(01)
例へば、
① 人間であるならば動物である(順)。
② 動物であるならば人間である(逆)。
③ 動物でないならば人間ではない(対偶)。
に於いて、
① ならば、② であるとは限らないが、
① ならば、③ である。
従って、
(02)
① PであるならばQである(順)。
② QであるならばPである(逆)。
③ QでないならばPではない(対偶)。
に於いて、
① ならば、② であるとは限らないが、
① ならば、③ である。
従って、
(03)
① P→ Q(順)
② Q→ P(逆)
③ ~Q→~P(対偶)
に於いて、
① ならば、② であるとは限らないが、
① ならば、③ である。
が、この場合、Pは、「集合」ではなく「命題」であるとする。
然るに、
(04)
chi********さん2013/4/1719:51:00
論理学について
法学部生や法曹を目指す人にとって、論理学はとった方がいい科目ですか??
授業内容見ても、、
わからないもんで(^^;)
ベストアンサーに選ばれた回答
doc********さん 2013/4/1720:15:10
東大法卒のおっさんです。
法曹をめざすのに論理学はまったく必要ありません。
論理学的に厳密に法律を解釈しようとしても、破たんするだけです。
法律にはそういう解釈の幅をもたせてあります。
然るに、
(05)
瀧田早苗、二七才、東京大学法学部卒、―中略―つまり、極めて優秀なエリートだということだ。―中略―、
「正義の定義によりますね。先生は、ずっと法律を知らないと不幸になると、おっしゃっています。
まったく同感です。でも、多くの弁護士は、法律を知っているくせに、依頼者を幸福にできていません。」
(真山仁 作、レインメーカー)
然るに、
(06)
P=法律を知っている。
Q=不幸になる。
とすると、
① 法律を知らないと不幸になる。
② 法律を知っているくせに不幸になる。
という「命題」は、
① ~P→Q
② P→Q
という風に、書くこと出来る。
従って、
(05)(06)により、
(07)
先生は、 ずっと法律を知らないと、 依頼者は不幸になると、おっしゃっていますが、
多くの弁護士は、法律を知っているくせに、依頼者を不幸にしている。
という風に述べていることから、
瀧田早苗は、
① ~P→Q
② P→Q
に於いて、
①と②は『矛盾』すると、言っている。
然るに、
(08)
① ~P→ Q
② P→ Q
③ ~P→~Q
に於いて、
①と② は『矛盾』しないが、
①と③ は『矛盾』する。
従って、
(07)(08)により、
(09)
瀧田早苗は、
② P→ Q
③ ~P→~Q
に於いて、
② ならば、③ である。
と、言っている。
然るに、
(10)
② P→ Q
③ ~P→~Q
④ Q→ P
に於いて、
③=④ は「対偶」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
瀧田早苗は、
② P→Q(順)
③ Q→P(逆)
に於いて、
② ならば、③ である(逆も真である)。
と言っている。
従って、
(05)~(11)により、
(12)
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検)は、
③ Q→P
③ 不幸になるならば、法律を知っている。
と、言っている。
従って、
(06)(07)(12)により、
(13)
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検)は、
① 法律を知らないと不幸になる。
② 法律を知っているくせに不幸になる。
に於いて、すなわち、
① ~P→Q
② P→Q
に於いて、
①と② は『矛盾』する。
としたことによって、
③ Q→P
③ 不幸になるならば、法律を知っている。
と、言っている。
従って、
(06)(07)(13)により、
(14)
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検)は、
① ~P→Q
② P→Q
③ Q→P
に於いて、
①と② は『矛盾』するとしたことによって、
① 法律を知らないと不幸になるが、
③ 不幸になると、法律を知っている。
と言っている。
従って、
(14)により、
(15)
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検)は、
① ~P→Q
② Q→P
により、
① ~P→P
① 法律を知らないならば、法律を知っている。
と言っている。
然るに、
(16)
1 (1) ~P→P A
1 (2)~~P∨P 1含意の定義
3 (3)~~P A
3 (4) P 3DN
5(5) P A
1 (6) P 13455∨E
1 (7)~~P∨P 6∨I
1 (5) ~P→P 7含意の定義
従って、
(15)(16)により、
(17)
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検)は、
① 法律を知らないならば、法律を知っている。
① 法律を知っている。
と、言っている。
従って、
(05)~(17)により、
(18)
「論理学的」に言えば、「小説」の中の、
瀧田早苗(二七才、東京大学法学部卒、ヤメ検、美人)は、「賢い(優秀である)」とは言えない。
従って、
(04)(18)により、
(19)
「人の運命を左右する」のだから、
「法曹をめざすのに論理学はまったく必要ありません。」
とは言わずに、願わくは、
「法律家こそが、論理学を学ぶべきである。」
cf.
法律家の言う「論理」
法律家、つまり弁護士とか裁判官とか検事などは、自分たちが論理を得意とすると思っているようです。
でも、他分野の学問にそれなりに触れた人にとっては、法律家が論理を理解しているようには思えないと思います。
むしろ、法律学というのは極めて非論理的なものという印象を抱くのではないでしょうか。
私自身も、法律を学び始めた当初は、その中で使われる「論理的」の意味をつかみ、それに慣れるのに、苦労しました。
(横浜の弁護士ブログ)
令和04年07月29日、毛利太。
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