2022年7月13日水曜日

「等値の否定」としての「排他的選言(強選言)」と「選言三段論法」。

―「昨日(令和04年07月13日)の記事」を書き直します。―
(01)
 実質等値、
「A⇔B」は、AとBが共に真、または共に偽のときのみ真となる。
(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
「(P→Q)&(Q→P)」は、PとQが共に真、または共に偽のときのみ真となる。
従って、
(03)
①  P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)
①  ~(P⇔Q)
② ~{(P→Q)&(Q→ P)}
に於いて、
①=② であって、
② は、「等値の、否定」である。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1  (1) ~(P⇔Q)         A
1  (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1  (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~(P→Q)         A
 4 (5)~(~P∨Q)         4含意の定義
 4 (6)  P&~Q          5ド・モルガンの法則
 4 (7) (P&~Q)∨(Q&~P)  6∨I
  8(8)        ~(Q→P)  A
  9(9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義
  9(ア)         Q&~P   9ド・モルガンの法則
  9(イ) (P&~Q)∨(Q&~P)  ア∨I
1  (ウ) (P&~Q)∨(Q&~P)  1479イ∨E
(ⅲ)
1    (1) (P&~Q)∨(Q&~P)  A
 2   (2)  P&~Q          A
  3  (3)  P→ Q          A
 2   (4)  P             2&E
 23  (5)     Q          34MPP
 2   (6)    ~Q          2&E
 23  (7)  Q&~Q          56&I
 2   (8)~(P→ Q)         37RAA
 2   (9)~(P→ Q)∨~(Q→P)  8∨I
   ア (ア)         Q&~P   A
    イ(イ)         Q→ P   A
   ア (ウ)         Q      ア&E
   アイ(エ)            P   イウMPP
   ア (オ)           ~P   ア&I
   アイ(カ)         P&~P   エオ&I
   ア (キ)       ~(Q→ P)  イカRAA
   ア (ク)~(P→Q)∨~(Q→ P)  キ∨I
1    (ケ)~(P→Q)∨~(Q→ P)  128アク∨E
1    (コ)~{(P→Q)&(Q→P)}  ケド・モルガンの法則
1    (サ) ~(P⇔Q)         コDf.⇔
従って、
(05)により、
(06)
② ~{(P→  Q)&(Q→  P)}
③   (P&~Q)∨(Q&~P)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
①  ~(P⇔ Q)
② ~{(P→  Q)&(Q→  P)}
③   (P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1  (1)(P&~Q)∨(Q&~P) A
 2 (2)(P&~Q)        A
 2 (3) P            2&E
 2 (4) P∨Q          3∨I
 2 (5)   ~Q         2&E
 2 (6)~P∨~Q         5∨I
 2 (7)~(P&Q)        6ド・モルガンの法則
 2 (8) (P∨Q)&~(P&Q) 47&I
  9(9)       (Q&~P) A
  9(ア)        Q     9&E
  9(イ)      P∨Q     ア∨I
  9(ウ)          ~P  9&E
  9(エ)       ~P∨~Q  ウ∨I
  9(オ)       ~(P&Q) エ、ド・モルガンの法則
  9(カ) (P∨Q)&~(P&Q) イオ&I
1  (キ) (P∨Q)&~(P&Q) 1289カ∨E
(ⅳ)
1  (1)(P∨Q)&~(P&Q)  A
1  (2)(P∨Q)         1&E
1  (3)      ~(P&Q)  1&E
1  (4)      ~P∨~Q   3ド・モルガンの法則
1  (5)       P→~Q   4含意の定義
1  (6)      ~Q∨~P   4交換法則
1  (7)       Q→~P   6含意の定義
 8 (8) P            A
18 (9)         ~Q   58MPP
18 (ア) P&~Q         89&I
18 (イ)(P&~Q)∨(Q&~P) ア∨I
  ウ(ウ)   Q          A
1 ウ(エ)         ~P   7ウMPP
1 ウ(オ)   Q&~P       ウエ&I
1 ウ(カ)(P&~Q)∨(Q&~P) オ∨I
1  (キ)(P&~Q)∨(Q&~P) 28イウカ
従って、
(08)により、
(09)
③(P&~Q)∨(Q&~P)
④(P∨  Q)&~(P&Q)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①  ~(P⇔ Q)
② ~{(P→  Q)&(Q→  P)}
③   (P&~Q)∨(Q&~P)
④   (P∨  Q)&~(P&Q)
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(11)
(ⅳ)
1(1) (P∨Q)&~(P&Q) A
1(2) (P∨Q)        1&E
1(3)~~P∨Q         2DN
1(4) ~P→Q         3含意の定義
1(5)       ~(P&Q) 1&E
1(6)       ~P∨~Q  5ド・モルガンの法則
1(7)        P→~Q  含意の定義
1(8)(~P→Q)&(P→~Q) 47&I
(ⅴ)
1(1)(~P→Q)&(P→~Q) A
1(2)(~P→Q)        1&E
1(3)~~P∨Q         2含意の定義
1(4)  P∨Q         3DN
1(5)        P→~Q  1&E
1(6)       ~P∨~Q  5含意の定義
1(7)       ~(P&Q) 6ド・モルガンの法則
1(8) (P∨Q)&~(P&Q) 47&I
従って、
(11)により、
(12)
④ (P∨Q)&~(P&Q)
⑤(~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
①  ~(P⇔ Q)
② ~{(P→  Q)&(Q→  P)}
③   (P&~Q)∨(Q&~P)
④   (P∨  Q)&~(P&Q)
⑤   (~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
然るに、
(14)
③(P&~Q)∨(Q&~P)
④(P∨  Q)&~(P&Q)
⑤(~P→Q)&(P→~Q)
といふ「論理式」は、
③(PであってQでない)か、または、(QであってPでない)。
④(Pであるか、または、Qである)が(PであってQである)といふことはない。
⑤(PでないならばQであり、PであるならばQでない)。
といふ「意味」であるが、だとすれば、「当然」、
③=④=⑤ である。
然るに、
(15)
日本語の接続詞「あるいは」には、両立的選言(弱選言)と排他的選言(強選言)の二つの意味があることに注意してほしい。

