2021年3月19日金曜日

∃x(~偶数x)→∀x(奇数x)├ ∀x(~偶数x→奇数x)(Ⅱ)

 ―(14)以後に、「昨日(令和03年03月18日)の記事」の「続き」を書きます。―
従って、
(01)~(10)により、
(11)
果たして、
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x( Fx∨Gx)
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある整数が偶数でないならば、    すべての整数は奇数である。
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① ∀x( Fx∨Gx)≡すべての整数は、偶数であるか、または、奇数である。
② ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は、偶数でないならば、  奇数である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
① ∀x( Fx∨Gx)≡すべての整数は、偶数であるか、または、奇数である。
② ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は、偶数でないならば、  奇数である。
といふ「命題」は、「真(本当)」であるが、言ふ迄もなく
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx)≡ある正数が偶数ないならば、    すべての整数は奇数である。
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」である。

 ―「以後」が「続き」です。―
然るに、
(14)
① ∀x( Fx)∨∀x(Gx),~∀x( Fx)├ ∀x(Gx)
② ∃x(~Fx)→∀x(Gx), ∃x(~Fx)├ ∀x(Gx)
に於いて、
① は、「選言三段論法」であって、「選言三段論法」は「妥当」である。
② は、「 肯定肯定式 」であって、「 肯定肯定式 」は「妥当」である。
cf.
① Aか、あるいは、Bである。然るに、Aでない。故に、Bである(選言三段論法)。
② Aであるならば、Bである。然るに、Aである。故に、Bである( 肯定肯定式 )。
然るに、
(15)
そこで演繹定理(Deduction theorem)は次のように表現される。
定理2.2 A と B は論理式で、Γ は論理式の有限の列であるとする。もし、
 Γ,A├ B
ならば、
 Γ├ A→B
である(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、40頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
演繹定理」により、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx), ~∀x(Fx)├ ∀x(Gx)
② ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→ ∀x(Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
② ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→ ∀x(Gx)
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(18)
1  (1) ~∀x(Fx)→∀x(Gx) A
1  (2)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 1含意の定義
 3 (3)~~∀x(Fx)        A
 3 (4)  ∀x(Fx)        3DN
 3 (5)     Fa         3UE
 3 (6)   ~~Fa         5DN
 3 (7)   ~~Fa∨Ga      6∨I
 3 (8)    ~Fa→Ga      7含意の定義
 3 (9) ∀x(~Fx→Gx)     8UI
   ア(ア)         ∀x(Gx) A
  ア(イ)            Ga  アUE
  ア(ウ)       ~~Fa∨Ga  イ∨I
  ア(エ)        ~Fa→Ga  ウ含意の定義
  ア(オ)     ∀x(~Fx→Gx) エUI
1  (カ) ∀x(~Fx→Gx)     139アオ∨E
(ⅱ)
1  (1) ∀x(~Fx→Gx)     A
1  (2)    ~Fa→Ga      1UE
1  (3)   ~~Fa∨Ga      2含意の定義
 4 (4)   ~~F         A
 4 (5)     F         4DN
 4 (6)  ∀x(F)        5UI(はマチガイである。)
 4 (7)~~∀x(Fx)        6DN
 4 (8)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
  9(9)        G      A
  9(ア)     ∀x(G)     9UI(はマチガイである。)
1  (イ)~~∀x(Fx)∨∀x(Gx) 3489イ∨E
1  (ウ) ~∀x(Fx)→∀x(Gx) イ含意の定義
従って、
(18)により、
(19)
③ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」であるが、逆に、
③ ∀x(~Fx→Gx)├ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)
といふ「推論」は、「妥当」ではない
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
②  ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ~∀x(Fx)→∀x(Gx)
~∀x(Fx)→∀x(Gx)├  ∀x(~Fx→Gx)
といふ「2つの推論」は、「妥当」である。
従って、
(20)により、
(21)
推移律」により、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(12)(13)(21)により、
(22)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)「すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。」従って、
(ⅱ)「すべての整数は偶数でないならば、         奇数である。」
(〃)「すべての整数は奇数でないならば、         偶数である。」
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(23)
実際の数学(の世界)」であるならば、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∀x(Fx∨Gx)    ≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
に於いて、
① は「偽(ウソ)」あって、
② が「真(本当)」である。
然るに、
(24)
(ⅱ)
1  (1) ∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)    Fa∨Ga  1UE
 3 (3)    Fa     A
 3 (4)  ~~Fa     3DN
 3 (5)  ~~Fa∨Ga  4∨I
  6(6)       Ga  A
  6(7)  ~~Fa∨Ga  6∨I
1  (8)  ~~Fa∨Ga  23567∨E
1  (9)   ~Fa→Ga  8含意の定義
1  (ア)∀x(~Fx→Gx) 9UI
(ⅲ)
1  (1)∀x(~Fx→Gx) A
1  (2)   ~Fa→Ga  1UE
1  (3)  ~~Fa∨Ga  2含意の定義
 4 (4)  ~~Fa     A
 4 (5)    Fa     4DN
 4 (6)    Fa∨Ga  5∨I
  7(7)       Ga  A
  7(8)    Fa∨Ga  7∨I
1  (9)    Fa∨Ga  34678∨E
1  (ア) ∀x(Fx∨Gx) 9UI
従って、
(24)により、
(25)
② ∀x( Fx∨Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」は、「妥当」であって、その上、
③ ∀x(~Fx→Gx)├ ∀x( Fx∨Gx)
といふ「推論」も、「妥当」である。
従って、
(25)により、
(26)
② ∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(~Fx→Gx)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)「すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。」従って、
(ⅱ)「すべての整数は偶数でないならば、  奇数である。」
(〃)「すべての整数は奇数でないならば、  偶数である。」
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(27)
実際の数学(の世界)」であっても、
② ∀x(  Fx∨Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
③ ∀x(~Fx→Gx)≡すべての整数は偶数でないならば、  奇数である。
に於いて、
② は「真(本当)」あって、
③ は「真(本当)」である。
従って、
(22)(23)(26)(27)により、
(28)
実際の数学(の世界)」であれば、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)≡すべての整数は偶数であるか、または、すべての整数が奇数である。
② ∀x( Fx∨Gx)   ≡すべての整数は偶数であるか、または、奇数である。
③ ∀x(~Fx→Gx)   ≡すべての整数は偶数でないならば、  奇数である。
に於いて、
① は「(ウソ)」であって、
② は「(本当)」であって、
③ も「(本当)」であるものの、
述語論理」としては、
ならば、 であって、
ならば、 である。
令和03年03月19日、毛利太。

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