(01)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、
1 (1)Pであるならば、Qである。と「仮定」し、
2 (2)Pであるならば、Qでない。と「仮定」し、その上、
3(3)Pである。 と「仮定」したところ、
1 3(4) Qである。となって、その上、
23(5) Qでない。となって、
123(6)Qであると、Qでない。とが、「同時に、真」になってしまったので、止むを得ず、
123 といふ「3つの仮定」の内の、取り敢へず、
3 を「除いて」、
12だけを「残して」、同時に、
(7)Pである。を、「否定」して、Pでない。とした。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「命題計算」は、「日常言語による推論」が、「ベース」にあるため、「自然演繹(natural deducation)」と言ふに、十分に、値する。
然るに、
(03)
Goo辞書
しんりち‐ひょう〔‐ヘウ〕【真理値表】 の解説
数学や論理学で、いくつかの命題を論理演算子で合成して新しい命題を作ったとき、もとの命題と合成された命題の真偽の関係を示す表。真理表。真偽表。
従って、
(02)(03)により、
(04)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、その一方で、【真理表】を用ひても、「(機械的に)証明」出来る。
然るに、
(01)~(04)により、
(05)
「日常言語」で、「自然に演繹」出来る「事柄」を、「(機械的に)証明」する「必要」は無い。
といふ「意味」では、この場合、【真理表】は、「不要」である。
然るに、
(06)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
証明のアウトライン。仮定により、「真理表テスト」のもとにおいて トートロージーであるような wffA を選ぶ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁改)
(07)
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
―「E.J.レモン、論理学初歩」には、「解答」が載ってゐないので、私による、証明。―
(a)P&Q├ P→Q
1(1) P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3)~P∨Q 1∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(b)~P&Q├ P→Q
1(1)~P&Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨Q 2∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(c)~P&~Q├ P→Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
(d)P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~Q 1&E
2(4) Q 2&E
12(5) ~Q&Q 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(e)~P&Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P&Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(f)~P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P& Q) 25RAA
(g)P&~Q├ P∨Q
1(1)P&~Q A
1(2)P 1&E
1(3)P∨Q 2∨I
(h)~P&Q├ P∨Q
1(1)~P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3) P∨Q 2∨I
(i)P&Q├ P⇔Q
(1) P&Q A
(2) Q 1&E
(3)~P∨Q 2∨I
(4) P→Q 3含意の定義
(5) P 1&E
(6)~Q∨P 5∨I
(7) Q→P 6含意の定義
(8)(P→Q)&
(Q→P) 47&I
(9) P⇔Q 8Df.⇔
(j)P&~Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P⇔ Q A
2(3) (P→ Q)&
(Q→ P) 2Df.⇔
2(4) P→ Q 3&E
1 (5) ~Q 1&E
12(6) ~P 45MTT
1 (7) P 1&E
12(8) ~P&P 67&I
1 (9)~(P⇔ Q) 28CP
(k)~P&Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P⇔Q A
2(3) (P→Q)&
(Q→P) 2Df.⇔
2(4) Q→P 3&E
1 (5) ~P 1&E
12(6) ~Q 45MTT
1 (7) Q 1&E
12(8) ~Q&Q 67&I
1 (9) ~(P⇔Q) 28RAA
(l)~P&~Q├ P⇔Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~Q 1&E
1(4) P→Q 2含意の定義
1(5) Q→P 3含意の定義
1(6)(P→Q)&
(Q→P) 45&I
1(7) P⇔Q 6Df.⇔
従って、
(06)(07)により、
(08)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」するためには、「命題計算」と、「真理表」の、両方を、「理解してゐる」必要が有る。
然るに、
(09)
真理表は習熟しやすいものなので、この節でのわれわれの取り扱いは手早くやれるだろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
然るに、
(10)
特に第2章の第4、第5節と、第4章第2節は、本書の他の部分よりも遥かに難しい。普通の読者はとばす(つまり早く読み通す)のが賢明であろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、序ⅱ)
従って、
(11)
幸いに、私自身は、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」してゐる、つもりでゐるものの、確かに、私自身の「経験」から言っても、
「①真理表」<「②命題計算」<「③メタ定理Ⅱ」
の「順」で、「左から右へ行く程、難しい」。
(12)
以下の証明はややこみあっている(The proof that follows is rather involved)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁)
といふくらひなので、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふことに関する「証明」は、「いくぶん、複雑である」。
令和02年09月19日、毛利太。
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