2020年11月29日日曜日

「これは良いです」と「これが良いです」の「は」と「が」。

(01)
普通」は、
は動物であるが、逆に
動物は象ではない
然るに、
(02)
①{象、}を{対象}とするならば「動物は象ではない」が、
②{象、}を{対象}とするならば「動物は象である」。
然るに、
(03)
①{象、}を{対象}とするならば「象以外()も動物である」が、
②{象、}を{対象}とするならば「象以外)は動物ではない」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
② 動物は象である。
③ 象以外は動物ではない。
といふ「日本語」は、
② 象は動物である。
③ 象は動物である。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により
(09)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)
① ABです。
② AはBであり、はAである。
③ AはBであり、A以外はBではない
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
(ⅰ)
  1(1) A⇔B A
  1(2)(A→B)&(B→A) 1Df.⇔
(ⅱ)
1  (1)(A→B)&(B→A)   A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       B→A    1&E
 4 (4)        ~A    A
  5(5)       B      A
1 5(6)         A    35MPP
145(7)      ~A&A    46&I
14 (8)      ~B      57RAA
1  (9)       ~A→~B  48CP
1  (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1  (1)(A→B)&(~A→~B) A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       ~A→~B  1&E
 4 (4)           B  A
 5(5)       ~A     A
1 5(6)          ~B  35MPP
145(7)        B&~B  46&I
14 (8)      ~~A     57RAA
14 (9)        A     8DN
1  (ア)        B→A   49CP
1  (イ) (A→B)&(B→A)  2ア&I
従って、
(10)により、
(11)
① これ良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとで意味が反対になることがある。
これはいいです。(不用)
これいいです。(用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
然るに、
(13)
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふのであれば、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① これ良いです。
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
に於いて、
①=②=③ である。
といふのであれば、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これ良いです。
と言へば、それだけで、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になるのは、「当然」である。
従って、
(09)~(14)により、
(15)
三上章 先生は、
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、「気が付かなかった」が故に、
④ 商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これ良いです。
と言へば、それだけで、
② これは良く、良いのはこれです。
③ これは良く、これ以外は良くないです。
といふ「意味」になり、それ故、
これを下さい(これを買います)。
といふ「意味」になる。
といふことに、「気付けなかった」と、いふことになる。
令和02年01月29日、毛利太。

2020年11月25日水曜日

「象がゐる」と「マンモスはゐる」。

(01)
「記号」で書くと、
①  A⇔B
②(A→B)&(B→A)
に於いて、
①=② である。 然るに、
(02)
(ⅱ)
1  (1)(A→B)&(B→A)   A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       B→A    1&E
 4 (4)        ~A    A
  5(5)       B      A
1 5(6)         A    35MPP
145(7)      ~A&A    46&I
14 (8)      ~B      57RAA
1  (9)       ~A→~B  48CP
1  (ア)(A→B)&(~A→~B) 29&I
(ⅲ)
1  (1)(A→B)&(~A→~B) A
1  (2) A→B          1&E
1  (3)       ~A→~B  1&E
 4 (4)           B  A
   5(5)       ~A     A
1 5(6)          ~B  35MPP
145(7)        B&~B  46&I
14 (8)      ~~A     57RAA
14 (9)        A     8DN
1  (ア)        B→A   49CP
1  (イ) (A→B)&(B→A)  2ア&I
従って、
(02)により、
(03)
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「記号」で書くと、
①  A⇔B
②(A→B)&( B→ A)
③(A→B)&(~A→~B)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
「日本語」でいふと、
① Aならば、そのときに限って、Bである。
②(AならばBであり、)尚且つ、(BならばAである。)
③(AならばBであり、)尚且つ、(A以外ならばBでない。)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① AだけがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 私だけが理事長である。
② 私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 私理事長である。
と言へば、
① 私だけが理事長である。
と言はなくとも、それだけで、
① 私だけが理事長である。⇔
② 私は理事長であり、理事長は私である。⇔
③ 私は理事長であり、私以外は理事長でない
といふ「意味」になる。
従って、
(09)により、
(10)
① 象ゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふ「意味」になる。
然るに、
(11)
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふのであれば、
②(目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふことに、ならざるを得ない
然るに、
(12)
②(今、目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐるかも知れないため、
②(今、目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「命題」は、厳密に言へば、「」である場合の方が、「多い」と、せざるを得ない。
然るに、
(13)
② 心不在焉、視而不見=
② 心不在於是、視而不見=
② 心不[在〔於(是)〕]、視而不(見)⇒
② 心[〔(是)於〕在]不、視而(見)不=
② 心[〔(ここ)に〕在ら]不れば、視れども(見え)ず=
② 注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にあっても、見えてはゐない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
②(目の前には)、「象の他」に、「ミミズが三匹」ゐたとしても、
注意が、そこに向いてゐないのであれば、目の前にゐたとしても見えてはゐないが故に、
① 象ゐる。
と言へば、
② 象はゐるが、象以外はゐない。⇔
②(目の前に)一頭以上の象がゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(14)により、
(15)
① マンモスゐる。
と言へば、
② マンモスはゐるが、マンモス以外はゐない。⇔
②(目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」になる。
従って、
(16)
②(今、目の前に)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ「意味」ではなく、
③(今でも何処かに)一頭以上のマンモスがゐる。
といふ風に、言ひたいのであれば、すなはち、
③ マンモス(といふ)はまだ、絶滅してゐない
といふ風に、言ひたいのであれば、
② マンモスがゐる。
とは言はずに、
③ マンモスゐる。
といふ風に、言はざるを、得ない
従って、
(16)により、
(17)
② マンモスゐる。
③ マンモスゐる。
に於いて、
② は「個体」としても「マンモス」の「存在」を述べてゐて、
③ は「集合」としての「マンモス」の「存在」を述べてゐる。
従って、
(17)により、
(18)
② マンモスが・・・・・。
と言はずに、
③ マンモス・・・・・。
と言ふ場合は、「普通」
③ マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である(ウィキペディア)。
といふ場合がさうであるやうに、
③ マンモスといふ「」としての、マンモスであって、
②「個体」としての、マンモスではない
然るに、
(19)
「三上文法」によると、
③「マンモス」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
③「マンモスは」は、「主題」であるとされ、
②「マンモス」哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属に属する種の総称である。
に於ける、
②「マンモス」は、「(主格としての)補語」である。
然るに、
(09)(10)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
① 象ゐる。
と言へば、
① 象だけがゐる。⇔
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふ「意味」になり、
② 象はゐるが、象以外はゐない
といふのであれば、
②(目の前に)一頭以上の象ゐる。
といふことに、ならざるを得ない。
従って、
(20)により、
(21)
② 象ゐる=(今、目の前に)象ゐる。
といふ風に、誰か言ってから、「千数百数十数年」が「経過」したとすれば、
② 象ゐた=(昔々ある所に)象ゐた。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
② 象ゐる=(目の前に)象ゐる。
といふことからすれば、)
②(昔々ある所に)象ゐました。
であって、
③(昔々ある所に)象はゐました。
ではない
といふことは、「当然」である。
令和02年11月25日、毛利太。

