(01)
3 つぎの定理を証明せよ。
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁)
(02)
― 私による「解答」―
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、「定理(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「形」に、「展開」できる。
然るに、
(05)
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」は、
⑤ &E(連言除去)
⑥ &E(連言除去)
⑦ ∨E(選言除去)
⑧ 含意の定義(Df.→)
⑨ &I(連言導入)
により、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「型」に、「書き換へ」ことが出来る。
然るに、
(06)
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「式」は、
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}≡
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふことは、
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふことに、他ならない。
(08)
「E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁」でいふ所の『定理(theorem)』とは『恒真式(トートロジー)』に他ならない。
然るに、
(09)
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「同一律」は、『恒真式(トートロジー)』である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
といふ「計算」、並びに、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」により、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、『定理(恒真式)』である。
令和02年09月22日、毛利太。
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