2021年2月25日木曜日

(同一律∨Q)⇔(矛盾→Q):「前件否定」の「誤謬」。

(01)
(a)「含意の定義」の証明は、    (17)を参照せよ。
(b)「ド・モルガンの法則」の証明は、(18)を参照せよ。
(02)
(ⅰ)
1  (1) (P→ P)∨Q A
 2 (2)  P→ P    A
 2 (3) ~P∨ P    2含意の定義
 2 (4)~(P&~P)   3ド・モルガンの法則
 2 (5)~(P&~P)∨Q 4∨I
  6(6)        Q A
  6(7)~(P&~P)∨Q 6∨I
1  (8)~(P&~P)∨Q 12567∨E
1  (9) (P&~P)→Q 8含意の定義
(ⅱ)
1  (1) (P&~P)→Q A
1  (2)~(P&~P)∨Q 1含意の定義
 3 (3)~(P&~P)   A
 3 (4) ~P∨ P    3ド・モルガンの法則
 3 (5)  P→ P    4含意の定義
 3 (6) (P→ P)∨Q 5∨I
  7(7)        Q A
  7(8) (P→ P)∨Q 7∨I
1  (9) (P→ P)∨Q 23678∨I
従って、
(02)により、
(03)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1) P      A
 (2) P→P    11CP
 (3)(P→P)∨Q 2∨I
従って、
(04)により、
(05)
①(P→P)∨Q
すなはち、
①(同一律)∨Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
①(P→ P)∨Q
②(P&~P)→Q
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)により、
(08)
②(P&~P)→Q
すなはち、
②( 矛盾 )→Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(08)により、
(09)
②(矛盾)→Q
すなはち、
②( )→Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(09)により、
(10)
①()→真
②()→偽
に於いて、
① は「真」であって、
② も「真」である。
従って、
(10)により、
(11)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pである」が「偽」であるならば、
③「Qである」は「偽」であるか、
③「Qである」は「真」であるかの、どちらかである。
従って、
(11)により、
(12)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pである」が「」であるならば、従って、
③「Pでない」が「」であるならば、
③「Qである」は「偽」であるか、
③「Qである」は「真」であるかの、どちらかである。
従って、
(12)により、
(13)
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ) P→Q(Pならば、Qである。)然るに、
(ⅱ)~P  (Pでない。)     従って、
(ⅲ)  ~Q(Qでない。)
といふ「推論」は、「妥当」ではなく
このことを称して、「前件否定の誤謬(the fallacy of denying the antecedent)」と謂ふ。
従って、
(13)(14)により、
(15)
逆に言へば、「前件否定の誤謬(the fallacy of denying the antecedent)」を「誤謬」である。
と、認めるのであれば、そのときに限って、
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
といふことを、認めなければ、ならない。
従って、
(15)により、
(16)
③ 象は動物である。然るに、兎は象ではない。故に、兎は動物ではない。
③ ∀x(象x→動物x),∀(兎x→~象x)├ ∀(兎x→~動物x)
といふ「推論(連式)」を、「妥当」ではない。 とするのであれば、
③ P→Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
③「Pでない」が「」であるならば、
③「Qである」が「偽」であるか、
③「Qである」が「真」であるかは、「不明」である。
といふことを、認めなければ、ならない。
(17)
 ―「含意の定義」の証明。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 29&I
1  (イ)~~(~P∨Q) 2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q  イDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(18)
 ―「ド・モルガンの法則」の証明。―
(ⅰ)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
          ~P∨~Q   29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅱ)
1   (1)   ~P∨~Q   A
 2  (2)    P& Q   A
  3 (3)   ~P      A
 2  (4)    P      2&E
 23 (5)   ~P&P    34&I
  3 (6) ~( P& Q)  25RAA
   7(7)      ~Q   A
 2  (8)       Q   2&E
 2 7(9)    ~Q&Q   78&I
   7(ア) ~( P& Q)  29RAA
1   (イ) ~( P& Q)  1367ア∨E
令和03年02月25日、毛利太。

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