(01)
1(1) P A
1(2)~Q∨P 1∨I
1(3) Q→P 2含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
① P├ P
② P├ ~Q∨P
③ P├ Q→P
といふ「連式(推論)」は、「正しい」。
従って、
(02)により、
(03)
P=阿部さんは日本人である。
Q=阿部さんは男性である。
とするならば、
① 阿部さんは日本人なので、阿部さんは日本人である。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、 阿部さんは日本人である。
といふ「連式(推論)」は、「正しい」。
然るに、
(04)
① 阿部さんは日本人なので、阿部さんは日本人である。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、 阿部さんは日本人である。
に於いて、
① については、明らかに、「正しく」、
② については、「昨日(令和元年08月29日)の記事」に書いた通りである。
然るに、
(05)
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、阿部さんは日本人である。
については、直ちには、「正しい」とは、思へない。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1) ~Q∨ P A
2 (2) Q&~P A
3 (3) ~Q A
2 (4) Q 2&E
23 (5) ~Q&Q 34&I
3 (6)~(Q&~P) 25RAA
7 (7) P A
2 (8) ~P 2&E
2 7 (9) P&~P 78&I
7 (ア)~(Q&~P) 29RAA
1 (イ)~(Q&~P) 1367ア
ウ (ウ) Q A
エ(エ) ~P A
ウエ(オ) Q&~P ウエ&I
1 ウエ(カ)~(Q&~P)&
(Q&~P) イオ&I
1 ウ (キ) ~~P エカRAA
1 ウ (ク) P キDN
1 (ケ) Q→ P ウクCP
(ⅲ)
1 (1) Q→P A
2 (2) ~(~Q∨P) A
3 (3) ~Q A
3 (4) ~Q∨P 3∨I
23 (5) ~(~Q∨P)&
(~Q∨P) 24&I
2 (6) ~~Q 3RAA
2 (7) Q 6DN
8(8) P A
8(9) ~Q∨P 8∨I
2 8(ア) ~(~Q∨P)&
(~Q∨P) 29&I
2 (イ) ~P 8アRAA
12 (ウ) P 17MPP
12 (エ) ~P&P イウ&I
1 (オ)~~(~Q∨P) 2エRAA
1 (カ) ~Q∨P オDN
従って、
(06)により、
(07)
② ~Q∨P
③ Q→P
に於いて、
② ならば、③ であり、
③ ならば、② である。
従って、
(07)により、
(08)
② ~Q∨P
③ Q→P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)(08)により、
(09)
① P├ P
② P├ ~Q∨P
③ P├ Q→P
に於いて、すなはち、
① 阿部さんは日本人なので、阿部さんは日本人である。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、 阿部さんは日本人である。
に於いて、
①と② が、「正しい」のであれば、③ も「正しい」と、せざるを得ないし、
①と② は、「正しい」。
然るに、
(10)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
1 (3) Q→P 2含意の定義
4 (4) Q A
14 (5) P 34MPP
14 (6) P&Q 45&I
1 (7) Q→(P&Q) 46CP
8(9) Q→~P A
8(ア)~Q∨~P 9含意の定義
8(イ)~P∨~Q ア交換法則
8(ウ) ~(P&Q) イ、ド・モルガンの法則
1 8(エ)~Q 7ウMTT
1 (オ)(Q→~P)→~Q 7エCP
従って、
(09)(10)により、
(11)
① P├ P
② P├ ~Q∨P
③ P├ Q→P
に於いて、すなはち、
① 阿部さんは日本人なので、阿部さんは日本人である。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、 阿部さんは日本人である。
に於いて、
① が「正しく」、
② も「正しく」、
③ も「正しい」のであれば、
④ P├ Q→(P&Q)
⑤ P├(Q→~P)→~Q
に於いて、すなはち、
④ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
⑤ 阿部さんは日本人なので(阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人でないのあれば)阿部さんは男性ではない。
に於いて、
④ は「正しく」、
⑤ も「正しい」。
然るに、
(12)
④ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に関しては、明らかに、「正しい」。
然るに、
(13)
⑤(阿部さんが男性であるならば、阿部さんは日本人でない。)にも拘らず、 阿部さんは日本人である。
とするならば、
⑤ 阿部さん、男性では、あり得ない。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ 阿部さんは日本人なので(阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人でないのあれば)阿部さんは男性ではない。
に関しても、明らかに、「正しい」。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① P├ P
② P├ ~Q∨P
③ P├ Q→P
④ P├ Q→(P&Q)
⑤ P├ (Q→~P)→~Q
に於いて、すなはち、
① 阿部さんは日本人なので、阿部さんは日本人である。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、 阿部さんは日本人である。
④ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
⑤ 阿部さんは日本人なので(阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人でないのあれば)阿部さんは男性ではない。
に於いて、「5つの連式(推論)」は、すべて、「正しい」。
従って、
(16)により、
(17)
③ P├ Q→P
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、阿部さんは日本人である。
といふ、「一見、非常識で、受け入れがたい連式(推論)」も、「論理学(的)」には、「正しい」と、せざるを得ない。
従って、
(18)
③ 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性ならば、阿部さんは日本人である。
といふ「連式(推論)」を、「是認」しないのであれば、
③ P├ Q→P
に於ける、「→」といふ「記号(演算子)」は、「日本語」で言ふ、「ならば」といふ「意味」ではない。
といふ、ことになる。
令和元年08月30日、毛利太。
2019年8月30日金曜日
2019年8月29日木曜日
「選言導入の規則」は「少しも、不自然ではない」(其の?)。
(01)
「今日は雨が降っている。 故に、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。」
「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは日本人であるか、阿部さんは男性でない。」
といふ「推論」を、我々は、普段、行はない。
然るに、
(02)
例(選言導入)
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変数 P,Qを、
P=今日は雨が降っている。
Q=今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
P ∴ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト:WIIS)
従って、
(01)(02)により、
(03)
「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。」
「今日は雨が降っている。 故に、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。」
といふ「選言導入」といふ「推論」を、我々は、普段、行はない。
然るに、
(04)
P=阿部は日本人である。
Q=阿部は男性である。
とするならば、
① P├ Q→(P&Q)
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① P├ Q→(P&Q)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
1 (3) Q→P 2含意の定義
4(4) Q A
14(5) P 34MPP
14(6) P&Q 45&I
1 (7)Q→(P&Q) 46CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
① P├ Q→(P&Q)
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
①=② であって、
① は、「命題計算(propositional calculus)」として「妥当」であって、
② は、「常識」として「正しい」。
然るに、
(03)により、
(07)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行」は、「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。」
といふ「推論(選言導入)」に、相当する。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である(選言導入)。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
① といふ「推論」が「正しくない」であれば、
② といふ「結論」も「正しくない」。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」からすれば、「Pが真であることは、確実である。」
然るに、
(10)
「∨」といふ「演算子」の「働き」により、
「~Q∨P」に於いて、「Pが真である」ならば、「~Qはが真であっても、真でなくとも」、
「~Q∨P」自体は、「必ず、真である。」
従って、
(09)(10)により、
(11)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」は、「Pは真であるが、~Qは真であるかも知れないし、真でないかも知れない。」
といふ、ことになる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」は、
① 阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である(選言導入)。
といふ「意味」ではなく、
② 阿部さんは日本人であるのだから、阿部さんは日本人の男性でないか、男性であるかの、どちらかである(選言導入)。
といふ「意味」に取るのが、「正しい」。
然るに、
(04)により、
(13)
② 阿部さんは日本人であるのだから、阿部さんは日本人の男性でないか、男性であるかの、どちらかである。
といふことは、
① P├ Q→(P&Q)
といふこと、すなはち、
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
といふことに、他ならず、それ故、
① P├ Q→(P&Q)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
1 (3) Q→P 2含意の定義
4(4) Q A
14(5) P 34MPP
14(6) P&Q 45&I
1 (7)Q→(P&Q) 46CP
といふ、「命題計算(propositional calculus)」は、「正しい」。
従って、
(02)(14)により、
(15)
① 今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
とするのではなく、
② 今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているが、寒いかどうかは分からない。
とするのが、「正しい」。
令和元年08月29日、毛利太。
「今日は雨が降っている。 故に、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。」
「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは日本人であるか、阿部さんは男性でない。」
といふ「推論」を、我々は、普段、行はない。
然るに、
(02)
例(選言導入)
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変数 P,Qを、
P=今日は雨が降っている。
Q=今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
P ∴ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト:WIIS)
従って、
(01)(02)により、
(03)
「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。」
「今日は雨が降っている。 故に、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。」
といふ「選言導入」といふ「推論」を、我々は、普段、行はない。
然るに、
(04)
P=阿部は日本人である。
Q=阿部は男性である。
とするならば、
① P├ Q→(P&Q)
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① P├ Q→(P&Q)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
1 (3) Q→P 2含意の定義
4(4) Q A
14(5) P 34MPP
14(6) P&Q 45&I
1 (7)Q→(P&Q) 46CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
① P├ Q→(P&Q)
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
①=② であって、
① は、「命題計算(propositional calculus)」として「妥当」であって、
② は、「常識」として「正しい」。
然るに、
(03)により、
(07)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行」は、「阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である。」
といふ「推論(選言導入)」に、相当する。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である(選言導入)。
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
に於いて、
① といふ「推論」が「正しくない」であれば、
② といふ「結論」も「正しくない」。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」からすれば、「Pが真であることは、確実である。」
然るに、
(10)
「∨」といふ「演算子」の「働き」により、
「~Q∨P」に於いて、「Pが真である」ならば、「~Qはが真であっても、真でなくとも」、
「~Q∨P」自体は、「必ず、真である。」
従って、
(09)(10)により、
(11)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」は、「Pは真であるが、~Qは真であるかも知れないし、真でないかも知れない。」
といふ、ことになる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
といふ「2行が意味する所」は、
① 阿部さんは日本人である。故に、阿部さんは男性でないか、阿部さんは日本人である(選言導入)。
といふ「意味」ではなく、
② 阿部さんは日本人であるのだから、阿部さんは日本人の男性でないか、男性であるかの、どちらかである(選言導入)。
といふ「意味」に取るのが、「正しい」。
然るに、
(04)により、
(13)
② 阿部さんは日本人であるのだから、阿部さんは日本人の男性でないか、男性であるかの、どちらかである。
といふことは、
① P├ Q→(P&Q)
といふこと、すなはち、
② 阿部さんは日本人なので、阿部さんが男性であるならば、阿部さんは、日本人であって、男性である。
といふことに、他ならず、それ故、
① P├ Q→(P&Q)
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨P 1∨I
1 (3) Q→P 2含意の定義
4(4) Q A
14(5) P 34MPP
14(6) P&Q 45&I
1 (7)Q→(P&Q) 46CP
といふ、「命題計算(propositional calculus)」は、「正しい」。
従って、
(02)(14)により、
(15)
① 今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
とするのではなく、
② 今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているが、寒いかどうかは分からない。
とするのが、「正しい」。
令和元年08月29日、毛利太。
2019年8月27日火曜日
「命題と集合の交換法則(Ⅱ)」の「具体例」。
(01)
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
②(東京都民か埼玉県民)
に於いて、
①=② である。
cf.
冪等律(idempotence)。
然るに、
(02)
②(東京都民か埼玉県民)
③(東京都民か 男性)
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(04)
① 東京都民=東京都民の男性と、東京都民の女性。
② 埼玉県民=埼玉県民の男性と、埼玉県民の女性。
であるため、
③(東京都民か 男性)の中には、
① 東京都民の男性は、含まれるし、
① 東京都民の女性は、含まれるし、
② 埼玉県民の男性も、含まれるが、
② 埼玉県民の女性は、含まれない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
ではなく、
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
であるならば、
② 埼玉県民の男性は、含まれるが、
② 埼玉県民の女性は、含まれない。
従って、
(05)により、
(06)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
④ 東京都民の男性と、東京都民の女性と、埼玉県民の男性。
に於いて、
③=④ である、
然るに、
(07)
⑤ 東京都民か(埼玉県民で男性)
⑥ 東京都民の男性と、東京都民の女性と、埼玉県民の男性。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
⑤ 東京都民か(埼玉県民で男性)
に於いて、
③=⑤ である。
従って、
(08)により、
(09)
「番号」を付け直すと、
① 東京都民か(埼玉県民で男性)
②(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)
「記号」で書くと、
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1) 東∨(埼∧男) A
2 (2) 東 A
2 (3) 東∨埼 2∨I
2 (4) 東∨男 2∨I
2 (5)(東∨埼)∧(東∨男) 23∧I
6(6) 埼∧男 A
6(7) 埼 6∧E
6(8) 男 6∧E
6(9) 東∨埼 7∨I
6(ア) 東∨男 8∨I
6(イ)(東∨埼)∧(東∨男) 9ア∧I
1 (ウ)(東∨埼)∧(東∨男) 1245イ∨E
(ⅱ)
1 (1) (東∨埼)∧(東∨男) A
1 (2) 東∨埼 1∧E
1 (3)~~東∨埼 2DN
1 (4) ~東→埼 3含意の定義
1 (5) 東∨男 1∧E
1 (6) ~~東∨男 5DN
1 (7) ~東→男 6含意の定義
2(8) ~東 A
12(9) 埼 48M東東
12(ア) 男 78M東東
12(イ) (埼∧男) 9ア∧I
1 (ウ) ~東→(埼∧男) 8イC東
1 (エ)~~東∨(埼∧男) ウ含意の定義
1 (オ) 東∨(埼∧男) エDN
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
に於いて、すなはち、
① その人は東京都民か(埼玉県民で男性)である。 ⇔ 東京都民か埼玉県人であるが、女性ではない。
② その人は(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か男性)である。⇔ 東京都民か埼玉県人であるが、女性ではない。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「命題計算(Propositional calculation)」としても、「正しい」。
然るに、
(13)
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
といふ「命題」に関する「式」は、
① 東∪(埼∩男)
②(東∪埼)∩(東∪男)
といふ「集合」に関する「式」に、相当する。
従って、
(13)により、
(14)
① A∪(B∩C)
②(A∪B)∩(A∪C)
に於いて、
①=② である。
とする、「集合」に関する「等式(分配法則)」も、「正しい」し、さらに言へば、
③ A∩(B∪C)
④(A∩B)∪(A∩C)
に於いて、
③=④ である。
とする、「集合」に関する「等式(分配法則)」も、「正しい」。
(15)
(ⅰ)
1 (1) A∪(B∩C) A
2 (2) A A
2 (3) A∪B 2選言導入
2 (4) A∪C 2選言導入
2 (5)(A∪B)∩(A∪C) 23連言導入
6(6) B∩C A
6(7) B 6連言除去
6(8) C 6連言除去
6(9) A∪B 7選言導入
6(ア) A∪C 8選言導入
6(イ)(A∪B)∩(A∪C) 9ア連言導入
1 (ウ)(A∪B)∩(A∪C) 1245イ選言除去
(ⅱ)
1 (1) (A∪B)∩(A∪C) A
1 (2) A∪B 1連言除去
1 (3)~~A∪B 2DN
1 (4) ~A→B 3含意の定義
1 (5) A∪C 1連言除去
1 (6) ~~A∪C 5DN
1 (7) ~A→C 6含意の定義
2(8) ~A A
12(9) B 48MPP
12(ア) C 78MPP
12(イ) (B∩C) 9ア連言導入
1 (ウ) ~A→(B∩C) 8イCP
1 (エ)~~A∪(B∩C) ウ含意の定義
1 (オ) A∪(B∩C) エDN
(ⅲ)
1 (1) A∩(B∪C) A
1 (2) A 1連言除去
1 (3) B∪C 1連言除去
4 (4) B A
14 (5) A∩B 24連言導入
14 (6)(A∩B)∪(A∩C) 5選言導入
7(7) C A
1 7(8) A∩C 27連言導入
1 7(9)(A∩B)∪(A∩C) 8選言導入
1 (ア)(A∩B)∪(A∩C) 34679選言除去
(ⅳ)
1 (1)(A∩B)∪(A∩C) A
2 (2)(A∩B) A
2 (3) A 2連言除去
2 (4) B 2連言除去
2 (5) B∪C 4選言導入
2 (6) A∩(B∪C) 35連言導入
7(7) (A∩C) A
7(8) A 7連言除去
7(9) C 7連言除去
7(ア) B∪C 9選言導入
7(イ) A∩(B∪C) 8ア連言導入
1 (ウ) A∩(B∪C) 1267イ選言除去
に於ける、
∪ は、∨ に相当し、
∩ は、∧ に相当する。
然るに、
(16)
A∪(B∩C)
と書けば、「集合」であって、
A∨(B∧C)
と書けば、「命題」であるが、「集合」と「命題」は、「同じ」ではない。
令和元年08月28日、毛利太。
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
②(東京都民か埼玉県民)
に於いて、
①=② である。
cf.
冪等律(idempotence)。
然るに、
(02)
②(東京都民か埼玉県民)
③(東京都民か 男性)
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(04)
① 東京都民=東京都民の男性と、東京都民の女性。
② 埼玉県民=埼玉県民の男性と、埼玉県民の女性。
であるため、
③(東京都民か 男性)の中には、
① 東京都民の男性は、含まれるし、
① 東京都民の女性は、含まれるし、
② 埼玉県民の男性も、含まれるが、
② 埼玉県民の女性は、含まれない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か埼玉県民)
ではなく、
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
であるならば、
② 埼玉県民の男性は、含まれるが、
② 埼玉県民の女性は、含まれない。
従って、
(05)により、
(06)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
④ 東京都民の男性と、東京都民の女性と、埼玉県民の男性。
に於いて、
③=④ である、
然るに、
(07)
⑤ 東京都民か(埼玉県民で男性)
⑥ 東京都民の男性と、東京都民の女性と、埼玉県民の男性。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
③(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
⑤ 東京都民か(埼玉県民で男性)
に於いて、
③=⑤ である。
従って、
(08)により、
(09)
「番号」を付け直すと、
① 東京都民か(埼玉県民で男性)
②(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か 男性)
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)
「記号」で書くと、
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1) 東∨(埼∧男) A
2 (2) 東 A
2 (3) 東∨埼 2∨I
2 (4) 東∨男 2∨I
2 (5)(東∨埼)∧(東∨男) 23∧I
6(6) 埼∧男 A
6(7) 埼 6∧E
6(8) 男 6∧E
6(9) 東∨埼 7∨I
6(ア) 東∨男 8∨I
6(イ)(東∨埼)∧(東∨男) 9ア∧I
1 (ウ)(東∨埼)∧(東∨男) 1245イ∨E
(ⅱ)
1 (1) (東∨埼)∧(東∨男) A
1 (2) 東∨埼 1∧E
1 (3)~~東∨埼 2DN
1 (4) ~東→埼 3含意の定義
1 (5) 東∨男 1∧E
1 (6) ~~東∨男 5DN
1 (7) ~東→男 6含意の定義
2(8) ~東 A
12(9) 埼 48M東東
12(ア) 男 78M東東
12(イ) (埼∧男) 9ア∧I
1 (ウ) ~東→(埼∧男) 8イC東
1 (エ)~~東∨(埼∧男) ウ含意の定義
1 (オ) 東∨(埼∧男) エDN
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
に於いて、すなはち、
① その人は東京都民か(埼玉県民で男性)である。 ⇔ 東京都民か埼玉県人であるが、女性ではない。
② その人は(東京都民か埼玉県民)で(東京都民か男性)である。⇔ 東京都民か埼玉県人であるが、女性ではない。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「命題計算(Propositional calculation)」としても、「正しい」。
然るに、
(13)
① 東∨(埼∧男)
②(東∨埼)∧(東∨男)
といふ「命題」に関する「式」は、
① 東∪(埼∩男)
②(東∪埼)∩(東∪男)
といふ「集合」に関する「式」に、相当する。
従って、
(13)により、
(14)
① A∪(B∩C)
②(A∪B)∩(A∪C)
に於いて、
①=② である。
とする、「集合」に関する「等式(分配法則)」も、「正しい」し、さらに言へば、
③ A∩(B∪C)
④(A∩B)∪(A∩C)
に於いて、
③=④ である。
とする、「集合」に関する「等式(分配法則)」も、「正しい」。
(15)
(ⅰ)
1 (1) A∪(B∩C) A
2 (2) A A
2 (3) A∪B 2選言導入
2 (4) A∪C 2選言導入
2 (5)(A∪B)∩(A∪C) 23連言導入
6(6) B∩C A
6(7) B 6連言除去
6(8) C 6連言除去
6(9) A∪B 7選言導入
6(ア) A∪C 8選言導入
6(イ)(A∪B)∩(A∪C) 9ア連言導入
1 (ウ)(A∪B)∩(A∪C) 1245イ選言除去
(ⅱ)
1 (1) (A∪B)∩(A∪C) A
1 (2) A∪B 1連言除去
1 (3)~~A∪B 2DN
1 (4) ~A→B 3含意の定義
1 (5) A∪C 1連言除去
1 (6) ~~A∪C 5DN
1 (7) ~A→C 6含意の定義
2(8) ~A A
12(9) B 48MPP
12(ア) C 78MPP
12(イ) (B∩C) 9ア連言導入
1 (ウ) ~A→(B∩C) 8イCP
1 (エ)~~A∪(B∩C) ウ含意の定義
1 (オ) A∪(B∩C) エDN
(ⅲ)
1 (1) A∩(B∪C) A
1 (2) A 1連言除去
1 (3) B∪C 1連言除去
4 (4) B A
14 (5) A∩B 24連言導入
14 (6)(A∩B)∪(A∩C) 5選言導入
7(7) C A
1 7(8) A∩C 27連言導入
1 7(9)(A∩B)∪(A∩C) 8選言導入
1 (ア)(A∩B)∪(A∩C) 34679選言除去
(ⅳ)
1 (1)(A∩B)∪(A∩C) A
2 (2)(A∩B) A
2 (3) A 2連言除去
2 (4) B 2連言除去
2 (5) B∪C 4選言導入
2 (6) A∩(B∪C) 35連言導入
7(7) (A∩C) A
7(8) A 7連言除去
7(9) C 7連言除去
7(ア) B∪C 9選言導入
7(イ) A∩(B∪C) 8ア連言導入
1 (ウ) A∩(B∪C) 1267イ選言除去
に於ける、
∪ は、∨ に相当し、
∩ は、∧ に相当する。
然るに、
(16)
A∪(B∩C)
と書けば、「集合」であって、
A∨(B∧C)
と書けば、「命題」であるが、「集合」と「命題」は、「同じ」ではない。
令和元年08月28日、毛利太。
2019年8月26日月曜日
「漢文訓読」と「英文訓読」と「括弧」。
(01)
① 我毎朝与友乗車行於職場。
② I go to work with my friend by car every morning.
