―「一昨日(令和元年8月30日)の記事」を書き直します。―
(01)
タルスキーは「真」のこのような意味論的な意味の定義として、
「雨が降っている」は真である=雨が降っている。
「P」は真である=P
という公式を与える。
(沢田允茂 、代論理学入門、1962年、161頁改)
従って、
(01)により、
(02)
1 (1)P A
と書けば、それだけで、
「P」は「真」である。
然るに、
(03)
「P∨Q」に関しては、
「真∨真」であれば、「真」であり、
「真∨偽」であっても「真」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
1 (1)P A
1 (2)P∨Q 1選言導入
に於いて、
(ⅰ)P は 「真」であり、
(ⅱ)P∨Q も「真」であるが、
(ⅲ) Q の「真偽」は「不明」である。
然るに、
(05)
例(選言導入)
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変数 P,Qを、
P=今日は雨が降っている。
Q=今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
P├ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト:WIIS)
従って、
(04)(05)により、
(06)
1 (1)今日は雨が降っている。 A
1 (2)今日は雨が降っているか、寒い。 1選言導入
といふ「妥当な推論」に於いて、
今日は雨が降っている。 は「真」であるが、
今日は寒い。 の「真偽」は、「不明」である。
従って、
(07)
1 (1)今日は雨が降っている。 A
1 (2)今日は雨が降っているか、寒い。 1選言導入
といふ「妥当な推論」は、実際には、
1 (1)今日は雨が降っている。 A
1 (2)今日は雨が降っているが、寒いかどうかは「分からない」。 1選言導入
といふ、「推論」に、「等しい」。
従って、
(08)
Socrates is a man. 故に、Socrates is a man or pigs are flying in formation over the English Channel.
といふ「妥当な推論」も、実際には、
ソクラテスは人間である。故に、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリス海峡上を編隊飛行しているかどうかは「分らない」。
といふ「推論」に「等しい」。
然るに、
(09)
1 (1) ~(~Q∨Q) A
2(2) ~Q A
2(3) ~Q∨Q 3選言導入
12(4) ~(~Q∨Q)&
(~Q∨Q) 34&I
1 (5) ~~Q 24RAA
1 (6) Q 2DN
1 (7) ~Q∨Q 6選言導入
1 (8) ~(~Q∨Q)&
(~Q∨Q) 1&6
(9)~~(~Q∨Q) 18RAA
(ア) ~Q∨Q 9DN
(〃)QでないかQである。排中律
然るに、
(10)
1 (1) P A
1 (2) P∨Q 1選言導入
1 (3) Q∨P 2交換法則
1 (4)~~Q∨P 3DN
1 (5) ~Q→P 4含意の定義
1 (6) P∨~Q 1選言導入
1 (7) ~Q∨P 6交換法則
1 (8) Q→P 7含意の定義
(9) ~Q∨Q 9排中律
ア (ア) ~Q A
1ア (イ) P 5アMPP
ウ(ウ) Q A
1 ウ(エ) P 8ウMPP
1 (オ) P 9アイウエ∨E
1 (カ)(~Q∨Q)→P 9オCP
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリス海峡上を編隊飛行している。
であるとして、
P├(~Q∨Q)→P
といふ「連式(推論)」、すなはち、
ソクラテスは人間である。故に、豚がイギリス海峡上を編隊飛行していなくとも、編隊飛行していても、ソクラテスは人間である。
といふ「連式(推論)」は、「健全」である。
令和元年09月01日、毛利太。
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