2021年8月31日火曜日

「連言除去の規則」と「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」。

(01)
1  (1) ~(□∨~□)  A
 2 (2)   □      A
 2 (3)   □∨~□   2∨I
12 (4) ~(□∨~□)&
        (□∨~□)  13&I
1  (5)  ~□      24RAA
1  (6)   □∨~□   5∨I
1  (7) ~(□∨~□)&
        (□∨~□)  16&I
   (8)~~(□∨~□)  17RAA
   (9)   □∨~□   8DN
従って、
(01)により、
(02)
① □∨~□
① □であるか、または、□ではない。
である所の「排中律」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(02)により、
(03)
② P→(排中律)
④ Q→(排中律)
であれば、
② P→(真)
④ Q→(真)
である。
然るに、
(04)
(ⅰ)真→(真)
(ⅱ)真→(偽)
(ⅲ)偽→(真)
(ⅳ)偽→(偽)
に於いて、
(ⅱ)以外は、3つとも、「真」である。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)真→(真)
(ⅲ)偽→(真)
は、両方とも、「真」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
② P→(排中律)
④ Q→(排中律)
であれば、
② P→(真)
④ Q→(真)
であって、
② P→(真)
④ Q→(真)
であるならば、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
② P→(排中律)
④ Q→(排中律)
に於いて、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
④ も、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1) (P&Q)→Q  A
1  (2)~(P&Q)∨Q  1含意の定義
 3 (3)~(P&Q)    A
 3 (4)~P∨~Q     3ド・モルガンの法則
 3 (5)~P∨~Q ∨Q  4∨I
  6(6)       Q  A
  6(7)~P∨~Q ∨Q  6∨I
1  (8)~P∨~Q ∨Q  23567∨E
1  (9)~P∨(~Q∨Q) 8結合法則
1  (ア) P→(~Q∨Q) 9含意の定義
(ⅱ)
1  (1) P→(~Q∨Q) A
1  (2)~P∨(~Q∨Q) 1含意の定義
1  (3)(~P∨~Q)∨Q 2結合法則
 4 (4)(~P∨~Q)   A
 4 (5)~(P& Q)   4ド・モルガンの法則
 4 (6)~(P& Q)∨Q 5∨I
  7(7)        Q A
  7(8)~(P& Q)∨Q 7∨I
1  (9)~(P& Q)∨Q 34678∨E
1  (ア) (P& Q)→Q 9含意の定義
(09)
(ⅲ)
1  (1) P→(Q→P)  A
1  (2)~P∨(Q→P)  1含意の定義
 3 (3)~P        A
 3 (4)~Q∨P∨~P   3∨I
  5(5)   (Q→P)  A
  5(6)   ~Q∨P   5含意の定義
  5(7)~Q∨P∨~P   6∨I
1  (8)~Q∨P∨~P   13457∨E
1  (9)~Q∨(P∨~P) 8結合法則
1  (ア) Q→(P∨~P) 9含意の定義
(ⅳ)
1  (1) Q→(P∨~P) A
1  (2)~Q∨(P∨~P) 1含意の定義
1  (3)(~Q∨P)∨~P 2結合法則
 4 (4)(~Q∨P)    A
 4 (5)  Q→P     4含意の定義
 4 (6)~P∨(Q→P)  5∨I
  7(7)       ~P A
  7(8)~P∨(Q→P)  7∨I
1  (9)~P∨(Q→P)  14678∨I
1  (ア) P→(Q→P)  9含意の定義
従って、
(08)(09)により、
(10)
①(P&Q)→Q
②  P→(~Q∨Q)
③ P→(Q→P)
④ Q→(P∨~P)
に於いて
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(10)により、
(11)
①(P&Q)→Q
②  P→(排中律)
③ P→(Q→P)
④ Q→(排中律)
に於いて
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(07)(11)により、
(12)
①(P&Q)→Q
③ P→(Q→P)
に於いて、すなはち、
①(Pであって、Qである)ならば、Qである。
③  Pであるならば(Qであるならば、Pである)。
に於いて、すなはち、
①「連言除去の規則」
③「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(13)
(ⅲ)
1(1)   P     A
1(2)~Q∨P     1∨I
1(3) Q→P     2含意の定義
 (4) P→(Q→P) 13CP
(ⅳ)
1(1)    P     A
1(2)~~Q∨P     1∨I
1(3) ~Q→P    2含意の定義
 (4)P→(~Q→P) 13CP
従って、
(13)により、
(14)
③ P→( Q→P)
④ P→(~Q→P)
に於いて、
③ が、「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」であるならば、
④ も、「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
「番号」を付け直すとして、
①(P&Q)→Q
②  P→( Q→P)
③ P→(~Q→P)
に於いて、すなはち、
①(Pであって、Qである)ならば、Qである。
②  Pであるならば(Qであるならば、Pである)。
③  Pであるならば(Qでないならば、Pである)。
に於いて、すなはち、
①「連言除去の規則」
②「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」
③「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ も、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(15)により、
(16)
①(Pであって、Qである)ならば、Qである。
②  Pであるならば(Qであっても、Qでなくとも、Pである)。
に於いて、すなはち、
①「連言除去の規則」
②「ルカジェヴィッツの公理(Ⅰ)」
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
令和03年08月31日、毛利太。

2021年8月30日月曜日

例へば、「ルカジェヴィッツの公理(Ⅱ)」は「トートロジー」である。

(01)
① 真→真
真→偽
③ 偽→真
④ 偽→偽
に於いて、
② 以外は、3つとも、「」である。
従って、
(01)により、
(02)
① P&Q→Q
といふ「論理式」が、「偽」であるために、
② P&Q→偽
でなければ、ならない。
然るに、
(03)
① P&Q→Q
② P&Q→偽
であるならば、
④ P&偽→偽
である。
然るに、
(04)
真&真
② 真&偽
③ 偽&真
④ 偽&偽
に於いて、
① 以外は、3つとも、「」である。
従って、
(04)により、
(05)
② 真&偽
④ 偽&偽
は、両方とも、「偽」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
④ P&偽→偽
に於いて、
④ P&偽
は、いづれにせよ、「偽」である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
① P&Q→Q
② P&Q→偽
であるならば、
④ P&偽→偽
であるが、
④ P&偽
であれば、いづれにせよ、
④ 偽
である。
従って、
(01)(02)(07)により、
(08)
① P&Q→Q
といふ「論理式」が、「偽」であるために、
② P&Q→偽
でなければ、ならないものの、
② P&Q→偽
であれば、
④ 偽→偽
であるが、
④ 偽→偽
は、「真」である。
従って、
(08)により、
(09)
① P&Q→Q
① PであってQであるならば、Qである。
といふ「論理式」を、「偽」にすることが、出来ない。
従って、
(09)により、
(10)
① P&Q→Q
① PであってQであるならば、Qである。
といふ「論理式(連言除去)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(01)(02)により、
(11)
①{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
といふ「論理式(ルカジェヴィッツの公理Ⅱ)」が、「偽」であるならば、
②{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(真→偽)}
でなければ、ならない。
然るに、
(12)
①{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
②{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(真→偽)}
であるならば、
③{真→(Q→偽)}→{(真→Q)→(真→偽)}
でなければ、ならない。
然るに、
(13)
③{真→(Q→偽)}→{(真→Q)→(真→偽)}
であるならば、
④{真→(真→偽)}→{(真→真)→(真→偽)}
であるか、または、
⑤{真→(偽→偽)}→{(真→偽)→(真→偽)}
である。
然るに、
(01)(13)により、
(14)
④{真→(真→偽)}→{(真→真)→(真→偽)}
⑤{真→(偽→偽)}→{(真→偽)→(真→偽)}
であるならば、
④{真→  (偽)}→{(真→真)→(偽)}
⑤{真→(偽→偽)}→{(偽)  →(偽)}
然るに、
(01)(14)により、
(15)
④{真→  (偽)}→{(真→真)→(偽)}
⑤{真→(偽→偽)}→{(偽)  →(偽)}
であるならば、
④{真→(偽)}→{(真)→(偽)}
⑤{真→(真)}→{(偽)→(偽)}
である。
然るに、
(01)(15)により、
(16)
④{真→(偽)}→{(真)→(偽)}
⑤{真→(真)}→{(偽)→(偽)}
であるならば、
④{偽}→{偽}
⑤{真}→{真}
然るに、
(01)(16)により、
(17)
④{偽}→{偽}
⑤{真}→{真}
は、「真」である。
従って、
(11)~(17)により、
(18)
①{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
といふ「論理式(ルカジェヴィッツの公理Ⅱ)」は、「偽」であることが、出来ない。
従って、
(18)により、
(19)
①{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
①{Pならば(QならばRである)}ならば{(PならばQ)ならば(PならばRである)}。
といふ「論理式(ルカジェヴィッツの公理Ⅱ)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(20)
1  (1) P→(Q→R)                A
 2 (2) P→ Q                   A
  3(3) P                      A
1 3(4)    Q→R                 13MPP
 23(5)    Q                   23MPP
123(6)      R                 45MPP
12 (7)                  P→R   36CP
1  (8)           (P→Q)→(P→R)  27CP
   (9){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)} 18CP
従って、
(20)により、
(21)
「命題計算」としても、
①{P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
①{Pならば(QならばRである)}ならば{(PならばQ)ならば(PならばRである)}。
といふ「論理式(ルカジェヴィッツの公理Ⅱ)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
令和03年08月30日、毛利太。