然るに、
(02)
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
に於いて、
① 与( )⇒( )与
① 乗( )⇒( )乗
① 行〔 〕⇒〔 〕行
① 於( )⇒( )於
といふ「移動」を行ふと、
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕⇒
① 我毎朝(友)与(車)乗〔(職場)於〕行=
① 私は毎朝(友人)と(車に)乗り〔(職場)に〕行く。
然るに、
(03)
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
に於いて、
② go「 」⇒「 」go
② to《 》⇒「 」to
② work〈 〉⇒〈 〉work
② with{ }⇒{ }with
② my‐friend[ ]⇒[ ]my‐friend
② by〔 〕⇒〔 〕by
② car( )⇒( )car
② I 「《〈{[〔(every morning)car〕by]my‐friend}with〉work》to」go=
② 私は「《〈{[〔(毎朝)車〕で]友人}と〉職場》へ」行く。
然るに、
(04)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
然るに、
(05)
② car(every morning)
② my‐friend[by〔car(every morning)〕]
② work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉
に於いて、すなはち、
② 車(毎朝)
② 友人[車で毎朝]
② 仕事〈毎朝車で友人と〉
に於いて、
② (毎朝)
② [車で毎朝]
② 〈毎朝車で友人と〉
といふ「句」は、
② 車
② 友人
② 仕事
といふ「語」の、「補語(補足語)」ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
に於ける、
①( )( )〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 我毎朝与友乗車行於職場。
といふ「漢文」の「補足構造」を表してゐて、
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
に於ける、
②「 《 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ] } 〉 》 」
といふ「括弧」は、
② I go to work with my friend by car every morning.
といふ「英文」の「補足構造」を表してはゐない。
然るに、
(07)
② I go to work with my friend by car every morning.
に対する、
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning.
であるならば、「括弧」は、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(08)
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning.
の場合は、
② go〔 〕⇒〔 〕go
② to( )⇒( )to
② with( )⇒( )with
② by( )⇒( )by
といふ「移動」を行ったとしても、
② I go to work with my friend by car every morning=
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning⇒
② I 〔(work)to〕go(my friend)with(car)byevery morning=
② 私は 〔(仕事)へ〕行く(友人)と(車)で毎朝。
といふ「語順」なるため、「漢文」のやうに、
① 我毎朝与友乗車行於職場=
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕⇒
① 我毎朝(友)与(車)乗〔(職場)於〕行=
① 私は毎朝(友人)と(車に)乗り〔(職場)に〕行く。
といふ「語順」には、ならない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
例へば、
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
といふ場合がさうであるやうに、
②「英文を和文の語順に変換する際の、括弧の種類」は、
①「漢文を和文の語順に変換する際の、括弧の種類」よりも、「多くならざるを得ない」。
加へて、
(10)
例へば、
During the past seventy five years since Japan's closed doors were opened,the Japanese have been described in the most fantastic series of‘but also's’ever used for any nation of the world(ルース・ベネディクト、菊と刀、1946年).
がさうであるように、「英文は、センテンスが長くなる、傾向がある」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ During{the‐past‐seventy‐five‐years[since〔Japan's closed doors were(opened)〕},the Japanese have【been『described「in《the‐most‐fantastic‐series‐of‐‘but also's〈ever used{for[any nation〔of(the world)〕]}〉》」』】⇒
③{[〔Japan's closed doors(opened)were〕since]the‐past‐seventy‐five‐years}During,the Japanese【『「《〈ever{[〔(the world)of〕any‐nation]for}used〉the‐most‐fantastic‐series‐of‐‘but also's》in」described』been】have=
③{[〔日本の閉ざされたドアが(開か)れて〕から]過去‐七十‐五‐年}の間、日本人は【『「《〈嘗て{[〔(世界)の〕どの国民]に対して}使はれたよりも〉最も‐途方もない‐一連‐の‐「しかし一方では」の句》によって」描写』されて】来た。
等がさうであるように、「括弧を用ひて、英文を和文の語順に変換する」際には、「極めて、多くの括弧を、必要とする」。
令和元年08月26日、毛利太。
① 我毎朝与友乗車行於職場。
② I go to work with my friend by car every morning.
然るに、
(02)
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
に於いて、
① 与( )⇒( )与
① 乗( )⇒( )乗
① 行〔 〕⇒〔 〕行
① 於( )⇒( )於
といふ「移動」を行ふと、
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕⇒
① 我毎朝(友)与(車)乗〔(職場)於〕行=
① 私は毎朝(友人)と(車に)乗り〔(職場)に〕行く。
然るに、
(03)
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
に於いて、
② go「 」⇒「 」go
② to《 》⇒「 」to
② work〈 〉⇒〈 〉work
② with{ }⇒{ }with
② my‐friend[ ]⇒[ ]my‐friend
② by〔 〕⇒〔 〕by
② car( )⇒( )car
② I 「《〈{[〔(every morning)car〕by]my‐friend}with〉work》to」go=
② 私は「《〈{[〔(毎朝)車〕で]友人}と〉職場》へ」行く。
然るに、
(04)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
然るに、
(05)
② car(every morning)
② my‐friend[by〔car(every morning)〕]
② work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉
に於いて、すなはち、
② 車(毎朝)
② 友人[車で毎朝]
② 仕事〈毎朝車で友人と〉
に於いて、
② (毎朝)
② [車で毎朝]
② 〈毎朝車で友人と〉
といふ「句」は、
② 車
② 友人
② 仕事
といふ「語」の、「補語(補足語)」ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
に於ける、
①( )( )〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 我毎朝与友乗車行於職場。
といふ「漢文」の「補足構造」を表してゐて、
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
に於ける、
②「 《 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ] } 〉 》 」
といふ「括弧」は、
② I go to work with my friend by car every morning.
といふ「英文」の「補足構造」を表してはゐない。
然るに、
(07)
② I go to work with my friend by car every morning.
に対する、
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning.
であるならば、「括弧」は、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(08)
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning.
の場合は、
② go〔 〕⇒〔 〕go
② to( )⇒( )to
② with( )⇒( )with
② by( )⇒( )by
といふ「移動」を行ったとしても、
② I go to work with my friend by car every morning=
② I go〔to(work)〕with(my friend)by(car)every morning⇒
② I 〔(work)to〕go(my friend)with(car)byevery morning=
② 私は 〔(仕事)へ〕行く(友人)と(車)で毎朝。
といふ「語順」なるため、「漢文」のやうに、
① 我毎朝与友乗車行於職場=
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕⇒
① 我毎朝(友)与(車)乗〔(職場)於〕行=
① 私は毎朝(友人)と(車に)乗り〔(職場)に〕行く。
といふ「語順」には、ならない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
例へば、
① 我毎朝与(友)乗(車)行〔於(職場)〕。
② I go「to《work〈with{my‐friend[by〔car(every morning)〕]}〉》」.
といふ場合がさうであるやうに、
②「英文を和文の語順に変換する際の、括弧の種類」は、
①「漢文を和文の語順に変換する際の、括弧の種類」よりも、「多くならざるを得ない」。
加へて、
(10)
例へば、
During the past seventy five years since Japan's closed doors were opened,the Japanese have been described in the most fantastic series of‘but also's’ever used for any nation of the world(ルース・ベネディクト、菊と刀、1946年).
がさうであるように、「英文は、センテンスが長くなる、傾向がある」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ During{the‐past‐seventy‐five‐years[since〔Japan's closed doors were(opened)〕},the Japanese have【been『described「in《the‐most‐fantastic‐series‐of‐‘but also's〈ever used{for[any nation〔of(the world)〕]}〉》」』】⇒
③{[〔Japan's closed doors(opened)were〕since]the‐past‐seventy‐five‐years}During,the Japanese【『「《〈ever{[〔(the world)of〕any‐nation]for}used〉the‐most‐fantastic‐series‐of‐‘but also's》in」described』been】have=
③{[〔日本の閉ざされたドアが(開か)れて〕から]過去‐七十‐五‐年}の間、日本人は【『「《〈嘗て{[〔(世界)の〕どの国民]に対して}使はれたよりも〉最も‐途方もない‐一連‐の‐「しかし一方では」の句》によって」描写』されて】来た。
等がさうであるように、「括弧を用ひて、英文を和文の語順に変換する」際には、「極めて、多くの括弧を、必要とする」。
令和元年08月26日、毛利太。
2019年8月24日土曜日
「交換法則(Ⅰ)」の「具体例」。
―「先ほどの記事」を補足します。―
(01)
(ⅰ)
1 (1) 男&(東∨埼) A
1 (2) 男 1&E
1 (3) 東∨埼 1&E
4 (4) 東 A
14 (5) 男&東 24&I
14 (6)(男&東)∨(男&埼) 5∨I
7(7) 埼 A
1 7(8) 男&埼 27&I
1 7(9)(男&東)∨(男&埼) 8∨I
1 (ア)(男&東)∨(男&埼) 34679∨E
(ⅱ)
1 (1)(男&東)∨(男&埼) A
2 (2)(男&東) A
2 (3) 男 2&E
2 (4) 東 2&E
2 (5) 東∨埼 4∨I
2 (6) 男&(東∨埼) 35&I
7(7) (男&埼) A
7(8) 男 7&E
7(9) 埼 7&E
7(ア) 東∨埼 9∨I
7(イ) 男&(東∨埼) 8ア&I
1 (ウ) 男&(東∨埼) 1267イ∨E
(ⅲ)
1 (1) (男&東)∨(男&埼) A
1 (2)~~(男&東)∨(男&埼) 1DN
1 (3) ~(男&東)→(男&埼) 2含意の定義
1 (4) (男&埼)∨(男&東) 1交換法則
1 (5)~~(男&埼)∨(男&東) 4DN
1 (6) ~(男&埼)→(男&東) 5含意の定義
(ⅳ)
1 (1) ~(男&東)→(男&埼) A
1 (2)~~(男&東)∨(男&埼) 1含意の定義
1 (3) (男&東)∨(男&埼) 2DN
1 (4) (男&埼)∨(男&東) 3交換法則
従って、
(01)により、
(02)
① 男&(東∨埼)
② (男&東)∨(男&埼)
③ ~(男&東)→(男&埼)
④ ~(男&埼)→(男&東)
に於いて、すなはち、
① その人は男性で(東京都民か埼玉県民である)。
②(その人は男性で東京都民である)か(その人は男性で埼玉県民である)。
③(その人が男性で東京都民でない)ならば(その人は男性で埼玉県人である)。
④(その人が男性で埼玉県民でない)ならば(その人は男性で東京都民である)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(03)
① 男&(東∨埼)
②(男&東)∨(男&埼)
といふ「命題」に関する「式」は、
① 男∩(東∪埼)
②(男∩東)∪(男∩埼)
といふ「集合」に関する「式」に、相当する。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① その人は男性で(東京都民か埼玉県民である)。
②(その人は男性で東京都民である)か(その人は男性で埼玉県民である)。
③(その人が男性で東京都民でない)ならば(その人は男性で埼玉県人である)。
④(その人が男性で埼玉県民でない)ならば(その人は男性で東京都民である)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
といふことが、「理解」出来るのであれば、
① 男∩(東∪埼)
②(男∩東)∪(男∩埼)
に於いて、
①=② である。
といふことを、「理解」してゐる。
といふ、ことになる。
令和元年08月24日、毛利太。
(01)
(ⅰ)
1 (1) 男&(東∨埼) A
1 (2) 男 1&E
1 (3) 東∨埼 1&E
4 (4) 東 A
14 (5) 男&東 24&I
14 (6)(男&東)∨(男&埼) 5∨I
7(7) 埼 A
1 7(8) 男&埼 27&I
1 7(9)(男&東)∨(男&埼) 8∨I
1 (ア)(男&東)∨(男&埼) 34679∨E
(ⅱ)
1 (1)(男&東)∨(男&埼) A
2 (2)(男&東) A
2 (3) 男 2&E
2 (4) 東 2&E
2 (5) 東∨埼 4∨I
2 (6) 男&(東∨埼) 35&I
7(7) (男&埼) A
7(8) 男 7&E
7(9) 埼 7&E
7(ア) 東∨埼 9∨I
7(イ) 男&(東∨埼) 8ア&I
1 (ウ) 男&(東∨埼) 1267イ∨E
(ⅲ)
1 (1) (男&東)∨(男&埼) A
1 (2)~~(男&東)∨(男&埼) 1DN
1 (3) ~(男&東)→(男&埼) 2含意の定義
1 (4) (男&埼)∨(男&東) 1交換法則
1 (5)~~(男&埼)∨(男&東) 4DN
1 (6) ~(男&埼)→(男&東) 5含意の定義
(ⅳ)
1 (1) ~(男&東)→(男&埼) A
1 (2)~~(男&東)∨(男&埼) 1含意の定義
1 (3) (男&東)∨(男&埼) 2DN
1 (4) (男&埼)∨(男&東) 3交換法則
従って、
(01)により、
(02)
① 男&(東∨埼)
② (男&東)∨(男&埼)
③ ~(男&東)→(男&埼)
④ ~(男&埼)→(男&東)
に於いて、すなはち、
① その人は男性で(東京都民か埼玉県民である)。
②(その人は男性で東京都民である)か(その人は男性で埼玉県民である)。
③(その人が男性で東京都民でない)ならば(その人は男性で埼玉県人である)。
④(その人が男性で埼玉県民でない)ならば(その人は男性で東京都民である)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(03)
① 男&(東∨埼)
②(男&東)∨(男&埼)
といふ「命題」に関する「式」は、
① 男∩(東∪埼)
②(男∩東)∪(男∩埼)
といふ「集合」に関する「式」に、相当する。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① その人は男性で(東京都民か埼玉県民である)。
②(その人は男性で東京都民である)か(その人は男性で埼玉県民である)。
③(その人が男性で東京都民でない)ならば(その人は男性で埼玉県人である)。
④(その人が男性で埼玉県民でない)ならば(その人は男性で東京都民である)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
といふことが、「理解」出来るのであれば、
① 男∩(東∪埼)
②(男∩東)∪(男∩埼)
に於いて、
①=② である。
といふことを、「理解」してゐる。
といふ、ことになる。
令和元年08月24日、毛利太。
「分配法則」と「括弧(句読点)」。
(01)
(ⅰ)
1 (1) P&(Q∨R) A
1 (2) P 1&E
1 (3) Q∨R 1&E
4 (4) Q A
14 (5) P&Q 24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
7(7) R A
1 7(8) P&R 27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1 (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679∨E
(ⅱ)
1 (1)(P&Q)∨(P&R) A
2 (2)(P&Q) A
2 (3) P 2&E
2 (4) Q 2&E
2 (5) Q∨R 4∨I
2 (6) P&(Q∨R) 35&I
7(7) (P&R) A
7(8) P 7&E
7(9) R 7&E
7(ア) Q∨R 9∨I
7(イ) P&(Q∨R) 8ア&I
1 (ウ) P&(Q∨R) 1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
に於いて、
①=② である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅰ)
(03)
(ⅲ)
1 (1)(P&Q)∨R A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
2 (4) P∨R 3∨I
2 (5) Q 2&E
2 (6) Q∨R 5∨I
2 (7)(P∨R)&(Q∨R) 45&I
8(8) R A
8(9) P∨R 8∨I
8(ア) Q∨R 8∨I
8(イ)(P∨R)&(Q∨R) 9ア&I
1 (ウ)(P∨R)&(Q∨R) 1278イ∨E
(ⅳ)
1 (1) (P∨R)&(Q∨R) A
1 (2) P∨R 1&E
1 (3) R∨P 2交換法則
1 (4) ~~R∨P 3DN
1 (5) ~R→P 4含意の定義
1 (6) Q∨R 1&E
1 (7) R∨Q 6交換法則
1 (8) ~~R∨Q 7DN
1 (9) ~R→Q 8含意の定義
ア(ア) ~R A
1ア(イ) P 5アMPP
1ア(ウ) Q 9アMPP
1ア(エ) P&Q イウ&I
1 (オ) ~R→(P&Q) アエCP
1 (カ)~~R∨(P&Q) オ含意の定義
1 (キ) R∨(P&Q) カDN
1 (ク) (P&Q)∨R キ交換法則
従って、
(03)により、
(04)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
③=④ である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅱ)
従って、
(02)(04)により、
(05)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(06)
②(P&Q)∨(P&R)
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
②(偽&Q)∨(偽&真)=(偽∨偽)=偽
④(偽∨真)&(Q∨真)=(真&真)=真
従って、
(05)(06)により、
(07)
① P&(Q∨R)
③(P&Q)∨R
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(07)により、
(08)
例へば、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)=東京都民の男性か、埼玉県民の男性。
③(男性で東京都民)か埼玉県民 =東京都民の男性か、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(09)
① 男性で、東京都民か埼玉県民=東京都民の男性か、埼玉県民の男性。
③ 男性で東京都民か、埼玉県民=東京都民の男性か、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 男性で(東京都民か埼玉県民)=男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民 =男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(10)により、
(11)
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
⑪ 男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民
⑬ 男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
① ならば、そのときに限って、⑪ であり、
③ ならば、そのときに限って、⑬ である。
然るに、
(12)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
⑪ 男性の、東京都民か埼玉県民。
であるか、
⑬ 男性の東京都民か、埼玉県民(の男性と女性)。
であるかの、いづれかである。
従って、
(11)(12)により、
(13)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
であるか、
③(男性で東京都民)か埼玉県民
であるかの、いづれかである。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
といふ「日本語」には、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
③(男性で東京都民)か埼玉県民
といふ「括弧」が、無ければならない。
令和元年08月24日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) P&(Q∨R) A
1 (2) P 1&E
1 (3) Q∨R 1&E
4 (4) Q A
14 (5) P&Q 24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
7(7) R A
1 7(8) P&R 27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1 (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679∨E
(ⅱ)
1 (1)(P&Q)∨(P&R) A
2 (2)(P&Q) A
2 (3) P 2&E
2 (4) Q 2&E
2 (5) Q∨R 4∨I
2 (6) P&(Q∨R) 35&I
7(7) (P&R) A
7(8) P 7&E
7(9) R 7&E
7(ア) Q∨R 9∨I
7(イ) P&(Q∨R) 8ア&I
1 (ウ) P&(Q∨R) 1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
に於いて、
①=② である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅰ)
(03)
(ⅲ)
1 (1)(P&Q)∨R A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
2 (4) P∨R 3∨I
2 (5) Q 2&E
2 (6) Q∨R 5∨I
2 (7)(P∨R)&(Q∨R) 45&I
8(8) R A
8(9) P∨R 8∨I
8(ア) Q∨R 8∨I
8(イ)(P∨R)&(Q∨R) 9ア&I
1 (ウ)(P∨R)&(Q∨R) 1278イ∨E
(ⅳ)
1 (1) (P∨R)&(Q∨R) A
1 (2) P∨R 1&E
1 (3) R∨P 2交換法則
1 (4) ~~R∨P 3DN
1 (5) ~R→P 4含意の定義
1 (6) Q∨R 1&E
1 (7) R∨Q 6交換法則
1 (8) ~~R∨Q 7DN
1 (9) ~R→Q 8含意の定義
ア(ア) ~R A
1ア(イ) P 5アMPP
1ア(ウ) Q 9アMPP
1ア(エ) P&Q イウ&I
1 (オ) ~R→(P&Q) アエCP
1 (カ)~~R∨(P&Q) オ含意の定義
1 (キ) R∨(P&Q) カDN
1 (ク) (P&Q)∨R キ交換法則
従って、
(03)により、
(04)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
③=④ である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅱ)
従って、
(02)(04)により、
(05)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(06)
②(P&Q)∨(P&R)
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
②(偽&Q)∨(偽&真)=(偽∨偽)=偽
④(偽∨真)&(Q∨真)=(真&真)=真
従って、
(05)(06)により、
(07)
① P&(Q∨R)
③(P&Q)∨R
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(07)により、
(08)
例へば、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)=東京都民の男性か、埼玉県民の男性。
③(男性で東京都民)か埼玉県民 =東京都民の男性か、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(09)
① 男性で、東京都民か埼玉県民=東京都民の男性か、埼玉県民の男性。
③ 男性で東京都民か、埼玉県民=東京都民の男性か、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 男性で(東京都民か埼玉県民)=男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民 =男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(10)により、
(11)
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
⑪ 男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民
⑬ 男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
① ならば、そのときに限って、⑪ であり、
③ ならば、そのときに限って、⑬ である。
然るに、
(12)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
⑪ 男性の、東京都民か埼玉県民。
であるか、
⑬ 男性の東京都民か、埼玉県民(の男性と女性)。
であるかの、いづれかである。
従って、
(11)(12)により、
(13)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
であるか、
③(男性で東京都民)か埼玉県民
であるかの、いづれかである。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
といふ「日本語」には、
① 男性で(東京都民か埼玉県民)
③(男性で東京都民)か埼玉県民
といふ「括弧」が、無ければならない。
令和元年08月24日、毛利太。
2019年8月22日木曜日
「論理式」にも「漢文」にも「括弧」は有ります。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ~P& Q A
2 (2) P∨~Q A
1 (3) ~P 1&E
4 (4) P A
1 4 (5) ~P& P 34&I
4 (6)~(~P& Q) 15RAA
1 (7) Q 1&E
8(8) ~Q A
1 8(9) Q&~Q 78&I
8(ア)~(~P& Q) 19RAA
2 (イ)~(~P& Q) 2467ア∨E
12 (ウ) (~P& Q)&
~(~P& Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨~Q) 2ウRAA
(ⅱ)
1 (1) ~(P∨~Q) A
2 (2) P A
2 (3) P∨~Q 2∨I
12 (4) ~(P∨~Q)&
(P∨~Q) 13&I
1 (5) ~P 24RAA
6 (6) ~Q A
6 (7) P∨~Q 6∨I
1 6 (8) ~(P∨~Q)&
(P∨~Q) 17&I
1 (9) ~~Q 6RAA
1 (ア) Q 9DN
1 (イ) ~P& Q 5ア&I
従って、
(01)により、
(02)
① ~P& Q
② ~(P∨~Q)
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅲ)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 29&I
2 (イ) ~~Q 8RAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (オ) ~( P& Q)&
( P& Q) 1エ&I
1 (カ)~~(~P∨~Q) 2オRAA
1 (キ) ~P∨~Q カDN
(ⅳ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78&I
7(ア)~(P& Q) 29RAA
1 (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
従って、
(03)により、
(04)
③ ~(P& Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① ~P& Q
② ~(P∨~Q)
③ ~(P& Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
cf.
