2021年3月13日土曜日

「パースの法則」は、普通に「恒真式(トートロジー)」である。

(01)
1(1)P   仮定
 (2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
P(1)の行で「P」  を「真」であると「仮定」したところ、
P(1)の行で「P」  が得られたので、
 (2)の行で「P→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(02)
  1(1)P&Q   仮定
  1(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」は、
P&Q(1)の行で「P&Q」  を「真」であると「仮定」したところ、
P&Q(2)の行で「P」    が得られたので、
   (3)の行で「P&Q→P」は「真」であるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
(03)
   1   (1)  (P→Q)→P   仮定
    2  (2)  ~P∨Q      仮定
    2  (3)   P→Q      2含意の定義
   12  (4)        P   13MPP
   1   (5)  ~P∨Q→ P   24CP
   1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
     7 (7)~(~P∨Q)     A
     7 (8) (P&~Q)     7ド・モルガンの法則
     7 (9)  P         8&E
      ア(ア)        P   A
   1   (イ)  P         679アア∨E
       (ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「計算」は、
(P→Q)→P(1)の行で「(P→Q)→P」    を「真」であると「仮定」したところ、 
(P→Q)→P(イ)の行で「P」          が得られたので、
       (ウ)の行で「((P→Q)→P)→P」は「真」あるといふ「結論」を得た。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①├        P→P≡  PならばPである:同一律
②├      P&Q→P≡  PであってQであるならば、Pである:連言除去。
③├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「3つの連式(Sequents)」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
さて演繹定理ですがどのようなものかと言いますと、
 Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
という命題です。
演繹定理 - 暇人の暇人による暇人のためのブログ)
従って、
(05)により、
(06)
 Γ,A├ B ⇔ Γ├ A→B
に於いて、
 Γ=空集合
 A=((P→Q)→P)→P
 B=P
であるとして、
(P→Q)→P)├ P ⇔ ├((P→Q)→P)→P
は、「演繹定理」である。
従って、
(03)(06)により、
(07)
   1   (1)  (P→Q)→P   仮定
    2  (2)  ~P∨Q      仮定
    2  (3)   P→Q      2含意の定義
   12  (4)        P   13MPP
   1   (5)  ~P∨Q→ P   24CP
   1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
     7 (7)~(~P∨Q)     A
     7 (8) (P&~Q)     7ド・モルガンの法則
     7 (9)  P         8&E
      ア(ア)        P   A
   1   (イ)  P         679アア∨E
       (ウ)((P→Q)→P)→P 1ウCP
といふ「証明」は、「演繹定理」による「証明」である。
然るに、
(08)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」は、「演繹定理」によって「証明出来る
然るに、
(10)
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
├((P→Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
である所の「パースの法則」が、演繹定理だけからでは導くことができないウィキペディア)。
といふのは、「マチガイ」であるに、違ひない
令和03年03月13日、毛利太。

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