2021年8月29日日曜日

「含意の定義」は「トートロジー」である。

(01)
(ⅰ)
1   (1)    P→Q   A
 2  (2) ~(~P∨Q)  A
  3 (3)   ~P     A
  3 (4)   ~P∨Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨Q)&
         (~P∨Q)  24&I
 2  (6)  ~~P     35RAA
 2  (7)    P     6DN
   8(8)      Q   A
   8(9)   ~P∨Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨Q)&
         (~P∨Q)  29&I
 2  (イ)     ~Q   8アRAA
12  (ウ)      Q   17MPP
12  (エ)   ~Q&Q   イウ&I
1   (オ)~~(~P∨Q)  2エDN
1   (カ)   ~P∨Q   オDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (8)     Q   A
 2    (9)    ~Q   2&E
 2 7  (ア)  Q&~Q   89&I
   7  (イ)~(P&~Q)  2アRAA
1     (ウ)~(P&~Q)  1367イ∨E
    エ (エ)  P      A
     オ(オ)    ~Q   A
    エオ(カ)  P&~Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  ウカ&I
1   エ (ク) ~~Q オキRAA
1   エ (ケ)     Q   エDN
1     (コ)  P→ Q   エケCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)    P→Q  A
 2(2) ~(~P∨Q) A
 2(3)   P&~Q  2ド・モルガンの法則
 2(4)   P     3&E
12(5)      Q  14MPP
 2(6)     ~Q  3&E
12(7)   Q&~Q  56&E
1 (8)~~(~P∨Q) 27RAA
1 (9)   ~P∨Q  8DN
(ⅱ)
1  (1)  ~P∨Q   A
1  (2)~(P&~Q)  1ド・モルガンの法則
 3 (3)  P      A
  4(4)    ~Q   A
 34(5)  P&~Q   34&I
134(6)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  25&I
13 (7)   ~~Q   46RAA
13 (8)     Q   7DN
1  (9)  P→ Q   38CP
従って、
(03)により、
(04)
ド・モルガンの法則」により、
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①( P→Q)→(~P∨Q)
④(~P∨Q)→( P→Q)
といふ「論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(06)
①(P→Q)→(~P∨Q)
②(真→偽)→(~真∨偽)
に於いて、
① が、「偽」であるためは、「真理値」に於いて、
①=② でなければ、ならない。
然るに、
(07)
②(真→偽)→(~真∨偽)
であるならば、
③(偽)→(偽)
である。
然るに、
(08)
(ⅰ)真→真
(ⅱ)真→偽
(ⅲ)偽→真
(ⅳ)偽→偽
に於いて、
(ⅱ)以外は、3つとも、「真」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
②(真→偽)→(~真∨偽)
であるならば、
③(偽)→(偽)
であるが、
③ は、「真」であり、そのため、
② は、「真」である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
①(P→Q)→(~P∨Q)
を、「偽」にすることは、「不可」であり、それ故、
① は、「恒真式(トートロジー)」である。
(11)
④(~P∨Q)→(P→Q)
⑤(~真∨偽)→(真→偽)
に於いて、
④ が、「偽」であるためは、「真理値」に於いて、
④=⑤ でなければ、ならない。
然るに、
(12)
⑤(~真∨偽)→(真→偽)
であるならば、
⑥(偽)→(偽)
である。
従って、
(08)(12)により、
(13)
⑤(~真∨偽)→(真→偽)
であるならば、
⑥(偽)→(偽)
であるが、
⑥ は、「真」であり、そのため、
⑤ は、「真」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
④(~P∨Q)→(P→Q)
を、「偽」にすることは、「不可」であり、それ故、
④ は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(05)(10)(14)により、
(15)
①( P→Q)→(~P∨Q)
④(~P∨Q)→( P→Q)
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であり、
④ も、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(15)により、
(16)
①(P→Q)⇔(~P∨Q)
といふ「含意の定義」は、「恒真式(トートロジー)」である。
令和03年08月29日、毛利太。