ド・モルガンの法則
然るに、
(06)
②{~(真∨~偽)=~(真∨真)=~真}=偽
④{(~真∨~偽)= (偽∨真)= 真}=真
従って、
(05)(06)により、
(07)
② ~(P∨~Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
②=④ ではない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(09)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)。
従って、
(09)により、
(10)
① ~(P)&Q
③ ~(P & Q)
であるならば、
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない。といふことは、
① ~(P)&Q
③ ~(P & Q)
といふことに、他ならない。
従って、
(11)により、
(12)
① ~(P)&Q
に於ける、
① ( ) を「省略」した「形」が、
① ~P&Q
である。といふ、ことになる。
然るに、
(13)
① ~(P)&Q
② ~(P & Q)
といふ「2通り」を、
① 不(P)而Q
② 不(P 而 Q)
とする。
(14)
P=有祝魲鮀之佞
Q=有宋朝之美
とする。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 不(P)而Q
② 不(P 而 Q)
に於いて、
①=② ではないが故に、
① 不(有祝魲鮀之佞)而有宋朝之美。
② 不(有祝魲鮀之佞 而 有宋朝之美)。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(16)
「論理式」に、「括弧」はあるが、
「 漢文 」に、「括弧」はない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
② 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(15)(17)により、
(18)
「漢文」の場合は、「括弧」を書かないが故に、
① 不P而Q。
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(19)
実は、どちらも意味が通じるのである。
① の方は、古注といって、伝統的な解釈であるが、
② の方は、新注といって、朱熹(朱子)の解釈なのである。「返り点」をつけると、
① 不レ有二祝魲鮀之佞一而有二宋朝之美一。
② 不下有二祝魲鮀之佞一而有中宋朝之美上。
このように「不」が頭にきてるときは、どこまでかかるのか、ということをじっくりとと押さえてみることだ。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、326頁改)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
「返り点」を用ひない「漢文」の場合は、「括弧」が無いが故に、
① 不P而Q。
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない。
といふことは、朱熹(朱子)も、「そのやうに、意識してゐた」といふ、ことになる。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① 不P而Q。
と書かれてゐても、
① 不(P)而Q。
であるとするが、「古注」であって、
② 不P而Q。
と書かれてゐても、
② 不(P 而 Q)。
であるとするのが、「新注」である。
といふ、ことになる。
令和元年08月22日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) ~P& Q A
2 (2) P∨~Q A
1 (3) ~P 1&E
4 (4) P A
1 4 (5) ~P& P 34&I
4 (6)~(~P& Q) 15RAA
1 (7) Q 1&E
8(8) ~Q A
1 8(9) Q&~Q 78&I
8(ア)~(~P& Q) 19RAA
2 (イ)~(~P& Q) 2467ア∨E
12 (ウ) (~P& Q)&
~(~P& Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨~Q) 2ウRAA
(ⅱ)
1 (1) ~(P∨~Q) A
2 (2) P A
2 (3) P∨~Q 2∨I
12 (4) ~(P∨~Q)&
(P∨~Q) 13&I
1 (5) ~P 24RAA
6 (6) ~Q A
6 (7) P∨~Q 6∨I
1 6 (8) ~(P∨~Q)&
(P∨~Q) 17&I
1 (9) ~~Q 6RAA
1 (ア) Q 9DN
1 (イ) ~P& Q 5ア&I
従って、
(01)により、
(02)
① ~P& Q
② ~(P∨~Q)
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅲ)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 29&I
2 (イ) ~~Q 8RAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (オ) ~( P& Q)&
( P& Q) 1エ&I
1 (カ)~~(~P∨~Q) 2オRAA
1 (キ) ~P∨~Q カDN
(ⅳ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78&I
7(ア)~(P& Q) 29RAA
1 (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
従って、
(03)により、
(04)
③ ~(P& Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① ~P& Q
② ~(P∨~Q)
③ ~(P& Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
cf.
ド・モルガンの法則
然るに、
(06)
②{~(真∨~偽)=~(真∨真)=~真}=偽
④{(~真∨~偽)= (偽∨真)= 真}=真
従って、
(05)(06)により、
(07)
② ~(P∨~Q)
④ ~P∨~Q
に於いて、
②=④ ではない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(09)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)。
従って、
(09)により、
(10)
① ~(P)&Q
③ ~(P & Q)
であるならば、
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① ~P&Q
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない。といふことは、
① ~(P)&Q
③ ~(P & Q)
といふことに、他ならない。
従って、
(11)により、
(12)
① ~(P)&Q
に於ける、
① ( ) を「省略」した「形」が、
① ~P&Q
である。といふ、ことになる。
然るに、
(13)
① ~(P)&Q
② ~(P & Q)
といふ「2通り」を、
① 不(P)而Q
② 不(P 而 Q)
とする。
(14)
P=有祝魲鮀之佞
Q=有宋朝之美
とする。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 不(P)而Q
② 不(P 而 Q)
に於いて、
①=② ではないが故に、
① 不(有祝魲鮀之佞)而有宋朝之美。
② 不(有祝魲鮀之佞 而 有宋朝之美)。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(16)
「論理式」に、「括弧」はあるが、
「 漢文 」に、「括弧」はない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
② 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(15)(17)により、
(18)
「漢文」の場合は、「括弧」を書かないが故に、
① 不P而Q。
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(19)
実は、どちらも意味が通じるのである。
① の方は、古注といって、伝統的な解釈であるが、
② の方は、新注といって、朱熹(朱子)の解釈なのである。「返り点」をつけると、
① 不レ有二祝魲鮀之佞一而有二宋朝之美一。
② 不下有二祝魲鮀之佞一而有中宋朝之美上。
このように「不」が頭にきてるときは、どこまでかかるのか、ということをじっくりとと押さえてみることだ。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、326頁改)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
「返り点」を用ひない「漢文」の場合は、「括弧」が無いが故に、
① 不P而Q。
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない。
といふことは、朱熹(朱子)も、「そのやうに、意識してゐた」といふ、ことになる。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① 不P而Q。
と書かれてゐても、
① 不(P)而Q。
であるとするが、「古注」であって、
② 不P而Q。
と書かれてゐても、
② 不(P 而 Q)。
であるとするのが、「新注」である。
といふ、ことになる。
令和元年08月22日、毛利太。
2019年8月21日水曜日
漢文・補足構造・返り点・ラテン語和訳。
―「昨日(令和元年08月20日)」の記事を書き直します。―
(01)
漢語文法の基礎となっている文法的な関係として、次の四つの関係をあげることができる。
(一)主述関係 主語 ― 述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語― 補語
(四)並列関係 並列語― 並列語
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、281・282頁改)
(02)
(四)並列関係 といふのは、例へば、
花鳥=花と鳥
風雨=風と雨
死生=死と生
来見=来たり見る
等を、言ふ。
然るに、
(03)
① 非不読書=
① 非[不〔読(書)〕]。
に於いて、
① 非[ ]⇒[ ]非
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
① [〔(書)読〕不]非=
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず=
① 書を読まないのではない。
(04)
② 非不読英文=
② 非[不〔読(英文)〕]。
に於いて、
② 非[ ]⇒[ ]非
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
② [〔(英文)読〕不]非=
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
② 英文を読まないのではない。
(05)
③ 非必不読英文=
③ 非[必不〔読(英文)〕]。
に於いて、
③ 非[ ]⇒[ ]非
③ 不〔 〕⇒〔 〕不
③ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
③ [必〔(英文)読〕不]非=
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
③ 必ずしも英文を読まないのではない。
(06)
④ 我非必不読英文者=
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
に於いて、
④ 非[ ]⇒[ ]非
④ 不〔 〕⇒〔 〕不
④ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
④ 我[必〔(英文)読〕不者]非=
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず=
④ 私は、必ずしも英文を読まない者ではない。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 非[不〔読(文)〕]。
② 非[不〔読(英文)〕]。
③ 非[必不〔読(英文)〕]。
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
並びに、
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
②[ 〔 ( ) 〕 ]
③[ 〔 ( ) 〕 ]
④[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
(ⅰ)「漢文の補足構造」と、
(ⅱ)「国語の補足構造」と、
(ⅲ)「漢文訓読の語順」とを、表してゐる。
従って、
(08)により、
(09)
① 非レ不レ読レ文。
② 非レ不レ読ニ英文一。
③ 非二必不一レ読ニ英文一。
④ 我非下必不レ読二英文一者上。
といふ「漢文」を、
① [〔(文を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
従って、
(10)
⑤ 小蛇以ニ一咬一殺ニ大牛一。
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)⇒
⑤ 小蛇(一咬)以(大牛)殺=
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
然るに、
(11)
Q. ラテン語の語順の自由さについて
Q. 突然のメールで恐縮ですが、私がラテン語学習で感じた感想を述べさせてください。ラテン語学習で私が特に(接続法の次に)面食らったのが、語順の自由さです。
古代ローマの人たちは、この語順をはたしてどのように受け止めていたのでしょうか。
例えば、こういう一節があります。
Parva necat morsū spatiōsum vīpera taurum.
順通りの訳は「小さいのが、殺す、一咬みで、大きいのを、蛇が、牛を。」となります。
(Webサイト:山下太郎のラテン語入門)
然るに、
(12)
⑥ Parva (necat{morsū [spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}=
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい 〔)蛇が 〕牛を ]}。
に於いて、
⑥ 小さな( )⇒( )小さな
⑥ 殺す{ }⇒{ }殺す
⑥ 一咬みで[ ]⇒[ ]一咬みで
⑥ 大きい〔 〕⇒〔 〕大きい
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい 〔)蛇が 〕牛を ]}⇒
⑥ ({ [ 〔)小さな蛇が 〕大きい 牛を ]一咬みで}殺す=
⑥ 小さな蛇が、大きい牛を、一咬みで、殺す。
といふ「ラテン語和訳」が、完成する。
然るに、
(13)
⑥{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧」に対して、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい〔)蛇が〕牛を ]}
に於ける、
⑥( { [ 〔 ) 〕 ] }
といふ「それ」は、「括弧」ではない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
に於ける、
⑤( )( )
⑥( { [ 〔 ) 〕 ] }
に於いて、
⑤ といふ「括弧」は、「漢文の補足構造」と、「訓読の語順」を表してゐて、
⑥ といふ「それ」は、固より、「括弧」ではなく、尚且つ、「ラテン語の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(14)により、
(15)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」することと、
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
といふ「ラテン語」を、
⑥ ({ [ 〔)小さな蛇が 〕大きい 牛を ]一咬みで}殺す。
といふ風に「和訳」することは、「同じ」ではない。
従って、
(15)により、
(16)
例へば、「ラテン語・和訳」等を例にとって行ふ、
数年前、ある言語学教育関連の新聞の連載のコラムに、西洋文化研究者の発言が載せられていた。誰もが知る、孟浩然の『春眠』「春眠暁を覚えず・・・・・・」の引用から始まるそのコラムでは、なぜ高校の教科書にいまだに漢文訓読があるのかと疑問を呈し、「返り点」をたよりに「上がったり下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる」読み方はすでに時代遅れの代物であって、早くこうした状況から脱するべきだと主張する。「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く筆者は、かつては漢文訓読が中国の歴史や文学を学ぶ唯一の手段であり「必要から編み出された苦肉の知恵であった」かもしれないが、いまや中国語を日本にいても学べる時代であり「漢文訓読を卒業するとき」だと主張するのである(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、1頁)。
といふ「主張」は、「正しく」はない。
令和元年08月21日、毛利太。
(01)
漢語文法の基礎となっている文法的な関係として、次の四つの関係をあげることができる。
(一)主述関係 主語 ― 述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語― 補語
(四)並列関係 並列語― 並列語
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、281・282頁改)
(02)
(四)並列関係 といふのは、例へば、
花鳥=花と鳥
風雨=風と雨
死生=死と生
来見=来たり見る
等を、言ふ。
然るに、
(03)
① 非不読書=
① 非[不〔読(書)〕]。
に於いて、
① 非[ ]⇒[ ]非
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
① [〔(書)読〕不]非=
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず=
① 書を読まないのではない。
(04)
② 非不読英文=
② 非[不〔読(英文)〕]。
に於いて、
② 非[ ]⇒[ ]非
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
② [〔(英文)読〕不]非=
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
② 英文を読まないのではない。
(05)
③ 非必不読英文=
③ 非[必不〔読(英文)〕]。
に於いて、
③ 非[ ]⇒[ ]非
③ 不〔 〕⇒〔 〕不
③ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
③ [必〔(英文)読〕不]非=
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
③ 必ずしも英文を読まないのではない。
(06)
④ 我非必不読英文者=
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
に於いて、
④ 非[ ]⇒[ ]非
④ 不〔 〕⇒〔 〕不
④ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
④ 我[必〔(英文)読〕不者]非=
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず=
④ 私は、必ずしも英文を読まない者ではない。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 非[不〔読(文)〕]。
② 非[不〔読(英文)〕]。
③ 非[必不〔読(英文)〕]。
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
並びに、
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
②[ 〔 ( ) 〕 ]
③[ 〔 ( ) 〕 ]
④[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
(ⅰ)「漢文の補足構造」と、
(ⅱ)「国語の補足構造」と、
(ⅲ)「漢文訓読の語順」とを、表してゐる。
従って、
(08)により、
(09)
① 非レ不レ読レ文。
② 非レ不レ読ニ英文一。
③ 非二必不一レ読ニ英文一。
④ 我非下必不レ読二英文一者上。
といふ「漢文」を、
① [〔(文を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
従って、
(10)
⑤ 小蛇以ニ一咬一殺ニ大牛一。
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)⇒
⑤ 小蛇(一咬)以(大牛)殺=
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
然るに、
(11)
Q. ラテン語の語順の自由さについて
Q. 突然のメールで恐縮ですが、私がラテン語学習で感じた感想を述べさせてください。ラテン語学習で私が特に(接続法の次に)面食らったのが、語順の自由さです。
古代ローマの人たちは、この語順をはたしてどのように受け止めていたのでしょうか。
例えば、こういう一節があります。
Parva necat morsū spatiōsum vīpera taurum.
