「漢文」とはなにか
受験参考書をはるかに超え出たZ会伝説の名著、待望の新版! ― 中略 ―、
基礎とはなにか。二畳庵先生が考える基礎ということばは、基礎医学とか、基礎物理研究所といったことばで使われているような意味なんだ。(中略)基礎というのは、初歩的知識に対して、いったいそれはいかなる意味をもっているのか、ということ。つまりその本質を反省することなのである。初歩的知識を確認したり、初歩的知識を覚える、といったことではなく、その初歩的知識を材料にして、それのもっている本質を根本的に反省するということなのだ。――<本書より>
※本書は1984年10月に増進会出版社より刊行された『漢文法基礎』(新版)を大幅に改訂したものです。
(02)
(ⅰ)
1 (1)~〔P& Q〕 A
2 (2) Q A
3(3) P A
23(4) P& Q 23&I
123(5)~〔P& Q〕&
〔P& Q〕 14&I
12 (6) ~P 35RAA
1 (7) Q→~P 26CP
(ⅱ)
1 (1) Q→~P A
2 (2) P& Q A
2 (3) Q 2&E
12 (4) ~P 13MPP
2 (5) P 2&E
12 (6) P&~P 45&I
1 (7)~〔P& Q〕 26RAA
従って、
(02)により、
(03)
① ~〔P& Q〕≡〔Pであって、尚且つ、Qである〕といふことはない。
② 〔Q→~P〕≡〔Qであるならば、Pでない。〕
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
① ~〔P& Q〕≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
② Q→~P ≡ Qであるならば、Pでない。
に於いて、
「~」=「不」
「P」=「知(其能千里)」
「&」=「而」
「Q」=「食(養ふ)」
「→」=「ならば」
であるとする。
cf.
「食」は「養う」の「意味」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 不〔知(其能千里)而食〕。
② 食ならば不〔知(其能千里)〕。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
① 不〔知(其能千里)而食〕。
② 食ならば不〔知(其能千里)〕。
に於いて、
不〔 〕⇒〔 〕不
知( )⇒( )知
といふ「移動」を行ひ、「平仮名」を加へると、
① 〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ず。
② 食ふならば〔(其の能の千里なるを)知ら〕ず。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
① 食レ馬者、不下知二其能千里一食上。
① 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はず。
① 馬の飼い主は、自分の馬が千里も走る能力があることを知って飼うことをしない。
(旺文社、漢文の基礎、1973年、153・154頁改)
然るに、
(08)
言ふまでもなく、
②(馬を食ふ者は、馬を)食ふ。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① 食馬者、不知其能千里而食。
といふ「漢文」は、
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、馬を養ふ。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(10)
① 食レ馬者、不下知二其能千里一食上。
② 知ニ其能千里一而食レ食。
この ①・② の読み方を書き下し文になおすと、どちらも「その能の千里なるを知ってしかし食わず」であって同じである。だから書き下し文を見ただけでは、①か②か どちらかという判断はできない。
それでは、意味はどうなるかと、全く違うのである。すなわち、次のようになる。
①「その(馬の)働きが一日に千里も走れるのを知らないし、それ相応に飼育しない」
②「その(馬の)働きが一日に千里も走れるほどであることを知っておりながら、〈それ相応に飼育しない〉」
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、390頁)
然るに、
(11)
①「その(馬の)働きが一日に千里も走れるのを知らないし、それ相応に飼育しない」
といふのであれば、
① 食馬者、不知其能千里而_食。
ではなく、
① 食馬者、不知其能千里而不食。
でなければ、ならない。
然るに、
(07)(10)により、
(12)
「原文」は、
① 食馬者、不知其能千里而不食。
ではなく、
① 食馬者、不知其能千里而_食。
である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 食レ馬者、不下知二其能千里一食上。
であれば、
①「その(馬の)働きが一日に千里も走れるのを知らないし、それ相応に飼育しない」
といふ「意味」になるといふ、「二畳庵主人(加地伸行 先生)」の「説明」は、「マチガイ」である。
(14)
(ⅲ)
1 (1)~(P∨Q) A
2 (2) P A
2 (3) P∨Q 2∨I
12 (4)~(P∨Q)&(P∨Q) 13&I
1 (5) ~P 24RAA
6(6) Q A
6(7) P∨Q 6∨I
1 6(8)~(P∨Q)&(P∨Q) 17&I
1 (9) ~Q 68RAA
1 (ア)~P&~Q 59&I
(ⅳ)
1 (1) ~P&~Q A
2 (2) P∨ Q A
1 (3) ~P 1&E
4 (4) P A
1 4 (5) ~P&P 34&I
4 (6)~(~P&~Q) 15RAA
1 (7) ~Q 1&E
8(8) Q A
1 8(9) ~Q&Q 78&I
8(ア)~(~P&~Q) 19RAA
2 (イ)~(~P&~Q) 2468ア∨E
4 (6)~(~P&~Q) 15RAA
1 (7) ~Q 1&E
8(8) Q A
1 8(9) ~Q&Q 78&I
8(ア)~(~P&~Q) 19RAA
2 (イ)~(~P&~Q) 2468ア∨E
12 (ウ) (~P&~Q)&
~(~P&~Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨ Q) 2ウRAA
従って、
(14)により、
(15)
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである)といふことはない。
④ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、
③=④ である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(15)により、
(16)
③(字を書くか、または、書を読まない)といふことはない。
④ 字も書かなければ、 書も読まない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(17)
④ 字も書かなければ、書も読まない。
といふのであれば、「漢文」は、
④ 不レ書レ字、不レ読レ書。
であって、
④ 不二書レ字読一レ書。
ではない。
然るに、
(18)
入門編で述べたもっと簡単な例でいうと、たとえば、
③ 書レ字不レ読レ書。
④ 不二書レ字読一レ書。
③ は「字は書くけれども、本は読まない。」
