP
1 (タ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a ソタ&E
1 (チ) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) タDf.⇔
1 (テ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} チUI
従って、
(21)(22)により、
(23)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zが長くない)ならば、すべてのyについて(yがxの鼻ならば、yは長くない)。}
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyが(xの鼻であって長い)ならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
に於いて、すなはち、
① 象が、鼻が長い(象に限って、鼻は長く、鼻以外は長くない)。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(20)~(23)により、
(24)
② 象が鼻が長い。⇔
② ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)(23)(24)により、
(25)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(26)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(長y&耳ya) ア&E
オ(オ) 長b&耳ba A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
従って、
(25)(26)により、
(27)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 然るに、
1 (〃)象は鼻が長い。 然るに、
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} 然るに、
2 (〃)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 従って、
12 (ネ)∀x(兎x→~象x)
12 (〃)兎は、象ではない。
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(24)(25)により、
(29)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
② ならば、① である。
然るに、
(30)
(3)(演繹推理において、)前提を追加しても結論は不変でよい(、ということは、当然である)。
(岩波全書、論理学入門、1979年、156頁改)
従って、
(28)(29)(30)により、
(31)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
(ⅰ)象が鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(32)
1 (1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 1Df.⇔
1 (5)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4&E
1 (6) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 5UE
2 (7) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
8 (9) 象a 8&E
8 (ア) 兎a 8&E
1 8 (イ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 69MPP
2 8 (ウ) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 7アMPP
1 8 (エ) ∃y(鼻ya&長y) イ&E
オ (オ) 鼻ba&長b A
2 8 (カ) ∃y(長y&耳ya) ウ&E
キ(キ) 長b&耳ba A
キ(ク) 耳ba キ&E
1 8 (ケ) ∀z(~鼻za→~長z) イ&E
1 8 (コ) ~鼻ba→~長b ケUE
2 8 (サ) ∀z(耳za→~鼻za) ウ&E
2 8 (シ) 耳ba→~鼻ba サUE
2 8 キ(ス) ~鼻ba クシMPP
12 8 キ(セ) ~長b コスMPP
キ(ソ) 長b キ&E
12 8 キ(タ) 長b&~長b セソ&I
12 8 (チ) 長b&~長b カキタEE
123 (ツ) 長b&~長b 38チEE
12 (テ)~∃x(兎x&象x) 3ツRAA
12 (ト)∀x~(兎x&象x) テ量化子の関係
12 (ナ) ~(兎a&象a) トUE
12 (ニ) ~兎a∨~象a ナ、ド・モルガンの法則
12 (ヌ) 兎a→~象a ニ含意の定義
12 (ネ)∀x(兎x→~象x) ヌUI
12 (〃)兎は、象ではない。 ヌUI
従って、
(29)~(32)により、
(33)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
果たして、
(ⅰ)象が鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」である。
従って、
(29)(33)により、
(34)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」であるならば、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(35)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(34)(35)により、
(36)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(37)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(37)により、
(38)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い。
に於ける、
②「象が」は「長い」に対する「補語」であって、
②「鼻が」も「長い」に対する「補語」であって、
②「象が」は「主格」であって、
②「鼻が」も「主格」であって、それ故、
②「象が」は「長い」に対する「主格の、補語」であって、
②「鼻が」は「長い」に対する「主格の、補語」である。
然るに、
(39)
「三上文法」によると、
②「主格の、補語」は、「主語」ではない。
従って、
(38)(39)により、
(40)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」に「主語」はない。
従って、
(36)~(40)により、
(41)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語・述語論理」に「主格の、補語」はあるが、「主語」はない。
といふことになる。
然るに、
(42)
私に言はせれば、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成り立つ。
といふ「事実」こそが、「重要」なのであって、
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」にあるのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない。
といふことは、どうでも良い。
(43)
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」に有るのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない。
と言ってみたところで、そのことが、