2021年8月28日土曜日

「三段論法」と「パースの法則」。

(01)
①{(P→Q)&(Q→R)}→(P→R)
②{(真→Q)&(Q→偽)}→(真→偽)
に於いて、
① が「偽」であるためには、「真理値」に於いて、
①=② でなければ、ならない。
(02)
②{(真→Q)&(Q→偽)}→(真→偽)
に於いて、
③ Q=真
④ Q=偽
であるならば、
③{(真→真)&(真→偽)}→(真→偽)
④{(真→偽)&(偽→偽)}→(真→偽)
である。
然るに、
(03)
③{(真→真)&(真→偽)}→(真→偽)
④{(真→偽)&(偽→偽)}→(真→偽)
であるならば、
③{(真)&(偽)}→(偽)
④{(偽)&(真)}→(偽)
である。
然るに、
(04)
③{(真)&(偽)}→(偽)
④{(偽)&(真)}→(偽)
であるならば、
③{偽}→(偽)
④{偽}→(偽)
然るに、
(05)
③{偽}→(偽)
④{偽}→(偽)
であるならば、
③ 真
④ 真
である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
①{(P→Q)&(Q→R)}→(P→R)
②{(真→Q)&(Q→偽)}→(真→偽)
に於いて、
① が「偽」であるためには、
①=② でなければ、ならないが、
② は「真」である。
従って、
(06)により、
(07)
①{(P→Q)&(Q→R)}→(P→R)
といふ「命題(三段論法)」を、「偽」にすることは出来ない。
従って、
(07)により、
(08)
①{(P→Q)&(Q→R)}→(P→R)
といふ「命題(三段論法)」、すなはち、
①{(PならばQ)であって(QならばRである)}ならば(PならばRである)。
といふ「命題(三段論法)」は、「偽」であることが「不可」であるが故に、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(09)
1 (1) (P→Q)&(Q→R)        A
1 (2)  P→Q               1&E
1 (3)        Q→R         1&E
 4(4)  P                 A
14(5)    Q               24MPP
14(6)          R         35MPP
1 (7)        P→R         46CP
  (8){(P→Q)&(Q→R)}→(P→R) 17CP
従って、
(09)により、
(10)
①{(P→Q)&(Q→R)}→(P→R)
といふ「命題(三段論法)」、すなはち、
①{(PならばQ)であって(QならばRである)}ならば(PならばRである)。
といふ「命題(三段論法)」は、「命題計算」により、「恒真式(トートロジー)」である。
(11)
⑤((P→Q)→P)→P
⑥((偽→Q)→偽)→偽
に於いて、
⑤ が「偽」であるためには、「真理値」に於いて、
⑤=⑥ でなければ、ならない。
然るに、
(12)
⑥((偽→Q)→偽)→偽
に於いて、
⑦ Q=真
⑧ Q=偽
であるならば、
⑦((偽→真)→偽)→偽
⑧((偽→偽)→偽)→偽
である。
然るに、
(13)
⑦((偽→真)→偽)→偽
⑧((偽→偽)→偽)→偽
であるならば、
⑦((真)→偽)→偽
⑧((真)→偽)→偽
である。
然るに、
(14)
⑦((真)→偽)→偽
⑧((真)→偽)→偽
であるならば、
⑦(偽)→偽
⑧(偽)→偽
である。
然るに、
(15)
⑦(偽)→偽
⑧(偽)→偽
であるならば、
⑦ 真
⑧ 真
である。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
⑤((P→Q)→P)→P
⑥((偽→Q)→偽)→偽
に於いて、
⑤ が「偽」であるためには、
⑤=⑥ でなければ、ならないが、
⑥ は「真」である。
従って、
(16)により、
(17)
⑤((P→Q)→P)→P
といふ「論理式(パースの法則)」を、「偽」にすることは出来ない。
従って、
(17)により、
(18)
⑤((P→Q)→P)→P
といふ「命題(パースの法則)」、すなはち、
⑤((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題(パースの法相)」は、「偽」であることが「不可」であるが故に、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(19)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
 3 (3) ~(P→Q)     A
 3 (4)~(~P∨Q)     3含意の定義
 3 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)  P         13677
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(19)により、
(20)
⑤((P→Q)→P)→P
といふ「命題(パースの法則)」、すなはち、
⑤((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題(パースの法則)」は、「命題計算」により、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(01)~(20)により、
(21)
①{(PならばQ)であって(QならばRである)}ならば(PならばRである)。
⑤((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
に於いて、
① は、「偽」であることが「不可」であるが故に、「恒真式(トートロジー)」であって、
⑤ も、「偽」であることが「不可」であるが故に、「恒真式(トートロジー)」であって、
① は、「命題計算」によって、「恒真式(トートロジー)」である。
⑤ も、「命題計算」によって、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(22)
①{(PならばQ)であって(QならばRである)}ならば(PならばRである)。
⑤((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
に於いて、
① は、「普通」であるが、
⑤ は、「 変 」である。
然るに、
(12)~(15)により、
(23)
⑤((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「言ひ方」は、実際には、
⑤((Pならば、Qの真偽に拘はらず、Pである)ならばPである。
といふことに、他ならない。
然るに、
(24)
①{(PならばQ)であって(QならばRである)}ならば(PならばRである)。
⑤((Pならば、Qの真偽に拘はらず、Pである)ならばPである。
に於いて、
① は、「普通」であって、
⑤ も、「普通」である。
従って、
(24)により、
(25)
①「三段論法」
⑤「パースの法則」
に於いて、
① は、「普通」であって、
⑤ も、「普通」である。
令和03年08月28日、毛利太。

2021年8月25日水曜日

「漢文」に「括弧(管到・補足構造)」は有ります(Ⅱ)。

(01)
例へば、
① 非無不欲爲聖明除弊事者=
① 非〈無{不[欲〔爲(聖明)除(弊事)〕]者}〉。
に於いて、
① 非〈 〉⇒〈 〉非
① 無{ }⇒{ }無
① 不[ ]⇒[ ]不
① 欲〔 〕⇒〔 〕欲
① 爲( )⇒( )爲
① 除( )⇒( )除
といふ「移動」を行ふと、
① 非〈無{不[欲〔爲(聖明)除(弊事)〕]者}〉⇒
① 〈{[〔(聖明)爲(弊事)除〕欲]不者}無〉非=
① 〈{[〔(聖明の)爲に(弊事を)除かんと〕欲せ]不る者}無きに〉非ず=
① 聡明な天子の爲に、弊害を除くことを望む者がゐない、といふわけではない。
然るに、
(02)
管到」とは、ある語句がそのあとのどの漢字までかかっているか、という範囲のことである。白文の訓除では、それぞれの漢字の意味や品詞を自分で考え、その漢字が後ろのどこまでかかっているか、考えねばならない(加藤徹、白文攻略 弊事ひとり学び、2013年、143頁)。
(03)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓除は、国語の語順に置きかえて除むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と弊事、1975年、296頁)。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 非〈無{不[欲〔爲(聖明)除(弊事)〕]者}〉。
に於ける、
①  〈 { [ 〔 (  ) (  )〕] }〉
といふ『括弧』は、
① 非無不欲爲聖明除弊事者。
といふ『漢文』に於ける、『管到』を表してゐて、『管到』とは、すなはち、『補足構造』である。
然るに、
(05)
然るに、
(06)
① 九 八 六 五 二 一 四 三 七=
① 九〈八{六[五〔二(一)四(三)〕]七}〉。
に於いて、
① 九〈 〉⇒〈 〉九
① 八{ }⇒{ }八
① 六[ ]⇒[ ]六
① 五〔 〕⇒〔 〕五
① 二( )⇒( )一
① 四( )⇒( )四
といふ「移動」を行ふと、
① 九〈八{六[五〔二(一)四(三)〕]七}〉⇒
① 〈{[〔(一)二(三)四〕五]六七}八〉九=
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 非 聖人 弊事
② 非 聖明 弊事
③ 非 聖明 弊事
に於ける、
① レ 乙 レ 下 二 一 中 上 甲
② 人 地 丁 丙 二 一 乙 甲 天
③ 九 八 六 五 二 一 四 三 七
①〈 { [ 〔 ( )( ) 〕 ] } 〉
といふ『返り点』と『括弧』は、
① 非無不欲爲聖明除弊事者。
といふ『漢文』に於ける、『管到』を表してゐて、『管到』とは、すなはち、『補足構造』である。
令和03年08月25日、毛利太。

2021年8月23日月曜日

「漢文」に「括弧(管到・補足構造)」は有ります。

(01)
① 無人不道看花回=
① 無人不一レ花回
① 無{人不[道〔看(花)回〕]}⇒
① {人[〔(花)看回〕道]不}無=
① {人として[〔(花を)看て回ると〕道は]不るは}無し=
① どんな人も、花を見て帰るところだと言わないものは無い(孟棨・本事詩)。
(02)
② 無人不道看花回=
② 無人不花回
② 無(人)不[道〔看(花)回〕]⇒
② (人)無[〔(花)看回〕道]不=
② (人)無くんば[〔(花を)看て回ると〕道は]不=
② 人がゐなければ、花を見て帰るとは言はない(作例)。
然るに、
(03)
① どんな人も、花を見て帰るところだと言わないものは無い(孟棨・本事詩)。
② 人がゐなければ、花を見て帰るとは言はない(作例)。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 無{人不[道〔看(花)回〕]}。
② 無(人)不[道〔看(花)回〕]。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(05)
管到」とは、ある語句がそのあとのどの漢字までかかっているか、という範囲のことである。白文の訓読では、それぞれの漢字の意味や品詞を自分で考え、その漢字が後ろのどこまでかかっているか、考えねばならない(加藤徹、白文攻略 漢文ひとり学び、2013年、143頁)。
管到というのは「上の語が、下のことばのどこまでかかるか」ということである。なんのことはない。諸君が古文や英語の時間でいつも練習している、あの「どこまでかかるか」である。漢文もことばである以上、これは当然でてくる問題である(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、389頁)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
『管到』が異なるが故に、
① 無{人不[道〔看(花)回〕]}⇔ 人として花を看て回ると道は不るは無し。
② 無(人)不[道〔看(花)回〕]⇔ 人無くんば、花を看て回ると道は不。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 無人不道看花回。
② 無人不道看花回。
に於ける、
① 無{人不[道〔看(花)回〕]}。
② 無(人)不[道〔看(花)回〕]。
といふ、『括弧』は、すなはち、『補足構造』であり、『補足構造』は、すなはち、『管到』である。
従って、
(08)により、
(09)
① 無人不道看花回。
② 無人不道看花回。
といふ「漢文」に、『補足構造・管到』があるのであれば、
① 無人不道看花回。
② 無人不道看花回。
といふ「漢文」は、
①  {  [ 〔 ( ) 〕]}。
②  ( ) [ 〔 ( ) 〕]。
といふ『括弧』が、有ることになる。
令和03年08月23日、毛利太。

