2020年8月9日日曜日

∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)

(01)
―「E.J.レモン、論理学初歩、問題2e(141頁)」の「解答」―
(a)
1  (1)∀x(Fx→ Gx) A
 2 (2)∀x(Gx→~Hx) A
1  (3)   Fa→ Ga  1UE
 2 (4)   Ga→~Ha  2UE
  5(5)   Fa      A
1 5(6)       Ga  35MPP
125(7)      ~Ha  46MPP
12 (8)   Fa→~Ha  57CP
12 (9)∀x(Fx→~Hx) 8UI
(b)
1   (1)∀x(Fx→~Gx) A
 2  (2)∀x(Hx→ Gx) A
1   (3)   Fa→~Ga  1UE
 2  (4)   Ha→ Ga  2UE
  5 (5)   Fa      A
   6(6)   Ha      A
1 5 (7)      ~Ga  35MPP
 2 6(8)       Ga  46MPP
1256(9)   ~Ga&Ga  78&I
125 (ア)  ~Ha      69RAA
12  (イ)   Fa→~Ha  5アCP
12  (ウ)∀x(Fx→~Hx) イUI
(c)
1   (1)∀x(Fx→ Gx) A
 2  (2)∀x(Hx→~Gx) A
1   (3)   Fa→ Ga  1UE
 2  (4)   Ha→~Ga  2UE
  5 (5)   Fa      A
   6(6)   Ha      A
1 5 (7)       Ga  35MPP
 2 6(8)      ~Ga  46MPP
1256(9)   Ga&~Ga  78&I
125 (ア)  ~Ha      69RAA
12  (イ)   Fa→~Ha  5アCP
12  (ウ)∀x(Fx→~Hx) イUI
(d)
1   (1)∀x(Gx→~Fx) A
 2  (2)∀x(Hx→ Gx) A
1   (3)   Ga→~Fa  1UE
 2  (4)   Ha→ Ga  1UE
  5 (5)   Ha      A
 25 (6)       Ga  45MPP
125 (7)      ~Fa  36MPP
12  (8)   Ha→~Fa  57CP
   9(9)       Fa  A
   9(ア)     ~~Fa  9DN
12 9(イ)  ~Ha      8アMTT
12  (ウ)   Fa→~Ha  9イCP
12  (エ)∀x(Fx→~Hx) ウUI
(e)
1 (1)∀x(Fx→Gx)     A
1 (2)   Fa→Ga      1UE
 3(3)∀x(Fx)        A
 3(4)   Fa         1UE
13(5)      Ga      24MPP
13(5)   ∀x(Gx)     5UI
1 (6)∀x(Fx)→∀x(Gx) 35CP
(f)
1 (1)∀x(Fx∨Gx→Hx) A
 2(2)∀x(~Hx)      A
1 (3)   Fa∨Ga→Ha  1UE
 2(4)   ~Ha       2UE
12(5) ~(Fa∨ Ga)   34MTT
12(6)  ~Fa&~Ga    5ド・モルガンの法則
12(7)  ~Fa        6&E
12(8)∀x(~Fx)      7UI
然るに、
(02)
「解答(01)」に於いて、気になるのは、
(e)∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
であるならば、「逆」に、
(e)∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
であるか、否か、ということである。
cf.
「E.J.レモン、論理学初歩(世界思想社)」には、「解答」は載っていない
然るに、
(03)
(e)
1 (1)∀x(Fx)→∀x(Gx) A
 2(2)   Fa         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI(は間違い)
12(4)       ∀x(Gx) 12MPP
12(5)          Ga  4UE
1 (6)   Fa→Ga      25CP
1 (7)∀x(Fx→Gx)     6UI
然るに、
(04)
 2(2)   Fa         A
 2(3)∃x(Fx)        2EI(は正しい)
であれば、「正しい」が、
 2(2)   Fa         A
 2(3)∀x(Fx)        2UI(は間違い
の場合は、「間違い」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(e)∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」であるが、
(e)∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」ではない。
(06)
{a、b}を、{xの変域}とすると、
(1)∀x(Fx→Gx)
(2)∀x(Fx)
(ア)∀x(Fx)→∀x(Gx)
という「式」は、
(1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)
(2)(Fa&Fb)
(ア)(Fa&Fb)→(Ga&Gb)
という「式」に、相当する。
然るに、
(07)
1 (1)(Fa→Ga)&(Fb→Gb) A
 2(2)(Fa&Fb)         A
1 (3) Fa→Ga          1&E
1 (4) Fb→Gb          1&E
 2(5) Fa             2&E
 2(6) Fb             2&E
12(7)    Ga          35MPP
12(8)    Gb          46MPP
12(9)(Ga&Gb)         78&I
1 (ア)(Fa&Fb)→(Ga&Gb) 29CP
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
{a、b}を、{xの変域}とすると、
(e)∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
という「連式(Sequent)」、すなわち、
(e)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)├(Fa&Fb)→(Ga&Gb)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
1  (1)(Fa&Fb)→(Ga&Gb) A
 2 (2) Fa             A
12 (3)        (Ga&Gb) 12MPP
12 (4)         Ga     3&E
1  (5) Fa→Ga          24CP
  6(6)    Fb          A
1 6(7)         Ga&Gb  16MPP
1 6(8)            Gb  7&E
1  (9)    Fb→Gb       68CP
1  (ア)(Fa→Ga)&(Fb→Gb) 59&I
に於いて、
1  (1)(Fa&Fb)→(Ga&Gb) A
 2 (2) Fa             A
12 (3)        (Ga&Gb) 12MPP
という「計算」と、
1  (1)(Fa&Fb)→(Ga&Gb) A
  6(6)    Fb          A
1 6(7)         Ga&Gb  16MPP
という「計算」は、もちろん、「間違い(デタラメ)」である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
{a、b}を、{xの変域}とすると、
(e)∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
という「連式(Sequent)」、すなわち、
(e)(Fa&Fb)→(Ga&Gb)├(Fa→Ga)&(Fb→Gb)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」ではない。
従って、
(08)(10)により、
(11)
{a、b}を、{xの変域}とすると、
(e)∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
(e)(Fa→Ga)&(Fb→Gb)├(Fa&Fb)→(Ga&Gb)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」であるが、
(e)∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
(e)(Fa&Fb)→(Ga&Gb)├(Fa→Ga)&(Fb→Gb)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」ではない。
然るに、
(11)により、
(12)
例えば、
{a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、p、q、r、s、t、u、v、w、y、z}を、{xの変域}としても、
(e)∀x(Fx→Gx)├ ∀x(Fx)→∀x(Gx)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」であるが、
(e)∀x(Fx)→∀x(Gx)├ ∀x(Fx→Gx)
という「連式(Sequent)」は、「妥当」ではない。
という『結論』は、もちろん、「変わらない」。
令和02年08月09日、毛利太。

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