順通りの訳は「小さいのが、殺す、一咬みで、大きいのを、蛇が、牛を。」となります。
(Webサイト:山下太郎のラテン語入門)
然るに、
(12)
⑥ Parva (necat{morsū [spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}=
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい 〔)蛇が 〕牛を ]}。
に於いて、
⑥ 小さな( )⇒( )小さな
⑥ 殺す{ }⇒{ }殺す
⑥ 一咬みで[ ]⇒[ ]一咬みで
⑥ 大きい〔 〕⇒〔 〕大きい
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい 〔)蛇が 〕牛を ]}⇒
⑥ ({ [ 〔)小さな蛇が 〕大きい 牛を ]一咬みで}殺す=
⑥ 小さな蛇が、大きい牛を、一咬みで、殺す。
といふ「ラテン語和訳」が、完成する。
然るに、
(13)
⑥{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧」に対して、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい〔)蛇が〕牛を ]}
に於ける、
⑥( { [ 〔 ) 〕 ] }
といふ「それ」は、「括弧」ではない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
に於ける、
⑤( )( )
⑥( { [ 〔 ) 〕 ] }
に於いて、
⑤ といふ「括弧」は、「漢文の補足構造」と、「訓読の語順」を表してゐて、
⑥ といふ「それ」は、固より、「括弧」ではなく、尚且つ、「ラテン語の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(14)により、
(15)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」することと、
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
といふ「ラテン語」を、
⑥ ({ [ 〔)小さな蛇が 〕大きい 牛を ]一咬みで}殺す。
といふ風に「和訳」することは、「同じ」ではない。
従って、
(15)により、
(16)
例へば、「ラテン語・和訳」等を例にとって行ふ、
数年前、ある言語学教育関連の新聞の連載のコラムに、西洋文化研究者の発言が載せられていた。誰もが知る、孟浩然の『春眠』「春眠暁を覚えず・・・・・・」の引用から始まるそのコラムでは、なぜ高校の教科書にいまだに漢文訓読があるのかと疑問を呈し、「返り点」をたよりに「上がったり下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる」読み方はすでに時代遅れの代物であって、早くこうした状況から脱するべきだと主張する。「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く筆者は、かつては漢文訓読が中国の歴史や文学を学ぶ唯一の手段であり「必要から編み出された苦肉の知恵であった」かもしれないが、いまや中国語を日本にいても学べる時代であり「漢文訓読を卒業するとき」だと主張するのである(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、1頁)。
といふ「主張」は、「正しく」はない。
令和元年08月21日、毛利太。
2019年8月20日火曜日
「象が鼻が長い」の「述語論理」。
(01)
(ⅰ)
1 (1) P& Q A
2 (2) P→~Q A
1 (3) P 1&E
12 (4) ~Q 23MPP
2 (5) Q 1&E
12 (6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~(P→~Q) 26RAA
(ⅱ)
1 (1) ~(P→~Q) A
2 (2) ~(P& Q) A
3 (3) P A
4(4) Q A
34(5) P& Q 34&I
234(6) ~(P& Q)&
(P& Q) 25&I
23 (7) ~Q 46RAA
2 (8) P→~Q 37CP
12 (9) ~(P→~Q)&
(P→~Q) 28&I
1 (ア)~~(P& Q) 29RAA
1 (イ) P& Q アDN
従って、
(01)により、
(02)
① P& Q
② ~(P→~Q)
に於いて、
①=② であるが、
この「等式」を、『連言の定義(Df.&)』とする。
(03)
① 象は鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ 象は鼻以外は長くない。
であるとして、
④ 象が鼻が長い=①+②+③ である。とする。
従って、
(03)により、
(04)
④ 象が鼻が長い。⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
従って、
(04)により、
(05)
⑤ 象が鼻が長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
然るに、
(06)
1 (1) ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&~象a→~∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}∨~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}∨~∀z(~鼻za→~長z)} 3ド・モルガンの法則
5 (5) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)} A
5 (6) 象&~∃y(鼻ya&長y) 5連言の定義
5 (7) 象a 6&E
5 (8) ~∃y(鼻ya&長y) 6&E
5 (9) ∀y~(鼻ya&長y) 8量化子の関係
5 (ア) ~(鼻ba&長b) 9UE
5 (イ) ~鼻ab∨~長b ア、ド・モルガンの法則
5 (ウ) 鼻ba→~長b イ含意の定義
5 (エ) ∀y(鼻ya→~長y) ウUI
5 (オ) 象a&∀y(鼻ya→~長y) 7エ&I
5 (カ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y) オ∨I
5 (キ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) カ∨I
ク (ク) ~{~象a→~∃y(鼻ya&長y} A
ク (ケ) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) ク連言の定義
ク (コ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y) ケ∨I
ク (サ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) コ∨I
シ (シ) ~∀z(~鼻za→~長z) A
シ (ス) ∃z~(~鼻za→~長z) サ量化子の関係
セ(セ) ~(~鼻ca→~長c) A
セ(ソ) ~鼻ca& 長c ス連言の定義
セ(タ) ∃z(~鼻za& 長z) セEI
シ (チ) ∃z(~鼻za& 長z) サスソEE
シ (ツ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) チ∨I
シ (テ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) ツ∨I
3 (ト) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) 45キクサシテ∨E
3 (ナ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)} トEI
1 (ニ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)} 23ナEE
1 (〃)あるxについて、
xは象であって、すべてのyについてyがxの鼻であるならば、yは長くないか、
xは象でなくて、あるyはxの鼻であって、長いか、
あるzはxの鼻ではなくて、zは長い。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ 象が鼻が長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑤ ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑤{あるxは象であるが鼻は長くない}か、{あるxは象ではないが鼻が長い}か、{あるzはx(象)の鼻以外(例へば、耳)であるが長い}。
従って、
(07)により、
(08)
⑥ 象が鼻が長い。⇔
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑥{鼻が長くない象がゐる}か、{象ではないが鼻が長い動物がゐる}か、{象は鼻以外も長い}か、と言へば、さのやうなことは無い。
令和元年08月20日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) P& Q A
2 (2) P→~Q A
1 (3) P 1&E
12 (4) ~Q 23MPP
2 (5) Q 1&E
12 (6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~(P→~Q) 26RAA
(ⅱ)
1 (1) ~(P→~Q) A
2 (2) ~(P& Q) A
3 (3) P A
4(4) Q A
34(5) P& Q 34&I
234(6) ~(P& Q)&
(P& Q) 25&I
23 (7) ~Q 46RAA
2 (8) P→~Q 37CP
12 (9) ~(P→~Q)&
(P→~Q) 28&I
1 (ア)~~(P& Q) 29RAA
1 (イ) P& Q アDN
従って、
(01)により、
(02)
① P& Q
② ~(P→~Q)
に於いて、
①=② であるが、
この「等式」を、『連言の定義(Df.&)』とする。
(03)
① 象は鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ 象は鼻以外は長くない。
であるとして、
④ 象が鼻が長い=①+②+③ である。とする。
従って、
(03)により、
(04)
④ 象が鼻が長い。⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
従って、
(04)により、
(05)
⑤ 象が鼻が長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
然るに、
(06)
1 (1) ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&~象a→~∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}∨~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}∨~∀z(~鼻za→~長z)} 3ド・モルガンの法則
5 (5) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)} A
5 (6) 象&~∃y(鼻ya&長y) 5連言の定義
5 (7) 象a 6&E
5 (8) ~∃y(鼻ya&長y) 6&E
5 (9) ∀y~(鼻ya&長y) 8量化子の関係
5 (ア) ~(鼻ba&長b) 9UE
5 (イ) ~鼻ab∨~長b ア、ド・モルガンの法則
5 (ウ) 鼻ba→~長b イ含意の定義
5 (エ) ∀y(鼻ya→~長y) ウUI
5 (オ) 象a&∀y(鼻ya→~長y) 7エ&I
5 (カ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y) オ∨I
5 (キ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) カ∨I
ク (ク) ~{~象a→~∃y(鼻ya&長y} A
ク (ケ) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) ク連言の定義
ク (コ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y) ケ∨I
ク (サ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) コ∨I
シ (シ) ~∀z(~鼻za→~長z) A
シ (ス) ∃z~(~鼻za→~長z) サ量化子の関係
セ(セ) ~(~鼻ca→~長c) A
セ(ソ) ~鼻ca& 長c ス連言の定義
セ(タ) ∃z(~鼻za& 長z) セEI
シ (チ) ∃z(~鼻za& 長z) サスソEE
シ (ツ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) チ∨I
シ (テ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) ツ∨I
3 (ト) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) 45キクサシテ∨E
3 (ナ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)} トEI
1 (ニ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)} 23ナEE
1 (〃)あるxについて、
xは象であって、すべてのyについてyがxの鼻であるならば、yは長くないか、
xは象でなくて、あるyはxの鼻であって、長いか、
あるzはxの鼻ではなくて、zは長い。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ 象が鼻が長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑤ ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑤{あるxは象であるが鼻は長くない}か、{あるxは象ではないが鼻が長い}か、{あるzはx(象)の鼻以外(例へば、耳)であるが長い}。
従って、
(07)により、
(08)
⑥ 象が鼻が長い。⇔
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑥{鼻が長くない象がゐる}か、{象ではないが鼻が長い動物がゐる}か、{象は鼻以外も長い}か、と言へば、さのやうなことは無い。
令和元年08月20日、毛利太。
2019年8月18日日曜日
漢文にも述語論理にも、「括弧」は有ります!!
(01)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) A
1 (2)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 1量化子の関係
3(3) ~(Fa→ ∃y(Gya&~Hay)) A
3(4) ~(~Fa∨ ∃y(Gya&~Hay)) 3含意の定義
3(5) Fa&~∃y(Gya&~Hay)) 4ド・モルガンの法則
3(6) Fa 5&E
3(7) ~∃y(Gya&~Hay) 5&E
3(8) ∀y~(Gya&~Hay) 7量化子の関係
3(9) ~(Gba&~Hab) 8UE
3(ア) ~Gba∨ Hab 9ド・モルガンの法則
3(イ) Gba→ Hab ア含意の定義
3(ウ) ∀y(Gya→ Hay) イUI
3(エ) Fa& ∀y(Gya→ Hay) 6ウ&I
3(オ) ∃x(Fx& ∀y(Gya→ Hxy)) エEI
1 (カ) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) 13オEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) A
2 (2) Fa& ∀y(Gya→ Hay) A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) ∀y(Gya→ Hay) 2&E
2 (5) Gba→ Hab 4UE
6(6) Gba&~Hab A
6(7) Gba 6&E
26(8) Hab 57MPP
6(9) ~Hab 6&E
26(ア) Hab&~Hab 89&I
2 (イ) ~(Gba&~Hab) 6アRAA
2 (ウ) ∀y~(Gba&~Hay) イUI
2 (エ) ~∃y(Gba&~Hay) ウ量化子の関係
2 (オ) Fa&~∃y(Gba&~Hay) 3エ&I
2 (カ) ~(~Fa∨ ∃y(Gba&~Hay) オ、ド・モルガンの法則
2 (キ)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) カ含意の定義
1 (ク)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 12キEE
1 (ケ)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) ク量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
② ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
そこで述語論理学では「人間」と「動物」のような関係をあらわすのに、
動物(人間)
と表示する。そしてこれを記号化して、
F(a) または( )を省略して Fa
というように書く。
(沢田 允茂、現代論理学入門、1962年、116頁改)
(04)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
(05)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができないのである(human being cannot stand too much proliferation of bracket)。― 中略 ―、結合記号に一定の順序でランクをつけることにしよう。~は&または∨よりも「より強く結合」する。&と∨は→よりも「より強く結合する」。(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、59頁)
従って、
(02)~(05)により、
(06)
① ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
② ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(F(x)→∃y(G(yx)&~(H(xy)))))
② ∃x(F(x)&∀y(G(yx)→ H(xy)))
といふ風に、書くのが、「正しい」。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) A
1 (2)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 1量化子の関係
3(3) ~(弟子a→ ∃y(師ya&~如ay)) A
3(4) ~(~弟子a∨ ∃y(師ya&~如ay)) 3含意の定義
3(5) 弟子a&~∃y(師ya&~如ay)) 4ド・モルガンの法則
3(6) 弟子a 5&E
3(7) ~∃y(師ya&~如ay) 5&E
3(8) ∀y~(師ya&~如ay) 7量化子の関係
3(9) ~(師ba&~如ab) 8UE
3(ア) ~師ba∨ 如ab 9ド・モルガンの法則
3(イ) 師ba→ 如ab ア含意の定義
3(ウ) ∀y(師ya→ 如ay) イUI
3(エ) 弟子a& ∀y(師ya→ 如ay) 6ウ&I
3(オ) ∃x(弟子x& ∀y(師ya→ 如xy)) エEI
1 (カ) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) 13オEE
1 (〃)あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
(ⅱ)
1 (1) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) A
2 (2) 弟子a& ∀y(師ya→ 如ay) A
2 (3) 弟子a 2&E
2 (4) ∀y(師ya→ 如ay) 2&E
2 (5) 師ba→ 如ab 4UE
6(6) 師ba&~如ab A
6(7) 師ba 6&E
26(8) 如ab 57MPP
6(9) ~如ab 6&E
26(ア) 如ab&~如ab 89&I
2 (イ) ~(師ba&~如ab) 6アRAA
2 (ウ) ∀y~(師ba&~如ay) イUI
2 (エ) ~∃y(師ba&~如ay) ウ量化子の関係
2 (オ) 弟子a&~∃y(師ba&~如ay) 3エ&I
2 (カ) ~(~弟子a∨ ∃y(師ba&~如ay) オ、ド・モルガンの法則
2 (キ)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) カ含意の定義
1 (ク)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 12キEE
1 (ケ)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) ク量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であって、xはyに及ばない。といふわけではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
② ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
② ∃x(弟子(x)&∀y(師(yx)→ 如(xy)))
といふ風に、「書いて」、
① すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であるが、xはyに及ばない。といふわけではない。
② あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
といふ風に、「読む」のが、「正しい」。
従って、
(09)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
② ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
のやうに、「括弧が書かれてゐる論理式」であっても、実際には、「すべての括弧が、書かれてゐる」といふ、わけではない。
然るに、
(10)
① 弟子不二必不一レ如レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
に於いて、
① 不[ ]⇒[ ]不
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 如( )⇒( )如
といふ「移動」を行ふと、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
cf.
〔通釈〕弟子は必ずしも師に及ばないというわけではなく、(弟子の方がすぐれている場合もある)。
(三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、56頁改)
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
①[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
① 弟子不必不如師。
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ、
①「漢文の補足構造」に加へて、
①「国語の補足構造」を、表してゐる。
従って、
(12)により、
(13)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、「括弧」は、
①「漢文の補足構造」と、
①「訓読の語順」を、示してゐる。
従って、
(08)(10)~(13)により、
(14)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
といふ「論理式」に、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
といふ「補足構造」が有るやうに、
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」には、初めから、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「補足構造」が有って、その上で、「たまたま、偶然に、補足構造に於ける語順が、漢文と国語とでは、全く反対であった」が故に、「結果」として、
① 弟子不二必不一レ如レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(14)により、
(15)
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」は、
① Dìzǐbùbìbùrúshī。
といふ風に、読もうと、
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ風に、読むまいと、それ自体として、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「括弧(補足構造)」を、持ってゐる。
令和元年08月18日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) A
1 (2)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 1量化子の関係
3(3) ~(Fa→ ∃y(Gya&~Hay)) A
3(4) ~(~Fa∨ ∃y(Gya&~Hay)) 3含意の定義
3(5) Fa&~∃y(Gya&~Hay)) 4ド・モルガンの法則
3(6) Fa 5&E
3(7) ~∃y(Gya&~Hay) 5&E
3(8) ∀y~(Gya&~Hay) 7量化子の関係
3(9) ~(Gba&~Hab) 8UE
3(ア) ~Gba∨ Hab 9ド・モルガンの法則
3(イ) Gba→ Hab ア含意の定義
3(ウ) ∀y(Gya→ Hay) イUI
3(エ) Fa& ∀y(Gya→ Hay) 6ウ&I
3(オ) ∃x(Fx& ∀y(Gya→ Hxy)) エEI
1 (カ) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) 13オEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) A
2 (2) Fa& ∀y(Gya→ Hay) A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) ∀y(Gya→ Hay) 2&E
2 (5) Gba→ Hab 4UE
6(6) Gba&~Hab A
6(7) Gba 6&E
26(8) Hab 57MPP
6(9) ~Hab 6&E
26(ア) Hab&~Hab 89&I
2 (イ) ~(Gba&~Hab) 6アRAA
2 (ウ) ∀y~(Gba&~Hay) イUI
2 (エ) ~∃y(Gba&~Hay) ウ量化子の関係
2 (オ) Fa&~∃y(Gba&~Hay) 3エ&I
2 (カ) ~(~Fa∨ ∃y(Gba&~Hay) オ、ド・モルガンの法則
2 (キ)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) カ含意の定義
1 (ク)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 12キEE
1 (ケ)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) ク量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
② ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
そこで述語論理学では「人間」と「動物」のような関係をあらわすのに、
動物(人間)
と表示する。そしてこれを記号化して、
F(a) または( )を省略して Fa
というように書く。
(沢田 允茂、現代論理学入門、1962年、116頁改)
(04)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
(05)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができないのである(human being cannot stand too much proliferation of bracket)。― 中略 ―、結合記号に一定の順序でランクをつけることにしよう。~は&または∨よりも「より強く結合」する。&と∨は→よりも「より強く結合する」。(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、59頁)
従って、
(02)~(05)により、
(06)
① ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
② ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(F(x)→∃y(G(yx)&~(H(xy)))))
② ∃x(F(x)&∀y(G(yx)→ H(xy)))
といふ風に、書くのが、「正しい」。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) A
1 (2)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 1量化子の関係
3(3) ~(弟子a→ ∃y(師ya&~如ay)) A
3(4) ~(~弟子a∨ ∃y(師ya&~如ay)) 3含意の定義
3(5) 弟子a&~∃y(師ya&~如ay)) 4ド・モルガンの法則
3(6) 弟子a 5&E
3(7) ~∃y(師ya&~如ay) 5&E
3(8) ∀y~(師ya&~如ay) 7量化子の関係
3(9) ~(師ba&~如ab) 8UE
3(ア) ~師ba∨ 如ab 9ド・モルガンの法則
3(イ) 師ba→ 如ab ア含意の定義
3(ウ) ∀y(師ya→ 如ay) イUI
3(エ) 弟子a& ∀y(師ya→ 如ay) 6ウ&I
3(オ) ∃x(弟子x& ∀y(師ya→ 如xy)) エEI
1 (カ) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) 13オEE
1 (〃)あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
(ⅱ)
1 (1) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) A
2 (2) 弟子a& ∀y(師ya→ 如ay) A
2 (3) 弟子a 2&E
2 (4) ∀y(師ya→ 如ay) 2&E
2 (5) 師ba→ 如ab 4UE
6(6) 師ba&~如ab A
6(7) 師ba 6&E
26(8) 如ab 57MPP
6(9) ~如ab 6&E
26(ア) 如ab&~如ab 89&I
2 (イ) ~(師ba&~如ab) 6アRAA
2 (ウ) ∀y~(師ba&~如ay) イUI
2 (エ) ~∃y(師ba&~如ay) ウ量化子の関係
2 (オ) 弟子a&~∃y(師ba&~如ay) 3エ&I
2 (カ) ~(~弟子a∨ ∃y(師ba&~如ay) オ、ド・モルガンの法則
2 (キ)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) カ含意の定義
1 (ク)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 12キEE
1 (ケ)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) ク量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であって、xはyに及ばない。といふわけではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
② ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
② ∃x(弟子(x)&∀y(師(yx)→ 如(xy)))
といふ風に、「書いて」、
① すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であるが、xはyに及ばない。といふわけではない。
② あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
といふ風に、「読む」のが、「正しい」。
従って、
(09)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
② ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
のやうに、「括弧が書かれてゐる論理式」であっても、実際には、「すべての括弧が、書かれてゐる」といふ、わけではない。
然るに、
(10)
① 弟子不二必不一レ如レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
に於いて、
① 不[ ]⇒[ ]不
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 如( )⇒( )如
といふ「移動」を行ふと、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
cf.