2021年8月21日土曜日

「人(他人)皆有兄弟」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1  (1)   ∀x{人x→ ∃y(兄弟yx)} A
 2 (2)   ∃x{人x&~∃y(兄弟yx)} A
1  (3)      人a→ ∃y(兄弟ya)  1UE
  4(4)      人a&~∃y(兄弟ya)  A
  4(5)      人a            1&E
1 4(6)          ∃y(兄弟ya)  35MPP
  4(7)         ~∃y(兄弟ya)  4&E
1 4(8)∃y(兄弟ya)&~∃y(兄弟ya)  67&I
12 (9)∃y(兄弟ya)&~∃y(兄弟ya)  248EE
1  (ア)  ~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)} 29RAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}  A
 2 (2)    人a             A
  3(3)       ~∃y(兄弟ya)   A
 23(4)    人a&~∃y(兄弟ya)   24&I
 23(5) ∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}  4EI
123(6)~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}&
       ∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}  15&I
12 (7)      ~~∃y(兄弟ya)   36RAA
12 (8)        ∃y(兄弟ya)   7DN
1  (9)    人a→ ∃y(兄弟ya)   28CP
1  (ア) ∀x{人x→ ∃y(兄弟yx)}  1UI
(02)
(ⅱ)
1  (1)~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)} A
1  (2)∀x~{人x&~∃y(兄弟yx)} 1量化子の関係
1  (3)  ~{人a&~∃y(兄弟ya)} 1UE
1  (4)   ~人a∨ ∃y(兄弟ya)  3ド・モルガンの法則
1  (5)    ∃y(兄弟ya)∨~人a  4交換法則
1  (6)   ~∃y(兄弟ya)→~人a  5含意の定義
1  (7)∀x{~∃y(兄弟yx)→~人x} 6UI
(ⅲ)
1  (1)∀x{~∃y(兄弟yx)→~人x} A
1  (2)   ~∃y(兄弟ya)→~人a  1UE
1  (3)    ∃y(兄弟ya)∨~人a  2含意の定義
1  (4)   ~人a∨ ∃y(兄弟ya)  3交換法則
1  (5)  ~{人a&~∃y(兄弟ya)} 4ド・モルガンの法則
1  (6)∀x~{人x&~∃y(兄弟yx)} 5UI
1  (7)~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)} 6量化子の関係
従って、
(01)(02)により、
(03)
①  ∀x{人x→ ∃y(兄弟yx)}
② ~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}
③ ∀x{~∃y(兄弟yx)→~人x}
に於いて、
①=② であって、
②=③ である。
従って、
(03)により、
(04)
① すべてのxについて{xが人であるならば、あるyは(xの兄弟である)}。
② {人であって、あるyが(xの兄弟ではない)といふ、そのやうな}xは存在しない。
③ すべてのxについて{あるyが(xの兄弟ではない)ならば、xは人ではない}。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
① 人皆有兄弟=
① 人皆有(兄弟)⇒
① 人皆(兄弟)有り=
① 人には皆、兄弟が有る(論語、顔淵)。
(ⅱ)
② 無人不有兄弟=
② 無[人不〔有(兄弟)〕]⇒
② [人にして〔(兄弟の)有ら〕不るは]無し=
② 人であって、兄弟がゐないものは、無い(作例)。
(ⅲ)
③ 無兄弟非人也=
③ 無(兄弟)非(人)也⇒
③ (兄弟)無くんば(人に)非ざるなり=
③ 兄弟がゐなければ、人ではないのである(作例)。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①  ∀x{人x→ ∃y(兄弟yx)}= 人皆有兄弟(人には皆、兄弟が有る)。
② ~∃x{人x&~∃y(兄弟yx)}=無人不有兄弟(人であって、兄弟がゐないものは、無い)。
③ ∀x{~∃y(兄弟yx)→~人x}=無兄弟非人也(兄弟がゐなければ、人ではないのである)。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
司馬牛憂曰、
人皆有兄弟。
我独亡。

司馬牛憂へて曰はく、
人は皆兄弟有り。
我独り亡し。

司馬牛は思い悩みながら言った。
人は皆、兄弟がいます。
私だけ、兄弟がいません。
(論語、顔淵)

従って、
(06)(07)により、
(08)
③ 兄弟がゐなければ、人ではないが、
③ 司馬牛には、兄弟がゐない。
従って、
(08)により、
(09)
③ 司馬牛には、兄弟がゐないので、
③ 司馬牛は、人ではない
然るに、
(10)
③ 司馬牛は、人である
cf.
?-BC481以降。氏は司馬、名は耕、字は子牛。百度百科によると姓は向。『孔子家語』によると宋の出身で、兄は孔子の命を狙った宋国司馬(元帥)の桓魋(カンタイ)だという。
(『論語』全文・現代語訳)
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ 司馬牛は、人ではないが、
③ 司馬牛は、人である
従って、
(06)~(11)により、
(12)
① ∀x{人x→∃y(兄弟yx)}=人皆有兄弟(人には皆、兄弟が有る)。
③ 司馬牛独亡(司馬牛といふ人だけは、兄弟がゐない)。
に於いて、
①と③ は、「矛盾」する。
然るに、
(13)
【人】ジン、ニン
他人。〔論語、雍也〕己欲達而達人。
(大修館、大漢和辞典)
従って、
(13)により、
(14)
③「人」といふ漢字には、
自分(己)以外の他人。
といふ「意味」がある。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① ∀x{人x→∃y(兄弟yx)}
に於ける「人」は、「人」の「意味」であって、
① 人皆有兄弟=人には皆、兄弟が有る。
に於ける「人」は、「他人(自分以外の人)」といふ「意味」である。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
① ∀x{人x→∃y(兄弟yx)}=人皆有兄弟(人には皆、兄弟が有る)。
といふ「等式」ではなく、
① ∀x{人x→∃y(兄弟yx)}人皆有兄弟(人には皆、兄弟が有る)。
といふ「等式」が、正しい。
然るに、
(17)
一階述語論理は、数学のほぼ全領域を形式化するのに十分な表現力を持っている。実際、現代の標準的な集合論の公理系 ZFC は一階述語論理を用いて形式化されており、数学の大部分はそのように形式化された ZFC の中で行うことができる(ウィキペディア)。
然るに、
(18)
例へば、
司馬牛憂曰、
人皆有兄弟。
我独亡。
子夏曰、
商聞之矣。
死生有命、富貴在天。
君子敬而無失、与人恭而有礼、四海之内、皆為兄弟也。
君子何患乎無兄弟也。
(論語、顔淵)
といふ「漢文」全体を、「述語論理」で記述することは、言ふ迄もなく、「可能」ではない
従って、
(17)(18)により、
(19)
階述語論理は、数学のほぼ全領域を形式化するのに十分な表現力を持っているが、
漢文の一部ではなく、漢文の全域を、述語論理で記述することは、「可能」ではない
令和03年08月21日、毛利太。

