2020年11月29日日曜日

「これは良いです」と「これが良いです」の「は」と「が」。

(01)
普通」は、
は動物であるが、逆に
動物は象ではない
然るに、
(02)
①{象、}を{対象}とするならば「動物は象ではない」が、
②{象、}を{対象}とするならば「動物は象である」。
然るに、
(03)
①{象、}を{対象}とするならば「象以外()も動物である」が、
②{象、}を{対象}とするならば「象以外)は動物ではない」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
といふ「日本語」は、
② 象は動物である。
③ 象は動物である。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により
(09)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)
① ABです。
② AはBであり、はAである。
③ AはBであり、A以外はBではない
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
(ⅰ)
  1(1) A⇔B A
  1(2)(A→B)&(B→A) 1Df.⇔
(ⅱ)
1  (1)(A→B)&(B→A)   A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       B→A    1&E
 4 (4)        ~A    A
  5(5)       B      A
1 5(6)         A    35MPP
145(7)      ~A&A    46&I
14 (8)      ~B      57RAA
1  (9)       ~A→~B  48CP
1  (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1  (1)(A→B)&(~A→~B) A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       ~A→~B  1&E
 4 (4)           B  A
 5(5)       ~A     A
1 5(6)          ~B  35MPP
145(7)        B&~B  46&I
14 (8)      ~~A     57RAA
14 (9)        A     8DN
1  (ア)        B→A   49CP
1  (イ) (A→B)&(B→A)  2ア&I
従って、
(10)により、
(11)
① これ良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとで意味が反対になることがある。
これはいいです。(不用)
これいいです。(用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
然るに、
(13)
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふのであれば、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① これ良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
といふのであれば、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これ良いです。
と言へば、それだけで、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(09)~(14)により、
(15)
三上章 先生は、
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、「気が付かなかった」が故に、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これ良いです。
と言へば、それだけで、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふ「意味」になり、それ故、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になる。
といふことに、「気付けなかった」と、いふことになる。
令和02年01月29日、毛利太。

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