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」である。
といふことを「証明」する上で、「役に立つ」といふ、わけではない。
令和02年11月25日、毛利太。
(01)
アジア象のメスは牙を持たないこともあります。
(アフリカ旅行の道祖神ブログ)
(02)
マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目象科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。
現生の象の類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある(ウィキペディア)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
以下では、「鼻に加へて、牙も長いマンモスは、象ではなく、象の牙は長くない。」とする。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は、 鼻は長く、 鼻以外は長くない。
② カバは、 鼻は長くなく、鼻以外も長くない。
③ マンモスは、鼻は長く、 鼻以外(牙は、5.2メートルに達する)も長い。
従って、
(04)により、
(05)
①{象、カバ、マンモス}
を{変域(ドメイン)}とすると、
① 象だけが、鼻だけが長い。
従って、
(05)により、
(06)
①{象、カバ、マンモス}
ではなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
を{変域(ドメイン)}とすると、
② 象だけが、鼻だけが長い。
かどうかは、「不明」である。
然るに、
(07)
② レックは、「一頭のカバ」の 「固有名詞」であって、
③ レーナは、「一頭のマンモス」の「固有名詞」である。
と、するならば、
①{象、カバ、マンモス}
といふ{変域(ドメイン)}だけでなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
といふ{変域(ドメイン)}に於いても、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「命題」は、「真」である。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
② 象以外の動物が、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
② 鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(11)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
① 象自身は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象だけが、鼻だけが長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(13)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(14)
① 理事長は私です。
② 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(16)
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
④ 私だけが理事長です。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 私だけが理事長です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① 私が理事長です。
といへば、それだけで、
② 私だけが理事長です。
といふ「意味」になる。
従って、
(18)により、
(19)
① 象が、鼻が長い。
といふのであれば、それだけで、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(12)(19)により、
(20)
① 象が、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(21)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 2Df.⇔
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3&E
6 (6) ~象a A
16 (7) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 65MTT
16 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
16 (9) ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y) 8交換法則
16 (ア) ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y) 9含意の定義
イ (イ) ∀z(~鼻za→~長z) A
16イ (ウ) ~∃y(鼻ya&長y) アイMPP
16イ (エ) ∀y~(鼻ya&長y) ウ量化子の関係
16イ (オ) ~(鼻ba&長b) エUI
16イ (カ) ~鼻ba∨~長b カ、ド・モルガンの法則
16イ (キ) 鼻ba→~長b カ含意の定義
16イ (ク) ∀y(鼻ya→~長y) キUI
16 (ケ) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) イクCP
1 (コ)~象a→[∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)] 6ケCP
シ (サ)~象a& ∀z(~鼻za→~長z) A
シ (シ)~象a シ&E
シ (ス) ∀z(~鼻za→~長z) シ&E
1 シ (セ) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) コシMPP
1 シ (ソ) ∀y(鼻ya→~長y) スセMPP
1 (タ) ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y) シソCP
1 (チ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4UI
1 (ツ)∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)} タUI
1 (テ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)} チツ&I
(ⅱ)
1 (1)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)} A
1 (2)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1&E
1 (3) 象a→∃y( 鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2UE
1 (4)∀x{~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀z( 鼻ya→~長y)} 1&E
1 (5) ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y) 4UE
6 (6) ~象a A
7 (7) ∀z(~鼻za→~長z) A
67 (8) ~象a&∀z(~鼻za→~長z) 67&I
167 (9) ∀y( 鼻ya→~長y) 58MPP
16 (ア) ∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y) 79CP
イ (イ) ∃y(鼻ya& 長y) A
ウ (ウ) 鼻ba& 長b A
ウ (エ) ~~(鼻ba& 長b) ウ&I
