2019年9月26日木曜日

「述語論理」の『新しい規則』について。

(― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
私は理事長であって、理事長は私である。然るに、
倉田氏は私ではない。従って、
私は理事長であって倉田氏ではなく、倉田氏は理事長ではなく私ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(02) 
1    (1)∃x{私x&理事長x&∀y(理事長y→x=y)}  A
1    (〃)私は理事長であって、理事長は私である。       A
 2   (2)∃y(倉田y&~私y)               A
 2   (〃)倉田は私ではない。                 A
  3  (3)    私a&理事長a&∀y(理事長y→a=y)  A
  3  (4)    私a                    3&E
    3  (5)       理事長a               3&E
  3  (6)            ∀y(理事長y→a=y)  3&E
  3  (7)               理事長b→a=b   6UE
   8 (8)   倉田b&~私b                A
   8 (9)   倉田b                    8&E
   8 (ア)       ~私b                8&E
    イ(イ)       a=b                A
  3 イ(ウ)    私b                    4イ=E
  38イ(エ)    私b&~私b                アウ&I
  38 (オ)       a≠b                イエRAA
  38 (カ)   倉田b&a≠b                9オ&I
  38 (キ)  ~倉田a                     カであるため
  38 (ク)   理事長a&~倉田a              5キ&I
  38 (ケ)   私a&理事長a&~倉田a           4ク&I
  38 (コ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          ケEI
 23  (サ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          28コEE
12   (シ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          13サEE 
  38 (ス)              ~理事長b       7オMTT
  38 (セ)   倉田b&~理事長b              9ス&E
  38 (ソ)   倉田b&~理事長b&~私b          アセ&I
  38 (タ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         ソEI
 23  (チ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         28タEE
12   (ツ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         13チEE
12   (テ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)&∃y(倉田y&~理事長y&~私y)             シツ&I
12   (〃)あるxは私であって理事長であって倉田ではない。あるyは倉田であって理事長ではなく私ではない。 シツ&I
12   (〃)私は理事長であって倉田ではなく、倉田は理事長ではなく私ではない。               シツ&I
従って、
(01)(02)により、
(03)
今行った「述語計算(Predicate calculation)」が、「妥当」でないはずがない
然るに、
(04)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
     m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
     a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
     x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
     F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁改)
First,    I define a proper name as one of the marks
      'm','n',....
Secondly, I define an arbitrary name as one of the marks
          'a','b','c',....
Thirdly,  I define an individual variable as one of the marks
          'x','y','z',....
Fourthly, I define a predicate-letter as one of the marks
     'F','G','H',....
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,P138)
従って、
(04)により、
(05)
モハメッド」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「述語文字(predicate-letter)」として使ふことは、「認めれてはゐない」ため、「m=モハメッド」として、
練習問題1(c)
1    (1)∀x{駱x→∀y(馭y&優y→好xy)} A
 2   (2)∃x(駱x&~好xm)          A
  3  (3)馭m                   A
   4 (4)   優m                A
1    (5)   駱a→∀y(馭y&優y→好ay)  1UE
1    (6)   駱a→   馭m&優m→好am   1UE
    7(7)   駱a&~好am           A
    7(8)   駱a                7&E
1   7(9)         馭m&優m→好am   68MPP
  34 (ア)         馭m&優m       34&I
1 347(イ)               好am   9アMPP
    7(ウ)      ~好am           7&E
1 347(エ)      ~好am&好am       イウ&I
1 3 7(オ)  ~優m                 4エRAA
123  (カ)  ~優m                 27オEE
123  (〃)モハメッドは優しくない。         27オEE
と書くのが、「正しく」、
練習問題1(c)
1       (1)∀x{駱駝x→∀y(馭者y&優y→好xy)} A
 2      (2)∃x∃y(駱駝x&モハメッドy&~好xy)  A
  3     (3)  ∃y(駱駝a&モハメッドy&~好ay)  A
   4    (4)     駱駝a&モハメッドb&~好ab   A
   4    (5)     駱駝a               4&E
   4    (6)         モハメッドb        4&E
   4    (7)                ~好ab   4&E
    8   (8)  ∃y(モハメッドy&馭者y)       A
     9  (9)     モハメッドb&馭者b        A
