2020年11月8日日曜日

「断定記号(├ )」と「同一律(P→P)」。

(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(04)により、
(05)
① Pなので、Pである。
② Pならば、Pである。
に於いても、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
29 P├ P
    P(1)P A
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44頁)
然るに、
(07)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(06)(07)により、
(08)
(1)P A
といふ「計算」は、
(1)P A
といふ「計算」に「等しい」。
然るに、
(09)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、16頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
(1)P A
といふ「計算」、すなはち、
(1)P A
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(11)
38 ├ P→P(連式29を参照)
   P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、64頁)
従って、
(06)(10)(11)により、
(12)
P(1)P   A(仮定の規則)
 (2)P→P 11CP(条件法)
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(13)
 ―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅱ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅲ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(13)により、
(14)
②  P→Q
③ ~P∨Q
に於いて、
②=③ は、「含意の定義」である。
従って、
(14)により、
(15)
②  P→P(同一律)
③ ~P∨P(排中律)
に於いても、
②=③ である。
従って、
(12)(15)により、
(16)
①  P├ P(Pなので、Pである。)
②  P→ P(Pならば、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
①⇒② であって、尚且つ、
②=③ である。
然るに、
(16)により、
(17)
①   P├ P(Pなので、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
③ ならば、① である。
とは、言へない
従って、
(12)(16)(17)により、
(18)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
(19)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふ「指摘」は、あるいは、「奇異」に思はれるやも、知れない。
然るに、
(06)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
29  P├ P
  P(1)P A
これ以上短い連式は証明できないし、またその証明は可能な最も短い証明である。
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44・64頁改)
従って、
(09)(20)により、
(21)
明らかに、
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「証明」してゐる。
令和02年11月08日、毛利太。

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