2021年8月20日金曜日

「象は鼻が長い。といふわけではない。」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∀x(象x→ 動物x) A
 2 (2) ∃x(象x&~動物x) A
1  (3)    象a→ 動物a  1UE
  4(4)    象a&~動物a  A
  4(5)    象a       4&E
1 4(6)        動物a  35MPP
  4(7)       ~動物a  4&E
1 4(8)    動物&~動物a  67&I
12 (9)    動物&~動物a  248EE
1  (ア)~∃x(象x&~動物x) 2RAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x(象x&~動物x)  A
 2 (2)    象a        A
  3(3)       ~動物a   A
 23(4)    象a&~動物a   23&I
 23(5) ∃x(象x&~動物x)  4EI
123(6)~∃x(象x&~動物x)&
       ∃x(象x&~動物x)  15&I
12 (7)     ~~動物a    36RAA
12 (8)       動物a    7DN
1  (9)    象a→動物a    28CP
1  (ア) ∀x(象x→動物x)   9UI
従って、
(01)により、
(02)
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
①  ~∀x(象x→ 動物x)
② ~~∃x(象x&~動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
① ~∀x(象x→ 動物x)
②  ∃x(象x&~動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① ~∀x(象x→ 動物x)
②  ∃x(象x&~動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。といふわけではない。
② (象であって、動物でないx)が存在する。
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① ~∀x(象x→ 動物x)
②  ∃x(象x&~動物x)
に於いて、すなはち、
① 象は動物である。といふわけではない。
② 動物ではない象が、存在する。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
③ 象は、鼻が長い。⇔
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
従って、
(06)(07)により、
(08)
③ ~∀x{象x→  ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④  ∃x{象x&~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
に於いて、すなはち、
③ 象は、鼻が長い。といふわけではない。
④ [∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]ではない象が、存在する。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
(ⅳ)
1    (1)∃x{象x&~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
 2   (2)   象a&~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  A
 2   (3)   象a                             2&E
 2   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  2&E
 2   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
  6  (6)      ~∃y(鼻ya&長y)                 A
  6  (7)      ∀y~(鼻ya&長y)                 6含意の定義
  6  (8)        ~(鼻ba&長b)                 7UE
  6  (9)        ~鼻ba∨~長b                  8ド・モルガンの法則
  6  (ア)         鼻ba→~長b                  6含意の定義
  6  (イ)      ∀y(鼻ya→~長y)                 アUI
  6  (ウ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   イ∨I
   エ (エ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   A
   エ (オ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   エ量化子の関係
    カ(カ)                    ~(~鼻ca→~長c)   A
    カ(キ)                    ~( 鼻ca∨~長c)   カ含意の定義
    カ(ク)                      ~鼻ca& 長c    キド・モルガンの法則
    カ(ケ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   クEI
   エ (コ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   エカケEE
   エ (サ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   コ∨I
 2   (シ)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   56ウエサ∨E
 2   (ス)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   3シ&I
 2   (セ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)}  スEI
1    (ソ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)}  12セEE
(ⅴ)
1    (1)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)}  A
 2   (2)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   A
 2   (3)   象a                             2&E
 2   (4)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)   2&E
  5  (5)      ∀y(鼻ya→~長y)                 A
  5  (6)         鼻ba→~長b                  5UE
  5  (7)        ~鼻ba∨~長b                  6含意の定義
  5  (8)       ~(鼻ba& 長b)                 7ド・モルガンの法則
  5  (9)     ∀y~(鼻ya& 長y)                 8UI
  5  (ア)     ~∃y(鼻ya& 長y)                 9量化子の関係
  5  (イ)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   ア∨I
   ウ (ウ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   A
    エ(エ)                      ~鼻ca& 長c    A
    エ(オ)                     ~(鼻ca∨~長c)   エ、ド・モルガンの法則
    エ(カ)                    ~(~鼻ca→~長c)   オ含意の定義
    エ(キ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   カEI
   ウ (ク)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   ウエキEE
   ウ (ケ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   ク量化子の関係
   ウ (コ)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   ケ∨I
 2   (サ)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   45イウコ∨E
従って、
(09)により、
(10)
④ ∃x{象x&~[∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
⑤ ∃x{象x&   ∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&  長z)}
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
③ 象は、鼻が長い。といふわけではない。
④ ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)}⇔
④ あるxについて{xは象であって、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)か、または、あるzは(xの鼻以外であるが、zは長い)}。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(11)により、
(12)
③ 象は、鼻が長い。といふわけではない。
④ 鼻が長くないか、または、鼻以外も長い象が存在する。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(06)(08)(10)(12)により、
(13)
① ~∀x(象x→ 動物x)
②  ∃x(象x&~動物x)
③ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④  ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&  長z)}
に於いて、すなはち、
① 象は動物である。といふわけではない。
② 動物ではない象が、存在する。
③ 象は、鼻が長い。といふわけではない。
④ 鼻が長くないか、または、鼻以外も長い象が存在する。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
令和03年08月20日、毛利太。

2021年8月18日水曜日

「象は鼻が長い。」の「述語計算」。

(01)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
{①&②}は、「矛盾」しない。
然るに、
(02)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
③ ある兎は、象である。
に於いて、
{①&②}&③は、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
とするならば、
③ ある兎が、象である。といふことはない。
然るに、
(04)
③ ある兎が、象である。といふことはない。
といふことは、
③ すべての兎は、象ではない。
といふ、ことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
とするならば、
③ すべての兎は、象ではない。
従って、
(05)により、
(06)
「記号」で書くと、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
であるならば、
③ ∀x(兎x→~象x)
然るに、
(07)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   カクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。   然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
①「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」 然るに、
②「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、
③「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「述語計算(Predicate calculus)」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)
①{象、机、本、桜}
②{象、兎、馬、猫}
に於いて、
① であれば、「(動物はどれですか)象が動物である。」と、言へるが、
② であれば、「(動物はどれですか)象が動物である。」とは言へない。
従って、
(10)により、
(11)
① 象が動物である。
といふことは、例へば、
①{象、机、本、桜}
に於いて、
① 象以外(机、本、桜)は動物ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(11)により、
(12)
① 鼻が長い。
といふことは、例へば、
①{鼻、耳、目、口}於いて、
① 鼻以外(耳、目、口)は長くない。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)により、
(13)
① 象は、鼻が長い。
といふことは、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふことに、他ならない。
従って、
(09)(13)により、
(14)
①「象は、鼻が長い。」然るに、
②「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、
③「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「述語計算(Predicate calculus)」としても、「妥当」である。
従って、
(08)(13)(14)により、
(15)
① 象は、鼻が長い。⇔
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(14)(15)により、
(16)
①「象は、鼻が長い。」然るに、「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当」であるとするならば、その一方で、
① 象は、鼻が長い。⇔ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(17)
①「象は、鼻が長い。」然るに、「兎は、耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」従って、「すべての兎は、象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
① 象は、鼻長い。⇔ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
令和03年08月18日、毛利太。

2021年8月15日日曜日

{∃x(Fx)→∃x(Gx)}→{∃x(Fx→Gx)}

(01)
「結論」として、
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
といふ「命題」が「真」であるならば、
① Fa→Ga
① Fa→Gb
① Fa→Gc
① Fb→Gb
① Fb→Ga
① Fb→Gc
① Fc→Gc
① Fc→Ga
① Fc→Gb
といふ「9通り」が、「真」であることが、「可能」である。
cf.
1(1)    Gb A
1(2)~Fa∨Gb 1∨I
1(3) Fa→Gb 2含意の定義
然るに、
(02)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
であるならば、
② Fa→Ga
② Fb→Gb
② Fc→Gc
という「3通り」が、「真」であることが、「可能」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(04)
{xの変域}が{a,b,c}であるとして、
①(Fa∨Fb∨Fc)→(Ga∨Gb∨Gx)
②(Fa→Ga)∨(Fb→Gb)∨(Fc→Gc)
③ ∃x(Fx)→∃x(Gx)
④ ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1   (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1   (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3  (3)~∃x(Fx)        A
 3  (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3  (5)   ~Fa         4UE
 3  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
 3  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
 3  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
  9 (9)        ∃x(Gx) A
   ア(ア)           Ga  A
   ア(イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   ア(ウ)        Fa→Ga  イ含意の定義
   ア(エ)     ∃x(Fx→Gx) ウEI
  9 (オ)     ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1   (カ) ∃x(Fx→Gx)     2389オ∨E
(ⅱ)
1   (1) ∃x(Fx→Gx)     A
   (2)    F→G      A
  3 (3) ∃x(Fx)        A
   4(4)    Fa         A
 2 4(5)       Ga      24MPP
 2 4(6)    ∃x(Gx)     5EI
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
 2  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1   (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
の場合は、
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
の行が、「間違ひ」である。
cf.
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、154・155頁)
従って、
(06)により、
(07)
果たして、
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(08)
(ハ)量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則
16.{∃x(Fx)→∃x(Gx)}→{∃x(Fx→Gx)}
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
「量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則」として、
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
令和03年08月15日、毛利太。