2020年11月23日月曜日

「象が鼻が長い」の「述語論理」(Ⅱ)。

―「一昨日の記事(令和02年11月23日)」を書き直します。―
(01)
アジア象のメスは牙を持たないこともあります。
(アフリカ旅行の道祖神ブログ)
(02)
マンモス(英語: mammoth)は哺乳綱長鼻目象科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。
現生の象の類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある(ウィキペディア)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
以下では、「鼻に加へて、牙も長いマンモスは、象ではなく、象の牙は長くない。」とする。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は、   鼻は長く、  鼻以外は長くない。
② カバは、  鼻は長くなく、鼻以外も長くない。
③ マンモスは、鼻は長く、  鼻以外(牙は、5.2メートルに達する)も長い。
従って、
(04)により、
(05)
①{象、カバ、マンモス}
を{変域(ドメイン)}とすると、
① 象だけが、鼻だけが長い。
従って、
(05)により、
(06)
①{象、カバ、マンモス}
ではなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
を{変域(ドメイン)}とすると、
② 象だけが、鼻だけが長い。
かどうかは、「不明」である。
然るに、
(07)
② レックは、「一頭のカバ」の  「固有名詞」であって、
③ レーナは、「一頭のマンモス」の「固有名詞」である。
と、するならば、
①{象、カバ、マンモス}
といふ{変域(ドメイン)}だけでなく、
②{象、カバ、マンモス、レック、レーナ}
といふ{変域(ドメイン)}に於いても、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「命題」は、「真」である。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
② 象以外の動物が、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(11)
① 象だけが、鼻だけが長い。
といふのであれば、
① 象自身は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象だけが、鼻だけが長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(13)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(14)
① 理事長は私です。
② 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(16)
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
④ 私だけが理事長です。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 私だけが理事長です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① 私理事長です。
といへば、それだけで、
② 私だけが理事長です。
といふ「意味」になる。
従って、
(18)により、
(19)
① 象、鼻長い。
といふのであれば、それだけで、
② 象だけが、鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(12)(19)により、
(20)
① 象、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(21)
(ⅰ)
1    (1)   ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)      象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (3)      象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
              ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  2Df.⇔
1    (4)      象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  3&E
1    (5)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3&E
 6   (6)                             ~象a  A
16   (7)    ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}    65MTT
16   (8)    ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)     7ド・モルガンの法則
16   (9)    ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y)     8交換法則
16   (ア)     ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)     9含意の定義
  イ  (イ)     ∀z(~鼻za→~長z)                 A
16イ  (ウ)                  ~∃y(鼻ya&長y)     アイMPP
16イ  (エ)                  ∀y~(鼻ya&長y)     ウ量化子の関係
16イ  (オ)                    ~(鼻ba&長b)     エUI
16イ  (カ)                    ~鼻ba∨~長b      カ、ド・モルガンの法則
16イ  (キ)                     鼻ba→~長b      カ含意の定義
16イ  (ク)                  ∀y(鼻ya→~長y)     キUI
16   (ケ)     ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)     イクCP
1    (コ)~象a→[∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)]    6ケCP
   シ (サ)~象a& ∀z(~鼻za→~長z)                 A
   シ (シ)~象a                               シ&E
   シ (ス)     ∀z(~鼻za→~長z)                 シ&E
1  シ (セ)     ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)     コシMPP
1  シ (ソ)                  ∀y(鼻ya→~長y)     スセMPP
1    (タ) ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)     シソCP
1    (チ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4UI
1    (ツ)∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)} タUI
1    (テ)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
        ∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)} チツ&I
(ⅱ)
1     (1)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
         ∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀z( 鼻yx→~長y)}  A
1     (2)∀x{ 象x→∃y( 鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  1&E
1     (3)    象a→∃y( 鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)   2UE
1     (4)∀x{~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀z( 鼻ya→~長y)}  1&E
1     (5)   ~象a&∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y)   4UE
 6    (6)   ~象a                             A
  7   (7)       ∀z(~鼻za→~長z)                A
 67   (8)   ~象a&∀z(~鼻za→~長z)                67&I
167   (9)                    ∀y( 鼻ya→~長y)   58MPP
16    (ア)       ∀z(~鼻za→~長z)→∀y( 鼻ya→~長y)   79CP
   イ  (イ)                     ∃y(鼻ya& 長y)   A
    ウ (ウ)                        鼻ba& 長b    A
    ウ (エ)                     ~~(鼻ba& 長b)   ウ&I
    ウ (オ)                     ~(~鼻ba∨~長b)   エ、ド・モルガンの法則
    ウ (カ)                      ~(鼻ba→~長b)   オ含意の定義
    ウ (キ)                    ∃y~(鼻ya→~長y)   カEI
   イ  (ク)                    ∃y~(鼻ya→~長y)   イウキEE
   イ  (ケ)                    ~∀y(鼻ya→~長y)   ク量化子の関係
16 イ  (コ)      ~∀z(~鼻za→~長z)                アケMTT
16    (サ)        ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   イコCP
16    (シ)       ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   サ含意の定義
16    (ス)      ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  シ、ド・モルガンの法則
1     (セ)  ~象a→~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  6スCP
     ソ(ソ)        ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)   A
     ソ(タ)     ~~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  ソDN
1    ソ(チ) ~~象a                              セタMTT
1    ソ(ツ)   象a                              チDN
1     (テ)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a    ソツCP
1     (ト)     象a→∃y(鼻ya 長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
              ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a    3テ&I
1     (ナ)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)    トDf.⇔
1     (ニ)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}   ナUI
(22)
(ⅰ)
1    (1)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (3)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
             ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  2Df.⇔
1    (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  3&E
1    (5)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3&E
 6   (6)                            ~象a  A
16   (7)   ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}    65MTT
16   (8)   ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)     7ド・モルガンの法則
16   (9)    ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)     8含意の定義
  ア  (ア)    ∃y(鼻ya&長y)                   A
16ア  (イ)               ~∀z(~鼻za→~長z)     9アMPP
16ア  (ウ)               ∃z~(~鼻za→~長z)     イ量化子の関係
   エ (エ)                 ~(~鼻ba→~長b)     A
   エ (オ)                  ~(鼻ba∨~長b)     エ含意の定義
   エ (カ)                   ~鼻ba& 長b      オ、ド・モルガンの法則
   エ (キ)                ∃z(~鼻za& 長z)     カEI
16ア  (ク)                ∃z(~鼻za& 長z)     ウエキEE
16   (ケ)     ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     アクCP
1    (コ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    6ケCP
    サ(サ)~象a& ∃y(鼻ya&長y)                  A
    サ(シ)~象a                              サ&E
    サ(ス)     ∃y(鼻ya&長y)                  サ&E
1   サ(セ)    [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    コシMPP
1   サ(ソ)                ∃z(~鼻za& 長z)     スセMPP
1    (タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     サソCP
1    (チ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}   4UI
1    (ツ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   タUI
1    (テ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
1       ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   チツ&I
(ⅲ)
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
        ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  A
1    (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  1&E
1    (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   2UE
1    (4)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  1&E
1    (5)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)   4UE
 6   (6)   ~象a                          A
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)               A
 67  (8)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)               67&I
167  (9)                  ∃z(~鼻za&長z)   58MPP
   ア (ア)                     ~鼻ba&長b    A
   ア (イ)                   ~(鼻ba∨~長b)   ア、ド・モルガンの法則
   ア (ウ)                  ~(~鼻ba→~長b)   イ含意の定義
     ア (エ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   ウEI
167  (オ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   9アエEE
167  (カ)                ~∀z(~鼻za→~長z)   オ量化子の関係
16   (キ)     ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   7カCP
16   (ク)    ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   キ含意の定義
16   (ケ)    ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  ク、ド・モルガンの法則
1    (コ)~象a→~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  6ケCP
    サ(サ)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   A
    サ(シ)   ~~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  サDN
1   サ(ス)~~象a                            ケシMTT
1   サ(セ)  象a                            スDN
1    (ソ)   ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   サセCP
1    (タ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
           ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   ソタ&E
1    (チ)   象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   タDf.⇔
1    (テ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  チUI
従って、
(21)(22)により、
(23)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zが長くない)ならば、すべてのyについて(yがxの鼻ならば、yは長くない)。}
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyが(xの鼻であって長い)ならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
に於いて、すなはち、
① 象が、鼻が長い(象に限って、鼻は長く、鼻以外は長くない)。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、(カバのやうに)鼻以外が長くないならば、鼻は長くない。
③ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外の動物で、鼻が長いならば、(マンモスの牙のやうに)鼻以外も長い。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(20)~(23)により、
(24)
② 象鼻が長い。⇔
② ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)(23)(24)により、
(25)
① 象鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(26)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)      象a                       6&E
   6  (8)   兎a                          6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(25)(26)により、
(27)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 然るに、
1     (〃)象は鼻が長い。                        然るに、
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} 然るに、
 2    (〃)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 従って、
12    (ネ)∀x(兎x→~象x)
12    (〃)兎は、象ではない。 
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(24)(25)により、
(29)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
② ならば、① である。
然るに、
(30)
(3)(演繹推理において、)前提追加しても結論不変でよい(、ということは、当然である)。
(岩波全書、論理学入門、1979年、156頁改)
従って、
(28)(29)(30)により、
(31)
(ⅰ)象鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
(ⅰ)象鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(32)
1     (1)∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
         ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 1Df.⇔
1     (5)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 4&E
1     (6)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  5UE
 2    (7)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   8  (9)      象a                       8&E
   8  (ア)   兎a                          8&E
1  8  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  69MPP
 2 8  (ウ)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  7アMPP
1  8  (エ)      ∃y(鼻ya&長y)               イ&E
    オ (オ)         鼻ba&長b                A
 2 8  (カ)      ∃y(長y&耳ya)               ウ&E
     キ(キ)         長b&耳ba                A
     キ(ク)            耳ba                キ&E
1  8  (ケ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  イ&E
1  8  (コ)                    ~鼻ba→~長b   ケUE
 2 8  (サ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ウ&E
    2 8  (シ)                    耳ba→~鼻ba   サUE
 2 8 キ(ス)                        ~鼻ba   クシMPP
12 8 キ(セ)                         ~長b   コスMPP
     キ(ソ)         長b                    キ&E
12 8 キ(タ)         長b&~長b                セソ&I
12 8  (チ)         長b&~長b                カキタEE
123   (ツ)         長b&~長b                38チEE
12    (テ)~∃x(兎x&象x)                     3ツRAA
12    (ト)∀x~(兎x&象x)                     テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(兎a&象a)                     トUE
12    (ニ)  ~兎a∨~象a                      ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)   兎a→~象a                      ニ含意の定義
12    (ネ)∀x(兎x→~象x)                     ヌUI
12    (〃)兎は、象ではない。                      ヌUI
従って、
(29)~(32)により、
(33)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」として、「妥当」であるが故に、
果たして、
(ⅰ)象が鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」も、「述語論理」として、「妥当」である。
従って、
(29)(33)により、
(34)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」であるならば、
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(35)
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(34)(35)により、
(36)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(37)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(37)により、
(38)
「三上文法」によると、
② 象長い。
に於ける、
②「象が」は「長い」に対する「補語」であって、
②「鼻が」も「長い」に対する「補語」であって、
②「象が」は「主格」であって、
②「鼻が」も「主格」であって、それ故、
②「象」は「長い」に対する「主格の、補語」であって、
②「鼻」は「長い」に対する「主格の、補語」である。
然るに、
(39)
「三上文法」によると、
②「主格の、補語」は、「主語」ではない
従って、
(38)(39)により、
(40)
「三上文法」によると、
② 象長い。
といふ「日本語」に「主語」はない
従って、
(36)~(40)により、
(41)
「三上文法」によると、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語・述語論理」に「主格の、補語」はあるが、「主語」はない
といふことになる。
然るに、
(42)
私に言はせれば、
② 象が鼻が長い≡∀x{象x∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∀z(~鼻zx→~長z)→∀y( 鼻yx→~長y)}。
② 象が鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y( 鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成り立つ。
といふ「事実」こそが、「重要」なのであって、
② 象長い。
といふ「日本語」にあるのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない
といふことは、どうでも良い。
(43)
② 象長い。
といふ「日本語」に有るのは「主格の、補語」であって、「主語」ではない
と言ってみたところで、そのことが、
(ⅰ)象は(が)鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当」である。
といふことを「証明」する上で、「役に立つ」といふ、わけではない
令和02年11月25日、毛利太。

2020年11月21日土曜日

「矛盾」を「前提」とすると、・・・・。

(01)
① 真├ 真
② 真├ 偽
③ 偽├ 真
④ 偽├ 偽
に於いて、
② だけが、「」であって、
② 以外は、「真」である。
然るに、
(02)
② 真&偽 は、
②    である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも
├ 真
├ 偽
├ 真
├ 偽
である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 真&偽├ 真
② 真&偽├ 偽
③ 真&偽├ 真
④ 真&偽├ 偽
の場合は、4つとも」である。
然るに、
(05)
「~P&P(矛盾)」は、
「真&偽(偽&真)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ~P&P(矛盾)├ 真
② ~P&P(矛盾)├ 偽
③ ~P&P(矛盾)├ 真
④ ~P&P(矛盾)├ 偽
の場合は、4つとも「真」である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~P&P(矛盾)├ Q(
② ~P&P(矛盾)├ Q(
の場合は、2つとも」である。
従って、
(07)により、
(08)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は、(西からではなく)東から昇る。
とするならば、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも」である。
然るに、
(09)
 ―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(09)により、
(10)
①  P→Q(Pならば、Qである)
② ~P∨Q(PでないかQである)
に於いて
①=② である(含意の定義)
然るに、
(11)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~P&P├ Q
といふ「連式(Sequent)」は、「命題計算」としても、「妥当」である(?)。
従って、
(08)(12)により、
(13)
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「」である(?)。
然るに、
(05)(11)により、
(14)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」は、「(矛盾)」である。
(15)
論証は、その前提がすべてであり、そして結論が偽であるならば、健全ではありえない。推論が健全であるための必要条件は、真理からは真理のみが帰結するということである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、5頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
といふ「計算」に於ける、
1(1)~P&P A
といふ「唯一の前提」が、初めから「(矛盾)」であるが故に、
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
といふ「計算」は、固より、「健全」であるとは、言へない
従って、
(13)~(16)により、
(17)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
といふ「計算自体が、「不健全」であるため、
① バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(西からではなく)から昇る。
② バカボンのパパは天才ではなく、尚且つ、バカボンのパパは天才である。故に、太陽は、(東からではなく)西から昇る。
といふ「命題」は、2つとも、「命題計算」としても、「」である。
といふことには、ならない
(18)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)   P 1&E
1(4)~P∨Q 2∨I
1(5) P→Q 4含意の定義
1(6)   Q 35MPP
といふ「計算」は、所謂、「ゼロ除算(÷0)」に、相当すると、言ふべきである
令和02年11月21日、毛利太。

