2020年11月19日木曜日

「象が鼻が長い」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1    (1)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (3)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
             ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  2Df.⇔
1    (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  3&E
1    (5)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3&E
 6   (6)                            ~象a  A
16   (7)   ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}    65MTT
16   (8)   ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)     7ド・モルガンの法則
16   (9)    ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)     8含意の定義
  ア  (ア)    ∃y(鼻ya&長y)                   A
16ア  (イ)               ~∀z(~鼻za→~長z)     9アMPP
16ア  (ウ)               ∃z~(~鼻za→~長z)     イ量化子の関係
   エ (エ)                 ~(~鼻ba→~長b)     A
   エ (オ)                  ~(鼻ba∨~長b)     エ含意の定義
   エ (カ)                   ~鼻ba& 長b      オ、ド・モルガンの法則
   エ (キ)                ∃z(~鼻za& 長z)     カEI
16ア  (ク)                ∃z(~鼻za& 長z)     ウエキEE
16   (ケ)     ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     アクCP
1    (コ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    6ケCP
    サ(サ)~象a& ∃y(鼻ya&長y)                  A
    サ(シ)~象a                              サ&E
    サ(ス)     ∃y(鼻ya&長y)                  サ&E
1   サ(セ)    [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    コシMPP
1   サ(ソ)                ∃z(~鼻za& 長z)     スセMPP
1    (タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     サソCP
1    (チ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}   4UI
1    (ツ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   タUI
1    (テ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
1       ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   チツ&I
(ⅱ)
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
        ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  A
1    (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  1&E
1    (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   2UE
1    (4)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  1&E
1    (5)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)   4UE
 6   (6)   ~象a                          A
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)               A
 67  (8)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)               67&I
167  (9)                  ∃z(~鼻za&長z)   58MPP
   ア (ア)                     ~鼻ba&長b    A
   ア (イ)                   ~(鼻ba∨~長b)   ア、ド・モルガンの法則
   ア (ウ)                  ~(~鼻ba→~長b)   イ含意の定義
    ア (エ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   ウEI
167  (オ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   9アエEE
167  (カ)                ~∀z(~鼻za→~長z)   オ量化子の関係
16   (キ)     ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   7カCP
16   (ク)    ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   キ含意の定義
16   (ケ)    ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  ク、ド・モルガンの法則
1    (コ)~象a→~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  6ケCP
    サ(サ)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   A
    サ(シ)   ~~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  サDN
1   サ(ス)~~象a                            ケシMTT
1   サ(セ)  象a                            スDN
1    (ソ)   ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   サセCP
1    (タ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
           ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   ソタ&E
1    (チ)   象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   タDf.⇔
1    (テ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  チUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
といふことは、要するに、
②「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」が、仮に、「象以外にも、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻だけではなく、鼻以外も長い。」
といふ、ことである。
然るに、
(04)
②「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」が、仮に、「象以外にも、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻だけではなく、鼻以外も長い。」
といふことは、
②「象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。」
といふことである。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 象長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
② 象は鼻長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
③ 象鼻は長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
④ 象は鼻は長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
に於いて、
① の「等式」だけが「正しい」のであれば、
① 象長い。⇔
① 象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。⇔
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「等式」が、成立する。
令和02年11月19日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