2020年11月10日火曜日

「含意の定義」と「選言三段論法」について。

(01)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(02)により、
(03)
①  ~P→Q
② ~~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
① ~P→Q
②  P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(04)により、
(05)
1 (1) P∨Q A
1 (2)~P→Q 1含意の定義
 2(3)~P   A
12(4)   Q 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(05)により、
(06)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
1 (1) P∨Q A
1 (2) Q∨P 1交換法則
1 (3)~Q→P 1含意の定義
 2(3)~Q   A
12(4)   P 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(07)により、
(08)
② P∨Q,~Q├ P
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「言ひ方」が、「妥当」であるならば、
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
といふ「言ひ方」も、「妥当」でなければ、ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」だけでなく、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」も、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1    (1) ~P    A
 2   (2)  P∨Q  A
  3  (3)  P    A
  3  (4)~~P    3DN
  3  (5)~~P∨Q  4∨I
  3  (6) ~P→Q  5含意の定義
1 3  (7)    Q  16MPP
   8 (8)    Q  A
   8 (9)~~P∨Q  8∨I
   8 (ア) ~P→Q  9含意の定義
1  8 (イ)    Q  1アMPP
12   (ウ)    Q  2378イ∨E
1    (エ)P∨Q→Q  2ウCP
    オ(オ)  Q    A
    オ(カ)P∨Q    Q∨I
     (キ)Q→P∨Q  オカCP
1    (ク)P∨Q→Q&
        Q→P∨Q  エキ&I
1    (ケ)P∨Q⇔Q  クDf.⇔
従って、
(11)により、
(12)
果たして、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
然るに、
(13)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
の於いて、
③ P=Q
③ Q=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
④ ~Q├ Q∨P⇔P
然るに、
(14)
「交換法則」により、
③ Q∨P は、
④ P∨Q に、「等しい」。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(06)(08)(12)(15)により、
(16)
① P∨Q,~P├ Q
② P∨Q,~Q├ P
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(16)により、
(17)
① PかQであるが、Pではないので、Qである。
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
④ Qでないので、(PかQである。)といふことは、(Pである。)といふことに、等しい。
といふ「推論」は、4つとも、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、共和党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)民主党である。
(ⅱ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、民主党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)共和党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。
従って、
(18)により、
(19)
「推論の妥当性」は、「その事柄が、事実か、どうか」といふこととは、「一切、関係」がない。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅰ)三角形の内角の和は360度であるか、選挙で勝ったのは共和党である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは共和党である。
(ⅱ)選挙で勝ったのは民主党であるか、三角形の内角の和は360度である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは民主党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。
令和02年11月10日、毛利太。

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