2020年11月17日火曜日

「象(は・が)は鼻(は・が)長い」等の「述語論理」を「金谷武洋」先生へ。

(01)
1     (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1     (2)   T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   T会の会員a                             A
13    (4)          ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  34MPP
  5   (5)             私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&理事長ba                 5&E
  5   (7)                      ∀z(理事長za→b=z)   5&E
  5   (8)                         理事長ca→b=c    7UE
   9  (9)     ∃z(小倉z&~私z)                      A
    ア (ア)        小倉c&~私c                       A
    ア (イ)        小倉c                           ア&E
    ア (ウ)            ~私c                       ア&E
     エ(エ)               b=c                     A
    アエ(オ)            ~私b                       ウエ=E
  5   (カ)             私b                       6&E
  5 アエ(キ)            ~私b&私b                    オカ&I
  5 ア (ク)              b≠c                     エキRAA
  5 ア (ケ)                        ~理事長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        小倉c&~理事長ca                    イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   コEI
  59  (シ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   45シEE
1  9  (セ)   T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za)              3スCP
1  9  (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}             セUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、yとzは「同一人物」である)]。}
(ⅱ)あるzは(小倉氏であって、zは私ではない。)
(ⅲ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるzは(小倉氏であって、zはxの理事長ではない)。}
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)「タゴール記念会の理事長は、私であって、私以外は理事長ではない。」然るに、
(ⅱ)「小倉氏は、私ではない。」従って、
(ⅲ)「タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
よく知られているように、
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
① 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
① 私は理事長です。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であって、理事長は私です。
③ 私は理事長であって、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、私は理事長であって、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私は理事長であって、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以は長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)      象a                       6&E
   6  (8)   兎a                          6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅰ)「象は鼻長い。」然るに
(ⅱ)「兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。」従って、
(ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① といふ「仮定」からは、「兎は象ではない。」といふ「結論」を得ることは、出来ないし、
③ といふ「仮定」からも、「兎は象ではない。」といふ「結論」を得ることは、出来ない。
といふことは、「当然」である。
何となれば、
(15)
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
ではなく、
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
③ 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ風に、「仮定」すれば、固より、
 2 6  (キ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                     耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                         ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                     ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                          ~長b   ケサMPP
といふ「計算」を、行ふことが、出来ない
然るに、
(16) (ⅰ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2 (3)   象a                           A
12 (4)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  23MPP
12 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
12 (6)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  4&E
12 (7)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  6量化子の関係
  8(8)                   ~(~鼻ba→~長b)  A
  8(9)                    ~(鼻ba∨~長b)  8含意の定義
  8(ア)                     ~鼻ba& 長b   9ド・モルガンの法則
  8(イ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  アEI
12 (ウ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  78イEE
12 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  2CP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} オUI
(ⅱ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  1UE
 3 (3)   象a                           A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
13 (6)                  ∃z(~鼻za& 長z)  4&E
  7(7)                     ~鼻ba& 長b   A
  7(8)                    ~(鼻ba∨~長b)  7ド・モルガンの法則
  7(9)                   ~(~鼻ba→~長b)  8含意の定義
  7(ア)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  9EI
13 (イ)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  67アEE
13 (ウ)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  イ量化子の関係
13 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  3エCP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} 1UI