 ― 中略 ―
排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる―(P∨Q)&~(P&Q)―。
選言記号∨に対応する日本語には、「または」「もしくは」「・・・か・・・」などがある。
(昭和堂入門選書25、論理学の基礎、1994年、11頁改)
従って、
(01)~(15)により、
(16)
①  ~(P⇔ Q)
② ~{(P→  Q)&(Q→  P)}
③   (P&~Q)∨(Q&~P)
④   (P∨  Q)&~(P&Q)
⑤   (~P→Q)&(P→~Q)
に於いて、
①=②=③=④=⑤ であって、
これらは全て、「排他的選言(強選言)」である。
然るに、
(17)
▽ といふ「記号」を「導入」して、
Df.P▽Q≡(~P→Q)&(P→~Q)
といふ「定義」を「排他的選言の定義」とする。
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)
1 (1)  P▽Q         A
1 (2)(~P→Q)&(P→~Q) 1(排他的選言の定義)
1 (3) ~P→Q         2&E
 4(4) ~P           A
14(5)    Q         34MPP
(ⅱ)
1 (1)  P∨Q A
1 (2)~~P∨Q 1DN
1 (3) ~P→Q 2含意の定義
 4(4) ~P   A
14(5)    Q 34MPP
従って、
(18)により、
(19)
① P▽Q,~P├ Q
② P∨Q,~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」である。
従って、
(15)(19)により、
(20)
① P▽Q,~P├ Q
② P∨Q,~P├ Q
といふ「推論」、すなはち、
① Pまたは、Qである。然るに、Pでない。故に、Qである。
② Pまたは、Qである。然るに、Pでない。故に、Qである。
といふ「選言三段論法」は、両方とも、「妥当」である。
従って、
(15)(20)により、
(21)
「排他的選言(強選言)」であっても、
「両立的選言(弱選言)」であっても、「選言三段論法」は「妥当」である。
(22)
① P▽Q≡(~P→Q)&(P→~Q)
② P∨Q≡(~P→Q)
従って、
(22)により、
① P▽Q,P├ ~Q
② P∨Q,P├ ~Q
に於いて、
① は「妥当」であるが、
② は「妥当」ではない。
令和04年07月13日、毛利太。

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