2020年11月19日木曜日

「象が鼻が長い」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1    (1)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (3)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
             ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  2Df.⇔
1    (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  3&E
1    (5)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3&E
 6   (6)                            ~象a  A
16   (7)   ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}    65MTT
16   (8)   ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)     7ド・モルガンの法則
16   (9)    ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)     8含意の定義
  ア  (ア)    ∃y(鼻ya&長y)                   A
16ア  (イ)               ~∀z(~鼻za→~長z)     9アMPP
16ア  (ウ)               ∃z~(~鼻za→~長z)     イ量化子の関係
   エ (エ)                 ~(~鼻ba→~長b)     A
   エ (オ)                  ~(鼻ba∨~長b)     エ含意の定義
   エ (カ)                   ~鼻ba& 長b      オ、ド・モルガンの法則
   エ (キ)                ∃z(~鼻za& 長z)     カEI
16ア  (ク)                ∃z(~鼻za& 長z)     ウエキEE
16   (ケ)     ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     アクCP
1    (コ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    6ケCP
    サ(サ)~象a& ∃y(鼻ya&長y)                  A
    サ(シ)~象a                              サ&E
    サ(ス)     ∃y(鼻ya&長y)                  サ&E
1   サ(セ)    [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    コシMPP
1   サ(ソ)                ∃z(~鼻za& 長z)     スセMPP
1    (タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     サソCP
1    (チ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}   4UI
1    (ツ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   タUI
1    (テ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
1       ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   チツ&I
(ⅱ)
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&
        ∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  A
1    (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  1&E
1    (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   2UE
1    (4)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}  1&E
1    (5)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)   4UE
 6   (6)   ~象a                          A
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)               A
 67  (8)   ~象a&∃y(鼻ya&長y)               67&I
167  (9)                  ∃z(~鼻za&長z)   58MPP
   ア (ア)                     ~鼻ba&長b    A
   ア (イ)                   ~(鼻ba∨~長b)   ア、ド・モルガンの法則
   ア (ウ)                  ~(~鼻ba→~長b)   イ含意の定義
    ア (エ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   ウEI
167  (オ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   9アエEE
167  (カ)                ~∀z(~鼻za→~長z)   オ量化子の関係
16   (キ)     ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   7カCP
16   (ク)    ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   キ含意の定義
16   (ケ)    ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  ク、ド・モルガンの法則
1    (コ)~象a→~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  6ケCP
    サ(サ)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   A
    サ(シ)   ~~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  サDN
1   サ(ス)~~象a                            ケシMTT
1   サ(セ)  象a                            スDN
1    (ソ)   ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   サセCP
1    (タ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
           ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a   ソタ&E
1    (チ)   象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   タDf.⇔
1    (テ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  チUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くなく)、}尚且つ、すべてのxについて{xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzは(xの鼻以外であって、長い)。}
といふことは、要するに、
②「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」が、仮に、「象以外にも、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻だけではなく、鼻以外も長い。」
といふ、ことである。
然るに、
(04)
②「象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。」が、仮に、「象以外にも、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻だけではなく、鼻以外も長い。」
といふことは、
②「象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。」
といふことである。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 象長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
② 象は鼻長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
③ 象鼻は長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
④ 象は鼻は長い=象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。
に於いて、
① の「等式」だけが「正しい」のであれば、
① 象長い。⇔
① 象は、鼻だけが長く、鼻だけが長い動物は、象だけである。⇔
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}&∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「等式」が、成立する。
令和02年11月19日、毛利太。

2020年11月18日水曜日

「お知らせ」。

(01)
① 象長い。
② 象は鼻が長く、鼻以外は長くなく、「」もである。
③ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(02)
(ⅲ)
1    (1)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (3)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
             ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  2Df.⇔
1    (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  3&E
1    (5)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3&E
 6   (6)                            ~象a  A
16   (7)   ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}    65MTT
16   (8)   ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)     7ド・モルガンの法則
16   (9)    ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)     8含意の定義
  ア  (ア)    ∃y(鼻ya&長y)                   A
16ア  (イ)               ~∀z(~鼻za→~長z)     9アMPP
16ア  (ウ)               ∃z~(~鼻za→~長z)     イ量化子の関係
   エ (エ)                 ~(~鼻ba→~長b)     A
   エ (オ)                  ~(鼻ba∨~長b)     エ含意の定義
   エ (カ)                   ~鼻ba& 長b      オ、ド・モルガンの法則
   エ (キ)                ∃z(~鼻za& 長z)     カEI
16ア  (ケ)                ∃z(~鼻za& 長z)     ウエキEE
16   (コ)     ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     アケCP
1    (サ)~象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]    6コCP
    シ(ス)~象a& ∃y(鼻ya&長y)                  A
    シ(セ)~象a                              シ&I
    シ(ソ)     ∃y(鼻ya&長y)                  ス&E
1   シ(タ)    [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]     サセMPP
1   シ(チ)                ∃z(~鼻za& 長z)     ソタMPP
1    (ツ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)     シチCP
1    (テ)∀x{~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}   ツUI
1    (ト)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}   4UI
(ⅳ)

(03)
   ―「お知らせ」―
(a)「痛風の発作」が酷くなって来たため、「この記事を中断します。」
(b)「痛風の発作」が「治まった」時点で、「この記事の続き」を再開します。
(c)「私事(告訴)」のための「資料」を作成する必要があるので、(b)以降は、「暫くの間」、「ブログの更新」は無いかも、知れません。
令和02年11月18日、毛利太。
 