〔通釈〕弟子は必ずしも師に及ばないというわけではなく、(弟子の方がすぐれている場合もある)。
(三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、56頁改)
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
①[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
① 弟子不必不如師。
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ、
①「漢文の補足構造」に加へて、
①「国語の補足構造」を、表してゐる。
従って、
(12)により、
(13)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、「括弧」は、
①「漢文の補足構造」と、
①「訓読の語順」を、示してゐる。
従って、
(08)(10)~(13)により、
(14)
① ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
といふ「論理式」に、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
といふ「補足構造」が有るやうに、
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」には、初めから、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「補足構造」が有って、その上で、「たまたま、偶然に、補足構造に於ける語順が、漢文と国語とでは、全く反対であった」が故に、「結果」として、
① 弟子不二必不一レ如レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(14)により、
(15)
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」は、
① Dìzǐbùbìbùrúshī。
といふ風に、読もうと、
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ風に、読むまいと、それ自体として、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「括弧(補足構造)」を、持ってゐる。
令和元年08月18日、毛利太。
2019年8月17日土曜日
「聖人所不知未必不為愚人所知也」の「述語論理」。
(01)
(ⅰ)
1 (1)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} A
1 (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
1 (2)∃x~{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} 1含意の定義
3 (3) ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} A
3 (4) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} 3含意の定義
3 (5) ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人z→~知za) 4ド・モルガンの法則
3 (6) ∃y(聖人y&~知ya) 5&E
3 (7) ~∀z(愚人z→~知za) 5&E
3 (8) ∃z~(愚人z→~知za) 7量化子の関係
9(9) ~(愚人c→~知ca) A
9(ア) ~(~愚人c∨~知ca) 9含意の定義
9(イ) 愚人c& 知ca ア、ド・モルガンの法則
9(ウ) ∃z(愚人c& 知za) イEI
3 (エ) ∃z(愚人c& 知za) 89ウEE
3 (オ) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 6エ&I
1 (カ) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 23オEE
1 (キ) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} カUI
1 (〃)いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
(ⅱ)
1 (1) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} A
1 (2) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 1UE
1 (3) ∃y(聖人y&~知ya) 2&E
1 (4) ∃z(愚人c& 知za) 2&E
5 (5) 愚人c& 知ca A
5 (6) ~(~愚人c∨~知ca) 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~(愚人c→~知ca) 6含意の定義
5 (8) ∃z~(愚人c→~知za) 7EI
5 (9) ~∀z(愚人c→~知za) 8量化子の関係
1 (ア) ~∀z(愚人c→~知za) 459EE
1 (イ) ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人c→~知za) 3ア&I
1 (ウ) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} イ、ド・モルガンの法則
1 (エ) ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} ウ含意の定義
1 (オ)∃x~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} エEI
1 (カ)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} オ量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)}
② ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也=
③ 聖人所〔不(知)〕未〈必不{為[愚人〔所(知)〕]}〉也⇒
③ 聖人〔(知)不〕所未〈必{[愚人〔(知)所〕]為}不〉不也=
③ 聖人の〔(知ら)不る〕所未だ〈必ずしも{[愚人の〔(知る)所と〕]為さ}不んば〉あら不る也。
然るに、
(04)
[訳]聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない(愚人が既に知っている場合もある)。
(教学社、風呂で覚える漢文、1998年、26頁)
然るに、
(05)
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→∀z(愚人z→~知zx)}
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也。
に於いて、
①=③ ではない。
(07)
良くは知らないものの、あるいは、
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也。⇔
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
のやうな「命題」を「翻訳」する場合は、「様相論理学」が用ひられるのかも知れない。
令和元年08月17日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} A
1 (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
1 (2)∃x~{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} 1含意の定義
3 (3) ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} A
3 (4) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} 3含意の定義
3 (5) ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人z→~知za) 4ド・モルガンの法則
3 (6) ∃y(聖人y&~知ya) 5&E
3 (7) ~∀z(愚人z→~知za) 5&E
3 (8) ∃z~(愚人z→~知za) 7量化子の関係
9(9) ~(愚人c→~知ca) A
9(ア) ~(~愚人c∨~知ca) 9含意の定義
9(イ) 愚人c& 知ca ア、ド・モルガンの法則
9(ウ) ∃z(愚人c& 知za) イEI
3 (エ) ∃z(愚人c& 知za) 89ウEE
3 (オ) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 6エ&I
1 (カ) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 23オEE
1 (キ) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} カUI
1 (〃)いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
(ⅱ)
1 (1) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} A
1 (2) ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za) 1UE
1 (3) ∃y(聖人y&~知ya) 2&E
1 (4) ∃z(愚人c& 知za) 2&E
5 (5) 愚人c& 知ca A
5 (6) ~(~愚人c∨~知ca) 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~(愚人c→~知ca) 6含意の定義
5 (8) ∃z~(愚人c→~知za) 7EI
5 (9) ~∀z(愚人c→~知za) 8量化子の関係
1 (ア) ~∀z(愚人c→~知za) 459EE
1 (イ) ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人c→~知za) 3ア&I
1 (ウ) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} イ、ド・モルガンの法則
1 (エ) ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} ウ含意の定義
1 (オ)∃x~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} エEI
1 (カ)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} オ量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)}
② ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也=
③ 聖人所〔不(知)〕未〈必不{為[愚人〔所(知)〕]}〉也⇒
③ 聖人〔(知)不〕所未〈必{[愚人〔(知)所〕]為}不〉不也=
③ 聖人の〔(知ら)不る〕所未だ〈必ずしも{[愚人の〔(知る)所と〕]為さ}不んば〉あら不る也。
然るに、
(04)
[訳]聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない(愚人が既に知っている場合もある)。
(教学社、風呂で覚える漢文、1998年、26頁)
然るに、
(05)
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→∀z(愚人z→~知zx)}
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也。
に於いて、
①=③ ではない。
(07)
良くは知らないものの、あるいは、
③ 聖人所レ不レ知未ニ必不一レ為二愚人所一レ知也。⇔
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
のやうな「命題」を「翻訳」する場合は、「様相論理学」が用ひられるのかも知れない。
令和元年08月17日、毛利太。
2019年8月15日木曜日
「当世士大夫無不知有劉老人者」の「述語論理」(Ⅱ)。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) A
1 (2) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
3 (3) 士大夫a A
13 (4) ∀y(劉老人y→ 知ay) 23MPP
13 (5) (劉老人b→ 知ab) 4UE
6 (6) 劉老人b&~知ab A
6 (7) 劉老人b 6&E
136 (8) 知ab 57MPP
6 (9) ~知ab 6&E
136 (ア) 知ab&~知ab 89&I
13 (イ) ~(劉老人b&~知ab) 6アRAA
13 (ウ) ∀y~(劉老人y&~知ay) イUI
13 (エ) ~∃y(劉老人y&~知ay) ウ量化子の関係
1 (オ) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 3エCP
1 (カ) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) オ含意の定義
1 (キ) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} カ、ド・モルガンの法則
1 (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} キUI
1 (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} ク量化子の関係
1 (〃)あるxは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふことはない。
(ⅱ)
1 (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} A
1 (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (3) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 1UE
4 (4) 士大夫a A
5 (5) ∃y(劉老人y&~知ay) A
45 (6) 士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay) A
145 (7) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 45&I
14 (8) ~∃y(劉老人y&~知ay) 57RAA
14 (9) ∀y~(劉老人y&~知ay) 8量化子の関係
14 (ア) ~(劉老人b&~知ab) 9UE
イ (イ) 劉老人b A
ウ(ウ) ~知ab A
イウ(エ) 劉老人b&~知ab ウエ&I
14イウ(オ) ~(劉老人b&~知ab)&
(劉老人b&~知ab) アエ&I
14イ (カ) ~~知ab ウオRAA
14イ (キ) 知ab カDN
14 (ク) 劉老人b→ 知ab イキCP
14 (ケ) ∀y(劉老人y→ 知ay) クUI
1 (コ) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 4ケCP
1 (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) コUI
1 (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
① ならば ② であり、
② ならば ① である。
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① だけが「正しく」、
② が「正しくない」。といふことはない。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{士大夫x→ ∀y(劉老人y→ 知xy)} A
2 (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y) A
1 (3) 士大夫a→ ∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
2 (4) ∃x(士大夫x) 2&E
5 (5) 士大夫a A
1 5 (6) ∀y(劉老人y→ 知ay) 35MPP
1 5 (7) 劉老人b→ 知ab 6UE
2 (8) ∃y(劉老人y) 2&E
2 (9) 劉老人b A
125 (ア) 知ab 79MPP
125 (イ) 士大夫a&劉老人b 59&I
125 (ウ) 士大夫a&劉老人b&知ab アイ&I
125 (エ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) ウEI
1 5 (オ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) 89エEE
1 5 (カ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) オEI
12 (キ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) 45カEE
12 (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。
(ⅱ)
1 (1)~∃x{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} A
2 (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y) A
1 (3)∀x~{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (4) ~{士大夫a &∃y(劉老人y&~知ay)} 3UE
1 (5) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) 4ド・モルガンの法則
1 (6) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 5含意の定義
2 (7) ∃x(士大夫x) 2&E
3 (8) 士大夫a A
1 3 (9) ~∃y(劉老人y&~知ay) 68MPP
1 3 (ア) ∀y~(劉老人y&~知ay) 9含意の定義
1 3 (イ) ~(劉老人b&~知ab) アUE
1 3 (ウ) ~劉老人b∨ 知ab イ、ド・モルガンの法則
1 3 (エ) 劉老人b→ 知ab ウ含意の定義
2 (カ) ∃y(劉老人y) 2&E
キ(キ) 劉老人b A
1 3キ(ク) 知ab エキMPP
1 3キ(ケ) 士大夫a&劉老人b 8キ&I
1 3キ(コ) 士大夫a&劉老人b&知ab クケ&I
1 3キ(サ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) コEI
123 (シ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) カキサEE
123 (ス) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) シEI
12 (セ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) 78スEE
12 (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
果たして、確かに、
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① は「正しく」、
② も「正しい」。
然るに、
(07)
∃とは、存在限定子の事を指す。決して、決して「ヨ」ではない。
概要
数学・論理学において適当な、ある、を表す記号。存在限定子(existential quantifier)と呼ぶ。読み方は意味の通り、適当な、ある~と読まれる(英語だとthere exists, there is)。
(ニコニコ大百科)
従って、
(08)
∃=有る
であって、それ故、
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
② ~有x{士大夫x&有y(劉老人y&~知xy)}
である。
然るに、
(09)
~=不
であって、それ故、
② ~有x{士大夫x&有y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
② 不有x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(10)
不有=無
であって、それ故、
② 不有x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
であれば、
② 無x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(11)
② 無x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
といふ「式」は、
② 無{士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}。
といふ「漢文」に、よく似てゐる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}。
といふ「述語論理式」は、
② 無{士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}⇒
② {士大夫[〔(劉老人)有〕知]不者}無=
② {士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し=
② 士大夫であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
といふ「漢文・訓読」を、「想起」させる。
令和元年08月15日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) A
1 (2) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
3 (3) 士大夫a A
13 (4) ∀y(劉老人y→ 知ay) 23MPP
13 (5) (劉老人b→ 知ab) 4UE
6 (6) 劉老人b&~知ab A
6 (7) 劉老人b 6&E
136 (8) 知ab 57MPP
6 (9) ~知ab 6&E
136 (ア) 知ab&~知ab 89&I
13 (イ) ~(劉老人b&~知ab) 6アRAA
13 (ウ) ∀y~(劉老人y&~知ay) イUI
13 (エ) ~∃y(劉老人y&~知ay) ウ量化子の関係
1 (オ) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 3エCP
1 (カ) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) オ含意の定義
1 (キ) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} カ、ド・モルガンの法則
1 (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} キUI
1 (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} ク量化子の関係
1 (〃)あるxは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふことはない。
(ⅱ)
1 (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} A
1 (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (3) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 1UE
4 (4) 士大夫a A
5 (5) ∃y(劉老人y&~知ay) A
45 (6) 士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay) A
145 (7) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 45&I
14 (8) ~∃y(劉老人y&~知ay) 57RAA
14 (9) ∀y~(劉老人y&~知ay) 8量化子の関係
14 (ア) ~(劉老人b&~知ab) 9UE
イ (イ) 劉老人b A
ウ(ウ) ~知ab A
イウ(エ) 劉老人b&~知ab ウエ&I
14イウ(オ) ~(劉老人b&~知ab)&
(劉老人b&~知ab) アエ&I
14イ (カ) ~~知ab ウオRAA
14イ (キ) 知ab カDN
14 (ク) 劉老人b→ 知ab イキCP
14 (ケ) ∀y(劉老人y→ 知ay) クUI
1 (コ) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 4ケCP
1 (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) コUI
1 (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
① ならば ② であり、
② ならば ① である。
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① だけが「正しく」、
② が「正しくない」。といふことはない。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{士大夫x→ ∀y(劉老人y→ 知xy)} A
2 (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y) A
1 (3) 士大夫a→ ∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
2 (4) ∃x(士大夫x) 2&E
5 (5) 士大夫a A
1 5 (6) ∀y(劉老人y→ 知ay) 35MPP
1 5 (7) 劉老人b→ 知ab 6UE
2 (8) ∃y(劉老人y) 2&E
2 (9) 劉老人b A
125 (ア) 知ab 79MPP
125 (イ) 士大夫a&劉老人b 59&I
125 (ウ) 士大夫a&劉老人b&知ab アイ&I
125 (エ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) ウEI
1 5 (オ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) 89エEE
1 5 (カ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) オEI
12 (キ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) 45カEE
12 (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。
(ⅱ)
1 (1)~∃x{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} A
2 (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y) A
1 (3)∀x~{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (4) ~{士大夫a &∃y(劉老人y&~知ay)} 3UE
1 (5) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) 4ド・モルガンの法則
1 (6) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 5含意の定義
2 (7) ∃x(士大夫x) 2&E
3 (8) 士大夫a A
1 3 (9) ~∃y(劉老人y&~知ay) 68MPP
1 3 (ア) ∀y~(劉老人y&~知ay) 9含意の定義
1 3 (イ) ~(劉老人b&~知ab) アUE
1 3 (ウ) ~劉老人b∨ 知ab イ、ド・モルガンの法則
1 3 (エ) 劉老人b→ 知ab ウ含意の定義
2 (カ) ∃y(劉老人y) 2&E
キ(キ) 劉老人b A
1 3キ(ク) 知ab エキMPP
1 3キ(ケ) 士大夫a&劉老人b 8キ&I
1 3キ(コ) 士大夫a&劉老人b&知ab クケ&I
1 3キ(サ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) コEI
123 (シ) ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay) カキサEE
123 (ス) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) シEI
12 (セ) ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy) 78スEE
12 (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
果たして、確かに、
① ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① は「正しく」、
② も「正しい」。
然るに、
(07)
∃とは、存在限定子の事を指す。決して、決して「ヨ」ではない。
概要
数学・論理学において適当な、ある、を表す記号。存在限定子(existential quantifier)と呼ぶ。読み方は意味の通り、適当な、ある~と読まれる(英語だとthere exists, there is)。
(ニコニコ大百科)
従って、
(08)
∃=有る
であって、それ故、
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
② ~有x{士大夫x&有y(劉老人y&~知xy)}
である。
然るに、
(09)
~=不
であって、それ故、
② ~有x{士大夫x&有y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
② 不有x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(10)
不有=無
であって、それ故、
② 不有x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
であれば、
② 無x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(11)
② 無x{士大夫x&有y(劉老人y&不知xy)}
といふ「式」は、
② 無{士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}。
といふ「漢文」に、よく似てゐる。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}。
といふ「述語論理式」は、
② 無{士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}⇒
② {士大夫[〔(劉老人)有〕知]不者}無=
② {士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し=
② 士大夫であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
といふ「漢文・訓読」を、「想起」させる。
令和元年08月15日、毛利太。
「当世士大夫無不知有劉老人者」の「述語論理」。
(01)
① 当世士大夫無不知有劉老人者=
① 当世士大夫無下不レ知レ有二劉老人一者上=
① 当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し(助字弁略)=
① 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
(02)
② 無当世士大夫不知有劉老人者=
② 無{当世士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}⇒
② {当世士大夫[〔(劉老人)有〕知]不者}無=
② {当世士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し=
② 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 当世士大夫無不知有劉老人者。
② 無当世士大夫不知有劉老人者。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し。⇔
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② 無当世士大夫不知有劉老人者。
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} A
1 (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (3) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 1UE
4 (4) 士大夫a A
5 (5) ∃y(劉老人y&~知ay) A
45 (6) 士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay) A
145 (7) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 45&I
14 (8) ~∃y(劉老人y&~知ay) 57RAA
14 (9) ∀y~(劉老人y&~知ay) 8量化子の関係
14 (ア) ~(劉老人b&~知ab) 9UE
イ (イ) 劉老人b A
ウ(ウ) ~知ab A
イウ(エ) 劉老人b&~知ab ウエ&I
14イウ(オ) ~(劉老人b&~知ab)&
(劉老人b&~知ab) アエ&I
14イ (カ) ~~知ab ウオRAA
14イ (キ) 知ab カDN
14 (ク) 劉老人b→ 知ab イキCP
14 (ケ) ∀y(劉老人y→ 知ay) クUI
1 (コ) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 4ケCP
1 (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) コUI
1 (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
(ⅳ)
1 (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) A
1 (2) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
3 (3) 士大夫a A
13 (4) ∀y(劉老人y→ 知ay) 23MPP
13 (5) (劉老人b→ 知ab) 4UE
6 (6) 劉老人b&~知ab A
6 (7) 劉老人b 6&E
136 (8) 知ab 57MPP
6 (9) ~知ab 6&E
136 (ア) 知ab&~知ab 89&I
13 (イ) ~(劉老人b&~知ab) 6アRAA
13 (ウ) ∀y~(劉老人y&~知ay) イUI
13 (エ) ~∃y(劉老人y&~知ay) ウ量化子の関係
1 (オ) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 3エCP
1 (カ) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) オ含意の定義
1 (キ) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} カ、ド・モルガンの法則
1 (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} キUI
1 (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} ク量化子の関係
1 (〃)xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
従って、
(06)により、
(07)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④ ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
に於いて、すなはち、
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
④ すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 当世士大夫無不知有劉老人者。
といふ「漢文(助字弁略)」は、
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④ ∀x{当時士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
といふ「述語論理」に、相当する。
令和元年08月15日、毛利太。
① 当世士大夫無不知有劉老人者=
① 当世士大夫無下不レ知レ有二劉老人一者上=
① 当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し(助字弁略)=
① 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
(02)
② 無当世士大夫不知有劉老人者=
② 無{当世士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}⇒
② {当世士大夫[〔(劉老人)有〕知]不者}無=
② {当世士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し=
② 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 当世士大夫無不知有劉老人者。
② 無当世士大夫不知有劉老人者。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し。⇔
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② 無当世士大夫不知有劉老人者。
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} A
1 (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1 (3) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 1UE
4 (4) 士大夫a A
5 (5) ∃y(劉老人y&~知ay) A