     9  (ア)            馭者b        9&E
      イ (イ)  ∃y(モハメッドy&優y)        A
       ウ(ウ)     モハメッドb&優b         A
       ウ(エ)            優b         ウ&E
1       (オ)   駱駝a→∀y(馭者y&優y→好ay)  1UE
1  4    (カ)       ∀y(馭者y&優y→好ay)  5オMPP
1  4    (キ)          馭者b&優b→好ab   カUE
     9 ウ(ク)          馭者b&優b       アエ&I
1  4 9 ウ(ケ)                 好ab   キクMPP
1  4 9 ウ(コ)            ~好ab&好ab   7ケ&I
1  4 9  (サ)           ~優b         エコRAA
1  4 9  (シ)    モハメッドb&~優b         6サ&I
1  4 9  (ス) ∃y(モハメッドy&~優y)        シEI
1  48   (セ) ∃y(モハメッドy&~優y)        89スEE
1 3 8   (ソ) ∃y(モハメッドy&~優y)        34セEE
12  8   (タ) ∃y(モハメッドy&~優y)        12ソEE
12  8   (〃)あるyはモハメッドであってyは優しくない。  12ソEE
12  8   (〃)    モハメッドは優しくない。       12ソEE
と書くのは、「正しく」はない
従って、
(05)により、
(06)
   8 (8)   倉田b&~私b                A
   8 (9)   倉田b                    8&E
   8 (ア)       ~私b                8&E
のやうに、「倉田」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「倉田y(yは倉田である)」のやうな「述語文字(predicate-letter)」として用ひることは、「認めれてはゐない」し、ましてや、「」のやうな「人称代名詞(individual)」を、「~私b(bは私ではない)」と書くことも、「教科書的」には、「マチガイ」である。
然るに、
(07)
「日本語に即した文法の樹立を」を目指すわれわれは「日本語人称代名詞と呼ばれているものは、実は名詞だ」と宣言したい。どうしても区別したいなら「人称名詞」で十分だ。日本語の「人称代名詞」はこれからは「人称名詞」と呼ぼう。
(金谷武洋、日本語文法の謎を解く、2003年、40・41頁)
従って、
(07)により、
(08)
日本語の「私」は、「人称代名詞」ではなく、「単なる名詞」であるため、「私x&理事長x(xは私であって理事長である。)」といふ風に、「述語文字(predicate-letter)」、用ひてはならないとする「理由」はない。
然るに、
(09)
「私(individual)」を、「述語文字(predicate-letter)」として用ひても良いのであれば、「倉田」のやうな「固有名詞(proper name)」であっても、「述語文字(predicate-letter)」として、用ひても良いことになる。
然るに、
(10)
「大倉」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「述語文字(predicate-letter)」として、用ひてゐると、
1    (1)∃x( 私x& 理事長x)     A
1    (〃)私は理事長である。         A
 2   (2)∃y(大倉y&~理事長y)     A
 2   (〃)大倉氏は理事長ではない。      A
  3  (3)    私a& 理事長a      A
  3  (4)    私a            3&E
  3  (5)        理事長a      3&E
   6 (6)   大倉b&~理事長b      A
   6 (7)   大倉b            6&E
   6 (8)       ~理事長b      6&E
    9(9)   a=b            A
  3 9(ア)        理事長b      59=E
  369(イ)       ~理事長b&理事長b 89&I
  36 (ウ)   a≠b            9イRAA
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            エ[∵ 大倉が「固有名詞」で「bが大倉で、aがbでないならば、aは大倉ではない。」ただし、このやうな規則は、教科書には無い。]
  23  (カ)  ~大倉a            26オEE         
 23  (キ)   私a&~大倉a        4カ&I
 23  (ク)∃x(私x&~大倉x)       キEI
12   (ケ)∃x(私x&~大倉x)       13クEE
12   (〃)あるxは私であって、大倉ではない。 13クEE
12   (〃)私は大倉氏ではない。        13クEE
といふ風に、
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            エ[∵ 大倉が「固有名詞」で「bが大倉で、aがbでないならば、aは大倉ではない。」ただし、このやうな規則は、教科書には無い。]
といふ「事態」に、至ることになる。
従って、
(02)(06)(10)により、
(11)
(ⅰ)
私は理事長である。然るに、
倉田氏は理事長ではない。従って、
私は倉田氏ではない。
といふ「推論」や、
(ⅱ)
私は理事長であって、理事長は私である。然るに、
倉田氏は私ではない。従って、
私は理事長であって倉田氏ではなく、倉田氏は理事長ではなく私ではない。
といふ「推論」を行ふ際には、
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            ∵ エであるため。
といふ、「新しい規則」が、「必要」になる。
(12)
First,    I define a proper name as one of the marks
      'm','n',....
Secondly, I define an arbitrary name as one of the marks
          'a','b','c',....
Thirdly,  I define an individual variable as one of the marks
          'x','y','z',....
Fourthly, I define a predicate-letter as one of the marks
     'F','G','H',....
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,P138)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
     m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
     a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
     x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
     F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁改)
といふ「規則」に縛られず、「固有名詞や、人称名詞」を、「述語文字(predicate-letter)」として、使用したいがためである
令和元年09月26日、毛利太。

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