2020年11月17日火曜日

「象(は・が)は鼻(は・が)長い」等の「述語論理」を「金谷武洋」先生へ。

(01)
1     (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1     (2)   T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   T会の会員a                             A
13    (4)          ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  34MPP
  5   (5)             私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&理事長ba                 5&E
  5   (7)                      ∀z(理事長za→b=z)   5&E
  5   (8)                         理事長ca→b=c    7UE
   9  (9)     ∃z(小倉z&~私z)                      A
    ア (ア)        小倉c&~私c                       A
    ア (イ)        小倉c                           ア&E
    ア (ウ)            ~私c                       ア&E
     エ(エ)               b=c                     A
    アエ(オ)            ~私b                       ウエ=E
  5   (カ)             私b                       6&E
  5 アエ(キ)            ~私b&私b                    オカ&I
  5 ア (ク)              b≠c                     エキRAA
  5 ア (ケ)                        ~理事長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        小倉c&~理事長ca                    イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   コEI
  59  (シ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   45シEE
1  9  (セ)   T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za)              3スCP
1  9  (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}             セUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、yとzは「同一人物」である)]。}
(ⅱ)あるzは(小倉氏であって、zは私ではない。)
(ⅲ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるzは(小倉氏であって、zはxの理事長ではない)。}
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)「タゴール記念会の理事長は、私であって、私以外は理事長ではない。」然るに、
(ⅱ)「小倉氏は、私ではない。」従って、
(ⅲ)「タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
よく知られているように、
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(05)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
① 私が理事長です。
といふ「日本語」は、
① 私は理事長です。
といふ「日本語」を、「含意」する。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であって、理事長は私です。
③ 私は理事長であって、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、私は理事長であって、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私は理事長であって、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以は長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)      象a                       6&E
   6  (8)   兎a                          6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅰ)「象は鼻長い。」然るに
(ⅱ)「兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。」従って、
(ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① といふ「仮定」からは、「兎は象ではない。」といふ「結論」を得ることは、出来ないし、
③ といふ「仮定」からも、「兎は象ではない。」といふ「結論」を得ることは、出来ない。
といふことは、「当然」である。
何となれば、
(15)
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
ではなく、
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
③ 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ風に、「仮定」すれば、固より、
 2 6  (キ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                     耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                         ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                     ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                          ~長b   ケサMPP
といふ「計算」を、行ふことが、出来ない
然るに、
(16) (ⅰ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2 (3)   象a                           A
12 (4)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  23MPP
12 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
12 (6)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  4&E
12 (7)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  6量化子の関係
  8(8)                   ~(~鼻ba→~長b)  A
  8(9)                    ~(鼻ba∨~長b)  8含意の定義
  8(ア)                     ~鼻ba& 長b   9ド・モルガンの法則
  8(イ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  アEI
12 (ウ)                  ∃z(~鼻za& 長z)  78イEE
12 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  2CP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} オUI
(ⅱ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  1UE
 3 (3)   象a                           A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)                4&E
13 (6)                  ∃z(~鼻za& 長z)  4&E
  7(7)                     ~鼻ba& 長b   A
  7(8)                    ~(鼻ba∨~長b)  7ド・モルガンの法則
  7(9)                   ~(~鼻ba→~長b)  8含意の定義
  7(ア)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  9EI
13 (イ)                 ∃z~(~鼻za→~長z)  67アEE
13 (ウ)                 ~∀z(~鼻za→~長z)  イ量化子の関係
13 (エ)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  5ウ&I
1  (オ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→~長z)  3エCP
1  (カ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)} 1UI
従って、
(16)により、
(17)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(18)
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}
といふこと、すなはち、
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzはxの鼻ではないが、長い。}
といふことは、
④ 象は鼻も長い。
といふ、ことである。
従って、
(14)(18)により、
(19)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(20)
① 象は鼻_長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、「右辺」は、「3つも、異なること」から、
① 象は鼻_長い。
の場合は、
② 象は鼻が長い。
ではないし、
③ 象は鼻も長い。
でもない。
従って、
(20)により、
(21)
① 象は鼻は長い。
といふことに、ならざるを得ず、それ故、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(22)
(ⅰ)
1  (1) P⇔Q          A
1  (2)(P→Q)&(Q→P)   1Df.⇔
1  (3) P→Q          2&E
1  (4)       Q→P    2&E
 5 (5)        ~P    A
  6(6)       Q      A
1 6(7)         P    46MPP
156(8)      ~P&P    57&I
15 (9)       ~Q     68RAA
1  (ア)       ~P→~Q  59CP
1  (イ)(P→Q)&(~P→~Q) 3ア&I
(ⅱ)
1  (1)(P→Q)&(~P→~Q) A
1  (2) P→Q          1&E
1  (3)       ~P→~Q  1&E
 4 (4)           Q  A
  5(5)       ~P     A
1 5(6)          ~Q  35MPP
145(7)        Q&~Q  46&I
14 (8)      ~~P     57RAA
14 (9)        P     8DN
1  (ア)       Q→P    49CP
1  (イ)(P→Q)&(Q→P)   2ア&I
1  (ウ) P⇔Q          イDf.
従って、
(22)により、
(23)
① P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
③(P→Q)&(~P→~Q)
に於いて、すなはち、
① Pならば、そのときに限って、Qである。
② PはQであり、QはPである。
③ PはQであり、P以外はQでない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)により、
(24)
もう一度、確認するものの、
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(23)(24)により、
(25)
① P⇔Q
②(P→Q)&(Q→P)
③(P→Q)&(~P→~Q)
といふことは、
① PQである。
といふことに、他ならない。
従って、
(21)~(25)により
(26)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に対して、
④ 象_鼻は長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象_鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ 象_鼻も長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
であるならば、
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
でなければ、ならない。
従って、
(26)により、
(27)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 象は鼻も長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 象が鼻は長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象が鼻が長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ 象が鼻も長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふことになるし、更に言へば、
⑦ 象鼻は長い。
の場合は、
⑦ 象以外の動物の鼻も長い。
といふことなので、
⑦ 象も鼻は長い≡∀x{象x∨~象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑦ 象も鼻は長い≡すべてのxについて{xが象であるか、xが象以外であるならば、あるyは(xの鼻であって、長い)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(28)
三上に敬意を表して「象鼻文」つまり「象は鼻が長い」を例に取ろう。ただし、例文としては、コンマで「象は」を文から切り離しておく。
(72j)象は,鼻が長い。
二重主語どころか、この文には主語が一つもない。日本語にはそもそも主語など不要なのだから当然であるが、「象は」は主題(題目)であり、「こんにちは」のように文がここで切れている。
「象について話しますよ」と聞き手の注意を引いておき、それに続く話してのコメントが「鼻が長い」だ。これは単に、主格補語「鼻が」が伴った基本形容詞文「長い」にすぎない。
(金谷武洋、日本語に主語はいらない、2002年、130頁)
従って、
(27)(28)により、
(29)
① 象長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① は、「二重主題文」であって、
⑤ は、「二重主格文」である。
然るに、
(30)
① 象長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ 象長い≡∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① は、「二重主題文」であって、
⑤ は、「二重主格文」である。といふのであれば、
① 象は鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
といふ「左辺だけからではなく、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「右辺からも、そのことを、「説明」すべきである。
(31)
①{象、兎、馬}
②{象、机、本}
に於いて、
① であれば、{象動物である。}とは言へないが、
② であれば、{象動物である。}と、言へる
然るに、
(32)
①{象、兎、馬}
②{象、机、本}
に於いて、
① であれば、{象以外(兎と馬)は動物ではない。}とは言へないが、
② であれば、{象以外(机と本)は動物ではない。}と、言へる
従って、
(31)(32)により、
(33)
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふことに、ならざるを得ない。
然るに、
(34)
三上 先生も、
金谷 先生も、
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふことに、気付いてゐないのか、いづれにせよ、
②{ABである。}⇔
②{AはBであり、A以外はBでない。}
といふ「等式」への「言及」が無い
(35)
例へば、
HIC PUER FILIUS MEUS EST.
この  少年は  息子     私の   です。
といふ「ラテン語」であれば、
「主格」+「主格」+「主格」+「主格」+動詞。
である。
然るに、
(36)
THIS BOY IS MY SON.
であれば、
MY は、「所有格」であって、「主格」ではない
私の
(37)
「英語」のやうな「主語」は、「ラテン語」にはないとしても、だからと言って、
「ラテン語の文法書」に、「ラテン語には、主語が無い」。といふ風には、書かれてはゐない
従って、
(38)
英語のやうな変な主語」は、「日本語」には、無くとも
「日本語」には、「日本語なりの主語」があっても良いはずである。
(39)
漢文を読むコツ
[1]主語や目的語は省略されることが多いので、まず述語(動詞・形容詞・形容動詞)に着眼する。
(片桐功雄、究める漢文、2010年、16頁)
然るに、
(40)
例へば、
 先生不知何許人 先生は何許の人なるかを知らず。
 不詳姓字    姓字も詳かにせず。
 宅邊有五柳樹  宅邊に五柳樹有り。
 因以爲號焉   因て以て號と爲す。
然るに、
(41)
先生不知。
 先生 doesn't 知る。
といふ「語順」からすれば、
  不知(nesciat)。
の「主語」は、「漢文」であっても、「英語」であっても、「普通に考へる限り」は、
 先生 である。
然るに、
(42)
 先生は何許の人なるかを知らず。
といふことからすれば、
 先生不知何許人 先生は何許の人なるかを知らず。
といふのは、結局は、
不知先生何許人 我は先生の何許の人なるかを知らずnescio)。
I don't know where 先生 comes from.
といふ風に、「理解せざる」を得ない。
従って、
(39)~(42)により、
(43)
[1]主語や目的語は省略されることが多いので、まず述語(動詞・形容詞・形容動詞)に着眼する。
(片桐功雄、究める漢文、2010年、16頁)
といふアドバイスは、「適切」である。
従って、
(28)(43)により、
(44)
日本語にはそもそも主語など無い。」と言はれても、そのやうに「信じる」ことによって、例へば、「漢文・訓読」が、「上達」するわけではない。
令和02年11月17日、毛利太。

2020年11月14日土曜日

「トランプが大統領である」の「述語論理(Ⅱ)」。

(01)
(ⅰ)
1     (1)∀x{~Bx→(Px→Tx)} A
1     (2)   ~Ba→(Pa→Ta)  1UE
 3    (3)   ~Ba          A
13    (4)        Pa→Ta   23MPP
  5   (5)          ~Ta   A
135   (6)       ~Pa      45MTT
13    (7)   ~Ta→~Pa      56CP
1     (8)~Ba→(~Ta→~Pa)   37CP
   9  (9)~Ta&~Ba         A
   9  (ア)~Ta             9&E
   9  (イ)    ~Ba         9&E
1  9  (ウ)     ~Ta→~Pa    8イMPP
1  9  (エ)         ~Pa    アウMPP
1     (オ) ~Ta&~Ba→~Pa    9エCP
    カ (カ)          Pa    A
    カ (キ)        ~~Pa    カDN
1   カ (ク)~(~Ta&~Ba)      オキMTT
1   カ (ケ)   Ta∨ Ba       ク、ド・モルガンの法則
1     (コ)   Pa→(Ta∨Ba)   カケCP
1     (サ)∀x{Px→(Tx∨Bx)}  コUI
1     (〃)大統領は、トランプか、バイデンである。
(ⅱ)
1     (1) ∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
1     (2)    Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 3    (3)       ~Ta&~Ba  A
 3    (4)      ~(Ta∨Ba)  3ド・モルガンの法則
13    (5)  ~Pa           24MTT
1     (6)  ~Ta&~Ba→~Pa   35CP
  7   (7)      ~Ba       A
   8  (8)  ~Ta           A
  78  (9)  ~Ta&~Ba       78&I
1 78  (ア)          ~Pa   69MPP
1 7   (イ)      ~Ta→~Pa   8アCP
     ウ (ウ)           Pa   A
    ウ (エ)         ~~Pa   ウDN
1 7 ウ (オ)     ~~Ta       イエMTT
1 7 ウ (カ)       Ta       オDN
1 7   (キ)        Pa→Ta   ウカCP
1     (ク)   ~Ba→(Pa→Ta)  7キCP
1     (ケ)∀x{~Bx→(Px→Tx)} クUI
1     (〃)バイデンでないならば、大統領はトランプである。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{~Bx→(Px→Tx)}
② ∀x{ Px→(Tx∨Bx)}
に於いて、
①=② であるが、この「等式」を、『定理(1)』とする。
然るに、
(03)
1    (1)∀x{~Bx→(Px→Tx)} A
1    (〃)∀x{ Px→(Tx∨Bx)} 1『定理(1)』
 2   (2)∀x(Fx→~Px)      A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)       A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)   1UE
 2   (5)   Fa→~Pa       1UE
   6 (6)   Ba&Fa        A
    7(7)   Pa           A
1   7(8)       Ta∨Ba    47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta    8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta    9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta    ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa       6&E
 2 6 (エ)      ~Pa       5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa       7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)      6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa       カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba       キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba       ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba       ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba       36コEE
123 7(シ)          Ta    イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta        7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)       スUI
従って、
(03)により、
(04)
(1)∀x{~Bx→(Px→Tx)}然るに、
(2)∀x(Fx→~Px)     然るに、
(3)∃x(Bx&Fx)      従って、
(セ)∀x(Px→Tx)
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
P=大統領である。
F=不正を行ふ。
T=トランプである。
B=バイデンである。
として、
(1)すべてのxについて{xがバイデンでないならば(、xが大統領であるならば、xはトランプである)}。然るに、
(2)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。然るに、
(3)あるxは(バイデンであって、不正を行った)。従って、
(セ)すべてのxについて(xが大統領であるならば、xはトランプである)。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
(1)バイデンでないならば、大統領はトランプである。然るに、
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(3)バイデンは不正を行った。従って、
(4)大統領はトランプである。
といふ「推論」は「妥当」である(が、言ふ迄もなく、推論の妥当性と、事実か否かといふことは、関係がない)。
令和02年11月14日、毛利太。