45 (6) 士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay) A
145 (7) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} 45&I
14 (8) ~∃y(劉老人y&~知ay) 57RAA
14 (9) ∀y~(劉老人y&~知ay) 8量化子の関係
14 (ア) ~(劉老人b&~知ab) 9UE
イ (イ) 劉老人b A
ウ(ウ) ~知ab A
イウ(エ) 劉老人b&~知ab ウエ&I
14イウ(オ) ~(劉老人b&~知ab)&
(劉老人b&~知ab) アエ&I
14イ (カ) ~~知ab ウオRAA
14イ (キ) 知ab カDN
14 (ク) 劉老人b→ 知ab イキCP
14 (ケ) ∀y(劉老人y→ 知ay) クUI
1 (コ) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 4ケCP
1 (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) コUI
1 (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
(ⅳ)
1 (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy) A
1 (2) 士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay) 1UE
3 (3) 士大夫a A
13 (4) ∀y(劉老人y→ 知ay) 23MPP
13 (5) (劉老人b→ 知ab) 4UE
6 (6) 劉老人b&~知ab A
6 (7) 劉老人b 6&E
136 (8) 知ab 57MPP
6 (9) ~知ab 6&E
136 (ア) 知ab&~知ab 89&I
13 (イ) ~(劉老人b&~知ab) 6アRAA
13 (ウ) ∀y~(劉老人y&~知ay) イUI
13 (エ) ~∃y(劉老人y&~知ay) ウ量化子の関係
1 (オ) 士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay) 3エCP
1 (カ) ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay) オ含意の定義
1 (キ) ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)} カ、ド・モルガンの法則
1 (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} キUI
1 (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)} ク量化子の関係
1 (〃)xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
従って、
(06)により、
(07)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④ ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
に於いて、すなはち、
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない。
④ すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 当世士大夫無不知有劉老人者。
といふ「漢文(助字弁略)」は、
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④ ∀x{当時士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
といふ「述語論理」に、相当する。
令和元年08月15日、毛利太。
2019年8月14日水曜日
「鼻が長くない象はゐない。」の「述語論理」。
(01)
① 鼻が長くない象はゐる。⇔
① ∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
① あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
② あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。といふことはない。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1 (1)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) A
1 (2)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1 (4) ∀y~(象a&鼻ya&~長y) 3UE
1 (5) ~(象a&鼻ba&~長b) 4UE
1 (6) ~象a∨~鼻ba∨~~長b 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~象a∨~鼻ba∨長b 6DN
1 (8) (~象a∨~鼻ba)∨長b 7結合法則
9 (9) (~象a∨~鼻ba) A
9 (ア) ~(象a&鼻ba) 9ド・モルガンの法則
9 (イ) ~(象a&鼻ba)∨長b ア∨I
ウ(ウ) 長b A
ウ(エ) ~(象a&鼻ba)∨長b ウ∨I
1 (オ) ~(象a&鼻ba)∨長b 9アイウエ∨E
1 (カ) 象a&鼻ba→ 長b オ含意の定義
1 (キ) ∀y(象a&鼻ya→ 長y) カUI
1 (ク) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) キUI
(ⅲ)
1 (1) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) A
1 (2) ∀y(象a&鼻ya→ 長y) 1UE
1 (3) 象a&鼻ba→ 長b 2UE
1 (4) ~(象a&鼻ba)∨長b 3含意の定義
5 (5) ~(象a&鼻ba) A
5 (6) ~象a∨~象b 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~象a∨~象b ∨長b 6∨I
8(8) 長b A
8(9) ~象a∨~象b ∨長b 8∨I
1 (ア) ~象a∨~象b ∨長b 45789∨E
1 (イ) ~(象a&鼻ba&~長b) ア、ド・モルガンの法則
1 (ウ) ∀y~(象a&鼻ya&~長y) イUI
1 (エ)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) ウUI
1 (オ)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) エ量化子の関係
1 (カ)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) オ量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)
③ ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(05)
「交換法則」により、
② 象x&鼻yx=鼻yx&象x
③ 象x&鼻yx=鼻yx&象x
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(鼻yx&象x&~長y)⇔
③ ∀x∀y(鼻yx&象x→ 長y)⇔
③ すべてのxとすべてのyについて、xが象であり、yがxの鼻であるならば、yは長い。
然るに、
(07)
④{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
④「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(07)により、
(08)
④ 鼻は象が長い。⇔
④ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
④ ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
従って、
(06)(08)により、
(09)
③ 鼻が長くない象はゐない=∀x∀y{(鼻yx&象x)→長y}。
④ 鼻は象が長い =∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
に於いて、
③の右辺は、④の右辺の「部分論理式」である。
然るに、
(10)
1 (1)鼻は象が長い。 A
1 (〃)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
2 (2)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 A
2 (〃)∃y∃x(兎y&~象y&鼻xy) A
1 (3) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 3UE
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) ∃x(兎b&~象b&鼻xb) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b 8&E
7(9) ~象b 8&E
7(ア) 鼻ab 8&E
7(イ) 鼻ab&~象b アイ&I
1 7(ウ) ~長a 4ウMPP
1 7(エ) 兎b&鼻ab 9ア&I
1 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
1 7(カ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) オEI
1 6 (キ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) 67カEE
1 6 (ク)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) キEI
12 (ケ)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) 26クEE
12 (〃)あるyは兎であって、あるxはyの鼻であって、xは長くない。 26クEE
12 (〃)鼻が短い兎がゐる。 26クEE
従って、
(09)(10)により、
(11)
④ 鼻は象が長い。
といふ「命題」ではなく、
③ 鼻が長くない象はゐない。
といふ「命題」からは、
⑤ 鼻が短い兎がゐる。
といふ「命題」を、「導出」することは、出来ない。
令和元年08月14日、毛利太。
① 鼻が長くない象はゐる。⇔
① ∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
① あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)⇔
② あるxとあるyについて、xは象であり、yはxの鼻であり、yは長くない。といふことはない。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1 (1)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) A
1 (2)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) 1量化子の関係
1 (4) ∀y~(象a&鼻ya&~長y) 3UE
1 (5) ~(象a&鼻ba&~長b) 4UE
1 (6) ~象a∨~鼻ba∨~~長b 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~象a∨~鼻ba∨長b 6DN
1 (8) (~象a∨~鼻ba)∨長b 7結合法則
9 (9) (~象a∨~鼻ba) A
9 (ア) ~(象a&鼻ba) 9ド・モルガンの法則
9 (イ) ~(象a&鼻ba)∨長b ア∨I
ウ(ウ) 長b A
ウ(エ) ~(象a&鼻ba)∨長b ウ∨I
1 (オ) ~(象a&鼻ba)∨長b 9アイウエ∨E
1 (カ) 象a&鼻ba→ 長b オ含意の定義
1 (キ) ∀y(象a&鼻ya→ 長y) カUI
1 (ク) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) キUI
(ⅲ)
1 (1) ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) A
1 (2) ∀y(象a&鼻ya→ 長y) 1UE
1 (3) 象a&鼻ba→ 長b 2UE
1 (4) ~(象a&鼻ba)∨長b 3含意の定義
5 (5) ~(象a&鼻ba) A
5 (6) ~象a∨~象b 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~象a∨~象b ∨長b 6∨I
8(8) 長b A
8(9) ~象a∨~象b ∨長b 8∨I
1 (ア) ~象a∨~象b ∨長b 45789∨E
1 (イ) ~(象a&鼻ba&~長b) ア、ド・モルガンの法則
1 (ウ) ∀y~(象a&鼻ya&~長y) イUI
1 (エ)∀x∀y~(象x&鼻yx&~長y) ウUI
1 (オ)∀x~∃y(象x&鼻yx&~長y) エ量化子の関係
1 (カ)~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y) オ量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
② ~∃x∃y(象x&鼻yx&~長y)
③ ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(05)
「交換法則」により、
② 象x&鼻yx=鼻yx&象x
③ 象x&鼻yx=鼻yx&象x
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
② 鼻が長くない象はゐない。⇔
② ~∃x∃y(鼻yx&象x&~長y)⇔
③ ∀x∀y(鼻yx&象x→ 長y)⇔
③ すべてのxとすべてのyについて、xが象であり、yがxの鼻であるならば、yは長い。
然るに、
(07)
④{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
④「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(07)により、
(08)
④ 鼻は象が長い。⇔
④ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
④ ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
従って、
(06)(08)により、
(09)
③ 鼻が長くない象はゐない=∀x∀y{(鼻yx&象x)→長y}。
④ 鼻は象が長い =∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
に於いて、
③の右辺は、④の右辺の「部分論理式」である。
然るに、
(10)
1 (1)鼻は象が長い。 A
1 (〃)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
2 (2)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 A
2 (〃)∃y∃x(兎y&~象y&鼻xy) A
1 (3) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 3UE
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) ∃x(兎b&~象b&鼻xb) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b 8&E
7(9) ~象b 8&E
7(ア) 鼻ab 8&E
7(イ) 鼻ab&~象b アイ&I
1 7(ウ) ~長a 4ウMPP
1 7(エ) 兎b&鼻ab 9ア&I
1 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
1 7(カ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) オEI
1 6 (キ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) 67カEE
1 6 (ク)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) キEI
12 (ケ)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) 26クEE
12 (〃)あるyは兎であって、あるxはyの鼻であって、xは長くない。 26クEE
12 (〃)鼻が短い兎がゐる。 26クEE
従って、
(09)(10)により、
(11)
④ 鼻は象が長い。
といふ「命題」ではなく、
③ 鼻が長くない象はゐない。
といふ「命題」からは、
⑤ 鼻が短い兎がゐる。
といふ「命題」を、「導出」することは、出来ない。
令和元年08月14日、毛利太。
2019年8月13日火曜日
理事長は私です。⇔ 私以外は理事長ではない。
(01)
① 理事長であるならば私である。
② 理事長であって私でない。といふことはない。
③ 私でなくて理事長である。といふことはない。
④ 私でないならば理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ である。
(02)
① すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
② あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
③ あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
④ すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ である。
然るに、
(03)
1 (1) ∀x(理事長x→ 私x) A
1 (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
1 (2) 理事長a→ 私a A
2(3) 理事長a&~私a A
2(4) 理事長a 3&E
12(5) 私a 24MPP
2(6) ~私a 3&E
12(7) 私a&~私a 56&I
1 (8) ~(理事長a&~私a) 37RAA
1 (9)∀x~(理事長x&~私x) 1UI
1 (ア)~∃x(理事長x&~私x) 9量化子の関係
1 (〃)あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
(04)
1 (1)~∃x(理事長x&~私x) A
1 (〃)あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
1 (2)∀x~(理事長x&~私x) 1量化子の関係
1 (3) ~(理事長a&~私a) 2UE
1 (4) ~理事長a∨ 私a 3ド・モルガンの法則
1 (5) 私a∨~理事長a 4交換法則
1 (6) ~(~私a&理事長a) 5ド・モルガンの法則
1 (7)∀x~(~私x&理事長x) 6UI
1 (8)~∃x(~私x&理事長x) 7量化子の関係
1 (9)あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
(05)
1 (1)~∃x(~私x&理事長x) A
1 (〃)あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
1 (2)∀x~(~私x&理事長x) 1量化子の関係
1 (3) ~(~私a&理事長a) 2UE
4 (4) ~私a A
5(5) 理事長a A
45(6) ~私a&理事長a 45&I
145(7) ~(~私a&理事長a)&
(~私a&理事長a) 36&I
14 (8) ~理事長a 57RAA
1 (9) ~私a→~理事長a 48CP
1 (ア)∀x(~私x→~理事長x) 9UI
1 (イ)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
(06)
1 (1)∀x(~私x→~理事長x) A
1 (〃)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
1 (2) ~私a→~理事長a 1UE
3 (3) ~私a& 理事長a A
3 (4) ~私a 3&E
13 (5) ~理事長a 24MPP
3 (6) 理事長a 3&E
13 (7) ~理事長a&理事長a 56&I
1 (8) ~(~私a& 理事長a) 27RAA
9 (9) 理事長a A
ア(ア) ~私a A
9ア(イ) ~私a& 理事長a 9ア
1 9ア(ウ) ~(~私a& 理事長a)&
(~私a& 理事長a) 8イ&I
1 9 (エ) ~~私a アウRAA
1 9 (オ) 私a エDN
1 (カ) 理事長a→私a 9オCP
1 (キ)∀x(理事長x→私x) カUI
1 (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
従って、
(03)(04)(05)(06)により、
(07)
① ∀x( 理事長x→ 私x)
②~∃x( 理事長x&~私x)
③~∃x(~私x& 理事長x)
④ ∀x(~私x→~理事長x)
に於いて、
① ならば、② であり、
② ならば、③ であり、
③ ならば、④ であって、
④ ならば、① である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x( 理事長x→ 私x)
②~∃x( 理事長x&~私x)
③~∃x(~私x& 理事長x)
④ ∀x(~私x→~理事長x)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(01)(02)(08)により、
(09)
① 理事長であるならば私である。
② 理事長であって私でない。といふことはない。
③ 私でなくて理事長である。といふことはない。
④ 私でないならば理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ であって、
尚且つ、「述語論理」としても、
①=②=③=④ である。
然るに、
(10)
① 理事長であるならば私である。
④ 私でないならば理事長ではない。
といふことは、
① 理事長は私です。
④ 私以外は理事長ではない。
といふ、ことである。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 理事長は私です。
④ 私以外は理事長ではない。
といふ「対偶(Contraposition)」に於いて、
①=④ である。
然るに、
(12)
①「私」は、「一人しかゐない。」
従って、
(12)により、
(13)
② 理事長は私です。
といふのであれば、
② 理事長は、一人(私)しかゐない。
従って、
(13)により、
(14)
② 理事長は私です。
といふのであれば、
③ 私以外は理事長ではない。
といふことは、固より、「当然」である。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(17)
① 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
③ 私以外は理事長ではない。
といふ、「意味」である。
然るに、
(18)
「三上章、日本語の論理、1963年」を読む限り、三上章先生は、
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
といふことには、気付いてゐるものの、
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=③ である。
といふことに、気付いてゐない。
従って、
(19)
三上章先生は、
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=③ である。
といふことを「無視」した上で、
(a)私は 理事長です。 既知+未知
(b)私が 理事長です。 未知+既知
未知+既知は順序としては逆であるから、(b)はひっくり返して(d)に変えることができる。
(c)理事長は 私です。 既知+未知
こうして内蔵のハが文面に出てくる。この文は(b)と同値である(三上章、日本語の論理、1963年、108頁改)。
といふ風に、述べてゐる。
令和元年08月13日、毛利太。
① 理事長であるならば私である。
② 理事長であって私でない。といふことはない。
③ 私でなくて理事長である。といふことはない。
④ 私でないならば理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ である。
(02)
① すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
② あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
③ あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
④ すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ である。
然るに、
(03)
1 (1) ∀x(理事長x→ 私x) A
1 (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
1 (2) 理事長a→ 私a A
2(3) 理事長a&~私a A
2(4) 理事長a 3&E
12(5) 私a 24MPP
2(6) ~私a 3&E
12(7) 私a&~私a 56&I
1 (8) ~(理事長a&~私a) 37RAA
1 (9)∀x~(理事長x&~私x) 1UI
1 (ア)~∃x(理事長x&~私x) 9量化子の関係
1 (〃)あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
(04)
1 (1)~∃x(理事長x&~私x) A
1 (〃)あるxが理事長であって、そのxが私でない。といふことはない。
1 (2)∀x~(理事長x&~私x) 1量化子の関係
1 (3) ~(理事長a&~私a) 2UE
1 (4) ~理事長a∨ 私a 3ド・モルガンの法則
1 (5) 私a∨~理事長a 4交換法則
1 (6) ~(~私a&理事長a) 5ド・モルガンの法則
1 (7)∀x~(~私x&理事長x) 6UI
1 (8)~∃x(~私x&理事長x) 7量化子の関係
1 (9)あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
(05)
1 (1)~∃x(~私x&理事長x) A
1 (〃)あるxが私でなくて、そのxが理事長である。といふことはない。
1 (2)∀x~(~私x&理事長x) 1量化子の関係
1 (3) ~(~私a&理事長a) 2UE
4 (4) ~私a A
5(5) 理事長a A
45(6) ~私a&理事長a 45&I
145(7) ~(~私a&理事長a)&
(~私a&理事長a) 36&I
14 (8) ~理事長a 57RAA
1 (9) ~私a→~理事長a 48CP
1 (ア)∀x(~私x→~理事長x) 9UI
1 (イ)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
(06)
1 (1)∀x(~私x→~理事長x) A
1 (〃)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。
1 (2) ~私a→~理事長a 1UE
3 (3) ~私a& 理事長a A
3 (4) ~私a 3&E
13 (5) ~理事長a 24MPP
3 (6) 理事長a 3&E
13 (7) ~理事長a&理事長a 56&I
1 (8) ~(~私a& 理事長a) 27RAA
9 (9) 理事長a A
ア(ア) ~私a A
9ア(イ) ~私a& 理事長a 9ア
1 9ア(ウ) ~(~私a& 理事長a)&
(~私a& 理事長a) 8イ&I
1 9 (エ) ~~私a アウRAA
1 9 (オ) 私a エDN
1 (カ) 理事長a→私a 9オCP
1 (キ)∀x(理事長x→私x) カUI
1 (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
従って、
(03)(04)(05)(06)により、
(07)
① ∀x( 理事長x→ 私x)
②~∃x( 理事長x&~私x)
③~∃x(~私x& 理事長x)
④ ∀x(~私x→~理事長x)
に於いて、
① ならば、② であり、
② ならば、③ であり、
③ ならば、④ であって、
④ ならば、① である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x( 理事長x→ 私x)
②~∃x( 理事長x&~私x)
③~∃x(~私x& 理事長x)
④ ∀x(~私x→~理事長x)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(01)(02)(08)により、
(09)
① 理事長であるならば私である。
② 理事長であって私でない。といふことはない。
③ 私でなくて理事長である。といふことはない。
④ 私でないならば理事長ではない。
に於いて、「直観」として、
①=②=③=④ であって、
尚且つ、「述語論理」としても、
①=②=③=④ である。
然るに、
(10)
① 理事長であるならば私である。
④ 私でないならば理事長ではない。
といふことは、
① 理事長は私です。
④ 私以外は理事長ではない。
といふ、ことである。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 理事長は私です。
④ 私以外は理事長ではない。
といふ「対偶(Contraposition)」に於いて、
①=④ である。
然るに、
(12)
①「私」は、「一人しかゐない。」
従って、
(12)により、
(13)
② 理事長は私です。
といふのであれば、
② 理事長は、一人(私)しかゐない。
従って、
(13)により、
(14)
② 理事長は私です。
といふのであれば、
③ 私以外は理事長ではない。
といふことは、固より、「当然」である。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(17)
① 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
③ 私以外は理事長ではない。
といふ、「意味」である。
然るに、
(18)
「三上章、日本語の論理、1963年」を読む限り、三上章先生は、
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
といふことには、気付いてゐるものの、
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=③ である。
といふことに、気付いてゐない。
従って、
(19)
三上章先生は、
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=③ である。
といふことを「無視」した上で、
(a)私は 理事長です。 既知+未知
(b)私が 理事長です。 未知+既知
未知+既知は順序としては逆であるから、(b)はひっくり返して(d)に変えることができる。
(c)理事長は 私です。 既知+未知
こうして内蔵のハが文面に出てくる。この文は(b)と同値である(三上章、日本語の論理、1963年、108頁改)。
といふ風に、述べてゐる。
令和元年08月13日、毛利太。
2019年8月12日月曜日
「象は鼻は(が・も)長い」の「述語論理」。
(01)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② 理事長は私です。 ⇔ 私以外は理事長ではない。
② 理事長ならば私である。⇔ 私でなければ理事長ではない。
は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)により、
(04)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、長いのは鼻である。
③ 象は、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
③ 象は、鼻以外は長くない。⇔
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は、鼻以外は長くない。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ∀z(~鼻za→~長z) 2&E
1 (5) ~鼻ca→~長c 4UE
6 (6) ~鼻ca& 長c A
6 (7) ~鼻ca 6&E
16 (8) ~長c 57MPP
6 (9) 長c 6&E
16 (ア) ~長c&長c 89&I
1 (イ) ~(~鼻ca& 長c) 6アRAA
1 (ウ) ∀z~(~鼻za& 長z) イUI
1 (エ) ~∃z(~鼻za& 長z) ウ量化子の関係
1 (オ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 3エ&I
1 (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)} オUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ~∃z(~鼻za& 長z) 2&E
1 (5) ∀z~(~鼻za& 長z) 4量化子の関係
1 (6) ~(~鼻ca& 長c) 5UE
7 (7) ~鼻ca A
8(8) 長c A
78(9) ~鼻ca& 長c 78&I
178(ア) ~(~鼻ca& 長c)&
(~鼻ca& 長c) 89&I
17 (イ) ~長c 8アRAA
1 (ウ) ~鼻ca→~長c 7イCP
1 (エ) ∀z(~鼻ca→~長c) ウUI
1 (オ) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻ca→~長c) 3エ&I
1 (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} オUI
従って、
(10)により、
(11)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~~∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(13)
「二重否定」により、
④ ~~∃z(~鼻zx& 長z) は、
④ ∃z(~鼻zx& 長z) に、「等しい」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
従って、
(11)(14)により、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(16)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①と③ は、「矛盾」する。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
従って、
(09)(17)により、
(18)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
④ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
然るに、
(19)
④ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふことは、
④ 象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふ、ことである。
然るに、
(20)
④ 象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふことは、
④ 象は鼻も長い。
といふ、ことである。
従って、
(09)(18)(20)により、
(21)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
従って、
(22)
「番号」を付け直すと、
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
②と③ は、「矛盾」する。
然るに、
(23)
(ⅱ)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1(2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1(4)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)} 3UI
(ⅲ)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)} A
1(2) 象a→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z) 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻yx&長y) 2&E
1(4)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)} 3UI
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
② ならば、① であって、
③ ならば、① である。
従って、
(24)により、
(25)
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①と② は、「矛盾」せず、
①と③ も、「矛盾」しない。
然るに、
(26)
① 鼻は長い。
といふのであれば、
② 鼻以外については、「何も、言ってゐない。」
従って、
(27)
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
③ 象の鼻以外については、「何も、言ってゐない。」
従って、
(26)(27)により、
(28)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
に於いて、
①と② は、「矛盾」せず、
①と③ も、「矛盾」しない。
従って、
(25)(28)により、
(29)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
といふ「述語論理式」に、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長い。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」である所の、「述語論理式」に、相当する。
従って、
(29)により、
(30)
「普通の日本語」で言へば、
① 象は鼻は長い=象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い=象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 象は鼻も長い=象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふ、ことになる。
令和元年08月12日、毛利太。