従って、
(16)により、
(17)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(18)
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}
といふこと、すなはち、
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzはxの鼻ではないが、長い。}
といふことは、
④ 象は鼻も長い。
といふ、ことである。
従って、
(14)(18)により、
(19)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(20)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、「右辺」は、「3つも、異なること」から、
① 象は鼻_長い。
の場合は、
② 象は鼻が長い。
ではないし、
③ 象は鼻も長い。
でもない。
従って、
(20)により、
(21)
① 象は鼻は長い。
といふことに、ならざるを得ず、それ故、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(22)
(ⅰ)
1  (1) P⇔Q          A
1  (2)(P→Q)&(Q→P)   1Df.⇔
1  (3) P→Q          2&E
1  (4)       Q→P    2&E
 5 (5)        ~P    A
  6(6)       Q      A
1 6(7)         P    46MPP
156(8)      ~P&P    57&I
15 (9)       ~Q     68RAA
1  (ア)       ~P→~Q  59CP
1  (イ)(P→Q)&(~P→~Q) 3ア&I
(ⅱ)
1  (1)(P→Q)&(~P→~Q) A
1  (2) P→Q          1&E
1  (3)       ~P→~Q  1&E
 4 (4)           Q  A
  5(5)       ~P     A
1 5(6)          ~Q  35MPP
145(7)        Q&~Q  46&I
14 (8)      ~~P     57RAA
14 (9)        P     8DN
1  (ア)       Q→P    49CP
1  (イ)(P→Q)&(Q→P)   2ア&I
1  (ウ) P⇔Q          イDf.
従って、
(22)により、
(23)
① P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
③(P→Q)&(~P→~Q)
に於いて、すなはち、
① Pならば、そのときに限って、Qである。
② PはQであり、QはPである。
③ PはQであり、P以外はQでない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)により、
(24)
もう一度、確認するものの、
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(23)(24)により、
(25)
① P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
③(P→Q)&(~P→~Q)
といふことは、
① PQである。
といふことに、他ならない。
従って、
(21)~(25)により
(26)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に対して、
④ 象_鼻は長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象_鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ 象_鼻も長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
であるならば、
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
でなければ、ならない。
従って、
(26)により、
(27)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 象が鼻は長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ 象が鼻も長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふことになるし、更に言へば、
⑦ 象鼻は長い。
の場合は、
⑦ 象以外の動物の鼻も長い。
といふことなので、
⑦ 象も鼻は長い≡∀x{象x∨~象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑦ 象も鼻は長い≡すべてのxについて{xが象であるか、xが象以外であるならば、あるyは(xの鼻であって、長い)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(28)
三上に敬意を表して「象鼻文」つまり「象は鼻が長い」を例に取ろう。ただし、例文としては、コンマで「象は」を文から切り離しておく。
(72j)象は,鼻が長い。
二重主語どころか、この文には主語が一つもない。日本語にはそもそも主語など不要なのだから当然であるが、「象は」は主題(題目)であり、「こんにちは」のように文がここで切れている。
「象について話しますよ」と聞き手の注意を引いておき、それに続く話してのコメントが「鼻が長い」だ。これは単に、主格補語「鼻が」が伴った基本形容詞文「長い」にすぎない。
(金谷武洋、日本語に主語はいらない、2002年、130頁)
従って、
(27)(28)により、
(29)
① 象長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① は、「二重主題文」であって、
⑤ は、「二重主格文」である。
然るに、
(30)
① 象長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① は、「二重主題文」であって、
⑤ は、「二重主格文」である。といふのであれば、
① 象は鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
といふ「左辺だけからではなく、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「右辺からも、そのことを、「説明」すべきである。
(31)
①{象、兎、馬}
②{象、机、本}
に於いて、
① であれば、{象動物である。}とは言へないが、
② であれば、{象動物である。}と、言へる
然るに、
(32)
①{象、兎、馬}
②{象、机、本}
に於いて、
① であれば、{象以外(兎と馬)は動物ではない。}とは言へないが、
② であれば、{象以外(机と本)は動物ではない。}と、言へる
従って、
(31)(32)により、
(33)
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふことに、ならざるを得ない。
然るに、
(34)
三上 先生も、
金谷 先生も、
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふことに、気付いてゐないのか、いづれにせよ、
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふ「等式」への「言及」が無い
(35)
例へば、
HIC PUER FILIUS MEUS EST.
この  少年は  息子     私の   です。
といふ「ラテン語」であれば、
「主格」+「主格」+「主格」+「主格」+動詞。
である。
然るに、
(36)
THIS BOY IS MY SON.
であれば、
MY は、「所有格」であって、「主格」ではない
私の
(37)
「英語」のやうな「主語」は、「ラテン語」にはないとしても、だからと言って、
「ラテン語の文法書」に、「ラテン語には、主語が無い」。といふ風には、書かれてはゐない
従って、
(38)
英語のやうな変な主語」は、「日本語」には、無くとも
「日本語」には、「日本語なりの主語」があっても良いはずである。
(39)
漢文を読むコツ
[1]主語や目的語は省略されることが多いので、まず述語(動詞・形容詞・形容動詞)に着眼する。
(片桐功雄、究める漢文、2010年、16頁)
然るに、
(40)
例へば、
 先生不知何許人 先生は何許の人なるかを知らず。
 不詳姓字    姓字も詳かにせず。
 宅邊有五柳樹  宅邊に五柳樹有り。
 因以爲號焉   因て以て號と爲す。
然るに、
(41)
先生不知。
 先生 doesn't 知る。
といふ「語順」からすれば、
  不知(nesciat)。
の「主語」は、「漢文」であっても、「英語」であっても、「普通に考へる限り」は、
 先生 である。
然るに、
(42)
 先生は何許の人なるかを知らず。
といふことからすれば、
 先生不知何許人 先生は何許の人なるかを知らず。
といふのは、結局は、
不知先生何許人 我は先生の何許の人なるかを知らずnescio)。
I don't know where 先生 comes from.
といふ風に、「理解せざる」を得ない。
従って、
(39)~(42)により、
(43)
[1]主語や目的語は省略されることが多いので、まず述語(動詞・形容詞・形容動詞)に着眼する。
(片桐功雄、究める漢文、2010年、16頁)
といふアドバイスは、「適切」である。
従って、
(28)(43)により、
(44)
日本語にはそもそも主語など無い。」と言はれても、そのやうに「信じる」ことによって、例へば、「漢文・訓読」が、「上達」するわけではない。
令和02年11月17日、毛利太。

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