2021年2月28日日曜日

「ルカジェヴィッツの公理」による「同一律」の証明。

(01)
 ルカジェヴィッツによる公理(1・2)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
然るに、
(02)
(ⅰ)
1     (1)     P   A
1     (2) ~Q∨ P   1∨I
 3    (3)  Q&~P   A
  4   (4) ~Q      A
 3    (5)  Q      3&E
 34   (6) ~Q&Q    45&I
  4   (7)~(Q&~P)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)    ~P   3&E
 3 8  (ア)  P&~P   89&I
   8  (イ)~(Q&~P)  3アRAA
1     (ウ)~(Q&~P)  2478イ∨E
    エ (エ)  Q      A
     オ(オ)    ~P   A
    エオ(カ)  Q&~P   エオ&I
1   エオ(キ)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  ウカ&I
1   エ (ク)   ~~P   オキRAA
1   エ (ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   エケCP
      (サ)P→(Q→R)  1コCP
(ⅱ)
1  (1)    P→(Q→R)             A
 2 (2)    P→ Q                A
  3(3)    P                   A
1 3(4)       Q→R              13MPP
 23(5)       Q                23MPP
123(6)         R              45MPP
12 (7)       P→R              36CP
1  (8)(P→Q)→(P→R)             27CP
   (9)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)] 18CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
である所の、「ルカジェヴィッツによる公理(1・2)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、「自然演繹」によって、「証明」出来る。
従って、
(03)により、
(04)
(2)[P→(Q→)]→[(P→Q)→(P→)]
(〃)[P→(Q→)]→[(P→Q)→(P→)]
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→P)]→[(P→Q)→(P→P)]
は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(06)
(1) P→(Q→P)                A
(2)[P→(Q→P)]→[(P→Q)→(P→P)] A
(3)           (P→Q)→(P→P)  12MPP
(4)         P→(Q→P)→(P→P)  3 Qに、(Q→P)を代入。
(5)                  P→P   14MPP
従って、
(03)~(06)により、
(07)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
といふ「公理」に於いて、
(ⅰ)R=P といふ「代入」を行った上で、
(ⅱ)MPP を行ひ、次に、
(ⅲ)Q=Q→P といふ「代入」を行ひ、その上で、
(ⅳ)MPP を行ふと、
(ⅴ)P→P(同一律) を、得ることになる。
cf.
「沢田允茂、現代論理学入門、1962年、174・175頁」
従って、
(03)~(07)により、
(08)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
である所の、「ルカジェヴィッツによる公理(1・2)」から、
(3) P→P(同一律)
といふ「定理」を、「演繹」することが出来る。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1   (1)  P→(Q→P) A
1   (2) ~P∨(Q→P) 1含意の定義
 3  (3) ~P       A
 3  (4) ~P∨~Q∨P  3∨I
  5 (5)     Q→P  A
  5 (6)    ~Q∨P  5含意の定義
  5 (7) ~P∨~Q∨P  6∨I
1   (8) ~P∨~Q∨P  23457∨E
1   (9) ~P∨P∨~Q  8交換法則
1   (ア)(~P∨P)∨~Q 9結合法則
1   (イ)~Q∨(~P∨P) ア交換法則
1   (ウ) Q→(~P∨P) イ含意の定義
   エ(エ) Q        A
1  エ(オ)    ~P∨P  ウエMPP
1  エ(カ)     P→P  オ含意の定義
1   (キ) Q→ (P→P) エカCP
(ⅱ)
1   (1) Q→(P→P)  A
1   (2)~Q∨(P→P)  1含意の定義
 3  (3)~Q        A
 3  (4)~Q∨~P∨P   3∨I
  5 (5)    P→P   A
  5 (6)   ~P∨P   5含意の定義
  5 (7)~Q∨~P∨P   6∨I
1   (8)~Q∨~P∨P   23457∨E
1   (9)~P∨~Q∨P   8交換法則
1   (ア)~P∨(~Q∨P) 9結合法則
1   (イ) P→(~Q∨P) ア含意の定義
   ウ(ウ) P        A
1  ウ(エ)    ~Q∨P  イウMPP
1  ウ(オ)     Q→P  エ含意の定義
1   (カ) P→( Q→P) ウオCP
従って、
(09)により、
(10)
① P→(Q→P)
② Q→(P→P)
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
である所の、「ルカジェヴィッツによる公理(1・2)」だけでなく、
(1) Q→(P→P)
(2)[Q→(P→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
からも、
(3) P→P(同一律)
といふ「定理」を、「演繹」することが出来る、はずある(?)。
令和03年02月28日、毛利太。

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