2021年2月18日木曜日

∃x(x=a)は、「恒真式」である。

(01)
練習問題
1 つぎの連式の妥当性を証明せよ。
(a)Fm ┤├ ∀x(x=m→Fx)
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、215頁改)
(02)
(ⅰ)
1   (1)Fm
 2  (2)~∀x(x=m→ Fx)  A
 2  (3)∃x~(x=m→ Fx)  2量化子の関係
  4 (4)  ~(m=m→ Fm)  A
   5(5)    m≠m∨ Fm   A
   5(6)    m=m→ Fm   5含意の定義
  45(7)  ~(m=m→ Fm)&
          (m=m→ Fm)  46&I
  4 (8)  ~(m≠m∨ Fm)  57RAA
  4 (9)    m=m&~Fm   8ド・モルガンの法則
  4 (ア)        ~Fm   9&E
 2  (イ)        ~Fm   24アEE
12  (ウ) Fm&~Fm       1イ&I
1   (エ)~~∀x(x=m→Fx)  2ウRAA
1   (オ)  ∀x(x=m→Fx)  エDN
(ⅱ)
1(1)∀x(x=m→Fx) A
1(2)   m=m→Fm  1UE
 (3)   m=m     =I
1(4)       Fm  23MPP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)Fm ┤├ ∀x(x=m→Fx)
(〃)mはFである。┤├ すべてのxについて(xがmであるならば、xはFである)。
といふ「連式」は、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)ミッシェルは、フランス人である。従って、
(ⅱ)誰であらうと、その人がミッシェルであるならば、その人はフランス人である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
(05)
練習問題
1 つぎの連式の妥当性を証明せよ。
(b)├ ∀x∀y(Fx&x=y→Fy)
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、215頁)
(06)
1(1)     Fa&a=b     A
1(2)     Fa         1&E
1(3)        a=b     1&E
1(4)     Fb         23=E
 (5)     Fa&a=b→Fb  14CP
 (6)∀x∀y(Fx&x=y→Fy) 5UI
従って、
(06)により、
(07)
(b)├ ∀x∀y(Fx&x=y→Fy)
(〃)├ すべてのxとすべてのyについて(xがFであって、x=yであるならば、yはFである)。
といふ「連式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
(08)
練習問題
1 つぎの連式の妥当性を証明せよ。
(f)├ ∃x(x=a)
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、215頁)
(09)
(1)   a=a  =I
(2)∃x(x=a) 1EI
従って、
(09)により、
(10)
(f)├ ∃x(x=a)
(〃)├ あるxは(x=a)である。
といふ「連式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(07)(10)により、
(11)
(b)├ すべてのxとすべてのyについて(xがFであって、x=yであるならば、yはFである)。
(f)├ あるxは(x=a)である。
に於いて、
(b)が「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、「当然」であるが、
(f)が「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、「難解」である。
(12)
(a)
1(1)      Fa  A
1(2)   ∃x(Fx) 1EI
 (3)Fa→∃x(Fx) 12CP
(b)
1 (1)∃x(Fx) A
 2(2)   Fa  A
従って、
(12)により、
(13)
(a)任意のaがFならば、Fであるxが存在するが、
(b)Fであるxが存在するとしても、任意のaがFである。とは、限らない。
といふことは、「当然」である。
然るに、
(14)
(f)├ ∃x(x=a)
(〃)任意のaは、aである。故に、あるxはaである。
といふことは、「当然」である。
といふことが、私には、「何となく」にしか、分からない。
令和03年02月18日、毛利太。

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