2020年11月13日金曜日

「大統領ではない人がゐる」の「述語論理」。

(01)
1      (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)}  A
 2     (2)∃x(~Tx&~Bx)     A
1      (3)   Pa→(Ta∨Ba)   1UE
  4    (4)       Ta∨Ba    A
   5   (5)      ~Ta&~Ba   A
    6  (6)       Ta       A
   5   (7)      ~Ta       5&E
   56  (8)       Ta&~Ta   67&I
    6  (9)    ~(~Ta&~Ba)  58RAA
     ア (ア)          Ba    A
   5   (イ)          ~Ba   5&E
   5 ア (ウ)       Ba&~Ba   アイ&I
     ア (エ)    ~(~Ta&~Ba)  5ウRAA
  4    (オ)    ~(~Ta&~Ba)  469アエ∨E
  45   (カ)     (~Ta&~Ba)&
              ~(~Ta&~Ba)  5オ&I
   5   (キ)      ~(Ta∨Ba)  4カRAA
1  5   (ク)  ~Pa           3キMTT
1      (ケ)  ~Ta&~Ba→~Pa   5クCP
      コ(コ)  ~Ta&~Ba       A
1     コ(サ)          ~Pa   ケコMPP
1     コ(シ)       ∃x(~Px)  サEI
12     (ス)       ∃x(~Px)  2コシEE
然るに、
(02)
P=大統領である。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とする。 従って、
(02)により、
(03)
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)}
(2)∃x(~Tx&~Bx) 
(ス)∃(~Px)
といふ「述語論理式」は、
(1)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。
(2)あるxは(トランプではないし、バイデンでもない)。
(ス)あるxは(大統領ではない)。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(1)大統領は、トランプか、または、バイデンである。  然るに、
(2)ある人は、トランプではないし、バイデンでもない。従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、言ふまでもなく、「妥当」である。
然るに、
(05)
1      (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)}  A
 2     (2)∃x(~Tx)         A
1      (3)   Pa→(Ta∨Ba)   A
  4    (4)       Ta∨Ba    A
   5   (5)      ~Ta&~Ba   A
    6  (6)       Ta       A
   5   (7)      ~Ta       5&E
   56  (8)       Ta&~Ta   67&I
    6  (9)    ~(~Ta&~Ba)  58RAA
     ア (ア)          Ba    A
   5   (イ)          ~Ba   5&E
   5 ア (ウ)       Ba&~Ba   アイ&I
     ア (エ)    ~(~Ta&~Ba)  5ウRAA
  4    (オ)    ~(~Ta&~Ba)  469アエ∨E
  45   (カ)     (~Ta&~Ba)&
              ~(~Ta&~Ba)  5オ&I
   5   (キ)      ~(Ta∨Ba)  4カRAA
1  5   (ク)  ~Pa           3キMTT
1      (ケ)  ~Ta&~Ba→~Pa   5クCP
      コ(コ)  ~Ta           A
      コ(サ)  ~Ta&~Ba       &Iは、「デタラメ」である。
1     コ(シ)          ~Pa   ケコMPP
1     コ(ス)       ∃x(~Px)  サEI
12     (セ)       ∃x(~Px)  2コスEE
といふ「計算」は、「妥当」ではない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(2)ある人は、バイデンではない。     従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
(07)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。           然るに、
(2)ある人は、バイデンではないが(トランプであるかも知れない)。従って、
(ス)ある人は、大統領ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(08)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
といふのであれば、
(1)どちらか一方は、大統領ではない。
といふ風に、考へるのが、「普通」である。
然るに、
(09)
「含意(material implication )の定義」により、
① ∀x{ Px→(Tx∨Bx)}
② ∀x{~Px∨(Tx∨Bx)}
に於いて、
①=② であって、
この「等式」は、
①「大統領」が存在しても
②「大統領」が存在しなくとも、「」になる。
といふことを、示してゐる。
従って、
(08)(09)により、
(10)
「述語論理(古典論理)」の「解釈」に従ふ限り、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
といふのであれば、それだけで
(1)どちらか一方は、大統領ではない。
のだから、それだけで
(セ)ある人は、大統領ではない
といふことには、ならない。
(11)
例へば、
1  (1)∀x(象x→動物x) A
 2 (2)∃x(象x)     A
1  (3)   象a→動物a  1UE
  3(4)   象a      A
1 3(5)      動物a  34MPP
1 3(6)   象a&動物a  45&I
1 3(7)∃x(象x&動物x) 6EI
12 (8)∃x(象x&動物x) 237EE
といふ「計算」は、
(1)象は動物であって、
(2)象がゐて、初めて、
(8)象といふ動物が存在する
といふことを、示してゐる。
令和02年11月13日、毛利太。

「トランプが大統領である」の「述語論理」の説明(Ⅱ)。

(01)
(ⅰ)
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba      ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba      36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
といふ「計算」を、「計算(01)」とする。
(02)
(ⅱ)
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
   6 (ケ)   Ba          6&E
 2 67(コ)      ~Fa      クケMPP
 2 67(サ)   ∃x(~Fx)     コEI
 23 7(シ)   ∃x(~Fx)     26サEE
 23  (ス)Pa→∃x(~Fx)     7シCP
といふ「計算」を、「計算(02)」とする。
(03)
(ⅲ)
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
   6 (ケ)   Ba          6&E
 2 67(コ)      ~Fa      クケMPP
 2 67(サ)   Fa&~Fa      ウコ&I
 2 6 (シ)  ~Pa          7サRAA
 2 6 (ス)∃x(~Px)        シEI
 23  (セ)∃x(~Px)        36スEE
といふ「計算」を、「計算(03)」とする。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①「計算(01)」
②「計算(02)」
③「計算(03)」は、それぞれ、
① ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∀x(Px→Tx)
②                ∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ Pa→∃x(~Fx)
②                ∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├    ∃x(~Px)
といふ「連式(推論)」に相当する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①「計算(01)」
②「計算(02)」
③「計算(03)」に於ける、
① ├ ∀x(Px→Tx)
② ├ Pa→∃x(~Fx)
③ ├    ∃x(~Px)
といふ「結論」の「違ひ」は、
Fa→~Ba
Ba→~Fa
Ba→~Fa
といふ「違ひ」を「原因」とする。
然るに、
(06)
P=大統領である。
F=不正を行ふ。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とすると、
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
(2)∀x(Fx→~Px)     A
(3)∃x(Bx&Fx)      A
といふ「3つの仮定」は、
(1)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。然るに、
(2)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。然るに、
(3)あるxは(バイデンであって、不正を行った)。従って、
といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
(1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
(2)∀x(Fx→~Px)     A
(3)∃x(Bx&Fx)      A
といふ「3つの仮定」は、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「意味」である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
①「計算(01)」は、
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「3つの仮定」の内の「3つ」を用ひてゐるのに対して、
②「計算(02)」と、
③「計算(03)」の場合は、
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。
(3)バイデンは、不正を行った。
といふ「2つの仮定」しか、用ひてゐない。
然るに、
(06)(07)により、
(09)
①├ ∀x(Px→Tx)
②├ Pa→∃x(~Fx)
②├    ∃x(~Px)
といふ「3つの結論」は、それぞれ、
① 大統領はトランプである。
② 任意のaが大統領であるならば、不正を行はなかった人物が存在する。
③ 大統領ではない人物が存在する。
といふ「意味」である。
従って、
(05)(07)(09)により、
(10)
(1)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(2)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(3)バイデンは、不正を行った。従って、
(セ)大統領はトランプである。
といふ「推論」の「妥当性」を示そうとすのであれば、
Fa→~Ba
といふ「仮言命題」を、その「対偶」である所の、
Ba→~Fa
Ba→~Fa
といふ「仮言命題」に、「書き換へ」ては、ならない。
令和02年11月13日、毛利太。

2020年11月12日木曜日

「トランプが大統領である」の「述語論理」の説明。

(01)
 ―「昨日(令和02年11月11日)」は示してゐない所の、―
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx& Fx)     A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba& Fa      A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)   Ba          6&E
   6 (エ)       Fa      6&E
 2 6 (オ)      ~Pa      5エMPP
 2 67(カ)   Pa&~Pa      7オ&I
 2  7(キ) ~(Ba& Fa)     6カRAA
 2  7(ク)  ~Ba∨~Fa      キ、ド・モルガンの法則
 2   (ケ)   Ba→~Fa      ク含意の定義
 2 6 (コ)      ~Fa      ウケMPP
 2 6 (サ)   Fa&~Fa      エコ&I
 2   (シ)  ~Ba          6サRAA
12  7(ス)          Ta   イシMPP
12   (セ)   Pa→Ta       7スCP
12   (ソ)∀x(Px→Tx)      セUI
といふ「計算」を、「計算(01)」とする。
(02)
 ―「昨日(令和02年11月11日)」に示した所の、―
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba      ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba      36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
といふ「計算」を、「計算(02)」とする。
従って、
(01)(02)により、
(03)
12   (ソ)∀x(Px→Tx)      セUI
といふ「結論」は、「計算(01)」であって、
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
といふ「結論」は、「結論(02)」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px)├ ∀x(Px→Tx)
② ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∀x(Px→Tx)
に於いて、
① は、「計算(01)」に基づく「推論」であって、
② は、「計算(02)」に基づく「推論」である。
従って、
(04)により、
(05)
P=大統領である。
F=不正を行ふ。
T=トランプである。
B=バイデンである。
として、
(ⅰ)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが大統領であるならば、xはトランプである)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(ⅱ)不正を行った者は、大統領にはなれない。従って、
(ⅲ)大統領はトランプである。
といふ「推論」は、
① ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px)├ ∀x(Px→Tx)
である。
従って、
(04)により、
(06)
(ⅰ)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。然るに、
(ⅲ)あるxは(バイデンであって、不正を行った)。従って、
(ⅳ)すべてのxについて(xが大統領であるならば、xはトランプである)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(ⅱ)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(ⅲ)バイデンは、不正を行った。従って、
(ⅳ)大統領はトランプである。
といふ「推論」が、
② ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∀x(Px→Tx)
といふ「推論」である。
然るに、
(07)
(ⅰ)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(ⅱ)不正を行った者は、大統領にはなれない。従って、
(ⅲ)大統領はトランプである。
といふ「推論」は、明らかに「妥当」ではなく、
(ⅰ)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(ⅱ)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(ⅲ)バイデンは、不正を行った。従って、
(ⅳ)大統領はトランプである。
といふ「推論」こそが、「妥当」である(推論の妥当性と、真実か否かは、関係が無い)。
従って、
(01)(05)(06)(07)により、
(08)
「昨日、最初」に思ひついた所の、
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx& Fx)     A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba& Fa      A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)   Ba          6&E
   6 (エ)       Fa      6&E
 2 6 (オ)      ~Pa      5エMPP
 2 67(カ)   Pa&~Pa      7オ&I
 2  7(キ) ~(Ba& Fa)     6カRAA
 2  7(ク)  ~Ba∨~Fa      キ、ド・モルガンの法則
 2   (ケ)   Ba→~Fa      ク含意の定義
 2 6 (コ)      ~Fa      ウケMPP
 2 6 (サ)   Fa&~Fa      エコ&I
 2   (シ)  ~Ba          6サRAA
12  7(ス)          Ta   イシMPP
12   (セ)   Pa→Ta       7スCP
12   (ソ)∀x(Px→Tx)      セUI
といふ「計算」は、「マチガイ」であるし、固より、
「EE(存在量記号除去の規則)」の「適用」を「予定」して始めたにも拘らず、
「EE(存在量記号除去の規則)」を「適用」しなかった「計算」は、
「これ迄、1度も行った」ことがなく、そのため、
12   (ソ)∀x(Px→Tx)      セUI
といふ「結果」を見た際には、「本当かよ!?」といふのが、「率直な、感想」であった。
そのため、
(01)(02)(08)により、
(09)
「計算(01)」を放棄して、
「計算(02)」を採用したのであるが、
「計算(02)」も、「なかなか、興味深い」。
(10)
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba      ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba      36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
に於ける、
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
といふ「3行」は、
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
といふ「2行」であることも、「可能」であり、そのため、
   6 (ケ)   Ba          6&E
 2 67(コ)      ~Fa      クケMPP
といふ「計算」も、「可能」である。
然るに、
(11)
 2 67(コ)      ~Fa      クケMPP
であるとすると、
   6 (ウ)       Fa      6&E
ではないため、
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba      ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba      36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
ではない
そのため、
(04)(08)(11)により、
(12)
① ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px)├ ∀x(Px→Tx)
② ∀x{Px→(Tx∨Bx)},∀x(Fx→~Px),∃x(Bx&Fx)├ ∀x(Px→Tx)
に於ける、
① だけなく、結局は、
② も「マチガイ」なのか(?)。
といふ風に、「自信」を、無くしかけた。
しかしながら、
(13)
   6 (ウ)       Fa      6&E
でなければ、
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
ではないし、
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
でなければ、
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
ではないし、
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
でなければ、
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
ではないし、
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
でなければ、
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
   6 (ケ)   Ba          6&E
 2 67(コ)      ~Fa      クケMPP
でない。
然るに、
(13)により、
(14)
(ウ) Fa(aはFである。)
といふことが、
(コ)~Fa(aはFでない。)
といふことの、「原因」である。
といふことは、「矛盾」である。
従って、
(10)~(14)により、
(15)
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
といふ「3行」を、
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
といふ「2行」に、「書き換へる」べきではない。
従って、
(02)(15)により、
(16)
 ―「昨日(令和02年11月11日)」に示した所の、―
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)  ~Fa∨~Ba      キ交換法則
 2  7(ケ)   Fa→~Ba      ク含意の定義
 2 67(コ)      ~Ba      ウケMPP
 23 7(サ)      ~Ba      36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
といふ「計算」は、「妥当」である。
令和02年11月12日、毛利太。

