2019年9月1日日曜日

「選言導入の規則」は「少しも、不自然ではない」(其の?2)。

―「一昨日(令和元年8月30日)の記事」を書き直します。―
(01)
タルスキーは「真」のこのような意味論的な意味の定義として、
「雨が降っている」は真である=雨が降っている。
      「P」は真である=P
という公式を与える。
(沢田允茂 、代論理学入門、1962年、161頁改)
従って、
(01)により、
(02)
1 (1)P A
と書けば、それだけで、
    「P」は「」である。
然るに、
(03)
「P∨Q」に関しては、
「真∨真」であれば、「真」であり、
「真∨」であっても「」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
1 (1)P   A
1 (2)P∨Q 1選言導入
に於いて、
(ⅰ)P は  「真」であり、
(ⅱ)P∨Q も「真」であるが、
(ⅲ)  Q の「真偽」は「不明」である。
然るに、
(05)
例(選言導入
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変数 P,Qを、
P=今日は雨が降っている。
Q=今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
P├ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト:WIIS)
従って、
(04)(05)により、
(06)
1 (1)今日は雨が降っている。     A
1 (2)今日は雨が降っているか、寒い。 1選言導入
といふ「妥当な推論」に於いて、
     今日は雨が降っている。 は「真」であるが、
     今日は寒い。      の「真偽」は、「不明」である。
従って、
(07)
1 (1)今日は雨が降っている。     A
1 (2)今日は雨が降っているか、寒い。 1選言導入
といふ「妥当な推論」は、実際には、
1 (1)今日は雨が降っている。                 A
1 (2)今日は雨が降っているが、寒いかどうかは「分からない」。 1選言導入
といふ、「推論」に、「等しい」。
従って、
(08)
Socrates is a man. 故に、Socrates is a man or pigs are flying in formation over the English Channel.
といふ「妥当な推論」も、実際には、
ソクラテスは人間である。故に、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリス海峡上を編隊飛行しているかどうかは「分らない」。
といふ「推論」に「等しい」。
然るに、
(09)
1 (1) ~(~Q∨Q)  A
 2(2)   ~Q     A
 2(3)   ~Q∨Q   3選言導入
12(4) ~(~Q∨Q)&
       (~Q∨Q)  34&I
1 (5)  ~~Q     24RAA
1 (6)    Q     2DN 
1 (7)   ~Q∨Q   6選言導入
1 (8) ~(~Q∨Q)&
       (~Q∨Q)  1&6
  (9)~~(~Q∨Q)  18RAA
  (ア)   ~Q∨Q   9DN
  (〃)QでないかQである。排中律
然るに、
(10)
1  (1)  P      A
1  (2)  P∨Q    1選言導入
1  (3)  Q∨P    2交換法則
1  (4)~~Q∨P    3DN
1  (5) ~Q→P    4含意の定義
1  (6)  P∨~Q   1選言導入
1  (7) ~Q∨P    6交換法則
1  (8)  Q→P    7含意の定義
   (9) ~Q∨Q    9排中律
 ア (ア) ~Q      A
1ア (イ)    P    5アMPP
  ウ(ウ)    Q    A
1 ウ(エ)    P    8ウMPP
1  (オ)    P    9アイウエ∨E
1  (カ)(~Q∨Q)→P 9オCP
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
であるとして、
P├(~Q∨Q)→P
といふ「連式(推論)」、すなはち、
ソクラテスは人間である。故に、豚がイギリス海峡上を編隊飛行していなくとも、編隊飛行していても、ソクラテスは人間である。
といふ「連式(推論)」は、「健全」である。
令和元年09月01日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