2019年9月11日水曜日

「象は鼻が長い」の「述語論理式」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
(ⅰ)
1 (1)象は鼻長い。                               A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        A
1 (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         1UE
 3(3)   象a                                 A
13(4)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         23MPP
13(5)      ∃y(鼻ya&長y)                      4&E
1 (6)   象a→∃y(鼻ya&長y)                      35CP
1 (7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}                     6UI
13(8)                 ∀z(~鼻za→~長z)         4&E
1 (9)              象a→∀z(~鼻za→~長z)         38CP
1 (ア)           ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)         9UI
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 7ア&I
(ⅱ)
1 (1)象は鼻長い。象は鼻以外は長くない。                    A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 1
1 (2)∀x{象x→∃y( 鼻yx& 長y)}                   1&E
1 (3)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}                   1&E
1 (4)   象a→∃y( 鼻ya& 長y)}                   2UE
1 (5)   象a→∀z(~鼻zx→~長z)}                   3UE
 6(6)   象a                                 A
16(7)      ∃y( 鼻ya& 長y)                    46MPP
16(8)      ∀z(~鼻zx→~長z)                    56MPP
16(9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         78&I
1 (ア)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         69CP
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        アUI
従って、
(01)により、
(02)
は鼻長い。
は鼻は長い。は鼻以外は長くない。 
に於いて、すなはち、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長い。すべてのxについて、xが象であるならば、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)鼻が長くない。ならば、象ではなく、
(ⅱ)鼻以外が長い。ならば、象ではなく、
(ⅲ)その両方であれば、  象ではない。
然るに、
(04)
1     (1)象は鼻が長い。                         A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)馬の鼻は長くない。                       A
 2    (〃)∀x{馬x→∃y(鼻yx&~長y)}              A
  3   (3)ある馬は象である。                       A
  3   (〃)∃x(馬x&象x)                       A
  3   (〃)あるxは馬であって象である。                  A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   馬a→∃y(鼻ya&~長y)               A
   6  (6)   馬a&象a                        A
   6  (7)   馬a                           6&E
   6  (8)      象a                        6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
1  6  (ア)      ∃y(鼻ya& 長y)               9&E
    イ (イ)         鼻ya& 長b                A
    イ (ウ)              長b                イ&E
 2 6  (エ)      ∃y(鼻ya&~長y)               57MPP
     オ(オ)         鼻ba&~長b                A
     オ(カ)             ~長b                オ&E
    イオ(キ)              長b&~長b            ウカ&I
 2 6イ (ク)              長b&~長b            エオキEE
12 6  (ケ)              長b&~長b            アイクEE
12    (コ)~∃x(馬x&象x)                      3ケRAA
12    (サ)∀x~(馬x&象x)                      コ量化子の関係
12    (シ)  ~(馬a&象a)                      サUE
12    (ス)  ~馬a∨~象a                       シ、ド・モルガンの法則
12    (セ)   馬a→~象a                       ス含意の定義
12    (ソ)∀x(馬x→~象x)                      セUI
12    (〃)すべてのxについて、xが馬であるならば、xは象ではない。    セUI
12    (〃)馬は象ではない。                        セUI
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻長い。然るに、馬の鼻は長くない。故に、馬は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(06)
1     (1)象は鼻が長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)ある兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
1  6  (ア)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (イ)                    ~鼻ba→~長b   アUE
    エ (ウ)                          長b   A
    エ (エ)                        ~~長b   エDN
1  6エ (オ)                   ~~鼻ba       ウオMTT
1  6エ (カ)                     鼻ba       カDN
1  6  (キ)                     長b→ 鼻ba   エキCP
 2 6  (ク)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6  (ケ)      ∃y(耳ya&長y)               ケ&E
     コ(コ)         耳ba&長b                A
     コ(サ)         耳ba                   コ&E
     コ(シ)             長b                コ&E
1  6 コ(ス)                         鼻ba   キシMPP
 2 6  (セ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ク&E
 2 6  (ソ)                    耳ba→~鼻ba   セUE
12 6 コ(タ)                        ~鼻ba   サソMPP
12 6 コ(チ)                    鼻ba&~鼻ba   スタ&I
12 6  (ツ)                    鼻ba&~鼻ba   ケコEE
123   (テ)                    鼻ba&~鼻ba   36ツEE
12    (ト)~∃x(兎x&象x)                     3テRAA
12    (ナ)∀x~(兎x&象x)                     ト量化子の関係
12    (ニ)  ~(兎a&象a)                     ナUE
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                      ニ、ド・モルガンの法則
12    (ネ)   兎a→~象a                      ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                     ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ネUI
12    (〃)兎は象ではない。                       ネUI
従って、
(03)(06)により、
(07)
② 象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
令和元年09月11日、毛利太。

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