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② 理事長は私です。 ⇔ 私以外は理事長ではない。
② 理事長ならば私である。⇔ 私でなければ理事長ではない。
は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)により、
(04)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、長いのは鼻である。
③ 象は、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
③ 象は、鼻以外は長くない。⇔
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は、鼻以外は長くない。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ∀z(~鼻za→~長z) 2&E
1 (5) ~鼻ca→~長c 4UE
6 (6) ~鼻ca& 長c A
6 (7) ~鼻ca 6&E
16 (8) ~長c 57MPP
6 (9) 長c 6&E
16 (ア) ~長c&長c 89&I
1 (イ) ~(~鼻ca& 長c) 6アRAA
1 (ウ) ∀z~(~鼻za& 長z) イUI
1 (エ) ~∃z(~鼻za& 長z) ウ量化子の関係
1 (オ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 3エ&I
1 (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)} オUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ~∃z(~鼻za& 長z) 2&E
1 (5) ∀z~(~鼻za& 長z) 4量化子の関係
1 (6) ~(~鼻ca& 長c) 5UE
7 (7) ~鼻ca A
8(8) 長c A
78(9) ~鼻ca& 長c 78&I
178(ア) ~(~鼻ca& 長c)&
(~鼻ca& 長c) 89&I
17 (イ) ~長c 8アRAA
1 (ウ) ~鼻ca→~長c 7イCP
1 (エ) ∀z(~鼻ca→~長c) ウUI
1 (オ) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻ca→~長c) 3エ&I
1 (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} オUI
従って、
(10)により、
(11)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~~∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(13)
「二重否定」により、
④ ~~∃z(~鼻zx& 長z) は、
④ ∃z(~鼻zx& 長z) に、「等しい」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
従って、
(11)(14)により、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(16)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①と③ は、「矛盾」する。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
従って、
(09)(17)により、
(18)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
④ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
然るに、
(19)
④ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふことは、
④ 象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふ、ことである。
然るに、
(20)
④ 象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふことは、
④ 象は鼻も長い。
といふ、ことである。
従って、
(09)(18)(20)により、
(21)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①と④ は、「矛盾」する。
従って、
(22)
「番号」を付け直すと、
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
②と③ は、「矛盾」する。
然るに、
(23)
(ⅱ)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1(2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1(4)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)} 3UI
(ⅲ)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)} A
1(2) 象a→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z) 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻yx&長y) 2&E
1(4)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)} 3UI
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
② ならば、① であって、
③ ならば、① である。
従って、
(24)により、
(25)
① 象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①と② は、「矛盾」せず、
①と③ も、「矛盾」しない。
然るに、
(26)
① 鼻は長い。
といふのであれば、
② 鼻以外については、「何も、言ってゐない。」
従って、
(27)
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
③ 象の鼻以外については、「何も、言ってゐない。」
従って、
(26)(27)により、
(28)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
に於いて、
①と② は、「矛盾」せず、
①と③ も、「矛盾」しない。
従って、
(25)(28)により、
(29)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}
といふ「述語論理式」に、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長い。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」である所の、「述語論理式」に、相当する。
従って、
(29)により、
(30)
「普通の日本語」で言へば、
① 象は鼻は長い=象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い=象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 象は鼻も長い=象は鼻は長く、鼻以外も長い。
といふ、ことになる。
令和元年08月12日、毛利太。
2019年8月10日土曜日
「象は鼻が長い」と「鼻は象が長い」の述語論理。
(01)
①{象の体の、各部分}を「変域(ドメイン)」とすると、
①「象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。」
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
(03)
②{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
②「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(03)により、
(04)
② 鼻は象が長い。⇔
② 鼻は象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
(ⅱ)
1 (1)鼻は象が長い。 A
1 (〃)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
2 (2)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 A
2 (〃)∃y∃x(兎y&~象y&鼻xy) A
1 (3) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 3UE
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) ∃x(兎b&~象b&鼻xb) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b 8&E
7(9) ~象b 8&E
7(ア) 鼻ab 8&E
7(イ) 鼻ab&~象b アイ&I
1 7(ウ) ~長a 4ウMPP
1 7(エ) 兎b&鼻ab 9ア&I
1 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
1 7(カ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) オEI
1 6 (キ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) 67カEE
1 6 (ク)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) キEI
12 (ケ)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) 26クEE
12 (〃)あるyは兎であって、あるxはyの鼻であって、xは長くない。 26クEE
12 (〃)鼻が短い兎がゐる。 26クEE
って、
(01)~(05)により、
(06)
それぞれ、
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
であるならば、
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
であっても、良いのではと、思はれるかも、知れない。
然るに、
(08)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於いて、「左辺」である、
③ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
③{象以外の動物}に関しては、「何も、述べてはゐない」。
然るに、
(09)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於ける、「右辺」である、
③ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
の場合は、
③ (~象x&鼻yx)→~長y=象以外の動物の鼻は長くない。
に於いて、
③{象以外の動物}に、「言及してゐる」。
従って、
(08)(09)により、
(10)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
の場合は、
③「左辺」≠「右辺」 であって、
③「左辺」=「右辺」 ではない。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於いて、
① は、「正しく」、
② も、「正しく」、
③ は、「正しくはない」。
従って、
(12)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
といふ「日本語」の「論理構造」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
といふ風に、「同じ」ではない。
然るに、
(13)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
に於いて、
①「述語」は「長い」であって、
②「述語」は「長い」である。
然るに、
(14)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
に於いて、
①「長い」のは、「象は」ではなく、「鼻が」であって、
②「長い」のは、「象が」ではなく、「鼻は」である。
然るに、
(15)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
に於いて、
①「鼻が」が、「長い」に対する「主格の補語」であるならば、
②「鼻は」は、「長い」に対する「主格の補語」でなければ、ならない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
三上章先生が言ふやうに、単純に、
「~は」は「主題は」であって、
「~が」は「主格は」である。といふことには、ならない。
(18)
Antonius(主格) amabat(動詞) Cleopatram=アントニウス(主語)は、クレオパトラを愛してゐた。
Antonium amabat(動詞) Cleopatra(主格) =アントニウスを、クレオパトラ(主語)は愛してゐた。
従って、
(18)により、
(19)
「ラテン語」等に於いて、「一番簡単な、主格の定義」は、
「述語動詞の主語」を「指定」するのが「主格」である。といふことになる。
従って、
(18)(19)により、
(20)
Antonius(主格) amabat(動詞) Cleopatram=アントニウス(主語)は、クレオパトラを愛してゐた。
Antonium amabat(動詞) Cleopatra(主格) =アントニウスを、クレオパトラ(主語)は愛してゐた。
の場合は、「主語とは、すなはち、主格である。」
従って、
(21)
「主語」と「主格」が「別のもの」である。といふ「前提」が、私には良く分からない。
令和元年08月10日、毛利太。
①{象の体の、各部分}を「変域(ドメイン)」とすると、
①「象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。」
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
(03)
②{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
②「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(03)により、
(04)
② 鼻は象が長い。⇔
② 鼻は象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
(ⅱ)
1 (1)鼻は象が長い。 A
1 (〃)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
2 (2)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 A
2 (〃)∃y∃x(兎y&~象y&鼻xy) A
1 (3) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 3UE
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) ∃x(兎b&~象b&鼻xb) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b 8&E
7(9) ~象b 8&E
7(ア) 鼻ab 8&E
7(イ) 鼻ab&~象b アイ&I
1 7(ウ) ~長a 4ウMPP
1 7(エ) 兎b&鼻ab 9ア&I
1 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
1 7(カ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) オEI
1 6 (キ) ∃x(兎b&鼻xb&~長x) 67カEE
1 6 (ク)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) キEI
12 (ケ)∃y∃x(兎y&鼻xy&~長x) 26クEE
12 (〃)あるyは兎であって、あるxはyの鼻であって、xは長くない。 26クEE
12 (〃)鼻が短い兎がゐる。 26クEE
って、
(01)~(05)により、
(06)
それぞれ、
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
であるならば、
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
であっても、良いのではと、思はれるかも、知れない。
然るに、
(08)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於いて、「左辺」である、
③ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
③{象以外の動物}に関しては、「何も、述べてはゐない」。
然るに、
(09)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於ける、「右辺」である、
③ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
の場合は、
③ (~象x&鼻yx)→~長y=象以外の動物の鼻は長くない。
に於いて、
③{象以外の動物}に、「言及してゐる」。
従って、
(08)(09)により、
(10)
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
の場合は、
③「左辺」≠「右辺」 であって、
③「左辺」=「右辺」 ではない。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
③ 象は鼻が長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
に於いて、
① は、「正しく」、
② も、「正しく」、
③ は、「正しくはない」。
従って、
(12)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
といふ「日本語」の「論理構造」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
といふ風に、「同じ」ではない。
然るに、
(13)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
に於いて、
①「述語」は「長い」であって、
②「述語」は「長い」である。
然るに、
(14)
① 象は鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
に於いて、
①「長い」のは、「象は」ではなく、「鼻が」であって、
②「長い」のは、「象が」ではなく、「鼻は」である。
然るに、
(15)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
に於いて、
①「鼻が」が、「長い」に対する「主格の補語」であるならば、
②「鼻は」は、「長い」に対する「主格の補語」でなければ、ならない。
従って、
(15)(16)により、
(17)
三上章先生が言ふやうに、単純に、
「~は」は「主題は」であって、
「~が」は「主格は」である。といふことには、ならない。
(18)
Antonius(主格) amabat(動詞) Cleopatram=アントニウス(主語)は、クレオパトラを愛してゐた。
Antonium amabat(動詞) Cleopatra(主格) =アントニウスを、クレオパトラ(主語)は愛してゐた。
従って、
(18)により、
(19)
「ラテン語」等に於いて、「一番簡単な、主格の定義」は、
「述語動詞の主語」を「指定」するのが「主格」である。といふことになる。
従って、
(18)(19)により、
(20)
Antonius(主格) amabat(動詞) Cleopatram=アントニウス(主語)は、クレオパトラを愛してゐた。
Antonium amabat(動詞) Cleopatra(主格) =アントニウスを、クレオパトラ(主語)は愛してゐた。
の場合は、「主語とは、すなはち、主格である。」
従って、
(21)
「主語」と「主格」が「別のもの」である。といふ「前提」が、私には良く分からない。
令和元年08月10日、毛利太。
2019年8月9日金曜日
「鼻は象が長い。」の「鼻は」は「主格」であって「主題」ではない。
(01)
{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は、象が長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1 (2) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (3) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 2UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) 長a A
6 (7) ~~長a 6DN
16 (8) ~(鼻ab&~象b) 56MTT
16 (9) ~鼻ab∨ 象b 8ド・モルガンの法則
16 (ア) 鼻ab→ 象b 9含意の定義
1 (イ) 長a→(鼻ab→ 象b) 6アCP
ウ (ウ) 長a& 鼻ab A
ウ (エ) 長a ウ&E
1 ウ (オ) 鼻ab→ 象b イエMPP
ウ (カ) 鼻ab ウ&E
1 ウ (キ) 象b カキMPP
1 (ク) (長a& 鼻ab)→象b ウキCP
ケ (ケ) ~象b A
1 ケ (コ) ~(長a& 鼻ab) クケMTT
1 ケ (サ) ~長a∨~鼻ab コ、ド・モルガンの法則
1 ケ (シ) 長a→~鼻ab サ含意の定義
1 (ス) ~象b→(長a→~鼻ab) ケシCP
セ(セ) ~象b& 長a A
1 セ(ソ) ~象b セ&E
1 セ(タ) 長a→~鼻ab スゾMPP
セ(チ) 長a セ&E
1 セ(ツ) ~鼻ab タチMPP
1 (テ) (~象b&長a)→~鼻ab セツ
1 (ト) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab 4テ
1 (ナ) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} トUI
1 (ニ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} ナUI
(ⅱ)
1 (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} A
1 (2) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} 1UE
1 (3) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab 2UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
1 (5) (~象b&長a)→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
16 (8) ~(~象b&長a) 67MTT
16 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
16 (ア) ~~象b∨~長a 9DN
16 (イ) ~象b→~長a ア含意の定義
1 (ウ) 鼻ab→(~象b→~長a) 6ウCP
エ (エ) 鼻ab& ~象b A
エ (オ) 鼻ab エ&E
1 エ (カ) ~象b→~長a ウオMPP
エ (キ) ~象b エ&E
1 エ (ク) ~長a カキMPP
1 (ケ) (鼻ab&~象b)→~長a エクCP
1 (コ) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 4ケ&I
1 (サ) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} コUI
1 (シ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} サUI
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(01)により、
(05)
② yが兎であって、 xが長いならば、xは、yの鼻ではなく耳であり、
② yが馬であって、 xが長いならば、xは、yの鼻ではなく顔であり、
② yがキリンであって、xが長いならば、xは、yの鼻ではなく首であり、
それ故に、
① xがyの鼻であって、yが象以外(兎、馬、キリン)であるならば、xは長くない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は、象が長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
② 鼻は、象が長い。⇔
② 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)で長いとすれば、鼻ではない。⇔
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象ではなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)により、
(07)
② 鼻は、象が長い。
に於いて、
②「長い」のは、「鼻(x)」であって、
②「長い」のは、「象(y)」ではない。
従って、
然るに、
(08)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 鼻は、象が長い。
③ 象は、鼻が長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象は」であって、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象が」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 鼻は、象が長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象は」であって、「象が」ではない。
令和元年08月09日、毛利太。
{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
「鼻は象が長く、耳は兎が長く、顔は馬が長く、首はキリンが長い。」
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は、象が長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1 (2) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1 (3) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 2UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
1 (5) (鼻ab&~象b)→~長a 4&E
6 (6) 長a A
6 (7) ~~長a 6DN
16 (8) ~(鼻ab&~象b) 56MTT
16 (9) ~鼻ab∨ 象b 8ド・モルガンの法則
16 (ア) 鼻ab→ 象b 9含意の定義
1 (イ) 長a→(鼻ab→ 象b) 6アCP
ウ (ウ) 長a& 鼻ab A
ウ (エ) 長a ウ&E
1 ウ (オ) 鼻ab→ 象b イエMPP
ウ (カ) 鼻ab ウ&E
1 ウ (キ) 象b カキMPP
1 (ク) (長a& 鼻ab)→象b ウキCP
ケ (ケ) ~象b A
1 ケ (コ) ~(長a& 鼻ab) クケMTT
1 ケ (サ) ~長a∨~鼻ab コ、ド・モルガンの法則
1 ケ (シ) 長a→~鼻ab サ含意の定義
1 (ス) ~象b→(長a→~鼻ab) ケシCP
セ(セ) ~象b& 長a A
1 セ(ソ) ~象b セ&E
1 セ(タ) 長a→~鼻ab スゾMPP
セ(チ) 長a セ&E
1 セ(ツ) ~鼻ab タチMPP
1 (テ) (~象b&長a)→~鼻ab セツ
1 (ト) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab 4テ
1 (ナ) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} トUI
1 (ニ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} ナUI
(ⅱ)
1 (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} A
1 (2) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} 1UE
1 (3) (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab 2UE
1 (4) (鼻ab&象b)→長a 3&E
1 (5) (~象b&長a)→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
16 (8) ~(~象b&長a) 67MTT
16 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
16 (ア) ~~象b∨~長a 9DN
16 (イ) ~象b→~長a ア含意の定義
1 (ウ) 鼻ab→(~象b→~長a) 6ウCP
エ (エ) 鼻ab& ~象b A
エ (オ) 鼻ab エ&E
1 エ (カ) ~象b→~長a ウオMPP
エ (キ) ~象b エ&E
1 エ (ク) ~長a カキMPP
1 (ケ) (鼻ab&~象b)→~長a エクCP
1 (コ) (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a 4ケ&I
1 (サ) ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} コUI
1 (シ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} サUI
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(01)により、
(05)
② yが兎であって、 xが長いならば、xは、yの鼻ではなく耳であり、
② yが馬であって、 xが長いならば、xは、yの鼻ではなく顔であり、
② yがキリンであって、xが長いならば、xは、yの鼻ではなく首であり、
それ故に、
① xがyの鼻であって、yが象以外(兎、馬、キリン)であるならば、xは長くない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は、象が長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
② 鼻は、象が長い。⇔
② 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)で長いとすれば、鼻ではない。⇔
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象ではなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)により、
(07)
② 鼻は、象が長い。
に於いて、
②「長い」のは、「鼻(x)」であって、
②「長い」のは、「象(y)」ではない。
従って、
然るに、
(08)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 鼻は、象が長い。
③ 象は、鼻が長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象は」であって、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象が」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 鼻は、象が長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象は」であって、「象が」ではない。
令和元年08月09日、毛利太。
2019年8月6日火曜日
「象は鼻が長い」の「述語論理」の「否定命題」。
(01)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
② 象は鼻が長い。といふわけではない。⇔
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)~∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∃x~{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{ 象a→ ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{~象a∨ ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 3含意の定義
3 (5) 象a&~∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 4ド・モルガンの法則
3 (6) 象a 5&E
3 (7) ~∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 5&E
3 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
3 (9) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 8含意の定義
ア (ア) ∃y(鼻ya&長y) A
3ア (イ) ~∀z(~鼻za→~長z) 9アMPP
3ア (ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イ量化子の関係
エ(エ) ~(~鼻ca→~長c) A
エ(オ) ~( 鼻ca∨~長c) エ含意の定義
エ(カ) (~鼻ca& 長c) オ、ド・モルガンの法則
エ(キ) ∃z(~鼻za& 長z) カEI
3ア (ク) ∃z(~鼻za& 長z) ウエキEE
3 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z) アクCP
3 (コ) 象a& ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z) 6ケ&I
3 (サ) ∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} コEI
1 (シ) ∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} 23サEE
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2)∀x~{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a& ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 2UE
1 (4) ~象a∨~{∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 3ド・モルガンの法則
1 (5) 象a→~{∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 4含意の定義
6 (7) 象a A
16 (8) ~{ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 57MPP
16 (9) ~{~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)} 8含意の定義
16 (ア) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 9ド・モルガンの法則
16 (イ) ∃y(鼻ya&長y) ア&E
16 (ウ) ~∃z(~鼻za& 長z) ア&E
16 (エ) ∀z~(~鼻za& 長z) ウ含意の定義
16 (オ) ~(~鼻ca& 長c) エUE
16 (カ) ~~鼻ca∨~長c オ、ド・モルガンの法則
16 (キ) ~鼻ca→~長c カ、含意の定義
16 (ク) ∀z(~鼻za→~長z) キUI
16 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) イク&I
1 (コ) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 6ケCP
1 (サ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} コUI
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
① を「否定」すると、
② になり、
② を「否定」すると、「二重否定」により、
① になる(戻る)。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
の「否定」は、
② ある象は、鼻が長いならならば、鼻以外も長い。⇔
② ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
② あるxは象であり、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzはxの鼻ではないが、長い。
である。
従って、
(05)により、
(06)
① すべての象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ある象は鼻以外も長い=∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
① の「否定」は、② であり、
② の「否定」は、① である。
然るに、
(07)
② ある象は鼻以外も長い = ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 鼻以外も長い象はゐない=~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
② の「否定」は、③ であり、
③ の「否定」は、② である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① すべての象は鼻が長い = ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻以外も長い象はゐない=~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(09)
③ 鼻以外も長い象はゐない。
といふのであれば、そのときに限って、
