2022年7月15日金曜日

「犯人は鈴木か渡辺である」の「述語論理」。

(01)
1    (1)∀x(犯人x→x=s∨x=k) A
 2   (2)∃x(犯人x&現場x)     A
1    (3)   犯人a→a=s∨a=k  1UE
  4  (4)   犯人a&現場a      A
  4  (5)   犯人a          4&E
  4  (6)       現場a      4&E
   7 (7)      ~現場k      A
1 4  (8)       a=s∨a=k  35MPP
1 4  (9)       a=k∨a=s  8交換法則
1 4  (ア)      ~a≠k∨a=s  9DN
1 4  (イ)       a≠k→a=s  ア含意の定義
    ウ(ウ)       a=k      A
  4 ウ(エ)       現場k      6ウ=E
  47ウ(オ)      ~現場k&現場k  7エ&I
  47 (カ)       a≠k      ウオRAA
1 47 (キ)           a=s  イカMPP
1 47 (ク)   犯人s          5キ=E
12 7 (ケ)   犯人s          24クEE
従って、
(01)により、
(02)
∀x(犯人x→x=s∨x=k),∃x(犯人x&現場x),~現場k├ 犯人s
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x(犯人x→x=s∨x=k)。然るに、
(ⅱ)∃x(犯人x&現場x)。    然るに、
(ⅲ)~現場k。           従って、
(ⅳ)犯人s。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)すべてのxについて(xが犯人であるならば、xはsか、または、xはkである)。然るに、
(ⅱ)あるxは(犯人であって、xは現場にゐた)。然るに、
(ⅲ)kは現場にはゐなかった。従って、
(ⅳ)s犯人である(犯人はsである)。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(ⅰ)犯人は、鈴木か、または、窪田である。 然るに、
(ⅱ)犯人は、現場にゐた。         然るに、
(ⅲ)窪田は、現場にゐなかった。      従って、
(ⅳ)鈴木犯人である(犯人は鈴木である)。
といふ「推論」は、「数学の論理学」である所の「述語論理(Predicate logic)」としても「妥当」である。
然るに、
(06)
鈴木は「個人(individual)」である。
従って、
(02)(06)により、
(07)
② 犯人は鈴木である。
③ 鈴木以外は犯人ではない。
に於いて、
②=③ であるが、このことは、
① ∀x(犯人x→x=s∨x=k),∃x(犯人x&現場x),~現場k├ 犯人s
といふ「連式」の「意味」からすれば、「当然」である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(08)により、
(09)
② 私理事長です。
③ 理事長は私です。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
私は「個人(individual)」である。
従って、
(10)により、
(11)
② 理事長は私である。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)~(11)により、
(12)
① 鈴木犯人である。
② 犯人は鈴木である。
③ 鈴木以外は犯人ではない。
に於いて、
①=②=③ であって、
① 私理事長である。
② 理事長は私である。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
① ABである。
② BはAである。
③ A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
令和04年07月15日、毛利太。

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