2021年8月13日金曜日

「量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則」の例(Ⅱ)。

(01)
(ハ)量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則
16.{∃x(Fx)→∃x(Gx)}→{∃x(Fx→Gx)}
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
(02)
(ⅰ)
1   (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1   (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3  (3)~∃x(Fx)        A
 3  (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3  (5)   ~Fa         4UE
 3  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
 3  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
 3  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
  9 (9)        ∃x(Gx) A
   ア(ア)           Ga  A
   ア(イ)       ~Fa∨Ga  ア∨I
   ア(ウ)        Fa→Ga  イ含意の定義
   ア(エ)     ∃x(Fx→Gx) ウEI
  9 (オ)     ∃x(Fx→Gx) 9アエEE
1   (カ) ∃x(Fx→Gx)     2389オ∨E
(ⅱ)
1   (1) ∃x(Fx→Gx)     A
   (2)    F→G      A
  3 (3) ∃x(Fx)        A
   4(4)    Fa         A
 2 4(5)       Ga      24MPP
 2 4(6)    ∃x(Gx)     5EI
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
 2  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 37CP
1   (9) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 128EE
の場合は、
 3 (7)    ∃x(Gx)     346EE
の行が、「間違ひ」である。
cf.
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、154・155頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1) ∃x(Fx)→∃x(Gx) A
1  (2)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3 (3)~∃x(Fx)        A
 3 (4)∀x(~Fx)        3量化子の関係
 3 (5)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 4∨I
  6(6)        ∃x(Gx) A
  6(7)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 6∨I
1  (8)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) 13567∨E
(ⅱ)
1  (1)∀x(~Fx)∨∃x(Gx) A
 2 (2)∀x(~Fx)        A
 2 (3)~∃x(Fx)        2量化子の関係
 2 (4)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 3∨I
  5(5)        ∃x(Gx) A
  5(6)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 5∨I
1  (7)~∃x(Fx)∨∃x(Gx) 12456∨E
1  (8) ∃x(Fx)→∃x(Gx) 7含意の定義
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx→Gx) A
 2(2)    Fa→Ga  A
 2(3)   ~Fa∨Ga  2含意の定義
 2(4)∃x(~Fx∨Gx) 3EI
1 (5)∃x(~Fx∨Gx) 124EE
(ⅱ)
1 (1)∃x(~Fx∨Gx) A
 2(2)   ~Fa∨Ga  A
 2(3)    Fa→Ga  2含意の定義
 2(4) ∃x(Fx→Gx) 3EI
1 (5) ∃x(Fx→Gx) 124EE
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
③ ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
④ ∃x(~Fx∨Gx)
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
「番号」を付け直すと、
① ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ∃x(~Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であって、
② ならば、① である。
然るに、
(08)
{xの変域}が{a,b,c}であるとして、
① ∀x(~Fx)∨∃x(Gx)
② ∃x(~F∨Gx)
といる「述語論理式」は、「順番」に、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(09)
「∨」と「&」の「働き(作用)」により、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
① ∃x(Fx)→∃x(Gx)
② ∃x(Fx→Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
といふことは、
①(~Fa&~Fb&~Fc)∨(Ga∨Gb∨Gc)
②(~Fa∨Ga)∨(~Fb∨Gb)∨(~Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
といふことによって、「確認」することが、出来る。
令和03年08月13日、毛利太。

2021年8月11日水曜日

「量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則」の例。

(01)
(ハ)量記号を一つにまとめたり、二つに分けたりするときの法則
 8.∀x(Fx&Gx)≡∀x(Fx)&∀x(Gx)
 9.∃x(Fx∨Gx)≡∃x(Fx)∨∃x(Gx)
10.∃x(Fx→Gx)≡∀x(Fx)→∃x(Gx)
etc.・・・・・
(沢田允、現代論理学入門、1962年、139頁)
然るに、
(02)
 8.「すべての人は、フランス人の、学生である。」≡「すべての人はフランス人であって、すべての人は学生である。」
 9.「  ある人は、フランス人か、学生である。」≡「  ある人はフランス人であるか、  ある人は学生である。」
といふ「等式」は、「当然」である。
然るに、
(03)
10.「ある人は、フランス人であるならば、学生である。」≡「すべての人がフランス人であるならば、ある人は学生である。」
といふ「等式」は、極めて、「分かりにくい」。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1)    ∃x(Fx→Gx) A
 2 (2)    ∀x(Fx)    A
  3(3)       Fa→Ga  A
 2 (4)       Fa     2UE
 23(5)          Ga  34MPP
 23(6)       ∃x(Gx) 5EI
12 (7)       ∃x(Gx) 136EE
1  (8)∀x(Fx)→∃x(Gx) 27CP
(ⅱ)
1    (1) ∀x(Fx)→∃x(Gx) A
1    (2)~∀x(Fx)∨∃x(Gx) 1含意の定義
 3   (3)~∀x(Fx)        A
 3   (4)∃x(~Fx)        3量化子の関係
  5  (5)   ~Fa         A
  5  (6)   ~Fa∨Ga      5∨I
  5  (7)    Fa→Ga      6含意の定義
  5  (8) ∃x(Fx→Gx)     7EI
 3   (9) ∃x(Fx→Gx)     358EE
   ア (ア)        ∃x(Gx) A
    イ(イ)           Ga  A
    イ(ウ)       ~Fa∨Ga  イ∨I
    イ(エ)        Fa→Ga  ウ含意の定義
    イ(オ)     ∃x(Fx→Gx) イEI
   ア (カ)     ∃x(Fx→Gx) アイオEE
1    (キ)     ∃x(Fx→Gx) 139アカ∨I
従って、
(04)により、
(05)
確かに、
10.∃x(Fx→Gx)≡∀x(Fx)→∃x(Gx)
10.「ある人は、フランス人であるならば、学生である。」≡「すべての人がフランス人であるならば、ある人は学生である。」
という「等式」は、「正しい」。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
10.「ある人は、フランス人であるならば、学生である。」≡「すべての人がフランス人であるならば、ある人は学生である。」
という「等式」は、「述語論理的」には、「正しい」ものの、「直観的」には、「分かりにくい」。
令和03年08月11日、毛利太。

2021年8月10日火曜日

「パースの法則」の「証明(背理法)」。

(01)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとしてを選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「説明」は、には、完全に意味不明」である。
cf.
Qがである。⇔ ~Qがである。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
1  (3)~(~P∨Q)∨P   2含意の定義
 4 (4)~(~P∨Q)     A
 4 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 4 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)  P         34677∨E
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
(ⅱ)
1  (1)  (P→~Q)→P   A
1  (2) ~(P→~Q)∨P   1含意の定義
1  (3)~(~P∨~Q)∨P   2含意の定義
 4 (4)~(~P∨~Q)     A
 4 (5)  P&  Q      4ド・モルガンの法則
 4 (6)  P          5&E
  7(7)         P   A
1  (8)  P          34677∨E
   (9)((P→~Q)→P)→P 18CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
に於いて、
① が、「パースの法則」である以上、
、「パースの法則」である。
従って、
(03)により、
(04)
「日本語」で言ふと、
①((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
②((Pであるならば、Qでない)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
① が、「パースの法則」である以上、
、「パースの法則」である。
従って、
(04)により、
(05)
①((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
②((Pであるならば、Qでない)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
① と ② の、両方が、「パースの法則」である以上、「パースの法則」とは、
③((Pであるならば、Qであっても、Qでなくとも)、Pである)ならば、Pである。
といふ、「命題」を言ふ。
然るに、
(06)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(背理法を絶対に認めない人たちの会)
従って、
(05)(06)により、
(07)
①((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
②((Pであるならば、Qでない)ならば、Pである)ならば、Pである。
③((Pであるならば、Qであっても、Qでなくとも)、Pである)ならば、Pである。
といふ、「3通りのパースの法則」に於いて、
背理法を絶対に認めない人たちの会」の方たちは、
① といふ「パースの法則」だけを、「パズルのような(変な)命題」であると、言ふ。
然るに、
(08)
1  (1) ~(((P→Q)→P)→ P) A(パースの法則否定
1  (2)~(~((P→Q)→P)∨ P) 1含意の定義
1  (3)   ((P→Q)→P)&~P  2ド・モルガンの法則
1  (4)    (P→Q)→P      3&E
1  (5)   ~(P→Q)∨P      4含意の定義
 6 (6)   ~(P→Q)        A
 6 (7)  ~(~P∨Q)        6含意の定義
 6 (8)    P&~Q         7ド・モルガンの法則
 6 (9)    P            8&E
  ア(ア)          P      A
1  (イ)          P      569アア∨E
1  (ウ)             ~P  3&E
1  (エ)           P&~P  イウ&I(矛盾
   (オ)~~(((P→Q)→P)→ P) 1エ背理法
   (カ)   ((P→Q)→P)→ P  オDN(二重否定
従って、
(07)(08)により、
(09)
背理法を絶対に認めない人たちの会」の方たちが、 「パズルのような(変な)命題」であると言ふ所の、「パースの法則」は、「背理法」によって、「証明」出来る。
令和03年08月10日、毛利太。

