2020年8月23日日曜日

「(レ点を含む)現行の返り点」は「読みづらい」。

(01)
① 吾得事之
〔説明〕「兄事」から「得」へ、「2文字」からであるので 点 ではなく を使う。
(志村和久、漢文早わかり、1982年、15頁改)
然るに、
(02)
「兄事」といふ「2文字」を、「1語」として「扱ふ」ための「接続線(‐)」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「兄‐事」といふ「2文字」を、「1語」と見做すのであれば、
① 吾得事之 ではなく、
① 吾得事之 でなければ、ならない。
(04)
レ点が下の字の左肩につけるものであることを知らないと、「為一レ欺」の場合に「一レ」の形になることが説明できない。また、「為人所」というような、誤った返り点をつけるものがある。レ点は下の字に属するものであることを知っていない専門家もいる。
(原田種成、私の漢文講、1995年、42頁)
然るに、
(05)
② 為人所一レ
③ 為人所
に於いて、
②=③ であるし、
② 二 一レ
③ 三 二 一
に於いて、
② よりも、
③ の方が、「分かり易い」。
然るに、
(06)
④ 知 我 不 小 節 而 恥 功 名 不上レ 于 天 下 也。
然るに、
(07)
⑤ 知 我 不 小 節 而 恥 功 名 不 于 天 下 也。
である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
④ 知 我 不 小 節 而 恥 功 名 不上レ 于 天 下 也。
⑤ 知 我 不 小 節 而 恥 功 名 不 于 天 下 也。
に於いて、
④=⑤ であるし、
 レ 二 一  上レ  
 三 二 一     
に於いて、
④ よりも、
⑤ の方が、「はるかに、分かり易い」。
然るに、
(09)
(10)
従って、
(07)~(10)により、
(11)
(ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(ⅱ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・
(ⅲ)上 中 下
(ⅳ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅴ)天 地 人
または、
(ⅱ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・
(ⅲ)上 中 下
の「順番」を「逆」にした、
(ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(ⅱ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)上 中 下
(ⅴ)天 地 人
に於いて、
(ⅰ)レ点
は、「除くこと」が出来るし、その方が、「返り点」としては、「分かり易い」。
令和02年08月23日、毛利太。

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