2019年9月3日火曜日

「選言導入の規則」は「少しも、不自然ではない」(其の?4)。

(01)
1  (1)  P      A
1  (2)  P∨Q    1選言導入
1  (3)  Q∨P    2交換法則
1  (4)~~Q∨P    3DN
1  (5) ~Q→P    4含意の定義
1  (6)  P∨~Q   1選言導入
1  (7) ~Q∨P    6交換法則
1  (8)  Q→P    7含意の定義
   (9) ~Q∨Q    9排中律
 ア (ア) ~Q      A
1ア (イ)    P    5アMPP
  ウ(ウ)    Q    A
1 ウ(エ)    P    8ウMPP
1  (オ)    P    9アイウエ∨E
1  (カ)(~Q∨Q)→P 9オCP
(02)
1  (1)  P      A
1  (2)  P∨Q    1選言導入
1  (3)  Q∨P    2交換法則
1  (4)~~Q∨P    3DN
1  (5) ~Q→P    4含意の定義
1  (6)  P∨~Q   1選言導入
1  (7) ~Q∨P    6交換法則
1  (8)  Q→P    7含意の定義
 9 (9) ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
 9 (ア) ~Q      9&E
19 (イ)    P    5アMPP
 9 (ウ)    Q    9&E
19 (エ)    P    8ウMPP
19 (オ)    P&P  イエ&I
19 (カ)    P    オ&E
1  (キ)(~Q&Q)→P 9カCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P├(~Q∨Q)→P
② P├(~Q&Q)→P
に於いて、すなはち、
① Pである。故に、(Qでない、Qである。)としても、Pである。
② Pである。故に、(Qでなく、Qである。)としても、Pである。
に於いて、
① は「妥当」であり、
② も「妥当」である。
然るに、
(04)
① P├(~Q∨Q)→P
② P├(~Q&Q)→P
に於いて、
①(~Q∨Q)は「排中律」であって、「排中律」は「常に、(本当)」であり、
②(~Q&Q)は「矛盾」 であって、「矛盾」 は「常に、(ウソ)」である。
然るに、
(05)
たとえば、前章の第5節で、A からの B&~B の証明が与えられるならば、RAA は残りの仮定(もしあるならば)から ~A を導出することを許す、と言われた。つぎに挙げるのは、この特徴をもつ証明の簡単な例である。
37 1(1)  ~Q&Q  A
    (2)~(~Q&Q) 11RAA
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、64・65頁改)
従って、
(02)(05)により、
(06)
1  (1)   P      A
1  (2)   P∨Q    1選言導入
1  (3)   Q∨P    2交換法則
1  (4) ~~Q∨P    3DN
1  (5)  ~Q→P    4含意の定義
1  (6)   P∨~Q   1選言導入
1  (7)  ~Q∨P    6交換法則
1  (8)   Q→P    7含意の定義
 9 (9)  ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
   (ア)~(~Q&Q)   99RAA
然るに、
(07)
(ⅰ)
1   (1) ~(~P& Q)  A
 2  (2) ~( P∨~Q)  A
  3 (3)    P      A
  3 (4)    P∨~Q   3選言導入
 23 (5) ~( P∨~Q)&
         ( P∨~Q)  24&I
 2  (6)   ~P      35RAA
   7(7)      ~Q   A
   7(8)    P∨~Q   7選言導入
 2 7(9) ~( P∨~Q)&
         ( P∨~Q)  28&I
 2  (ア)     ~~Q   79RAA
 2  (イ)       Q   アDN
 2  (ウ)   ~P& Q   6イ&I
12  (エ) ~(~P& Q)&
         (~P& Q)  1ウ&I
1   (オ)~~( P∨~Q)  2エRAA
1   (カ)  ( P∨~Q)  オDN
(ⅱ)
1   (1)    P∨~Q   A
 2  (2)   ~P& Q   A
  3 (3)    P      A
 2  (4)   ~P      2&E
 23 (5)    P&~P   34&I
  3 (6) ~(~P& Q)  25RAA
   7(7)      ~Q   A
 2  (8)       Q   2&E
 2 7(9)    ~Q&Q   78&I
   7(ア) ~(~P& Q)  29RAA
1   (イ) ~(~P& Q)  1367ア∨E
従って、
(07)により、
(08)
① ~(~P&Q)
②   P∨~Q 
に於いて、
①=② である。
cf.
ド・モルガンの法則。
従って、
(08)により、
(09)
① ~(~P&Q)
②   P∨~Q 
に於いて、
① P=Q
② P=Q
といふ「代入(replacement)」を行ふと、
① ~(~Q&Q)
①   Q∨~Q 
に於いて、
①=② である。
cf.