④ は「字も書かなければ、書も読まない。」ということで、ここでも「不」の管到のちがいがよくでている。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、390頁)
従って、
(17)(18)により、
(19)
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」は、要するに、
④ 不レ書レ字、不レ読レ書。
といふ「漢文」と、
④ 不二書レ字読一レ書。
といふ「漢文」とを、「混同」していて、このことは、
③ ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
④ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、
③=④ である(「ド・モルガンの法則」ではない)。
と、見做してゐる。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(20)
(ⅰ)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&(~P∨~Q) 28&I
2 (イ) ~~Q 8アRAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (オ) ~( P& Q)&( P& Q) 1エ&I
1 (カ)~~(~P∨~Q) 2オRAA
1 (キ) ~P∨~Q 1DN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
23 (4) P 2
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6) ~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78
7(ア) ~(P& Q) 29RAA
1 (イ) ~(P& Q) 1367ア∨E
従って、
(20)により、
(21)
① ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
② ~P∨~Q ≡ Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(19)(21)により、
(22)
「番号」を付け直すと、
① ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
② ~P∨~Q ≡ Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
③ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、「ド・モルガンの法則」としては、
①=② こそが「正しい」ものの、
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」の場合は、
①=③ である。
といふ風に、「誤解」してゐる。
令和02年08月21日、毛利太。
~(~P&~Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨ Q) 2ウRAA
従って、
(14)により、
(15)
③ ~(P∨ Q)≡(Pであるか、または、Qである)といふことはない。
④ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、
③=④ である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(15)により、
(16)
③(字を書くか、または、書を読まない)といふことはない。
④ 字も書かなければ、 書も読まない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(17)
④ 字も書かなければ、書も読まない。
といふのであれば、「漢文」は、
④ 不レ書レ字、不レ読レ書。
であって、
④ 不二書レ字読一レ書。
ではない。
然るに、
(18)
入門編で述べたもっと簡単な例でいうと、たとえば、
③ 書レ字不レ読レ書。
④ 不二書レ字読一レ書。
③ は「字は書くけれども、本は読まない。」
④ は「字も書かなければ、書も読まない。」ということで、ここでも「不」の管到のちがいがよくでている。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、390頁)
従って、
(17)(18)により、
(19)
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」は、要するに、
④ 不レ書レ字、不レ読レ書。
といふ「漢文」と、
④ 不二書レ字読一レ書。
といふ「漢文」とを、「混同」していて、このことは、
③ ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
④ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、
③=④ である(「ド・モルガンの法則」ではない)。
と、見做してゐる。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(20)
(ⅰ)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&(~P∨~Q) 24&I
2 (6) ~~P 35RAA
2 (7) P 6DN
8(8) ~Q A
8(9) ~P∨~Q 8∨I
2 8(ア) ~(~P∨~Q)&(~P∨~Q) 28&I
2 (イ) ~~Q 8アRAA
2 (ウ) Q イDN
2 (エ) P& Q 7ウ&I
12 (オ) ~( P& Q)&( P& Q) 1エ&I
1 (カ)~~(~P∨~Q) 2オRAA
1 (キ) ~P∨~Q 1DN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
23 (4) P 2
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6) ~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78
7(ア) ~(P& Q) 29RAA
1 (イ) ~(P& Q) 1367ア∨E
従って、
(20)により、
(21)
① ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
② ~P∨~Q ≡ Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(19)(21)により、
(22)
「番号」を付け直すと、
① ~(P& Q)≡(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
② ~P∨~Q ≡ Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
③ ~P&~Q ≡ Pでもないし、Qでもない。
に於いて、「ド・モルガンの法則」としては、
①=② こそが「正しい」ものの、
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」の場合は、
①=③ である。
といふ風に、「誤解」してゐる。
令和02年08月21日、毛利太。
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