2020年11月11日水曜日

「トランプが大統領である」の「述語論理」。

(01)
1    (1)∀x{Px→(Tx∨Bx)} A
 2   (2)∀x(Fx→~Px)     A
  3  (3)∃x(Bx&Fx)      A
1    (4)   Pa→(Ta∨Ba)  1UE
 2   (5)   Fa→~Pa      1UE
   6 (6)   Ba&Fa       A
    7(7)   Pa          A
1   7(8)       Ta∨Ba   47MPP
1   7(9)       Ba∨Ta   8交換法則
1   7(ア)     ~~Ba∨Ta   9DN
1   7(イ)      ~Ba→Ta   ア含意の定義
   6 (ウ)       Fa      6&E
 2 6 (エ)      ~Pa      5ウMPP
 2 67(オ)   Pa&~Pa      7エ&I
 2  7(カ) ~(Ba& Fa)     6オRAA
 2  7(キ)  ~Ba∨~Fa      カ、ド・モルガンの法則
 2  7(ク)   Ba→~Fa      キ含意の定義
   6 (ケ)     ~~Fa      ウDN
 2 67(コ)  ~Ba          クケMTT
 23 7(サ)  ~Ba          36コEE
123 7(シ)          Ta   イサMPP
123  (ス)   Pa→Ta       7シCP
123  (セ)∀x(Px→Tx)      スUI
従って、
(01)により、
(02)
P=大統領である。
F=不正を行ふ。
T=トランプである。
B=バイデンである。
として、
(ⅰ)∀x{Px→(Tx∨Bx)}然るに、
(ⅱ)∀x(Fx→~Px)然るに、
(ⅲ)∃x(Bx&Fx) 従って、
(ⅳ)∀x(Px→Tx)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが大統領であるならば(xはトランプか、または、バイデンである)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて(xが不正を行ったのであれば、xは大統領ではない)。然るに、
(ⅲ)あるxは(バイデンであって、不正を行った)。従って、
(ⅳ)すべてのxについて(xが大統領であるならば、xはトランプである)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)大統領は、トランプか、バイデンである。然るに、
(ⅱ)不正を行った者は、大統領にはなれない。然るに、
(ⅲ)バイデンは、不正を行った。従って、
(ⅳ)大統領はトランプである。
といふ「推論」自体は、「妥当」である。
然るに、
(04)
① トランプ_大統領。
に於いて、
① トランプ_を、「強く発音」すればするほど、
① トランプ以外は、大統領ではない
といふ「意味」になる。
然るに、
(05)
① トランプ以外は、大統領ではない
と言ふのであれば、
① トランプ、大統領である。
といふのであって、
② トランプは、大統領である。
とは、言はない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
①「トランプ」の「心理的な音量」の方が、
②「トランプは」の「心理的な音量」よりも、「大きい」。
といふ、ことになる。
従って、
(06)により、
(07)
①「濁音」の「心理的な音量」の方が、
②「清音」の「心理的な音量」よりも、「大きい」。
といふ、ことになる。
然るに、
(08)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
確かに、
①「トランプが(濁音)」の「心理的な音量」の方が、
②「トランプは(清音)」の「心理的な音量」よりも、「大きい」。
令和02年11月11日、毛利太。

2020年11月10日火曜日

「含意の定義」と「質量含意」のパラドックス。

(01)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1(1)~P   A
1(2)~P∨Q 1∨I
1(3) P→Q 2含意の定義
(ⅳ)
1(1)   Q A
1(2)~P∨Q 1∨I
1(3) P→Q 2含意の定義
従って、
(03)により、
(04)
含意の定義」により、
① ~P├ P→Q
②  Q├ P→Q
といふ「連式(Sequents)」は、2つとも妥当(Valid)」である。
従って、
(04)により、
(05)
① ~P├ P→Q
②  Q├ P→Q
といふ「連式(Sequents)」、すなはち、
① Pでないので、PならばQである。
② Qであるので、PならばQである。
といふ「推論」は、2つとも「妥当(Valid)」である。
然るに、
(06)
① ~P├ P→Q
であるならば、すなはち、
Pではないが、 PならばQである。
といふのであれば、
① Qであるか、Qでないかは、「不明」である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ~P├ P→Q
であるならば、すなはち、
① Pが「」であるならば、
① Qは「」であって、「」であっても、「どちらでも良い」。
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)→真
(〃)→偽
は、両方とも、「」である。
然るに、
(09)
② Q├ P→Q
であるならば、すなはち、
Qであるが、PならばQである。
といふのであれば、
② Pが「」であらうと、「」であらうと、いづれにせよ、
② Qは「」である。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅱ)真→
(〃)偽→
は、両方とも、「」である。
従って、
(08)(10)により、
(11)
(ⅰ)→真
(〃)→偽
(ⅱ)真→
(〃)偽→
といふ「4通り」は、4つとも」である。
然るに、
(11)により、
(12)
(ⅰ)偽→真
(〃)偽→偽
(ⅱ)真→真
(〃)偽→真
に於いて、
(ⅰ)偽→真:段目
(〃)偽→真:段目
は、「同じ」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
「番号」を付け直すと、
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
といふ「3通り」は、3つとも」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
に於いて、「」になり得るのは、唯一
(ⅳ)真→偽
だけである。
然るに、
(02)により、
(15)
含意の定義」により、
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
といふ「含意」は、「順番」に、
(ⅰ)~偽∨真
(ⅱ)~偽∨偽
(ⅲ)~真∨真
(ⅳ)~真∨偽
といふ「選言」に、「等しく」、さらには、
(ⅰ) 真∨真
(ⅱ) 真∨偽
(ⅲ) 偽∨真
(ⅳ) 偽∨偽
といふ「選言」に、「等しい」。
然るに、
(16)
「真理表(Truth table)」により、
(ⅰ) 真∨真
(ⅱ) 真∨偽
(ⅲ) 偽∨真
(ⅳ) 偽∨偽
といふ「選言」は、唯一
(ⅳ) 偽∨偽
だけが「」である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
(ⅰ)偽→真
(ⅱ)偽→偽
(ⅲ)真→真
(ⅳ)真→偽
に於いて、
(ⅳ)
だけが「」である。
従って、
(17)により、
(18)
『古典論理において「含意(αならばβ)」は「α→β」と表し、その意味は「αがでありβばであるときに限り」である(大窪徳行・田畑博俊、論理学の方法、1994年、190頁)。』といふことなり、このやうな「含意」を、「質量含意(material implication)」といふ。
従って、
(18)により、
(19)
(ⅰ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽はから昇る。
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
の場合は、
(ⅰ)→真
(ⅱ)→偽
であるが故に、両方とも、「(質料含意として)」である。
然るに、
(20)
(ⅰ)悪天候なので、外出しない
(ⅱ)悪天候であっても、外出する
に於いて、
(ⅰ)と(ⅱ)は「矛盾」する。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)悪天候なので、外出しない。
(ⅱ)悪天候であっても、外出する。
に於いて、
(ⅰ)が「(本当)」であるならば、
(ⅱ)は「(ウソ)」である。
然るに、
(22)
(ⅱ)悪天候であっても、外出する
(ⅲ)悪天候ならば、外出しない
に於いて、
(ⅱ)が「」である。
といふことは、
(ⅲ)が「」である。
といふことである。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
「番号」を付け直すと、
(ⅰ)悪天候なので、家に居る。
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
(ⅰ)ならば、(ⅱ)である。
然るに、
(24)
(ⅰ)悪天候なので、家に居る。
といふのであれば、
(ⅰ)悪天候である。
といふことが、
(ⅰ)家に居る。
といふことの、「理由」になってゐる。
従って、
(23)(24)により、
(25)
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
といふのであれば、
(ⅱ)悪天候である。
といふことが、
(ⅱ)家に居る。
といふことの、「理由」になって、ゐなければ、ならない
然るに、
(26)
(ⅰ)四角形の内角の和が180度なので、太陽はから昇る。
といふ風に、思ってゐる人間は、普通に考へれば、「一人もゐない」。
従って、
(19)(25)(26)により、
(27)
(ⅱ)悪天候ならば、家に居る。
といふ「日常言語含意」に対して、
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
のやうな「質量含意」は、「非常識」であると、言はざるを得ない
然るに、
(28)
例へば、
①  選挙の勝利者は(トランプか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
といふ「命題」に於いて、
①=② である。
といふことは、「当然」である。
然るに、
(29)
S=選挙の勝利者である。
T=トランプである。
B=バイデンである。
とするならば、
①  選挙の勝利者は(トランプか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
といふ「命題」は、
①  S→(T∨B)
②(S→T)∨(S→B)
といふ「命題論理式」で、表すことが、出来る。
然るに、
(30)
(ⅰ)
1        (1) S→(T∨B)    A
1        (2)~S∨(T∨B)    1含意の定義
 3   (3)~S          A
 3   (4)~S∨T        3∨I
 3   (5) S→T        4含意の定義
 3   (6)(S→T)∨(S→B) 5∨I
  7  (7)    T∨B     A
   8 (8)    T       A
   8 (9) ~S∨T       8∨I
   8 (ア)(S→T)       9含意の定義
   8 (イ)(S→T)∨(S→B) ア∨I
    ウ(ウ)      B     A
    ウ(エ)   ~S∨B     ウ∨I
    ウ(オ)    S→B     エ含意の定義
    ウ(カ)(S→T)∨(S→B) オ∨I
  7  (キ)(S→T)∨(S→B) 78イウカ∨E
1    (ク)(S→T)∨(S→B) 2367キ∨E
(ⅱ)
1   (1)(S→T)∨(S→B) A
 2  (2) S          A
  3 (3) S→T        A
 23 (4)   T        23MPP
 23 (5)   T∨B      4∨I
   6(6)       S→B  A
 2 6(7)         B  26MPP
 2 6(8)       T∨B  7∨I
12  (9)   T∨B      13568∨E
1   (ア) S→(T∨B)    29CP
従って、
(29)(30)により、
(31)
①  S→(T∨B)
②(S→T)∨(S→B)
に於いて、すなはち、
①  選挙の勝利者ならば(トランプであるか、  または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者ならば、トランプであるか)、または、(選挙の勝利者ならば、トランプである)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(30)(31)により、
(32)
含意の定義」が無ければ
①  選挙の勝利者は(トランプであるか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプであるか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「証明」することは、出来ない
従って、
(18)(27)(32)により、
(33)
例へば
(ⅱ)四角形の内角の和が180度ならば、太陽は西から昇る。
といふ「命題」を、「」にせ使むる所の、「含意の定義」は、「非常識」であると、言はざるを得ないが、その一方で、
古典命題論理」に於いては、「含意の定義」が無ければ、
例へば
①  選挙の勝利者は(トランプであるか、または、バイデンである)。
②(選挙の勝利者はトランプであるか)、または、(選挙の勝利者はバイデンである)。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「証明」することは、出来ない
令和02年11月10日、毛利太。

