2021年2月9日火曜日

『「象は鼻が長い。」といふわけではない。』の「述語論理」。

(01)
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
②  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)
③ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
② は、① の、「後半」の「否定」であって、
③ は、① の、「全体」の「否定」である。
然るに、
(02)
(ⅱ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 3 (3)   象a                           A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
13 (6)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  4&E
13 (7)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  6量化子の関係
  8(8)                   ~(~鼻ba→~長b)  A
  8(9)                   ~( 鼻ba∨~長b)  8含意の定義
  8(ア)                     ~鼻ba& 長b   9ド・モルガンの法則
  8(イ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  アEI
13 (ウ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  78EE
13 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  3エCP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)  オUI
(ⅳ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)  A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  1UE
 3 (3)   象a                           A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
13 (6)                  ∃z(~鼻za& 長z)  4&E
  7(7)                     ~鼻ba& 長b   A
  7(8)                   ~( 鼻ba∨~長b)  7ド・モルガンの法則
  7(9)                   ~(~鼻ba→~長b)  8含意の定義
  7(ア)                 ∃z~(~鼻ba→~長b)  7EI
13 (イ)                 ∃z~(~鼻ba→~長b)  67アEE
13 (ウ)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  イ量化子の関係
13 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  3エCP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} オUI
(03)
(ⅲ)
1    (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
 3   (3)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} A
 3   (4) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 3含意の定義
 3   (5)  象a&~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 4ド・モルガンの法則
 3   (6)  象a                             5&E
 3   (7)     ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 5&E
 3   (8)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  7ド・モルガンの法則
  9  (9)      ~∃y(鼻ya&長y)                A
  9  (ア)      ∀y~(鼻ya&長y)                9量化子の関係
  9  (イ)        ~(鼻ba&長b)                アUE
  9  (ウ)        ~鼻ba∨~長b                 イ、ド・モルガンの法則
  9  (エ)         鼻ba→~長b                 ウ含意の定義
  9  (オ)      ∀y(鼻ya→~長y)                エUI
  9  (カ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)  オ∨I
   キ (キ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)  A
   キ (ク)                  ∃z~(~鼻za→~長z)  キ量化子の関係
    ケ(ケ)                    ~(~鼻ba→~長b)  A
    ケ(コ)                    ~( 鼻ba∨~長b)  ケ含意の定義
    ケ(サ)                      ~鼻ba& 長b   コ、ド・モルガンの法則
    ケ(シ)                   ∃z(~鼻za& 長z)  サEI
   キ (ス)                   ∃z(~鼻za& 長z)  クケシEE
   キ (セ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)  ス∨I
  3  (ソ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)  89カキセ∨E
  3  (タ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)  6ソ&I
  3  (チ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)} タEI
1    (ツ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)} 23チEE
(ⅴ)
1    (1)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)} A
 2   (2)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)  A
 2   (3)   象a                            2&E
 2   (4)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)  2&E
  5  (5)      ∀y(鼻ya→~長y)                A
  5  (6)         鼻ba→~長b                 5UE
  5  (7)        ~鼻ba∨~長b                 6含意の定義
  5  (8)        ~(鼻ba&長b)                7ド・モルガンの法則
  5  (9)      ∀y~(鼻ba&長b)                8UI
  5  (ア)      ~∃y(鼻ya&長y)                9量化子の関係
  5  (イ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  ア∨I
   ウ (ウ)                   ∃z(~鼻za& 長z)  A
    エ(エ)                      ~鼻ba& 長b   A
    エ(オ)                    ~( 鼻ba∨~長b)  エ、ド・モルガンの法則
    エ(カ)                    ~(~鼻ba→~長b)  オ含意の定義
    エ(キ)                  ∃z~(~鼻ba→~長b)  カEI
   ウ (ク)                  ∃z~(~鼻ba→~長b)  ウエキEE
   ウ (ケ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)  ク量化子の関係
   ウ (コ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  ケ∨I
 2   (サ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  25イウコ∨E
 2   (シ)     ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} サ、ド・モルガンの法則
 2   (ス)  象a&~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 3シ&I
 2   (セ) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} ス、ド・モルガンの法則
 2   (ソ)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} セ含意の定義
 2   (タ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} ソEI
1    (チ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} 12タEE
1    (ツ)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} チ含意の定義
従って、
(02)(03)により、
(04)
②  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
④  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
⑤  ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
②=④ であって、
④=⑤ である。
(01)(04)により、
(05)
①  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
②  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
④  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
⑤  ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
②と④ は、① の、「後半」の「否定」であって、
③と⑤ は、① の、「全体」の「否定」である。
従って、
(05)により、
(06)
① すべてのxについて{xが象であるならば(あるyはxの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
② すべてのxについて{xが象であるならば(あるyはxの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)といふわけではない}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば(あるyはxの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}といふわけではない。
④ すべてのxについて{xが象であるならば(あるyはxの鼻であって、長く)、  あるzについて(zはxの鼻ではないが、zは長い)。}
⑤   あるxについて{xは象であって、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)か、あるzについて(zはxの鼻ではないが、zは長い)。}
に於いて、
②と④ は、① の、「後半」の「否定」であって、
③と⑤ は、① の、「全体」の「否定」である。
従って、
(06)により、
(07)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば(あるyはxの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
であるとして、
④ 象は鼻は長く、鼻以外も長い。
⑤ ある象は、鼻は長くないか、または、鼻以外も長い。
に於いて、
④ は、① の、「後半」の「否定」であって、
⑤ は、① の、「全体」の「否定」である。
令和03年02月09日、毛利太。

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