2020年9月20日日曜日

「量化子(quantifiers)の関係」。

(01)
①  ∀x( Fx)≡すべてのxはFである。
②  ∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。
③ ~∀x( Fx)≡すべてのxはFである。といふわけではない。
④ ~∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。といふわけではない。
⑤ ~∃x(~Fx)≡  あるxがFでない。といふことはない。
⑥ ~∃x( Fx)≡  あるxがFである。といふことはない。
⑦  ∃x(~Fx)≡  あるxはFでない。
⑧  ∃x( Fx)≡  あるxはFである。
に於いて、
①=⑤
②=⑥
③=⑦
④=⑧
であって、
①≠⑤
②≠⑥
③≠⑦
④≠⑧
ではない
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔  ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔  ∃x( Fx)
といふ「等式」は、すべて、「背理法(RAA)」によって、「証明」出来る。
然るに、
(03)
(a)xは男である( Fx)。
(b)xは女でない(~Fx)。
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
の場合は、
(ⅰ) ∀x( 男x)⇔ ~∃x(~男x)
(ⅱ) ∀x(~女x)⇔ ~∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅰ)=(ⅱ) であって、
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔  ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔  ∃x( Fx)
の場合も、
(ⅲ)~∀x( 男x)⇔  ∃x(~男x)
(ⅳ)~∀x(~女x)⇔  ∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔  ∃x(~Fx)
といふ「2通り」を、「証明」すれば、
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔  ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔  ∃x( Fx)
といふ「4通り」を、「証明」したことになる。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1  (1) ∀x( Fx)  A
1  (2)     Fa   1UE
 3 (3) ∃x(~Fx)  A
  4(4)    ~Fa   A
1 4(5) Fa&~Fa   34&I
  4(6)~∀x( Fx)  15RAA
 3 (7)~∀x( Fx)  346EE
13 (8) ∀x( Fx)&
      ~∀x( Fx)  17&I
1  (9)~∃x(~Fx)  38RAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x(~Fx)  A
 2 (2)    ~Fa   A
 2 (3) ∃x(~Fx)  2EI
12 (4)~∃x(~Fx)&
       ∃x(~Fx)  13&I
1  (5)   ~~Fa   24RAA
1  (6)     Fa   5DN
1  (7) ∀x( Fx)  6UI
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1  (1) ~∀x( Fx)  A
 2 (2) ~∃x(~Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
  3(4)  ∃x(~Fx)  3EI
 23(5) ~∃x(~Fx)&
        ∃x(~Fx)  24&I
 2 (6)    ~~Fa   35RAA
 2 (7)      Fa   6DN
 2 (8)  ∀x( Fx)  7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
        ∀x( Fx)  18&I
1  (ア)~~∃x(~Fx)  29RAA
1  (イ)  ∃x(~Fx)  アDN
(ⅳ)
1  (1) ∃x(~Fx) A
 2 (2)    ~Fa  A
  3(3) ∀x( Fx) A
  3(4)     Fa  1UE
 23(5) ~Fa&Fa  24&I
1 3(6) ~Fa&Fa  125EE
1  (7)~∀x( Fx) 36RAA
従って、
(08)により、
(09)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(07)(09)により、
(10)
(ⅰ) ∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔  ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)(10)により、
(11)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔  ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔  ∃x( Fx)
といふ「等式(量化子の関係)」が、成立する。
然るに、
(12)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3)  ∃x(Fx&~Fx) 2DN
 4(4)     Fa&~Fa  A
1 (5)     Fa&~Fa  344EE
  (6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
  (7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
  (8)   ~(Fa&~Fa) 7UE
  (9)    ~Fa∨ Fa  8ド・モルガンの法則
  (ア)     Fa→ Fa  9含意の定義
  (イ)  ∀x(Fx→ Fx) アUI
従って、
(12)により、
(13)
(ⅴ)∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「命題(同一律)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(ⅵ)
1(1)   Fa     A
 (2)   Fa→Fa  11CP
 (3)∀x(Fx→Fx) 2UI
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3)  ∃x(Fx&~Fx) 2DN
 4(4)     Fa&~Fa  A
1 (5)     Fa&~Fa  344EE
  (6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
  (7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
  (8)   ~(Fa&~Fa) 7UE
  (9)    ~Fa∨ Fa  8ド・モルガンの法則
  (ア)     Fa→ Fa  9含意の定義
  (イ)  ∀x(Fx→ Fx) アUI
といふ「計算」は、
(ⅵ)
1(1)   Fa     A
 (2)   Fa→Fa  11CP
 (3)∀x(Fx→Fx) 2UI
といふ「計算」で、「済ませる」ことが、出来る。
令和02年09月20日、毛利太。

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