③ すべての象は、鼻以外は長くない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① すべての象は鼻が長い。
③ すべての象は鼻以外は長くない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(10)により、
(11)
① 鼻が長い。
③ 鼻以外は長くない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いても、
①=③ である。
然るに、
(13)
③ 私以外は理事長ではない。
の「対偶(Contraposition)」は、
② 理事長は私です。
である。
従って、
(12)(13))により、
(14)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① タゴール記念会は私が理事長です。
② タゴール記念会は理事長は私です。
③ タゴール記念会は私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(16)により、
(17)
① 象は鼻が長い。
② 象は長いのは鼻である。
③ 象は鼻以外は長くない。
に於いても、
①=②=③ である。
従って、
(17)により、
(18)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻以外は長くない。
に於いても、
①=② である。
然るに、
(19)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
然るに、
(20)
② 鼻が長い。
に於いて、
②「鼻が」が、「長い」の「主格の補語」であるならば、
② 象は鼻が長い。
に於いて、
②「象は」も、「鼻が長い」の「主格の補語」であるに、違ひない。
従って、
(21)
「象は」は、「主題」であり、
「鼻が」は、「主格」である。
といふ「説明」が、私には、良く分からない。
令和元年08月06日、毛利太。
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
② 象は鼻が長い。といふわけではない。⇔
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)~∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∃x~{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{ 象a→ ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{~象a∨ ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} 3含意の定義
3 (5) 象a&~∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 4ド・モルガンの法則
3 (6) 象a 5&E
3 (7) ~∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 5&E
3 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
3 (9) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z) 8含意の定義
ア (ア) ∃y(鼻ya&長y) A
3ア (イ) ~∀z(~鼻za→~長z) 9アMPP
3ア (ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イ量化子の関係
エ(エ) ~(~鼻ca→~長c) A
エ(オ) ~( 鼻ca∨~長c) エ含意の定義
エ(カ) (~鼻ca& 長c) オ、ド・モルガンの法則
エ(キ) ∃z(~鼻za& 長z) カEI
3ア (ク) ∃z(~鼻za& 長z) ウエキEE
3 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z) アクCP
3 (コ) 象a& ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z) 6ケ&I
3 (サ) ∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} コEI
1 (シ) ∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} 23サEE
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2)∀x~{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a& ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 2UE
1 (4) ~象a∨~{∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 3ド・モルガンの法則
1 (5) 象a→~{∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 4含意の定義
6 (7) 象a A
16 (8) ~{ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)} 57MPP
16 (9) ~{~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)} 8含意の定義
16 (ア) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 9ド・モルガンの法則
16 (イ) ∃y(鼻ya&長y) ア&E
16 (ウ) ~∃z(~鼻za& 長z) ア&E
16 (エ) ∀z~(~鼻za& 長z) ウ含意の定義
16 (オ) ~(~鼻ca& 長c) エUE
16 (カ) ~~鼻ca∨~長c オ、ド・モルガンの法則
16 (キ) ~鼻ca→~長c カ、含意の定義
16 (ク) ∀z(~鼻za→~長z) キUI
16 (ケ) ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) イク&I
1 (コ) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z) 6ケCP
1 (サ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} コUI
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
① を「否定」すると、
② になり、
② を「否定」すると、「二重否定」により、
① になる(戻る)。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
の「否定」は、
② ある象は、鼻が長いならならば、鼻以外も長い。⇔
② ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
② あるxは象であり、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzはxの鼻ではないが、長い。
である。
従って、
(05)により、
(06)
① すべての象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ある象は鼻以外も長い=∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
① の「否定」は、② であり、
② の「否定」は、① である。
然るに、
(07)
② ある象は鼻以外も長い = ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 鼻以外も長い象はゐない=~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
② の「否定」は、③ であり、
③ の「否定」は、② である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① すべての象は鼻が長い = ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻以外も長い象はゐない=~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(09)
③ 鼻以外も長い象はゐない。
といふのであれば、そのときに限って、
③ すべての象は、鼻以外は長くない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① すべての象は鼻が長い。
③ すべての象は鼻以外は長くない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(10)により、
(11)
① 鼻が長い。
③ 鼻以外は長くない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
① 私が理事長です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いても、
①=③ である。
然るに、
(13)
③ 私以外は理事長ではない。
の「対偶(Contraposition)」は、
② 理事長は私です。
である。
従って、
(12)(13))により、
(14)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① タゴール記念会は私が理事長です。
② タゴール記念会は理事長は私です。
③ タゴール記念会は私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(16)により、
(17)
① 象は鼻が長い。
② 象は長いのは鼻である。
③ 象は鼻以外は長くない。
に於いても、
①=②=③ である。
従って、
(17)により、
(18)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻以外は長くない。
に於いても、
①=② である。
然るに、
(19)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
然るに、
(20)
② 鼻が長い。
に於いて、
②「鼻が」が、「長い」の「主格の補語」であるならば、
② 象は鼻が長い。
に於いて、
②「象は」も、「鼻が長い」の「主格の補語」であるに、違ひない。
従って、
(21)
「象は」は、「主題」であり、
「鼻が」は、「主格」である。
といふ「説明」が、私には、良く分からない。
令和元年08月06日、毛利太。
2019年8月5日月曜日
「括弧」と「返り点」(其の?)。
(01)
この漢語文法の基礎となっている文法的な関係として、次の四つの関係をあげることができる。
(一)主述関係 主語 ― 述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語― 補語
(四)並列関係 並列語― 並列語
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、281・282頁改)
然るに、
(02)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」に於いて、
① に有るのは、「(三)補足関係」だけであり、
② に有るのは、「(二)修飾関係・(三)補足関係」である。
然るに、
(03)
「(二)修飾関係」は、「国語(訓読)の語順」と「同じ」であるが、
「(三)補足関係」は、「国語(訓読)の語順」と「同じ」ではない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
「国語(訓読)の語順」だけを考へるのであれば、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」に於いて、
① に有るのは、「(三)補足関係」だけであり、
② に有るのも、「(三)補足関係」だけである。
然るに、
(05)
① 不〔読(文)〕。
に於いて、
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
① 不〔読(文)〕⇒
① 〔(文)読〕不=
① 〔(文を)読ま〕ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
(06)
② 不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
② 不〔常読(漢文)〕⇒
② 〔常(漢文)読〕不=
② 〔常には(漢文を)読ま〕ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(03)~(07)により、
(08)
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」の、「補足構造」と、「訓読の語順」の、両方を、表してゐる。
従って、
(09)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、両方とも、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
である。
従って、
(09)により、
(10)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、「等しい」。
然るに、
(11)
① 不レ 読レ 文。
② 不三 常読二 漢文一。
従って、
(11)により、
(12)
① 不読文(文を読まず)。
② 不常読漢文(常には漢文を読まず)。
に付く「返り点」は、
① レ レ
② 三 二 一
である。
従って、
(09)(12)により、
(13)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、両方とも、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
であるが、「返り点」は、
① レ レ
② 三 二 一
といふ風に、「同一」ではない。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
① 不読文。
② 不常読漢文。
に付く「返り点」である、
① レ レ
② 三 二 一
の内、「少なくとも一方」は、「漢文の補足構造」を、表してはゐないし、「結論」だけを言へば、
① レ レ
② 三 二 一
は、「両方とも」、「漢文の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(08)(14)により、
(15)
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「 括弧 」は、「漢文の補足構造」と「漢文の語順」を表してゐるものの、
① レ レ
② 三 二 一
といふ「返り点」は、「漢文の語順」だけを表してゐる。
然るに、
(16)
① 不レ 読レ 文。
② 不三 常読二 漢文一。
といふ「返り点」が分かれば、
① 文を読まず。
② 常には漢文を読まず。
といふ「訓読」が分かる。
然るに、
(08)により、
(17)
① 文を読まず。
② 常には漢文を読まず。
といふ「訓読」が分かれば、
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
といふ「括弧」が分かる。
然るに、
(08)により、
(18)
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」の、「補足構造」を、表してゐる。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
「任意の漢文」の、
「返り点」が分かれば、
「 括弧 」が分かり、
「 括弧 」が分かれば、
「その漢文の、補足構造」が、分かる。
従って、
(19)により、
(20)
「 括弧 」は、「直接」、「漢文の補足構造」を、表してゐて、
「返り点」は、「括弧」を通じて、「間接的」に、「漢文の補足構造」を、表してゐる。
然るに、
(21)
然るに、
(22)
① 不〔 読( 文) 〕⇒〔 ( 文を)読ま〕ず。
② 不〔 読(漢文) 〕⇒〔 (漢文を)読ま〕ず。
③ 不〔常読( 文) 〕⇒〔常には( 文を)読ま〕ず。
④ 不〔常読(漢文) 〕⇒〔常には(漢文を)読ま〕ず。
⑤ 非〔 読(文)者 〕⇒〔 ( 文を)読む者に〕非ず。
⑥ 非〔 読(漢文)者〕⇒〔 (漢文を)読む者に〕非ず。
⑦ 非〔常読( 文)者〕⇒〔常には( 文を)読む者に〕非ず。
⑧ 非〔常読(漢文)者〕⇒〔常には(漢文を)読む者に〕非ず。
従って、
(05)(06)(08)(21)(22)により、
(23)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の補足構造」は、
① 不〔読(文)〕。
② 不〔読(漢文)〕。
③ 不〔常読(文)〕。
④ 不〔常読(漢文)〕。
⑤ 非〔読(文)者〕。
⑥ 非〔読(漢文)者〕。
⑦ 非〔常読(文)者〕。
⑧ 非〔常読(漢文)者〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
③〔 ( ) 〕
④〔 ( ) 〕
⑤〔 ( ) 〕
⑥〔 ( ) 〕
⑦〔 ( ) 〕
⑧〔 ( ) 〕
である。
従って、
(08)(09)(10)(23)により、
(24)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の補足構造」は、「8つとも、全て、等しい」。
然るに、
(25)
① 不読文。
② 不読漢+文。
③ 不常+読文。
④ 不常+読漢+文。
⑤ 非読文+者。
⑥ 非読漢+文+者。
⑦ 非常+読文+者。
⑧ 非常+読漢+文+者。
といふ風に、書けば、
①
② +
③ +
④ + +
⑤ +
⑥ + +
⑦ + +
⑧ + + +
といふ「+」は、「(二)修飾関係」を、表してゐる。
従って、
(25)により、
(26)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の修飾構造」は、「8つとも、全て、同じではない」。
令和元年08月05日、毛利太。
この漢語文法の基礎となっている文法的な関係として、次の四つの関係をあげることができる。
(一)主述関係 主語 ― 述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語― 補語
(四)並列関係 並列語― 並列語
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、281・282頁改)
然るに、
(02)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」に於いて、
① に有るのは、「(三)補足関係」だけであり、
② に有るのは、「(二)修飾関係・(三)補足関係」である。
然るに、
(03)
「(二)修飾関係」は、「国語(訓読)の語順」と「同じ」であるが、
「(三)補足関係」は、「国語(訓読)の語順」と「同じ」ではない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
「国語(訓読)の語順」だけを考へるのであれば、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」に於いて、
① に有るのは、「(三)補足関係」だけであり、
② に有るのも、「(三)補足関係」だけである。
然るに、
(05)
① 不〔読(文)〕。
に於いて、
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
① 不〔読(文)〕⇒
① 〔(文)読〕不=
① 〔(文を)読ま〕ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
(06)
② 不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
② 不〔常読(漢文)〕⇒
② 〔常(漢文)読〕不=
② 〔常には(漢文を)読ま〕ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(03)~(07)により、
(08)
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」の、「補足構造」と、「訓読の語順」の、両方を、表してゐる。
従って、
(09)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、両方とも、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
である。
従って、
(09)により、
(10)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、「等しい」。
然るに、
(11)
① 不レ 読レ 文。
② 不三 常読二 漢文一。
従って、
(11)により、
(12)
① 不読文(文を読まず)。
② 不常読漢文(常には漢文を読まず)。
に付く「返り点」は、
① レ レ
② 三 二 一
である。
従って、
(09)(12)により、
(13)
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文の補足構造」は、両方とも、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
であるが、「返り点」は、
① レ レ
② 三 二 一
といふ風に、「同一」ではない。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
① 不読文。
② 不常読漢文。
に付く「返り点」である、
① レ レ
② 三 二 一
の内、「少なくとも一方」は、「漢文の補足構造」を、表してはゐないし、「結論」だけを言へば、
① レ レ
② 三 二 一
は、「両方とも」、「漢文の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(08)(14)により、
(15)
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「 括弧 」は、「漢文の補足構造」と「漢文の語順」を表してゐるものの、
① レ レ
② 三 二 一
といふ「返り点」は、「漢文の語順」だけを表してゐる。
然るに、
(16)
① 不レ 読レ 文。
② 不三 常読二 漢文一。
といふ「返り点」が分かれば、
① 文を読まず。
② 常には漢文を読まず。
といふ「訓読」が分かる。
然るに、
(08)により、
(17)
① 文を読まず。
② 常には漢文を読まず。
といふ「訓読」が分かれば、
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
といふ「括弧」が分かる。
然るに、
(08)により、
(18)
① 不〔読(文)〕。
② 不〔常読(漢文)〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、
① 不読文。
② 不常読漢文。
といふ「漢文」の、「補足構造」を、表してゐる。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
「任意の漢文」の、
「返り点」が分かれば、
「 括弧 」が分かり、
「 括弧 」が分かれば、
「その漢文の、補足構造」が、分かる。
従って、
(19)により、
(20)
「 括弧 」は、「直接」、「漢文の補足構造」を、表してゐて、
「返り点」は、「括弧」を通じて、「間接的」に、「漢文の補足構造」を、表してゐる。
然るに、
(21)
然るに、
(22)
① 不〔 読( 文) 〕⇒〔 ( 文を)読ま〕ず。
② 不〔 読(漢文) 〕⇒〔 (漢文を)読ま〕ず。
③ 不〔常読( 文) 〕⇒〔常には( 文を)読ま〕ず。
④ 不〔常読(漢文) 〕⇒〔常には(漢文を)読ま〕ず。
⑤ 非〔 読(文)者 〕⇒〔 ( 文を)読む者に〕非ず。
⑥ 非〔 読(漢文)者〕⇒〔 (漢文を)読む者に〕非ず。
⑦ 非〔常読( 文)者〕⇒〔常には( 文を)読む者に〕非ず。
⑧ 非〔常読(漢文)者〕⇒〔常には(漢文を)読む者に〕非ず。
従って、
(05)(06)(08)(21)(22)により、
(23)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の補足構造」は、
① 不〔読(文)〕。
② 不〔読(漢文)〕。
③ 不〔常読(文)〕。
④ 不〔常読(漢文)〕。
⑤ 非〔読(文)者〕。
⑥ 非〔読(漢文)者〕。
⑦ 非〔常読(文)者〕。
⑧ 非〔常読(漢文)者〕。
に於ける、
①〔 ( ) 〕
②〔 ( ) 〕
③〔 ( ) 〕
④〔 ( ) 〕
⑤〔 ( ) 〕
⑥〔 ( ) 〕
⑦〔 ( ) 〕
⑧〔 ( ) 〕
である。
従って、
(08)(09)(10)(23)により、
(24)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の補足構造」は、「8つとも、全て、等しい」。
然るに、
(25)
① 不読文。
② 不読漢+文。
③ 不常+読文。
④ 不常+読漢+文。
⑤ 非読文+者。
⑥ 非読漢+文+者。
⑦ 非常+読文+者。
⑧ 非常+読漢+文+者。
といふ風に、書けば、
①
② +
③ +
④ + +
⑤ +
⑥ + +
⑦ + +
⑧ + + +
といふ「+」は、「(二)修飾関係」を、表してゐる。
従って、
(25)により、
(26)
① 不読文。
② 不読漢文。
③ 不常読文。
④ 不常読漢文。
⑤ 非読文者。
⑥ 非読漢文者。
⑦ 非常読文者。
⑧ 非常読漢文者。
といふ「漢文の修飾構造」は、「8つとも、全て、同じではない」。
令和元年08月05日、毛利太。
2019年8月4日日曜日
「括弧」と「返り点」。
(01)
① 楚人有鬻盾與矛者。誉之曰、盾之堅、莫能陥也。又誉其矛曰、矛之利、於物無不陥也。或曰、以子之矛、陥子之盾、何如。其人弗能応也=
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也⇒
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也=
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也=
⑤ 楚の国の人で盾と矛とを売る者がゐた。自分の盾を誉めて言った。 私の盾を突き通すことができるものはない。 又其の矛を誉めて言った。 私の矛の鋭いことには、どんな物でも突き通すことができないものはない。或るひとが言った。 あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか。 其の(盾と矛を売る)人は、答へることが、出来なかった。
然るに、
(02)
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
に於いて、
② 有[ ]→[ ]有
② 鬻〔 〕→〔 〕鬻
② 與( )→( )與
② 誉( )→( )誉
② 莫( )→( )莫
② 誉( )→( )誉
② 於( )→( )於
② 無( )→( )無
② 不( )→( )不
② 以( )→( )以
② 陥( )→( )陥
② 弗( )→( )弗
② 能( )→( )能
といふ「(左から右への)移動」を行ふと、
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
といふ「語順」になり、
(03)
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に於いて、
③ 有[ ]←[ ]有
③ 鬻〔 〕←〔 〕鬻
③ 與( )←( )與
③ 誉( )←( )誉
③ 莫( )←( )莫
③ 誉( )←( )誉
③ 於( )←( )於
③ 無( )←( )無
③ 不( )←( )不
③ 以( )←( )以
③ 陥( )←( )陥
③ 弗( )←( )弗
③ 能( )←( )能
といふ「(右から左への)移動」を行ふと、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
といふ「語順」に戻る。
然るに、
(04)
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に対して、「平仮名を補ふ」と、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也。
といふ「訓読」が、成立する。
cf.
與(前置詞)=と(格助詞・後置詞)。
然るに、
(05)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
例へば、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に於ける、
②[ 〔 ( )〕 ]( )( )( )( )〔 ( ) 〕( )( )〔 ( ) 〕
③[ 〔 ( )〕 ]( )( )( )( )〔 ( ) 〕( )( )〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、それぞれ、
②「漢文の補足構造」と、
③「国語の補足構造」を、表してゐて、尚且つ、
③ に関しては、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也。
といふ「訓読の語順」を、表してゐる。
従って、
(02)(06)により、
(07)
例へば、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。
であれば、
② 有[ ]→[ ]有
② 鬻〔 〕→〔 〕鬻
② 與( )→( )與
といふ風に、
②「括弧の左にある一語」は、「訓読」では、
③「括弧の右にあるもの」と見做して、「その順番」で読むならば、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。
といふ「訓読の語順」を、得ることになる。
然るに、
(08)
② 128[6〔35(4)〕7]。
に於いて、
② 8[ ]→[ ]8
② 6〔 〕→〔 〕6
② 5( )→( )5
といふ「(左から右への)移動」を行ふと、
② 128[6〔35(4)〕7]→
③ 12[〔3(4)5〕67]8=
③ 1 2 3 4 5 6 7 8。
といふ「順番」になる。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。
に於ける、
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、「訓読」に於ける、
② 128 6 35 4 7 。
といふ「順番」を表してゐる。
然るに、
(10)
② 楚人有鬻盾與矛者。
に付く「返り点」は、
② 楚人有下 鬻二 盾與一レ 矛者上。
すなはち、
② 下 二 一レ 上
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、例へば、
② 下 二 一レ 上
といふ「返り点」に相当する。
然るに、
(12)
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、その他にも、少なくとも、
② レ レ レ
② レ 二 一レ
② レ レ 二 一
② レ 三 二 一
② レ 二 レ 一
② 四 三 二 一
② 乙 下 二 一 上 甲
といふ「返り点」に相当する。
従って、
(12)により、
(13)
「(レ点を含む)返り点」は、「括弧」よりも、「複雑」である。
(14)
例へば、
② 非[不〔 読( 書)〕]→[ 〔(書を )読ま〕不るに]非ず。
② 非[不〔常読(漢文)〕]→[〔常には(漢文を)読ま〕不るに]非ず。
に於いて、「両者の補足構造」は、「等しい」ものの、
② レ レ レ
② レ 三 二 一
といふ風に、「返り点」は、「同じ」にならない。
従って、
(14)により、
(15)
「返り点」は、直接には、「漢文の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(13)(15)により、
(16)
「(レ点を含む)返り点」は、「括弧」よりも、「複雑」であって、尚且つ、「括弧」とは異なり、「返り点」は、直接には、「漢文の補足構造」を表してはゐない。
令和元年08月04日、毛利太。
① 楚人有鬻盾與矛者。誉之曰、盾之堅、莫能陥也。又誉其矛曰、矛之利、於物無不陥也。或曰、以子之矛、陥子之盾、何如。其人弗能応也=
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也⇒
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也=
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也=
⑤ 楚の国の人で盾と矛とを売る者がゐた。自分の盾を誉めて言った。 私の盾を突き通すことができるものはない。 又其の矛を誉めて言った。 私の矛の鋭いことには、どんな物でも突き通すことができないものはない。或るひとが言った。 あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなるのか。 其の(盾と矛を売る)人は、答へることが、出来なかった。
然るに、
(02)
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
に於いて、
② 有[ ]→[ ]有
② 鬻〔 〕→〔 〕鬻
② 與( )→( )與
② 誉( )→( )誉
② 莫( )→( )莫
② 誉( )→( )誉
② 於( )→( )於
② 無( )→( )無
② 不( )→( )不
② 以( )→( )以
② 陥( )→( )陥
② 弗( )→( )弗
② 能( )→( )能
といふ「(左から右への)移動」を行ふと、
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
といふ「語順」になり、
(03)
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に於いて、
③ 有[ ]←[ ]有
③ 鬻〔 〕←〔 〕鬻
③ 與( )←( )與
③ 誉( )←( )誉
③ 莫( )←( )莫
③ 誉( )←( )誉
③ 於( )←( )於
③ 無( )←( )無
③ 不( )←( )不
③ 以( )←( )以
③ 陥( )←( )陥
③ 弗( )←( )弗
③ 能( )←( )能
といふ「(右から左への)移動」を行ふと、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
といふ「語順」に戻る。
然るに、
(04)
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に対して、「平仮名を補ふ」と、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也。
といふ「訓読」が、成立する。
cf.
與(前置詞)=と(格助詞・後置詞)。
然るに、
(05)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
例へば、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。誉(之)曰、盾之堅、莫(能陥)也。又誉(其矛)曰、矛之利、於(物)無〔不(陥)〕也。或曰、以(子之矛)、陥(子之盾)、何如。其人弗〔能(応)〕也。
③ 楚人[〔盾(矛)與〕鬻者]有。(之)誉曰、盾之堅、(能陥)莫也。又(其矛)誉曰、矛之利、(物)於〔(陥)不〕無也。或曰、(子之矛)以、(子之盾)陥、何如。其人〔(応)能〕弗也。
に於ける、
②[ 〔 ( )〕 ]( )( )( )( )〔 ( ) 〕( )( )〔 ( ) 〕
③[ 〔 ( )〕 ]( )( )( )( )〔 ( ) 〕( )( )〔 ( ) 〕
といふ「括弧」は、それぞれ、
②「漢文の補足構造」と、
③「国語の補足構造」を、表してゐて、尚且つ、
③ に関しては、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。(之を)誉めて曰く、吾が盾の堅きこと、(能く陥す)莫きなり。又た(其の矛を誉めて)曰く、吾が矛の利なること、(物に)於いて〔(陥さ)弗る〕無きなり。或ひと曰く、(子の矛を)以て、(子の盾を)陥さば、何如ん。其の人〔(応ふる)能は〕ざる也。
といふ「訓読の語順」を、表してゐる。
従って、
(02)(06)により、
(07)
例へば、
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。
であれば、
② 有[ ]→[ ]有
② 鬻〔 〕→〔 〕鬻
② 與( )→( )與
といふ風に、
②「括弧の左にある一語」は、「訓読」では、
③「括弧の右にあるもの」と見做して、「その順番」で読むならば、
④ 楚人に[〔盾と(矛)與を〕鬻ぐ者]有り。
といふ「訓読の語順」を、得ることになる。
然るに、
(08)
② 128[6〔35(4)〕7]。
に於いて、
② 8[ ]→[ ]8
② 6〔 〕→〔 〕6
② 5( )→( )5
といふ「(左から右への)移動」を行ふと、
② 128[6〔35(4)〕7]→
③ 12[〔3(4)5〕67]8=
③ 1 2 3 4 5 6 7 8。
といふ「順番」になる。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 楚人有[鬻〔盾與(矛)〕者]。
に於ける、
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、「訓読」に於ける、
② 128 6 35 4 7 。
といふ「順番」を表してゐる。
然るに、
(10)
② 楚人有鬻盾與矛者。
に付く「返り点」は、
② 楚人有下 鬻二 盾與一レ 矛者上。
すなはち、
② 下 二 一レ 上
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、例へば、
② 下 二 一レ 上
といふ「返り点」に相当する。
然るに、
(12)
②[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、その他にも、少なくとも、
② レ レ レ
② レ 二 一レ
② レ レ 二 一
② レ 三 二 一
② レ 二 レ 一
② 四 三 二 一
② 乙 下 二 一 上 甲
といふ「返り点」に相当する。
従って、
(12)により、
(13)
「(レ点を含む)返り点」は、「括弧」よりも、「複雑」である。
(14)
例へば、
② 非[不〔 読( 書)〕]→[ 〔(書を )読ま〕不るに]非ず。
② 非[不〔常読(漢文)〕]→[〔常には(漢文を)読ま〕不るに]非ず。
に於いて、「両者の補足構造」は、「等しい」ものの、
② レ レ レ
② レ 三 二 一
といふ風に、「返り点」は、「同じ」にならない。
従って、
(14)により、
(15)
「返り点」は、直接には、「漢文の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(13)(15)により、
(16)
「(レ点を含む)返り点」は、「括弧」よりも、「複雑」であって、尚且つ、「括弧」とは異なり、「返り点」は、直接には、「漢文の補足構造」を表してはゐない。
令和元年08月04日、毛利太。
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