2020年9月14日月曜日

「象は鼻が長い。」の「述語論理」の「説明」。

―「先程(令和02年09月14日)の記事」を補足します。―
(01)
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(〃)兎は、鼻以外(耳)も長い
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)あるとすると、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)ではない
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)             長b                オ&E
12 6 オ(セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            エオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
然るに、
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふことは、要するに、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ、ことである。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。 とするならば、
(ⅰ)象は、鼻(と耳)が長い。
としても、「矛盾」しない
然るに、
(09)
(ⅰ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
といふのであれば、これだけでは、
(ⅱ)兎の鼻は、長いのか、長くないのか。
といふことに関しては、「不明」である。
従って、
(04)~(09)により、
(10)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(11)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
ではなく、
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
とするならば、
(ⅰ)象は鼻は長い。
となって、
(ⅰ)象は鼻は長い。
といふことは、
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
といふ、ことである。
然るに、
(04)(11)により、
(12)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
 2(2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
といふ「仮定」からは、
12(ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12(〃)兎は象でない
といふ「結論」を、得ることは、出来ない
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」ではない
従って、
(01)~(13)により、
(14)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」が、「日本語」として、「妥当」であると、するならば、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない
然るに、
(15)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない
令和02年09月14日、毛利太。

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