2019年9月8日日曜日

「選言導入の規則」は「少しも不思議ではない」(其の?5)。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―
(01)
An example in English:
Socrates is a man.
Therefore, Socrates is a man or pigs are flying in formation over the English Channel.
― 中略、―
The disjunction introduction rule may be written in sequent notation:
 P├ P∨Q
(ウィキペディア:Disjunction introduction=選言導入
従って、
(01)により、
(02)
いづれにせよ、「選言導入の規則」により、
 P├ P∨Q
といふ「連式(推論)」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
(a)
1  (1)P   A
1  (2)P∨P 1選言導入
(b)
1  (1)P∨P A
 2 (2)P   A
  3(3)  P A
1  (4)P   12233∨E
従って、
(03)により、
(04)
「選言導入の規則」により、
P ┤├ P∨Q
に於いて、
P=Q ならば、そのときに限って、
Q ┤├ P∨Q
といふ「連式(推論)」は「妥当」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
「選言導入の規則」により、
① P   ├ P∨Q
② Q ┤├ P∨Q
に於いて、
① は、いづれにせよ、「妥当」であり、
P=Q ならば、そのときに限って、
② は、「妥当」である。
然るに、
(06)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
に於いて、
P=Q ではない
従って、
(05)(06)により、
(07)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
であるとして、
P  ├ P∨Q といふ「推論(連式)」は、「妥当」であるが、「逆向き」の、
Q ┤  P∨Q といふ「推論(連式)」は、「妥当」ではない
従って、
(07)により、
(08)
① ソクラテスは人間である。故に、ソクラテスは人間であるか、もしくは、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
② ソクラテスは人間であるか、もしくは、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。故に、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
に於いて、
① は「妥当」であるが、
② は「妥当」ではない
然るに、
(09)
① P├ P∨Q
② P∨Q├ Q
に於いて、
① は「妥当」であるが、
② は「妥当」ではない。といふことは、
Pではあっても、
Qであるかどうかは、「分らない」といふことを、意味してゐる。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ソクラテスは人間である。 故に、ソクラテスは人間であるか、もしくは、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
② ソクラテスは人間であるか、もしくは、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。故に、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
に於いて、
① は「妥当」であるが、
② は「妥当」ではない。といふことは、
① ソクラテスは人間であるが、
② 豚がイギリス海峡上を編隊飛行しているかどうかは、「分らない」といふことを、意味してゐる。
従って、
(10)により、
(11)
選言導入の規則」を用ひた、
① ソクラテスは人間である。 故に、ソクラテスは人間であるか、もしくは、豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
といふ「推論」は、実際には、
① ソクラテスは人間である。 故に、ソクラテスは人間であるが、     豚がイギリス海峡上を編隊飛行しているかどうかは、「分からない」。
といふ「意味」になる。
令和元年09月08日、毛利太。

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