2020年11月4日水曜日

「PなのでQ(十分条件)」⇔「PならばQ(必要条件)」。

(01)
1  (1) A→B  仮定
 2 (2)  ~B  仮定
  3(3) A    仮定
1 3(4)   B  13肯定肯定式
123(5)~B&B  24連言導入
12 (6)~A    35条件法
1  (7)~B→~A 26条件法
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Bでない。」とすると、
(ⅲ)「Aでない。」
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Aである。」といふのであれば、
(ⅲ)「Bでない。」ではなく、
(ⅳ)「Bである。」といふことを、「必要」とする。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」ならば、
(ⅱ)「Bである。」といふことは、
(ⅲ)「Aである。」といふことの、「必要条件」である。
(05)
1 (1)A→B 仮定
 2(2)A   仮定
12(3)  B 12肯定肯定式
1 (4)A→B 23条件法
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」として、その上、
(ⅱ)「Aである。」といふのであれば、そのまま
(ⅲ)「Bである。」
従って、
(07)
(ⅰ)「Aならば、Bである。」ならば、
(ⅱ)「Aである。」といふことは、
(ⅲ)「Bである。」といふことの、「十分条件」である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① A→B(Aならば、Bである。)
に於いて、
① B は、「Aであるための、必要条件」であって、
① A は、「Bであるための、十分条件」である。
従って、
(08)により、
(09)
言ふ迄もなく、
② B→A(Bならば、Aである。)
に於いて、
② A は、「Bであるための、必要条件」であって、
② B は、「Aであるための、十分条件」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
③(A→B)&(B→A)
に於いて、
③ A は、「Bであるための、必要十分条件」であって、
③ B も、「Aであるための、必要十分条件」である。
然るに、
(11)
1 (1)P→Q 仮定
 2(2)P   仮定
12(3)  Q 12肯定肯定式
であるならば、すなはち、
1 (1)Pならば、Qである。 仮定
 2(2)Pである。      仮定
12(3)     Qである。 12肯定肯定式
であるため、
① P→Q,P├ Q
① PならばQである。Pである。├ Qである。
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(12)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
  
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① P→Q,P├ Q
① PならばQであるが、Pなので、 Qである。
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(13)により、
(14)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② が「無けれ」ば、① ではない
従って、
(14)により、
(15)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(08)(15)により、
(16)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」である。
然るに、
(17)
② Pならば、Qである(P→ Q)。
としても、それだけでは
① Pなので、Qである(P├ Q)。
といふことには、ならない
然るに、
(18)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② Pならば、Qである(P→ Q)。
としても、それだけでは
① Pなので、Qである(P├ Q)。
といふことには、ならない
といふことは、
② は、① であるための、「十分条件」ではない
といふことである。
従って、
(15)(17)(18)により、
(19)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」であるとしても、
② は、① であるための、「十分条件」ではない。
従って、
(19)により、
(20)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
② は、① であるための、「必要条件」であるとしても、
② は、① であるための、「必要十分条件」ではない。
従って、
(10)(16)(20)により、
(21)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であるとしても、
① は、② であるための、「必要十分条件」ではない。
cf.
 ①=② であるならば、そのときに限って
(① ならば ②である。)&(② ならば ① である。)
 であって、
(① ならば ②である。)&(② ならば ① である。)
 であるならば、「① は、② の、必要十分である。」
 といふ点に、「注意」せよ。
従って、
(04)(07)(19)(21)により、
(22)
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(23)
例へば、
① 悪天候なので、家に居る(P├ Q)。
② 悪天候ならば、家に居る(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
然るに、
(24)
① 悪天候なので、外出しない。
といふことが「言へる」のであれば、
② 悪天候ならば、外出しない。
といふ「命題」も、「」でなければならない。
従って、
(24)により、
(25)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① が「」であるならば、② も「」である。
従って、
(07)(25)により、
(26)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① は、確かに、② であるための、「十分条件」である。
然るに、
(27)
② 悪天候ならば、外出しない
ではなく
② 悪天候であっとしても、外出する
といふのであれば、
① 悪天候なので、外出しない。
といふ風には、「言へない」。
従って、
(27)により、
(28)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」であることは、① が「」であるための、「必要条件」である。
然るに、
(29)
② 悪天候ならば、外出しない。
としても、
① 悪天候。
ではない段階」に於いては、
① 悪天候なので、外出しない。
とは、「言へない」。
従って、
(07)(29)により、
(30)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
② が「」であることは、① が「」であるための、「十分条件」ではない
従って、
(22)(26)(28)(30)により、
(31)
例へば、
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候ならば、外出しない。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
従って、
(05)(12)(22)(31)により、
(32)
1 (1)P→Q A
 2(2)P   A
12(3)  Q 12MPP
といふ「計算」が、「妥当」であるが故に、
(3)P→Q,P├ Q
といふ「連式」は、「妥当」であり、それ故、
① Pなので、Qである(P├ Q)。
② Pならば、Qである(P→ Q)。
に於いて、
① は、② であるための、「十分条件」であって、
② は、① であるための、「必要条件」である。
といふ、ことになる。
令和02年11月04日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