2020年11月25日水曜日

「象がゐる」と「マンモスはゐる」。

(01)
「記号」で書くと、
①  A⇔B
②(A→B)&(B→A)
に於いて、
①=② である。 然るに、
(02)
(ⅱ)
1  (1)(A→B)&(B→A)   A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       B→A    1&E
 4 (4)        ~A    A
  5(5)       B      A
1 5(6)         A    35MPP
145(7)      ~A&A    46&I
14 (8)      ~B      57RAA
1  (9)       ~A→~B  48CP
1  (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1  (1)(A→B)&(~A→~B) A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       ~A→~B  1&E
 4 (4)           B  A
   5(5)       ~A     A
1 5(6)          ~B  35MPP
145(7)        B&~B  46&I
14 (8)      ~~A     57RAA
14 (9)        A     8DN
1  (ア)        B→A   49CP
1  (イ) (A→B)&(B→A)  2ア&I
従って、
(02)により、
(03)
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「記号」で書くと、
①  A⇔B
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
「日本語」でいふと、
① Aならば、そのときに限って、Bである。
②(AならばBであり、)尚且つ、(BならばAである。)
③(AならばBであり、)尚且つ、(A以外ならばBでない。)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AだけがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私だけが理事長である。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私理事長である。
と言へば、
① 私だけが理事長である。
と言はなくとも、それだけで、
① 私だけが理事長である。⇔
② 私は理事長であり、理事長は私である。⇔
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない
といふ「意味」になる。
従って、
(09)により、
(10)
① 象ゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふ「意味」になる。
然るに、
(11)
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふのであれば、
②(目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない
然るに、
(12)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐるかも知れないため、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「命題」は、厳密に言へば、「」である場合の方が、「多い」と、せざるを得ない。
然るに、
(13)
② 心不在焉、視而不見=
② 心不在於是、視而不見=
② 心不[在〔於(是)〕]、視而不(見)⇒
② 心[〔(是)於〕在]不、視而(見)不=
② 心[〔(ここ)に〕在ら]不れば、視れども(見え)ず=
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にあっても、見えてはゐない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
②(目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐたとしても、
注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にゐたとしても見えてはゐないが故に、
① 象ゐる。
と言へば、
② 象はゐるが、象以外はゐない。⇔
②(目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(14)により、
(15)
① マンモスゐる。
と言へば、
② マンモスはゐるが、マンモス以外はゐない。⇔
②(目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(16)
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」ではなく、
③(今でも何処かに)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ風に、言ひたいのであれば、すなはち、
③ マンモス(といふ)はまだ、絶滅してゐない
といふ風に、言ひたいのであれば、
② マンモスがゐる。
とは言はずに、
③ マンモスゐる。
といふ風に、言はざるを、得ない
従って、
(16)により、
(17)
② マンモスゐる。
③ マンモスゐる。
に於いて、
② は「個体」としても「マンモス」の「存在」を述べてゐて、
③ は「集合」としての「マンモス」の「存在」を述べてゐる。
従って、
(17)により、
(18)
② マンモスが・・・・・。
と言はずに、
③ マンモス・・・・・。
と言ふ場合は、「普通」
③ マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である(ウィキペディア)。
といふ場合がさうであるやうに、
③ マンモスといふ「」としての、マンモスであって、
②「個体」としての、マンモスではない
然るに、
(19)
「三上文法」によると、
③「マンモス」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
③「マンモスは」は、「主題」であるとされ、
②「マンモス」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
②「マンモス」は、「(主格としての)補語」である。
然るに、
(09)(10)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
① 象ゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふ「意味」になり、
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふのであれば、
②(目の前に)一頭以上の象ゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
従って、
(20)により、
(21)
② 象ゐる=(今、目の前に)象ゐる。
といふ風に、誰か言ってから、「千数百数十数年」が「経過」したとすれば、
② 象ゐた=(昔々ある所に)象ゐた。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
② 象ゐる=(目の前に)象ゐる。
といふことからすれば、)
②(昔々ある所に)象ゐました。
であって、
③(昔々ある所に)象はゐました。
ではない
といふことは、「当然」である。
令和02年11月25日、毛利太。

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