ウ (オ) ~(~鼻ba∨~長b) エ、ド・モルガンの法則
ウ (カ) ~(鼻ba→~長b) オ含意の定義
ウ (キ) ∃y~(鼻ya→~長y) カEI
イ (ク) ∃y~(鼻ya→~長y) イウキEE
イ (ケ) ~∀y(鼻ya→~長y) ク量化子の関係
16 イ (コ) ~∀z(~鼻za→~長z) アケMTT
16 (サ) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) イコCP
16 (シ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) サ含意の定義
16 (ス) ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} シ、ド・モルガンの法則
1 (セ) ~象a→~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 6スCP
ソ(ソ) ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) A
ソ(タ) ~~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} ソDN
1 ソ(チ) ~~象a セタMTT
1 ソ(ツ) 象a チDN
1 (テ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a ソツCP
1 (ト) 象a→∃y(鼻ya 長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3テ&I
1 (ナ) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) トDf.⇔
1 (ニ) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ナUI
(22)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 2Df.⇔
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a 3&E
6 (6) ~象a A
16 (7) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 65MTT
16 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
16 (9) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 8含意の定義
ア (ア) ∃y(鼻ya&長y) A
16ア (イ) ~∀z(~鼻za→~長z) 9アMPP
16ア (ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イ量化子の関係
エ (エ) ~(~鼻ba→~長b) A
エ (オ) ~(鼻ba∨~長b) エ含意の定義
エ (カ) ~鼻ba& 長b オ、ド・モルガンの法則
エ (キ) ∃z(~鼻za& 長z) カEI
16ア (ク) ∃z(~鼻za& 長z) ウエキEE
16 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) アクCP
1 (コ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] 6ケCP
サ(サ)~象a& ∃y(鼻ya&長y) A
サ(シ)~象a サ&E
サ(ス) ∃y(鼻ya&長y) サ&E
1 サ(セ) [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] コシMPP
1 サ(ソ) ∃z(~鼻za& 長z) スセMPP
1 (タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) サソCP
1 (チ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4UI
1 (ツ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} タUI
1 (テ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
1 ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} チツ&I
(ⅲ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} A
1 (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1&E
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2UE
1 (4)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 1&E
1 (5) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z) 4UE
6 (6) ~象a A
7 (7) ∃y(鼻ya&長y) A
67 (8) ~象a&∃y(鼻ya&長y) 67&I
167 (9) ∃z(~鼻za&長z) 58MPP
ア (ア) ~鼻ba&長b A
ア (イ) ~(鼻ba∨~長b) ア、ド・モルガンの法則
ア (ウ) ~(~鼻ba→~長b) イ含意の定義
ア (エ) ∃z~(~鼻za→~長z) ウEI
167 (オ) ∃z~(~鼻za→~長z) 9アエEE
167 (カ) ~∀z(~鼻za→~長z) オ量化子の関係
16 (キ) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 7カCP
16 (ク) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) キ含意の定義
16 (ケ) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} ク、ド・モルガンの法則
1 (コ)~象a→~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 6ケCP
サ(サ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) A
サ(シ) ~~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} サDN
1 サ(ス)~~象a ケシMTT
1 サ(セ) 象a スDN
1 (ソ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a サセCP
1 (タ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a ソタ&E
1 (チ) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) タDf.⇔
1 (テ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} チUI
従って、
(21)(22)により、
(23)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zが長くない)ならば、すべてのyについて(yがxの鼻ならば、yは長くない)。}
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyが(xの鼻であって長い)ならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
に於いて、すなはち、
① 象が、鼻が長い(象に限って、鼻は長く、鼻以外は長くない)。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(20)~(23)により、
(24)
② 象が鼻が長い。⇔
② ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)(23)(24)により、
(25)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(26)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(長y&耳ya) ア&E
オ(オ) 長b&耳ba A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
従って、
(25)(26)により、
(27)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 然るに、
1 (〃)象は鼻が長い。 然るに、
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} 然るに、
2 (〃)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 従って、
12 (ネ)∀x(兎x→~象x)
12 (〃)兎は、象ではない。
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(24)(25)により、
(29)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
② ならば、① である。
然るに、
(30)
(3)(演繹推理において、)前提を追加しても結論は不変でよい(、ということは、当然である)。
(岩波全書、論理学入門、1979年、156頁改)
従って、
(28)(29)(30)により、
(31)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
(ⅰ)象が鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(32)
1 (1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 1Df.⇔
1 (5)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4&E
1 (6) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 5UE
2 (7) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
8 (9) 象a 8&E
8 (ア) 兎a 8&E
1 8 (イ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 69MPP
2 8 (ウ) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 7アMPP
1 8 (エ) ∃y(鼻ya&長y) イ&E
オ (オ) 鼻ba&長b A
2 8 (カ) ∃y(長y&耳ya) ウ&E
キ(キ) 長b&耳ba A
キ(ク) 耳ba キ&E
1 8 (ケ) ∀z(~鼻za→~長z) イ&E
1 8 (コ) ~鼻ba→~長b ケUE
2 8 (サ) ∀z(耳za→~鼻za) ウ&E
2 8 (シ) 耳ba→~鼻ba サUE
2 8 キ(ス) ~鼻ba クシMPP
12 8 キ(セ) ~長b コスMPP
キ(ソ) 長b キ&E
12 8 キ(タ) 長b&~長b セソ&I
12 8 (チ) 長b&~長b カキタEE
123 (ツ) 長b&~長b 38チEE
12 (テ)~∃x(兎x&象x) 3ツRAA
12 (ト)∀x~(兎x&象x) テ量化子の関係
12 (ナ) ~(兎a&象a) トUE
12 (ニ) ~兎a∨~象a ナ、ド・モルガンの法則
12 (ヌ) 兎a→~象a ニ含意の定義
12 (ネ)∀x(兎x→~象x) ヌUI
12 (〃)兎は、象ではない。 ヌUI
従って、
(29)~(32)により、
(33)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
果たして、
(ⅰ)象が鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」である。
従って、
(29)(33)により、
(34)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」であるならば、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(35)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(34)(35)により、
(36)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(37)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(37)により、
(38)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い。
に於ける、
②「象が」は「長い」に対する「補語」であって、
②「鼻が」も「長い」に対する「補語」であって、
②「象が」は「主格」であって、
②「鼻が」も「主格」であって、それ故、
②「象が」は「長い」に対する「主格の、補語」であって、
②「鼻が」は「長い」に対する「主格の、補語」である。
然るに、
(39)
「三上文法」によると、
②「主格の、補語」は、「主語」ではない。
従って、
(38)(39)により、
(40)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」に「主語」はない。
従って、
(36)~(40)により、
(41)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語・述語論理」に「主格の、補語」はあるが、「主語」はない。
といふことになる。
然るに、
(42)
私に言はせれば、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成り立つ。
といふ「事実」こそが、「重要」なのであって、
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」にあるのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない。
といふことは、どうでも良い。
(43)
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」に有るのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない。
と言ってみたところで、そのことが、
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」である。
といふことを「証明」する上で、「役に立つ」といふ、わけではない。
令和02年11月25日、毛利太。
2020年11月21日土曜日
「矛盾」を「前提」とすると、・・・・。
(01)
① 真├ 真
② 真├ 偽
③ 偽├ 真
④ 偽├ 偽
に於いて、
② だけが、「偽」であって、
② 以外は、「真」である。
然るに、
(02)
② 真&偽 は、
② 偽 である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも、
① 偽├ 真
② 偽├ 偽
③ 偽├ 真
④ 偽├ 偽
である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも「真」である。
然るに、
(05)
「~P&P(矛盾)」は、
「真&偽(偽&真)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ~P&P(矛盾)├ 真
② ~P&P(矛盾)├ 偽
③ ~P&P(矛盾)├ 真
④ ~P&P(矛盾)├ 偽
の場合は、4つとも「真」である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~P&P(矛盾)├ Q(真)