「含意の定義」と「選言三段論法」について。

(01)
―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅰ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅱ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(02)により、
(03)
①  ~P→Q
② ~~P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
① ~P→Q
②  P∨Q
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(04)により、
(05)
1 (1) P∨Q A
1 (2)~P→Q 1含意の定義
 2(3)~P   A
12(4)   Q 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(05)により、
(06)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
1 (1) P∨Q A
1 (2) Q∨P 1交換法則
1 (3)~Q→P 1含意の定義
 2(3)~Q   A
12(4)   P 23MPP
といふ「推論」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(07)により、
(08)
② P∨Q,~Q├ P
といふ「連式(Sequent)」、すなはち、
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
② PかQであるが、Pではないので、Qである。
といふ「言ひ方」が、「妥当」であるならば、
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
といふ「言ひ方」も、「妥当」でなければ、ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② P∨Q,~P├ Q
といふ「連式(Sequent)」だけでなく、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」も、「妥当」でなければ、ならない。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1    (1) ~P    A
 2   (2)  P∨Q  A
  3  (3)  P    A
  3  (4)~~P    3DN
  3  (5)~~P∨Q  4∨I
  3  (6) ~P→Q  5含意の定義
1 3  (7)    Q  16MPP
   8 (8)    Q  A
   8 (9)~~P∨Q  8∨I
   8 (ア) ~P→Q  9含意の定義
1  8 (イ)    Q  1アMPP
12   (ウ)    Q  2378イ∨E
1    (エ)P∨Q→Q  2ウCP
    オ(オ)  Q    A
    オ(カ)P∨Q    Q∨I
     (キ)Q→P∨Q  オカCP
1    (ク)P∨Q→Q&
        Q→P∨Q  エキ&I
1    (ケ)P∨Q⇔Q  クDf.⇔
従って、
(11)により、
(12)
果たして、
③ ~P├ P∨Q⇔Q
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
然るに、
(13)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
の於いて、
③ P=Q
③ Q=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
④ ~Q├ Q∨P⇔P
然るに、
(14)
「交換法則」により、
③ Q∨P は、
④ P∨Q に、「等しい」。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(06)(08)(12)(15)により、
(16)
① P∨Q,~P├ Q
② P∨Q,~Q├ P
③ ~P├ P∨Q⇔Q
④ ~Q├ P∨Q⇔P
といふ「連式(Sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(16)により、
(17)
① PかQであるが、Pではないので、Qである。
② PかQであるが、Qではないので、Pである。
③ Pでないので、(PかQである。)といふことは、(Qである。)といふことに、等しい。
④ Qでないので、(PかQである。)といふことは、(Pである。)といふことに、等しい。
といふ「推論」は、4つとも、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、共和党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)民主党である。
(ⅱ)(選挙で勝ったのは)共和党か民主党である。然るに、民主党ではない。従って、(選挙で勝ったのは)共和党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。
従って、
(18)により、
(19)
「推論の妥当性」は、「その事柄が、事実か、どうか」といふこととは、「一切、関係」がない。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅰ)三角形の内角の和は360度であるか、選挙で勝ったのは共和党である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは共和党である。
(ⅱ)選挙で勝ったのは民主党であるか、三角形の内角の和は360度である。然るに、三角形の内角の和は360度ではない。従って、選挙で勝ったのは民主党である。
といふ「推論」は、2つとも、「妥当」である。
令和02年11月10日、毛利太。

2020年11月9日月曜日

「自明の理」の「証明」。

(01)
① アメリカ人なので、18才以上ならば、そのときに限って、アメリカ人であって18才以上である。
② アメリカ人ならば、18才以上ならば、そのときに限って、アメリカ人であって18才以上である。
③ アメリカ人であって18才以上なので、アメリカ人であって18才以上である。
④ アメリカ人であって18才以上ならば、アメリカ人であって18才以上である。
といふ「命題」が、4つとも「」である。
といふことは、「自明の理」である。
然るに、
(02)
自明の理」は、「公理」のやうなものであるため、「その意味」では、「証明の仕様」が無い
然るに、
(03)
1   (1)   P      A
 2  (2)   Q      A
12  (3)   P&Q    12&I
1   (4)   Q→P&Q  23CP
  5 (5)   P&Q    A
  5 (6)     Q    5&E
    (7)   P&Q→Q  56CP
1   (8)   Q→P&Q&
          P&Q→Q  47&I
1   (9)   Q⇔P&Q  8Df.⇔
    (ア)P→(Q⇔P&Q) 19CP
   イ(イ)P& Q      A
   イ(ウ)P         イ&E
   イ(エ)   Q⇔P&Q  アウMPP
   イ(オ)  (Q→P&Q)&
         (P&Q→Q) エDf.⇔
   イ(カ)   Q→P&Q  オ&E
   イ(キ)   Q      イ&E
   イ(ク)     P&Q  カキMPP
    (ケ) P&Q→P&Q  イクCP
従って、
(03)により、
(04)
① P├ Q⇔P&Q
②  ├ P→(Q⇔P&Q)
③ P&Q├ P&Q
④    ├ P&Q→ P&Q
といふ「連式(Sequents)」、4つとも「妥当(Valid)」である。
従って、
(04)により、
(05)
P=アメリカ人である。
Q=18才以上である。
とするならば、
① アメリカ人なので、18才以上ならば、そのときに限って、アメリカ人であって18才以上である。
② アメリカ人ならば、18才以上ならば、そのときに限って、アメリカ人であって18才以上である。
③ アメリカ人であって18才以上なので、アメリカ人であって18才以上である。
④ アメリカ人であって18才以上ならば、アメリカ人であって18才以上である。
といふ「命題」は、「自明の理」であると「同時」に、「論理的に真」である。
然るに、
(06)
大統領選挙の選挙権はアメリカ国籍者に限り、加えて18歳以上であること、通常選挙人登録を行っていることが要件となる。
(ウィキペディア)
従って、
(05)(06)により、
(07)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
といふ「命題」は、2つとも、「」である。
然るに、
(08)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
① が「正しい」のに、
② が「間違ひ」である。
といふことは、有り得ない
従って、
(08)により、
(09)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
① が「正しい」のであれば、
② といふ「決まり(ルール)」が有る。
といふことになる。
従って、
(09)により、
(10)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
① であるならば、② である。
然るに、
(11)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
① の場合は、「アメリカ人」であることは「確定」であるが、
② の場合は、「アメリカ人」であることは「未定」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
①=② ではない
従って、
(12)により、
(13)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
② であるならば、① である。
といふことには、ならない
従って、
(11)(13)により、
(14)
① アメリカ人なので、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
② アメリカ人ならば、その上、18才以上ならば、そのときに限って、大統領選挙の選挙権がある。
に於いて、
① であるならば、② であるが、
② であるならば、① であるとは、限らない
(06)(14)により、
従って、
(15)
「当然」ではあるものの、
② 大統領選挙の選挙権はアメリカ国籍者に限り、加えて18歳以上であること、通常選挙人登録を行っていることが要件となる。
といふ「決まり(ルール)」が有ったとしても、
アメリカの国籍を持たない18才以上の人間が、アメリカの大統領選挙の選挙権を行使する。
といふことは、「論理的」にも、「可能」である。
令和02年11月09日、毛利太。

2020年11月8日日曜日

「断定記号(├ )」と「条件的証明(CP)」。

(01)
① AなのでBである(A├ B)。
といふ風に、「言へる」のであれば、「その前に」、
② AならばBである(A→ B)。
といふ「決まり(ルール)」や、「習慣」が、無ければならない。
然るに、
(02)
1(1)P     A
1(2)P∨Q   1∨I
 (3)P→P∨Q 12CP
といふ「計算」、すなはち、
P(1)P     A
P(2)P∨Q   1∨I
 (3)P→P∨Q 12CP
といふ「計算」は、
① Pなので、P∨Qである(P├ P∨Q)。何故ならば
①「選言導入(∨I)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「選言導入(∨I)」といいふのは、
② Pならば、P∨Qである(P→P∨Q)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(03)
  1(1)P&Q   A
  1(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」、すなはち、
P&Q(1)P&Q   A
P&Q(2)P     1&E
   (3)P&Q→P 12CP
といふ「計算」は、
① P&Qなので、Pである(P&Q├ P)。何故なら
①「連言除去(&E)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「連言除去(&E)」といふのは、
② P&Qならば、Pである(P&Q→ P)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
然るに、
(04)
    1 (1) P→ Q A
     2(2)   ~Q A
    12(3)~P    12MTT
    1 (4)~Q→~P 23CP
といふ「計算」、すなはち、
P→Q   (1) P→ Q A
P→Q,~Q(2)   ~Q A
P→Q,~Q(3)~P    12MTT
P→Q   (4)~Q→~P 23CP
といふ「計算」は、
① P→Q,~Qなので、~Pである(P→Q,~Q├ ~Q)。何故ならば
①「否定否定式(MTT)」といふ「決まり(ルール)」が有るからであって、
①「否定否定式(MTT)」といふのは、
② P→Q,~Qならば、~P((P→Q,~Q)→~P)。
といふ「決まり(ルール)」である。
といふ風に、解することが、出来る。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(3)P→P∨Q 12CP
(3)P&Q→P 12CP
(4)~Q→~P 23CP
といふ、3つの「条件的証明(CP)」は、上から順に、
(ⅰ)選言導入(∨I)
(ⅱ)連言除去(&E)
(ⅲ)否定否定式(MTT)
といふ、「決まり(ルール)」を、示してゐる。
従って、
(01)(05)により、
(06)
(ⅰ)今日、明日は物忌なれば、蔀もまゐらぬぞ(枕草子)。
(〃)今日、明日は物忌なので、蔀も開けないのです。
といふのであれば、
(ⅱ)その日が物忌みであるならば、蔀も開けない。
といふ「決まり習慣)」が有った。
といふ、ことになる。
令和02年11月08日、毛利太。

