(01)
第一に、固有名(proper name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・・
第二に、任意の名前(aribitary name)をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・・
第三に、個体変数(individual variable)をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・・
第四に、述語文字(predicate-letter)をつぎの符号のひとつとして定義する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁)
(02)
固有名と任意の名前をいずれかを包括する語を導入しておくのが便利なことは明らかである。
それ故、ターム(term)を、固有名あるいは任意の名前と定義する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、177頁改)
従って、
(01)(02)により、
(03)
「E.J.レモンの述語論理」には、
「固有名(proper name)」といふ「ターム(term)」と、
「任意の名前(aribitary name)」といふ「ターム(term)」による、
「2種類のターム(term)」がある。
然るに、
(04)
従って、
(04)により、
(05)
「京大(大西琢朗先生)の述語論理」では、
「個体変項(individual variables)」と、
「個体定項(individual constants)」とを、「ターム(term)」と呼ぶ。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
「(京大を含む)世間一般の述語論理」には、どうやら、
「E.J.レモンの述語論理」には有る所の、
「固有名(proper name)」と、
「任意の名前(aribitary name)」の「区別」が無いやうである。
然るに、
(07)
昨日も示したものの、
m=森山(といふ名前の個体)。
n=中村(といふ名前の個体)。
o=太田(といふ名前の個体)。
犯人=犯人である(といふ述語文字)。
現場=現場にゐた(といふ述語文字)。
であるとして、
1 (1)∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o) A
2 (2)∃x(犯人x&現場x) A
3 (3) ~現場m&~現場n A
1 (4) 犯人a→a=m∨a=n∨a=o 1UE
5 (5) 犯人a&現場a A
5 (6) 犯人a 5&E
1 5 (7) a=m∨a=n∨a=o 46MPP
1 5 (8) a=m∨(a=n∨a=o) 7結合法則
1 5 (9) ~a≠m∨(a=n∨a=o) 8DN
1 5 (ア) a≠m→(a=n∨a=o) 9含意の定義
イ (イ) a≠m A
1 5イ (ウ) a=n∨a=o アイMPP
1 5イ (エ) ~a≠n∨a=o ウDN
1 5イ (オ) a≠n→a=o エ含意の定義
1 5 (カ) a≠m→(a≠n→a=o) イオCP
3 (キ) ~現場m 3&E
3 (ク) ~現場n 3&E
5 (ケ) 現場a 5&E
35 (コ) ~現場m&現場a キケ&I
サ (サ) a=m A
35 サ (シ) ~現場m&現場m コサ=E
35 (ス) a≠m サシRAA
1 35 (セ) a≠n→a=o カスMPP
35 (ソ) ~現場n&現場a クケ&I
タ(タ) a=n A
35 タ(チ) ~現場n&現場n ソタ=E8
35 (ツ) a≠n タチRAA
1 35 (テ) a=o セツMPP
1 35 (ト) 犯人o 6テ=E
123 (ナ) 犯人o 25トEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」は「正しい」。
従って、
(01)(07)により、
(08)
∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o),∃x(犯人x&現場x),~現場m&~現場n├ 犯人o
といふ「連式」、すなはち、
(ⅰ)∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o)。然るに、
(ⅱ)∃x(犯人x&現場x)。 然るに、
(ⅲ) ~現場m&~現場n。 従って、
(ⅳ) 犯人o。
といふ「推論」は、「E.J.レモンの述語論理」として「妥当」である。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)すべてのxについて(xが犯人であるならば、xはmか、xはnか、oである。 然るに、
(ⅱ) あるxについて(xは犯人であって、xは現場にゐた)。 然るに、
(ⅲ)mは現場にゐなかったし、nも現場にゐなかった。 従って、
(ⅳ)oが犯人である(犯人はoである)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
といふ「推論」は、「E.J.レモンの述語論理」として「妥当」である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ)犯人は、森山か、中村か、太田である。然るに、
(ⅱ)犯人は、現場にゐた。 然るに、
(ⅲ)森山と中村には、アリバイがある。 従って、
(ⅳ)太田が犯人である。
といふ「推論」は、「E.J.レモンの述語論理」としては「妥当」である。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
(ⅰ)犯人は、森山か、中村か、太田である。然るに、
(ⅱ)犯人は、現場にゐた。 然るに、
(ⅲ)森山と中村には、アリバイがある。 従って、
(ⅳ)太田が犯人である。
といふ「推論」は、「(京大を含む)世間一般の述語論理」としても「妥当」であるか「否」かは、「現時点での私」には、分からない。
(12)
m=森山(といふ名前の個体)。
n=中村(といふ名前の個体)。
o=太田(といふ名前の個体)。
を用ひないのであれば、
森山=森山である(といふ述語文字)。
中村=中村である(といふ述語文字)。
太田=太田である(といふ述語文字)。
を用ひることになる。
従って、
(13)
「1行目」は、
1(1)∀x(犯人x→x=m∨x=n∨x=o) A
ではなく、
1(1)∀x(犯人x→森山x∨中村x∨太田x) A
となるものの、「続きを書く」のは「難しさう」なので「書きたくない」。
令和04年07月17日、毛利太。
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