① は「矛盾律(law of contradiction)」。
② は「排中律(law of excluded middle)」。
従って、
(06)(09)により、
(10)
1    (1)   P      A
1    (2)   P∨Q    1選言導入
1    (3)   Q∨P    2交換法則
1    (4) ~~Q∨P    3DN
1    (5)  ~Q→P    4含意の定義
1    (6)   P∨~Q   1選言導入
1    (7)  ~Q∨P    6交換法則
1    (8)   Q→P    7含意の定義
 9   (9)  ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
     (ア)~(~Q&Q)   99RAA
     (イ)  Q∨~Q    ア、ド・モルガンの法則
  ウ  (ウ)  Q       A
1 ウ  (エ)     P    8ウMPP
   オ (オ)    ~Q    A
1  オ (カ)     P    5オMPP
1    (キ)     P    1イエオカ∨E
1    (ク)(Q∨~Q)→P  イキCP
    ケ(コ) ~Q∨Q     A
    ケ(サ) Q∨~Q     コ交換法則
1   ケ(シ)       P  クサMPP
1    (ス)(~Q∨Q)→P  コシCP
従って、
(02)(10)により、
(11)
1  (1)  P      A
1  (2)  P∨Q    1選言導入
1  (3)  Q∨P    2交換法則
1  (4)~~Q∨P    3DN
1  (5) ~Q→P    4含意の定義
1  (6)  P∨~Q   1選言導入
1  (7) ~Q∨P    6交換法則
1  (8)  Q→P    7含意の定義
 9 (9) ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
 9 (ア) ~Q      9&E
19 (イ)    P    5アMPP
 9 (ウ)    Q    9&E
19 (エ)    P    8ウMPP
19 (オ)    P&P  イエ&I
19 (カ)    P    オ&E
1  (キ)(~Q&Q)→P 9カCP
といふ「推論」は、
 9 (9) ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
 9 (ア) ~Q      9&E
19 (イ)    P    5アMPP
 9 (ウ)    Q    9&E
19 (エ)    P    8ウMPP
19 (オ)    P&P  イエ&I
19 (カ)    P    オ&E
1  (キ)(~Q&Q)→P 9カCP
といふ「8行」を、
 9   (9)  ~Q&Q    A(矛盾を仮定する)
     (ア)~(~Q&Q)   99RAA
     (イ)  Q∨~Q    ア、ド・モルガンの法則
  ウ  (ウ)  Q       A
1 ウ  (エ)     P    8ウMPP
   オ (オ)    ~Q    A
1  オ (カ)     P    5オMPP
1    (キ)     P    1イエオカ∨E
1    (ク)(Q∨~Q)→P  イキCP
    ケ(コ) ~Q∨Q     A
    ケ(サ) Q∨~Q     コ交換法則
1   ケ(シ)       P  クサMPP
1    (ス)(~Q∨Q)→P  コシCP
といふ「13行」に、「書き換へ」ることが、出来る
然るに、
(12)
 9   (9)  ~Q&Q    A
     (ア)~(~Q&Q)   99RAA
     (イ)  Q∨~Q    ア、ド・モルガンの法則
に於いて、
     (イ)  Q∨~Q    ア、ド・モルガンの法則
     (ア)~(~Q&Q)   99RAA
 9   (9)  ~Q&Q    A
といふ「」は無い
従って、
(03)(04)(11)(12)により、
(13)
① P├(~Q∨Q)→P
② P├(~Q&Q)→P
に於いて、
①=② ではない
従って、
(03)(13)により、
(14)
① P├(~Q∨Q)→P
② P├(~Q&Q)→P
に於いて、
②     (Q&Q)=(Qでなくて、Qである。)
といふ「矛盾」を「認めない」のであれば、
① Pである。故に、(Qでないか、Qである。)ならば、Pである。
② Pである。故に、(Qでなくて、Qである。)ならば、Pである。
に於いて、
① は「健全」であるが、
② は「健全」でない
といふ、ことになる。
従って、
(14)により、
(15)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
であるとして、
① P├(~Q∨Q)→P
といふ「連式(推論)」、すなはち、
① ソクラテスは人間である。故に、(豚がイギリス海峡上を編隊飛行していなくとも、編隊飛行していても、いづれにせよ)、ソクラテスは人間である。
といふ「連式(推論)」は、「健全」であるが、
② P├(~Q&Q)→P
といふ「連式(推論)」、すなはち、
② ソクラテスは人間である。故に、(豚がイギリス海峡上を編隊飛行していなくて尚且つ、編隊飛行しているならば)、ソクラテスは人間である。
といふ「連式(推論)」は、「健全」ではない
令和元年09月03日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