2021年8月8日日曜日

「述語論理」に於ける「ド・モルガンの法則(量化子の関係)」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ~∀x( Fx)  A
 2 (2) ~∃x(~Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
  3(4)  ∃x(~Fx)  3EI
 23(5) ~∃x(~Fx)&
        ∃x(~Fx)  24&I
 2 (6)    ~~Fa   35RAA
 2 (7)      Fa   6DN
 2 (8)  ∀x( Fx)  7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
        ∀x( Fx)  18&I
1  (ア)~~∃x(~Fx)  29RAA
1  (イ)  ∃x(~Fx)  アDN
(ⅱ)
1  (1)  ∃x(~Fx)  A
 2 (2)  ∀x( Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
 2 (4)      Fa   2UE
 23(5)  ~Fa&Fa   34&I
  3(6) ~∀x( Fx)  25RAA
1  (7) ~∀x( Fx)  136EE
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
に於いて、
①=② である(量化子の関係)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1    (1)  ~{Fa& Fb& Fc}  A
 2   (2) ~{~Fa∨~Fb∨~Fc}  A
  3  (3)   ~Fa           A
  3  (4)   ~Fa∨~Fb       3∨I
  3  (5)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   4∨I
 23  (6) ~{~Fa∨~Fb∨~Fc}&
          {~Fa∨~Fb∨~Fc}  25&I
 2   (7)  ~~Fa           36RAA
 2   (8)    Fa           7DN
   9 (9)       ~Fb       A
   9 (ア)   ~Fa∨~Fb       9∨I
   9 (イ)   ~Fa∨~Fb∨~Fb   ア∨I
 2 9 (ウ) ~{~Fa∨~Fb∨~Fc}&
          {~Fa∨~Fb∨~Fc}  2イ&I
 2   (エ)      ~~Fb       9ウRAA
 2   (オ)        Fb       エRAA
    カ(カ)           ~Fc   A
    カ(キ)       ~Fb∨~Fc   ∨I
    カ(ク)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   キ∨I
 2  カ(ケ) ~{~Fa∨~Fb∨~Fc}&
          {~Fa∨~Fb∨~Fc}  2ク&I
 2   (コ)          ~~Fc   カケRAA
 2   (サ)            Fc   コDN
 2   (シ)      Fa&Fb      8オ&I
 2   (ス)      Fa&Fb&Fc   サシ&I
12   (セ)    ~{Fa&Fb&Fc}&
             {Fa&Fb&Fc}  1ス&I
1    (ソ)~~{~Fa∨~Fb∨~Fc}  2セRAA
1    (タ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ソDN
(ⅱ)
1     (1)  ~Fa∨~Fb∨~Fc   A
 2    (2)   Fa& Fb& Fc   A
1     (3) ~Fa∨(~Fb∨~Fc)  1結合法則
  4   (4) ~Fa            A
 2    (5)   Fa           2&E
 24   (6) ~Fa&Fa         45&I
  4   (7) ~{Fa& Fb& Fc}  26RAA
   8  (8)     (~Fb∨~Fc)  A
    9 (9)      ~Fb       A
 2    (ア)       Fb       2&E
 2  9 (イ)      ~Fb&Fb    9ア&I
    9 (ウ) ~{Fa& Fb& Fc}  2イRAA
     エ(エ)          ~Fc   A
 2    (オ)           Fc   2&E
 2   エ(カ)       ~Fc&Fc   エオ&I
     エ(キ) ~{Fa& Fb& Fc}  2カRAA
   8  (ク) ~{Fa& Fb& Fc}  89ウエキ∨E
1     (ケ) ~{Fa& Fb& Fc}  34789∨E
従って、
(03)により、
(04)
① ~{Fa& Fb& Fc}
②  ~Fa∨~Fb∨~Fc
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(05)
{すべてのx}={a,b,c}
として、
① ~{Fa& Fb& Fc}
②  ~Fa∨~Fb∨~Fc
といふ「論理式」は、
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
といふ「述語論理式」に、等しい。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
に於いて、
①=② である(量化子の関係)といふことは、
① ~{Fa& Fb& Fc}
②  ~Fa∨~Fb∨~Fc
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)といふことに、他ならない。
然るに、
(07)
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
といふことは、
①(すべてのxが、Fである)といふわけではない。
②(Fでないx)が存在する。
といふ、ことである。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①(すべてのxが、Fである)といふわけではない。
②(Fでないx)が存在する。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「(述語論理に於ける)ド・モルガンの法則」といふ。
令和03年08月08日、毛利太。

2021年8月7日土曜日

「二項述語」と「二つの量化子」。

(01)
{変域}を{人間}とし、
{人間}を{a,b,c}とする。
然るに、
(01)により、
(02)
① ∀x∀y(愛xy)
④ ∃x∃y(愛xy)
といふ「述語論理式」は、明らかに、
①(愛aa&愛ab&愛ac)&(愛ba&愛bb&愛bc)&(愛ca&愛cb&愛cc)
④(愛aa∨愛ab∨愛ac)∨(愛ba∨愛bb∨愛bc)∨(愛ca∨愛cb∨愛cc)
という「論理式」に、相当する。
従って、
(02)により、
(03)
② ∃x∀y(愛xy)
③ ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
②(愛aa&愛ab&愛ac)∨(愛ba&愛bb&愛bc)∨(愛ca&愛cb&愛cc)
③(愛aa∨愛ba∨愛ca)&(愛ab∨愛bb∨愛cb)&(愛ac∨愛bc∨愛cc)
という「論理式」に、相当する。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x∀y(愛xy)
② ∃x∀y(愛xy)
③ ∀y∃x(愛xy)
④ ∃x∃y(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
①(愛aa&愛ab&愛ac)&(愛ba&愛bb&愛bc)&(愛ca&愛cb&愛cc)
②(愛aa&愛ab&愛ac)∨(愛ba&愛bb&愛bc)∨(愛ca&愛cb&愛cc)
③(愛aa∨愛ba∨愛ca)&(愛ab∨愛bb∨愛cb)&(愛ac∨愛bc∨愛cc)
④(愛aa∨愛ab∨愛ac)∨(愛ba∨愛bb∨愛bc)∨(愛ca∨愛cb∨愛cc)
といふ「論理式」に、相当する。
然るに、
(05)
①(愛aa&愛ab&愛ac)&(愛ba&愛bb&愛bc)&(愛ca&愛cb&愛cc)
②(愛aa&愛ab&愛ac)∨(愛ba&愛bb&愛bc)∨(愛ca&愛cb&愛cc)
③(愛aa∨愛ba∨愛ca)&(愛ab∨愛bb∨愛cb)&(愛ac∨愛bc∨愛cc)
④(愛aa∨愛ab∨愛ac)∨(愛ba∨愛bb∨愛bc)∨(愛ca∨愛cb∨愛cc)
に於いて、
① ならば、② であるが、② であっても、① であるとは、限らない。
② ならば、③ であるが、③ であっても、② であるとは、限らない。
③ ならば、④ であるが、④ であっても、③ であるとは、限らない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∀x∀y(愛xy)
② ∃x∀y(愛xy)
③ ∀y∃x(愛xy)
④ ∃x∃y(愛xy)
に於いて、
① ならば、② であるが、② であっても、① であるとは、限らない。
② ならば、③ であるが、③ であっても、② であるとは、限らない。
③ ならば、④ であるが、④ であっても、③ であるとは、限らない。
従って、
(01)(06)により、
(07)
① すべての人は、すべての人を、愛す。
②   ある人は、すべての人を、愛す。
③ すべての人は、ある人に、愛される。
④ ある人は、  ある人を、愛す。
に於いて、
① ならば、② であるが、② であっても、① であるとは、限らない。
② ならば、③ であるが、③ であっても、② であるとは、限らない。
③ ならば、④ であるが、④ であっても、③ であるとは、限らない。
令和03年08月07日、毛利太。

