―(14)以後に、「昨日(令和03年03月18日)の記事」の「続き」を書きます。―
従って、
(01)~(10)により、
(11)
果たして、
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x( Fx∨Gx)
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある整数が偶数でないならば、 すべての整数は奇数である。
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① ∀x( Fx∨Gx)≡すべての整数は、偶数であるか、または、奇数である。
② ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は、偶数でないならば、 奇数である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
① ∀x( Fx∨Gx)≡すべての整数は、偶数であるか、または、奇数である。
② ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は、偶数でないならば、 奇数である。
といふ「命題」は、「真(本当)」であるが、言ふ迄もなく、
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある正数が偶数でないならば、 すべての整数は奇数である。
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」である。
―「以後」が「続き」です。―
然るに、
(14)
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx),~∀x( Fx)├ ∀x(Gx)
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx), ∃x(~Fx)├ ∀x(Gx)
に於いて、
① は、「選言三段論法」であって、「選言三段論法」は「妥当」である。
② は、「 肯定肯定式 」であって、「 肯定肯定式 」は「妥当」である。
cf.
① Aか、あるいは、Bである。然るに、Aでない。故に、Bである(選言三段論法)。
② Aであるならば、Bである。然るに、Aである。故に、Bである( 肯定肯定式 )。
然るに、
(15)
そこで演繹定理(Deduction theorem)は次のように表現される。
定理2.2 A と B は論理式で、Γ は論理式の有限の列であるとする。もし、
Γ,A├ B
ならば、
Γ├ A→B
である(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、40頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「演繹定理」により、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx), ~∀x(Fx)├ ∀x(Gx)
② ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→ ∀x(Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
② ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→ ∀x(Gx)
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(18)
1 (1) ~∀x(Fx)→∀x(Gx) A
1 (2)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 1含意の定義
3 (3)~~∀x(Fx) A
3 (4) ∀x(Fx) 3DN
3 (5) Fa 3UE
3 (6) ~~Fa 5DN
3 (7) ~~Fa∨Ga 6∨I
3 (8) ~Fa→Ga 7含意の定義
3 (9) ∀x(~Fx→Gx) 8UI
ア(ア) ∀x(Gx) A
ア(イ) Ga アUE
ア(ウ) ~~Fa∨Ga イ∨I
ア(エ) ~Fa→Ga ウ含意の定義
ア(オ) ∀x(~Fx→Gx) エUI
1 (カ) ∀x(~Fx→Gx) 139アオ∨E
(ⅱ)
1 (1) ∀x(~Fx→Gx) A
1 (2) ~Fa→Ga 1UE
1 (3) ~~Fa∨Ga 2含意の定義
4 (4) ~~Fa A
4 (5) Fa 4DN
4 (6) ∀x(Fx) 5UI(はマチガイである。)
4 (7)~~∀x(Fx) 6DN
4 (8)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
9(9) Ga A
9(ア) ∀x(Gx) 9UI(はマチガイである。)
1 (イ)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 3489イ∨E
1 (ウ) ~∀x(Fx)→∀x(Gx) イ含意の定義
従って、
(18)により、
(19)
③ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」であるが、逆に、
③ ∀x(~Fx→Gx)├ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
② ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)
③ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「2つの推論」は、「妥当」である。
従って、
(20)により、
(21)
「推移律」により、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(12)(13)(21)により、
(22)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)「すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。」従って、
(ⅱ)「すべての整数は偶数でないならば、 奇数である。」
(〃)「すべての整数は奇数でないならば、 偶数である。」
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(23)
「実際の数学(の世界)」であるならば、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∀x(Fx∨Gx) ≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
に於いて、
① は「偽(ウソ)」あって、
② が「真(本当)」である。
然るに、
(24)
(ⅱ)
1 (1) ∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
3 (4) ~~Fa 3DN
3 (5) ~~Fa∨Ga 4∨I
6(6) Ga A
6(7) ~~Fa∨Ga 6∨I
1 (8) ~~Fa∨Ga 23567∨E
1 (9) ~Fa→Ga 8含意の定義
1 (ア)∀x(~Fx→Gx) 9UI
(ⅲ)
1 (1)∀x(~Fx→Gx) A
1 (2) ~Fa→Ga 1UE
1 (3) ~~Fa∨Ga 2含意の定義
4 (4) ~~Fa A
4 (5) Fa 4DN
4 (6) Fa∨Ga 5∨I
7(7) Ga A
7(8) Fa∨Ga 7∨I
1 (9) Fa∨Ga 34678∨E
1 (ア) ∀x(Fx∨Gx) 9UI
従って、
(24)により、
(25)
② ∀x( Fx∨Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」であって、その上、
③ ∀x(~Fx→Gx)├ ∀x( Fx∨Gx)
といふ「推論」も、「妥当」である。
従って、
(25)により、
(26)
② ∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)「すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。」従って、
(ⅱ)「すべての整数は偶数でないならば、 奇数である。」
(〃)「すべての整数は奇数でないならば、 偶数である。」
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(27)
「実際の数学(の世界)」であっても、
② ∀x( Fx∨Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
③ ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は偶数でないならば、 奇数である。
に於いて、
② は「真(本当)」あって、
③ は「真(本当)」である。
従って、
(22)(23)(26)(27)により、
(28)
「実際の数学(の世界)」であれば、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∀x( Fx∨Gx) ≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
③ ∀x(~Fx→Gx) ≡すべての整数は偶数でないならば、 奇数である。
に於いて、
① は「偽(ウソ)」であって、
② は「真(本当)」であって、
③ も「真(本当)」であるものの、
「述語論理」としては、
① ならば、③ であって、
② ならば、③ である。
令和03年03月19日、毛利太。
0 件のコメント:
コメントを投稿