2018年2月11日日曜日

甘いものは好きですか。今日は好きです。

(a)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』をお読み下さい。
(b)『返り点と括弧』については、『「一二点・上下点」について(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html)』他をお読み下さい。
(c)『サンマは目黒に限る。』については、『サンマは目黒がうまい(https://kannbunn.blogspot.com/2018/02/blog-post_61.html)』をお読み下さい。
(01)
中でももっとも「バキューーーン!!!」ときちゃったのは、『好きです』篇の斎藤さんのセリフ。「甘いもは好きですか?」と尋ねた泉さんに
対し、「今日は好きです」ととんでもなく甘~い言葉で返していて、こんなん絶対惚れてまうやろ~~~!(あるテレビCMに関する、Webサ
イト)。
(02)
「最近の記事」を読まれてゐない方を想定して、次の「命題計算」を確認します。
(03)
(a)
1  (1) A→ B 仮定
 2 (2)   ~B 仮定
  3(3) A    仮定
1 3(4)    B 13前件肯定
123(5) B&~B 42&導入
12 (6)~A    35背理法
1  (7)~B→~A 26条件法
(b)
1  (1)~B→~A 仮定
 2 (2)    A 仮定
  3(3)~B    仮定
1 3(4)   ~A 13前件肯定
123(5) A&~A 24&導入
12 (6) B    35背理法
1  (7) A→ B 26条件法
従って、
(03)により、
(04)
① AならばBである。
② BでなならばAである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① AならばBである。
② BでないならばAである。
に於いて、
① は、② の「対偶(Contraposition)」であって、
② は、① の「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
対偶 (論理学) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/対偶_(論理学)
対偶(たいぐう、英: Contraposition)とは、ある命題が成立する場合に、その命題の仮定と結論の両方を否定した命題も成立するという命題同士の関係性の事を言う。 命題「AならばB」の対偶は「BでないならAでない」である。 論理記号を用いて説明すると、命題「A ⇒ B」の対偶は「¬B⇒ ¬A」(¬A は命題 A の否定)である。 通常の数学では、命題「AならばB」の真偽とその対偶「BでないならAでない」の真偽とは必ず一致する(すなわち真理値が等しい)。
然るに、
(07)
① AならばBである。
といふことは、
① AはBである。
といふことに、他ならない。
(08)
② BでないならばAでない。
といふことは、
② B以外Aでない。
といふことに、他ならない。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
① AならばBである。
② BでなならばAである。
に於いて、
①=② である。が故に、
① AはBである。
② B以外Aでない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
② B以外Aでない。
に於いて、
①=② である。が故に、
③ BはAである。
④ A以外Bでない。
に於いて、
③=④ である。
(11)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、少なくとも、
③=④ である。
然るに、
(12)
① 東京は日本である。
① 東京は日本の首都である。
といふ「命題」は、両方とも、「本当」である。
然るに、
(13)
② 東京が日本である。
③ 日本は東京である。
④ 東京以外は日本ではない。
といふ「日本語」は、三つとも、「ウソ」である。
(14)
② 東京が日本の首都である。
③ 日本の首都は東京である。
④ 東京以外は日本の首都ではない。
といふ「日本語」は、三つとも、「本当」である。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① AはBである。
② ABである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
  ②=③=④ である。
従って、
(15)により、
(16)
① AはBである。
といふ「言ひ方」は、
④ A以外はBでない。
といふことを、「否定」しない。
従って、
(16)により、
(17)
Q:甘いものは好きですか。
A:今日は好きです。
といふ「不自然な会話」は、
A:今日以外は嫌いです(好きでない)。
といふことを、「暗示」する。
然るに、
(18)
Q:甘いものは好きですか。
といふ「質問」は、
Q:甘いものを一緒に食べませんか。
といふ「意味」にも、捉へることが、出来る。
従って、
(01)(17)(18)により、
(19)
Q:甘いものは好きですか。
A:今日は好きです。
といふ「CM中の男女の会話」は、
Q:甘いものを一緒に食べませんか。
A:普段は好きではないけれど、あなたが「甘いものを一緒に食べませんか。」といふのであれば、「今日に限っては好きになるなので、一緒に甘いものを食べませう。」
といふ風に、「理解」することが出来る。
従って、
(15)~(19)により、
(20)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
  ②=③=④ である。
といふ「事実」を踏まへる限り、
Q:甘いものは好きですか。
A:今日は好きです。
といふ「不自然な会話」の「意図」を、理解することが出来る。
(21)
「最近の記事」を読まれてゐない方を想定しなければ、「繰り返し」になるものの、(15)により、
① これは良いです。
② これ良いです。
良いのはこれです。
④ これ以外は良くない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず
  ②=③=④ である。
従って、
