2020年9月30日水曜日

∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)

(01)
{a,b,c}のみを含む、「3つの対象」から成る「世界」に於いて、
112
1  (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
 2 (2)∀x(Fx)        A
 2 (3)   Fa         2UE
 2 (4)   Fa∨Ga      3∨I
  5(5)       ∀x(Gx) A
  5(6)          Ga  5UE
  5(7)       Fa∨Ga  6∨I
1  (8)   Fa∨Ga      12457∨E
1  (9)∀x(Fx∨Gx)     8UI
といふ「計算」は、
1  (1)(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)   A
 2 (2)(Fa&Fb&Fc)              A
 2 (3) Fa                     2&E
 2 (4) Fa∨Ga                  3∨I
  5(5)           (Ga&Gb&Gc)   A
  5(6)            Ga          5&E
  5(7)            Fa∨Ga       6∨I
1  (8) Fa∨Ga                  12457∨E
1  (〃) Fb∨Gb                 (8と同じ。)
1  (〃) Fc∨Gc                 (8と同じ。)
1  (9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 888&I
といふ「計算」に、「等しい」。
然るに、
(02)
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
③(   Ga & Fb    & Fc   )
に於いて、
①と③ は、「同時に、になる」ことが、「可能」であるが、
②と③ は、「同時にになる」ことが、「 可能」である。
然るに、
(03)
{a,b,c}のみを含む、「3つの対象」から成る「世界」に於いて、
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「式」は、それぞれ、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
といふ「述語論理式」に、相当する。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(ⅰ)
1  (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
 2 (2)∀x(Fx)        A
 2 (3)   Fa         2UE
 2 (4)   Fa∨Ga      3∨I
  5(5)       ∀x(Gx) A
  5(6)          Ga  5UE
  5(7)       Fa∨Ga  6∨I
1  (8)   Fa∨Ga      12457∨E
1  (9)∀x(Fx∨Gx)     8UI
(ⅱ)
1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
1  (2)   Fa∨Ga      1UE
  ()   F         A
 3 (4)∀x(Fx)        UI
 3 (5)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 4∨I
  )      G      A
  6(7)   ∀x(Gx)     UI
  6(8)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
1  (9)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 13568∨E
に於いて、
(ⅰ)の「計算」は、「正しい」が、
(ⅱ)の「計算」は、「正しくない
然るに、
(06)
この場合には、連式を証明しようとする自然な試みをさしとめるのは UI に対する制限である、かくして、
1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
1  (2)   Fa∨Ga      1UE
  ()   F         A
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項 F を()の行に仮定する。しかし()は「」を含む故、ここで ∀x(Fx)を結論することをさしとめられる(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、156頁)。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
いづれにせよ、
1  (1)∀x(Fx∨Gx)     A
1  (2)   Fa∨Ga      1UE
 3 (3)   Fa         A
といふ「計算」は、「マチガイ」であるものの、何故、さうなのかと言ふと、
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
③(   Ga & Fb    & Fc   )
に於いて、
①と③ は、「同時に、になる」ことが、「可能」であるが、
②と③ は、「同時に、になる」ことが、「 可能」であるからである。
といふことになる。
(08)
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
② ∀x(遇x∨奇x)├ ∀x(遇x)∨∀x(奇x)
に於いて、
② を「逆の連式」とすると、
逆の連式」は妥当ではない。なぜならば、すべての正の整数は偶数であるか奇数であるが、すべての数が偶数ではなく、すべての数が奇数ではない。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、155頁改)
然るに、
(08)により、
(09)
さうであるならば、
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
の場合は、
①(すべての正の整数は偶数である)か、または、(すべての正の整数は奇数である)。故に、(すべての正の整数は偶数か奇数である。)
といふ「意味」になるものの、
①(すべての正の整数は偶数である)か、または、(すべての正の整数は奇数である)。
といふことはない
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
② ∀x(遇x∨奇x)├ ∀x(遇x)∨∀x(奇x)
といふ「連式」に対する、「E.J.レモンの例」は、「適切」であるとは、言へない
令和02年09月30F、毛利太。

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