2022年7月16日土曜日

「述語論理の定数(固有名)」について。

(01)
y=1x+2
y=2x+3
y=3x+4
y=4x+5
y=5x+6
・・・・・・
と書く「代り」に、「ひとまとめ」にして、
y=ax+b
といふ風に書く。
従って、
(01)により、
(02)
2x=y-3
ax=y-b
に於いて、
2は、「定数」であって、
xは、「変数」であって、
aも、「定数」であるが、
aは、「任意の定数」である。
然るに、
(03)
第一に、固有名詞(proper name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   m,n,・・・・・・
第二に、任意の名前(aribitary name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   a,b,c,・・・・・・
第三に、個体変数(individual variable)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   x,y,z,・・・・・・
第四に、述語文字(predicate-letter)をつぎの符号のひとつとして定義する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁)
然るに、
(04)
100 Fm,∀x(Fx→Gx)├ Gm
1 (1)   Fm     A
 2(2)∀x(Fx→Gx) A
 2(3)   Fm→Gm  2UE
12(4)      Gm  13MPP
100は論理学では有名なつぎの論証に見られるような、明らかに健全な論証の形式を示している。
(3)ソクラテスは人間(a man)である。すべての人間(all men)は死すべきもの(mortal)である。故にソクラテスは死すべきものである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、134頁改)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「話の世界」=「自然数の集合」
とするならば、
第一に、固有名詞(proper name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   m,n,o,・・・・・・
といふ「それ」は、
   1,2,3,・・・・・・
であって、
「話の世界」=「哲学者の集合」
とするならば、
第一に、固有名詞(proper name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   m,n,o,・・・・・・
といふ「それ」は、
   プラトン、ソクラテス、アリストテレス,・・・・・・
である。
従って、
(05)により、
(06)
m=森山
n=中村
o=太田
であるならば、
m=森山といふ「個人」を示す「名前」であって、
n=中村といふ「個人」を示す「名前」であって、
o=太田といふ「個人」を示す「名前」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
第一に、固有名詞(proper name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
   m,n,o,・・・・・・
といふ場合は、「話の世界」に応じて、
m=1
n=2
o=3
であっても、構わないし、
m=森山
n=中村
o=太田
であっても、構はない。
然るに、
(08)
1     (1)∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o) A
 2    (2)∃x(犯人x&現場x)         A
1     (3)   犯人a→a=m∨a=n∨a=o  1UE
  4   (4)   犯人a&現場a          A
  4   (5)   犯人a              4&E
  4   (6)       現場a          4&E
   7  (7)      ~現場m&~現場n     A
   7  (8)      ~現場m          7&E
   7  (9)           ~現場n     7&E
1 4   (ア)       a=m∨a=n∨a=o  35MPP
1 4   (イ)      a=m∨(a=n∨a=o) 8結合法則
1 4   (ウ)     ~a≠m∨(a=n∨a=o) イDN
1 4   (エ)      a≠m→(a=n∨a=o) ウ含意の定義
    オ (オ)      a=m           A
  4 オ (カ)       現場m          6オ=E
1 47オ (キ)      ~現場m&現場m      7カ&E
1 47  (ク)      a≠m           オキRAA
1 47  (ケ)          (a=n∨a=o) エクMPP
1 47  (コ)          ~a≠n∨a=o  ケDN
1 47  (サ)           a≠n→a=o  コ含意の定義
     シ(シ)           a=n      A
  4  シ(ス)       現場n          6シ=E
1 47 シ(セ)      ~現場n&現場n      9ス&I
1 47  (ソ)           a≠n      シセRAA
1 47  (タ)               a=o  サソMPP
1 47  (チ)   犯人o              5タ
12 7  (ツ)   犯人o              24チEE
従って、
(08)により、
(09)
∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o),∃x(犯人x&現場x),~現場m&~現場n├ 犯人o
といふ「連式」、すなはち、
(ⅰ)∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o)。然るに、
(ⅱ)∃x(犯人x&現場x)。        然るに、
(ⅲ)~現場m&~現場n。          従って、
(ⅳ)犯人o。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ)すべてのxについて(xが犯人であるならば、xはmか、xはnか、oである。 然るに、
(ⅱ)  あるxについて(xは犯人であって、xは現場にゐた)。         然るに、
(ⅲ)mは現場にゐなかったし、nも現場にゐなかった。              従って、
(ⅳ)oが犯人である(犯人はoである)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(07)~(10)により、
(11)
(ⅰ)犯人は、森山か、中村か、太田である。然るに、
(ⅱ)犯人は、現場にゐた。        然るに、
(ⅲ)森山と中村には、アリバイがある。  従って、
(ⅳ)太田犯人である(犯人は太田である)。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理(Predicate logic)」としても「妥当」である。
令和04年07月16日、毛利太。

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