「断定記号(├ )」と「同一律(P→P)」。

(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(04)により、
(05)
① Pなので、Pである。
② Pならば、Pである。
に於いても、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
29 P├ P
    P(1)P A
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44頁)
然るに、
(07)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(06)(07)により、
(08)
(1)P A
といふ「計算」は、
(1)P A
といふ「計算」に「等しい」。
然るに、
(09)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、16頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
(1)P A
といふ「計算」、すなはち、
(1)P A
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(11)
38 ├ P→P(連式29を参照)
   P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、64頁)
従って、
(06)(10)(11)により、
(12)
P(1)P   A(仮定の規則)
 (2)P→P 11CP(条件法)
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(13)
 ―「含意の定義」の「証明」。―
(ⅱ)
1  (1)    P→Q  A
 2 (2) ~(~P∨Q) A
  3(3)   ~P    A
  3(4)   ~P∨Q  3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q) 24&I
 2 (6)  ~~P    35RAA
 2 (7)    P    6DN
12 (8)      Q  17MPP
12 (9)   ~P∨Q  8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
12 (イ)  (~P∨Q) 2ア&I
1  (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1  (エ)   ~P∨Q  ウDN
(ⅲ)
1     (1)  ~P∨Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3)  ~P     A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5)  ~P&P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(13)により、
(14)
②  P→Q
③ ~P∨Q
に於いて、
②=③ は、「含意の定義」である。
従って、
(14)により、
(15)
②  P→P(同一律)
③ ~P∨P(排中律)
に於いても、
②=③ である。
従って、
(12)(15)により、
(16)
①  P├ P(Pなので、Pである。)
②  P→ P(Pならば、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
①⇒② であって、尚且つ、
②=③ である。
然るに、
(16)により、
(17)
①   P├ P(Pなので、Pである。)
③ ~P∨ P(Pでないか、または、Pである。)
に於いて、
③ ならば、① である。
とは、言へない
従って、
(12)(16)(17)により、
(18)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
(19)
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふ「指摘」は、あるいは、「奇異」に思はれるやも、知れない。
然るに、
(06)(11)により、
(20)
もう一度、確認すると、
29  P├ P
  P(1)P A
これ以上短い連式は証明できないし、またその証明は可能な最も短い証明である。
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、44・64頁改)
従って、
(09)(20)により、
(21)
明らかに、
38 ├ P→P(連式29を参照)
  P(1)P   A
   (2)P→P 11CP
といふ「計算」は、
① P├ P(Pなので、Pである。)
② P→ P(Pならば、Pである。)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「証明」してゐる。
令和02年11月08日、毛利太。

2020年11月6日金曜日

「ルカジェヴィッツの公理(1)」の「証明(計算)」について。

(01)
① 悪天候なので、外出しない
② 悪天候であっても、外出する
に於いて、
①と② は「矛盾」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 悪天候なので、外出しない。
② 悪天候であっても、外出する。
に於いて、
① が「(本当)」であるならば、
② は「(ウソ)」である。
然るに、
(03)
② 悪天候であっても、外出する
③ 悪天候ならば、外出しない
に於いて、
② が「」である。
といふことは、
③ が「」である。
といふことである。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「番号」を付け直すと、
① 悪天候なので、家に居る。
② 悪天候ならば、家に居る。
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(04)により、
(05)
① Pなので、Qである。
② Pならば、Qである。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
「・・・・・という仮定が与えられたならば、・・・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)とよばれている記号、
 
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① P Q(Pなので、Qである。)
② P Q(Pならば、Qである。)
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(07)により、
(08)
① P├ Q
② P→ Q
だけでなく、
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いても、
① ならば、② である。
然るに、
(09)
1     (1)     P   A
1     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
1     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
1    オ(ク)   ~~P   オキRAA
1    オ(ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
然るに、
(10)
証明の各行の左側に仮定数字であげる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、序ⅲ)
従って、
(09)(10)により、
(11)
     (1)     P     A
といふことは、
     (1)     P     A
といふことであって、
は「真」。(1)     Pは「真」。A
といふことである。
従って、
(09)(11)により、
(12)
「計算(09)」は、
P     (1)     P   A
P     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
P     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
P   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
P    オ(ク)   ~~P   オキRAA
P    オ(ケ)     P   クDN
P     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「計算」と、「同じ」である。
然るに、
(13)
① P     (コ)   Q→P   オケCP
②       (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「2行」は、
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことを、「意味」してゐる。
(08)(13)により、
(14)
① P├(Q→P)
② P→(Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
といふことは、E.J.レモン先生も、認めてゐる。
然るに、
(15)
系Ⅰ:命題計算のすべての定理はトートロジー的である。
系Ⅱ:命題計算は無矛盾である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、102頁)
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① P     (コ)   Q→P   オケCP
②       (サ)P→(Q→P)  1コCP
に於いて、
③   P は「」であり、
④ Q→P も「」である。
然るに、
(17)
② P→(Q→P)
に於いて、
③   P は「真」であり、
④ Q→P も「」である。
といふことは、
② が、「」である。
といふ、ことである。
従って、
(17)により、
(18)
② P→(Q→P)
② 真→(Q→真)
であるものの、この場合は、「真理表(Truth table)」により、
② P→(→P) であっても、
② P→(→P) であっても、両方とも、「真」である。
従って、
(09)(18)により、
(19)
は「(True)」であるが、
Q は「真・偽不明」であるとして、「計算(09)」は、
T     (1)     T   A
T     (2)  ~Q∨T   1∨I
 3    (3)  ~T&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~T&Q)  36RAA
   8  (8)     T   A
 3    (9)  ~T     3&E
 3 8  (ア)  ~T&T   89&I
   8  (イ)~(~T&Q)  3アRAA
T     (ウ)~(~T&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~T     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~T&Q   エオ&I
T   エオ(キ)~(~T&Q)&
          (~T&Q)  ウカ&I
T    オ(ク)   ~~T   オキRAA
T    オ(ケ)     T   クDN
T     (コ)   Q→T   オケCT
      (サ)T→(Q→T)  1コCT
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(20)
 ルカジェヴィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2){P→(Q→R)}→{(P→Q)→(P→R)}
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(これはフレーゲが提出した6つの公理をより簡単にしたものである。)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
(1)P→(Q→P)
といふ「ルカジェヴィッツによる公理(1)」は、昨日も書いたものの、
(1)Pであるならば(Qであらうと、Qでなからうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
然るに、
(22)
は「(False)」であるが、
Q は「真・偽 不明」 であるとして、「計算(09)」が、
F     (1)     F   A
F     (2)  ~Q∨F   1∨I
 3    (3)  ~F&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~F&Q)  36RAA
   8  (8)     F   A
 3    (9)  ~F     3&E
 3 8  (ア)  ~F&F   89&I
   8  (イ)~(~F&Q)  3アRAA
F     (ウ)~(~F&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~F     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~F&Q   エオ&I
F   エオ(キ)~(~F&Q)&
          (~F&Q)  ウカ&I
F    オ(ク)   ~~F   オキRAA
F    オ(ケ)     F   クDN
F     (コ)   Q→F   オケCP
      (サ)F→(Q→F)  1コCP
といふ風に、書くことが、出来る。
といふ風に、「仮定」する。
然るに、
(23)
は「(False)」であるが、
Q は「真・偽 不明」であるとしても、
(1)F→(Q→F)
といふ「式」は、「」である。
然るに、
(24)
F     (1)     F   
に於ける、「仮定の規則)」は、「なる命題」の「仮定を許さない
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
「計算(22)」は、「マチガイ」であって、次に示す、
「計算(26)」が、「正しい」。
(26)
~F     (1)      ~F   A
~F     (2)   ~Q∨~F   1∨I
  3    (3)   ~~F&Q   A
   4   (4)   ~Q      A
  3    (5)       Q   3&E
  34   (6)   ~Q& Q   45&I
  4    (7) ~(~~F&Q)  36RAA
    8  (8)      ~F   A
  3    (9)   ~~F     3&E
  3 8  (ア)   ~~F&~F  89&I
    8  (イ) ~(~~F&Q)  3アRAA
~F     (ウ) ~(~~F&Q)  2478イ∨E
     エ (エ)   ~~F     A
      オ(オ)       Q   A
     エオ(カ)   ~~F&Q   エオ&I
~F   エオ(キ) ~(~~F&Q)&
            (~~F&Q)  ウカ&I
~F    オ(ク)    ~~~F   オキRAA
~F    オ(ケ)      ~F   クDN
~F     (コ)    Q→~F   オケCP
       (サ)~F→(Q→~F)  1コCP
従って、
(22)(26)により、
(27)
       (サ) F→(Q→ F)  1コCP
といふ「結論」は、「マチガイ」であって、
       (サ)~F→(Q→~F)  1コCP
といふ「結論」こそが、「正しい」。
従って、
(09)(19)(27)により、
(28)
1     (1)     P   A
1     (2)  ~Q∨P   1∨I
 3    (3)  ~P&Q   A
  4   (4)  ~Q     A
 3    (5)     Q   3&E
 34   (6)  ~Q&Q   45&I
  4   (7)~(~P&Q)  36RAA
   8  (8)     P   A
 3    (9)  ~P     3&E
 3 8  (ア)  ~P&P   89&I
   8  (イ)~(~P&Q)  3アRAA
1     (ウ)~(~P&Q)  2478イ∨E
    エ (エ)  ~P     A
     オ(オ)     Q   A
    エオ(カ)  ~P&Q   エオ&I
1   エオ(キ)~(~P&Q)&
          (~P&Q)  ウカ&I
1    オ(ク)   ~~P   オキRAA
1    オ(ケ)     P   クDN
1     (コ)   Q→P   オケCP
      (サ)P→(Q→P)  1コCP
といふ「計算」が「証明」してゐるのは、
      (サ)→(Q→) といふ「恒真式」であって、
      (〃)→(Q→) といふ「恒真式」ではない
令和02年11月06日、毛利太。