(22)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これがいいです。
とは言はずに、敢へて、
① これはいいです。
と言ふのであれば、
③ 良いのはこれです(とは言へない)。
④ これ以外は良くない(とは言へない)。
といふ、「意味」になる。
従って、
(21)(22)により、
(23)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これいいです。
と言ふのであれば、
良いのはこれです。 といふ「意味」になり、
④ これ以外は良くない。といふ「意味」になる。
従って、
(22)(23)により、
(24)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これはいいです。
② これがいいです。
と言ふのであれば、
① これはいいです(他のを見せて下さい)。
② これいいです(これを下さい)。
良いのはこれです(これを下さい)。
④ これ以外は良くない(これを下さい)。
といふ、「意味」になる。
従って、
(24)により、
(25)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これはいいです(他のを見せて下さい)。
② これがいいです(これを下さい)。
といふのであれば、
①と②では、「反対の意味」になる。
(20)~(25)により、
(26)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
  ②=③=④ である。
といふ「事実」を踏まへる限り、
Q:甘いものは好きですか。
A:今日は好きです。
Q:これはどうですか。
A:これはいいです(他のものを見せて下さい)。
Q:これはどうですか。
A:これがいいです(これを下さい)。
といふ「日本語の用例」を、「説明」することが、出来る。
然るに、
(27)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとガで意味が反対になることがある。
 これはいいです。(不用)
 これがいいです。(入用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語が同型意義になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
従って、
(26)(27)により、
(28)
三上章先生は、
① これは良いです。
② これが良いです。
③ 良いのはこれです。
④ これ以外は良くない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
  ②=③=④ である。
といふことには、「言及」せずに、
つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう。
といふ風に、「説明にならない、説明」をしてゐる。
従って、
(15)(28)により、
(29)
三上章先生は、
① AはBである。
② ABである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず
  ②=③=④ である。
といふ「事実」に、気付いてゐない。が故に、
つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう。
といふ風に、「説明にならない、説明」をしてゐる。
然るに、
(30)
Q:これはどうですか。
A:これいいです(他のものを見せて下さい)。
Q:これはどうですか。
A:これいいです(これを下さい)。
といふ「会話」が成立する「理由」を、外国人に「質問」された場合に、その「理由」を説「明できない」よりは、「説明できる」方が良いに、決まってゐる。
然るに、
(31)
日の丸、盆栽というような小道具を使って説明するとクラスが大いに盛り上がるし、最初から「主語」といふ概念から解放されてゐるので、「ハとガの違い」といふ無意味な説明も不用である。現れる「場」が全然違うのだから。「が」は他の格助詞「に・で・と・を」などと同じ階の住民であるが、「は」のその上の階に「も・しか」などと一緒に住んでいるのだ(金谷武洋、主語を抹殺した男 評伝 三上章、2006年、51頁)。
従って、
(31)により、
(32)
少なくとも、「主語を抹殺した男 評伝 三上章、2006年」を書いた当時の、金谷先生は、
Q:これはどうですか。
A:これいいです(他のものを見せて下さい)。
Q:これはどうですか。
A:これいいです(これを下さい)。
といふ「会話」が成立する「理由」などは、日本語の学習者に対しては、「説明無用」であると、思ってゐたことなる。
然るに、
(33)
① Aはである。
② ABある。
はAである。
④ A以外はBでない
に於いて、
③=④ であることは、
(a)
1  (1) B→ A 仮定
 2 (2)   ~A 仮定
  3(3) B    仮定
12 (4)    A 13前件肯定
123(5) A&~A 42&導入
12 (6)~B    35背理法
1  (7)~A→~B 26条件法
(b)
1  (1)~A→~B 仮定
 2 (2)    B 仮定
  3(3)~A    仮定
12 (4)   ~B 13前件肯定
123(5) B&~B 24&導入
12 (6) A    35背理法
1  (7) B→ A 26条件法
といふ「命題計算」が、「証明」してゐる。
然るに、
(34)
A:これはいいです(他のものを見せて下さい)。
Q:これはどうですか。
A:これがいいです(これを下さい)。
といふ「会話」が成立する以上、
① Aはである。
② ABである。
はAである。
④ A以外はBでない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず
  ②=③=④ である。
といふ風に、せざるを得ない。
従って、
(35)
Q:これはどうですか。
A:これいいです(他のものを見せて下さい)。
Q:これはどうですか。
A:これいいです(これを下さい)。
といふ「会話」が成立する「理由」などは、日本語の学習者に対しては、「説明不能」であると、思ふべきではない。
平成30年02月11日、毛利太。

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