2021年8月6日金曜日

∃x∀y(愛xy)⇒ ∀y∃x(愛xy)

(01)
ある人αは、個人である。
然るに、
(02)
ある人αは、すべての男性を愛し、尚且つ、
ある人αは、すべての女性を愛してゐる。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ある人αといふ人(個人)は、すべての人(すべての男性と女性)を愛す。
然るに、
(04)
① ある人αといふ人(個人)が、すべての人(すべての男性と女性)を愛す。
といふのであれば、
② すべての人(すべての男性と女性)は、ある人(α)によって、愛されてゐる。
然るに、
(05)
ある人βは、すべての男性だけを愛し、
ある人γは、すべての女性だけを愛す。
といふのであれば、この場合も、
② すべての人(すべての男性と女性)は、ある人(βかγ)によって愛されてゐる。
然るに、
(06)
ある人βは、すべての男性だけを愛し、
ある人γは、すべての女性だけを愛す。
といふのであれば、
βは、すべての人(すべての男女)を愛してゐる。といふわけではないし、
γも、すべての人(すべての男女)を愛してゐる。といふわけではない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② すべての人(すべての男性と女性)が、ある人によって愛されてゐる。
といふことが「真(本当)」であるからといって、
① ある、1人の人が、すべての人(すべての男性と女性)を愛してゐる。
とは、限らない。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(09)
{変域}を、{人間}とするならば、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「論理式」は、
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(11)
{変域}を、{a、b、c}とするならば、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式は、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
といふ「論理式」に、「展開」出来る。
然るに、
(12)
「&」の「意味(働き)」と、
「∨」の「意味(働き)」からすれば、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
に於いて、たしかに、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことは、「一目瞭然」である。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
① ある人は、すべての人を愛す。
② すべての人は、ある人によって愛されてゐる。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことを、「理解」してゐる「人間の脳」の中には、
①(Faa&Fab&Fac)∨(Fba&Fbb&Fbc)∨(Fca&Fcb&Fcc)
②(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
といふ「論理式」が、「格納」されてゐる。
といふことは、「本当」である?!?
令和03年08月06日、毛利太。

2021年8月5日木曜日

「量化子の順番」について。

(01)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
  x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
  F,G,H,・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
従って、
(01)により、
(02)
{変域}を、{人間}とするならば、
xは、「誰か(someone)」であって、
yも、「誰か(someone)」であって、
zも、「誰か(someone)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 愛xy=xはyを愛す。
② 愛yx=yはxを愛す。
誰か誰かを愛す。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
{変域}を、{人間}とするならば、
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
は、それぞれ、
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)∃x∃y(愛xy) A
 2 (2)  ∃y(愛ay) A
  3(3)     愛ab  A
  3(4)  ∃x(愛xb) 3EI
 2 (5)  ∃x(愛xb) 234EE
 2 (6)∃y∃x(愛xy) 5EI
1  (7)∃y∃x(愛xy) 126EE
(ⅱ)
1  (1)∃y∃x(愛xy) A
 2 (2)  ∃x(愛xb) A
  3(3)    (愛ab) A
  3(4)  ∃y(愛ay) 3EI
 2 (5)  ∃y(愛ay) 234EE
 2 (6)∃x∃y(愛xy) 5EI
1  (7)∃x∃y(愛xy) 126EE
従って、
(05)により、
(06)
① ∃x∃y(愛xy)
② ∃y∃x(愛xy)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ある人は、ある人を愛す。
② ある人は、ある人によって愛される
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
「論理的」には、
① Somebody loves somebody.
② Somebody is loved by somebody.
に於いて、「(能動態・受動態の)区別」は、無い。
然るに、
(09)
(ⅲ)
1 (1)∃x∀y(愛xy) A
 2(2)  ∀y(愛ay) A
 2(3)     愛ab  2UE
  2(4)  ∃x(愛xb) 3EI
 2(5)∀y∃x(愛xy) 4UI
1 (6)∀y∃x(愛xy) 125EE
(ⅳ)
1 (1)∀y∃x(愛xy) A
1 (2)  ∃x(愛xb) 1UE
 )     愛a  A
 3(4)  ∀y(愛a) UI(は、反則なので、無効である。)
 3(5)∃x∀y(愛xy) 4EI
1 (6)∃x∀y(愛xy) 135EE
従って、
(09)により、
(10)
③ ∃x∀y(愛xy)
④ ∀y∃x(愛xy)
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない
従って、
(10)により、
(11)
③ ある人は、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人によって愛される。
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ であるとは、限らない
従って、
(06)(11)により、
(12)
① ∃x∃(愛xy)
② ∃∃x(愛xy)
に於いては、
①=② であるが、
③ ∃x∀(愛xy)
④ ∀∃x(愛xy)
に於いては、
③=④ ではない
令和03年08月05日、毛利太。

2021年8月2日月曜日

述語論理、固有名、任意の名前。

(01)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
  x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
  F,G,H,・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
然るに、
(02)
100 Fm,∀x(Fx→Gx)├ Gm
1 (1)   Fm     A
 2(2)∀x(Fx→Gx) A
 2(3)   Fm→Gm  2UE
12(4)      Gm  13MPP
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、134頁)
然るに、
(03)
たとえば、100の証明はまたつぎの連式の証明であると考えてよい。
    Fa,∀y(Fy→Gy)├ Ga
ここでは「m」は「a」によって、「x」は「y」によって置き換えられている。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、198頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① F,∀x(Fx→Gx)├ G
② F,∀y(Fy→Gy)├ G
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
第1に、固有名をつぎの符号のひとつとして定義する。
  ,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
  ,b,c,・・・・・
でいふ所の、「固有名詞」と、「任意の名前」の「区別」は、「曖昧で、分かりにくい。」
然るに、
(06)
練習問題
1 次の連式の妥当性を証明せよ。
(a)Fa ┤├ ∀x(x=a→Fx)
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎 ・浅野 楢英 訳、1973年、214頁)
然るに、
(07)
(ⅰ)
1  (1)  Fa          A
 2 (2) ~∀x(x=a→ Fx) A
 2 (3) ∃x~(x=a→ Fx) 2量化子の関係
  4(4)   ~(a=a→ Fa) A
  4(5)   ~(a≠a∨ Fa) 4含意の定義
  4(6)     a=a&~Fa  5ド・モルガンの法則
  4(7)         ~Fa  6&E
 2 (8)         ~Fa  247EE
12 (9)      Fa&~Fa  18&I
1  (ア) ~~∀x(x=a→Fx) 29RAA
1  (イ)   ∀x(x=a→Fx) 1DN
      (ウ)Fa→∀x(x=a→Fx) 1イCP
(ⅱ)
1(1)∀x(x=a→Fx)    A
1(2)   a=a→Fa     1UE
1(3)   a=a        =I
1(4)           Fa 23MPP
 (5)∀x(x=a→Fx)→Fa 14CP
従って、
(06)(07)により、
(08)
① Fa→∀x(x=a→Fx)
② ∀x(x=a→Fx)→Fa
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
①「任意のaが、Fである。」といふことは、
②「いかなるxであっても、xがaであるならば、xはFである。」といふことに、「等しい」。
然るに、
(10)
①「任意のaが、Fである。」といふことは、
②「いかなるxであっても、xがaであるならば、xはFである。」といふことに、「等しい」。
といふことであるならば、「曖昧で、分かりにくい。」といふことは、無い。
令和03年08月02日、毛利太。