② ~P&P(矛盾)├ Q(偽)
の場合は、2つとも「真」である。
従って、
(07)により、
(08)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は、(西からではなく)東から昇る。
とするならば、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも「真」である。
然るに、
(09)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3(3) ~P A
3(4) ~P∨Q 3∨I
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
12 (8) Q 17MPP
12 (9) ~P∨Q 8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ) (~P∨Q) 2ア&I
1 (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1 (エ) ~P∨Q ウDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(09)により、
(10)
① P→Q(Pならば、Qである)
② ~P∨Q(PでないかQである)
に於いて
①=② である(含意の定義)
然るに、
(11)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~P&P├ Q
といふ「連式(Sequent)」は、「命題計算」としても、「妥当」である(?)。
従って、
(08)(12)により、
(13)
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「真」である(?)。
然るに、
(05)(11)により、
(14)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」は、「(矛盾)偽」である。
(15)
論証は、その前提がすべて真であり、そして結論が偽であるならば、健全ではありえない。推論が健全であるための必要条件は、真理からは真理のみが帰結するということである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、5頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」が、初めから「偽(矛盾)」であるが故に、
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」は、固より、「健全」であるとは、言へない。
従って、
(13)~(16)により、
(17)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」自体が、「不健全」であるため、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「真」である。
といふことには、ならない。
(18)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」は、所謂、「ゼロ除算(÷0)」に、相当すると、言ふべきである。
令和02年11月21日、毛利太。
① 真├ 真
② 真├ 偽
③ 偽├ 真
④ 偽├ 偽
に於いて、
② だけが、「偽」であって、
② 以外は、「真」である。
然るに、
(02)
② 真&偽 は、
② 偽 である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも、
① 偽├ 真
② 偽├ 偽
③ 偽├ 真
④ 偽├ 偽
である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも「真」である。
然るに、
(05)
「~P&P(矛盾)」は、
「真&偽(偽&真)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ~P&P(矛盾)├ 真
② ~P&P(矛盾)├ 偽
③ ~P&P(矛盾)├ 真
④ ~P&P(矛盾)├ 偽
の場合は、4つとも「真」である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~P&P(矛盾)├ Q(真)
② ~P&P(矛盾)├ Q(偽)
の場合は、2つとも「真」である。
従って、
(07)により、
(08)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は、(西からではなく)東から昇る。
とするならば、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも「真」である。
然るに、
(09)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3(3) ~P A
3(4) ~P∨Q 3∨I
23(5) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
12 (8) Q 17MPP
12 (9) ~P∨Q 8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ) (~P∨Q) 2ア&I
1 (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1 (エ) ~P∨Q ウDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(09)により、
(10)
① P→Q(Pならば、Qである)
② ~P∨Q(PでないかQである)
に於いて
①=② である(含意の定義)
然るに、
(11)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~P&P├ Q
といふ「連式(Sequent)」は、「命題計算」としても、「妥当」である(?)。
従って、
(08)(12)により、
(13)
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「真」である(?)。
然るに、
(05)(11)により、
(14)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」は、「(矛盾)偽」である。
(15)
論証は、その前提がすべて真であり、そして結論が偽であるならば、健全ではありえない。推論が健全であるための必要条件は、真理からは真理のみが帰結するということである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、5頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」が、初めから「偽(矛盾)」であるが故に、
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」は、固より、「健全」であるとは、言へない。
従って、
(13)~(16)により、
(17)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」自体が、「不健全」であるため、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)東から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「真」である。
といふことには、ならない。
(18)
1(1)~P&P A
1(2)~P 1&E
1(3) P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6) Q 35MPP
といふ「計算」は、所謂、「ゼロ除算(÷0)」に、相当すると、言ふべきである。
令和02年11月21日、毛利太。
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