2020年8月28日金曜日

「二畳庵主人(加地伸行 先生)の論理」と「私の論理」は、「同じ」ではない(?)。

(01)
(ⅰ)
1   (1) ~( A& B)  A
 2  (2) ~(~A∨~B)  A
  3 (3)   ~A      A
  3 (4)   ~A∨~B   3∨I
 23 (5) ~(~A∨~B)&
         (~A∨~B)  24&I
 2  (6)  ~~A      35RAA
 2  (7)    A      6DN
   8(8)      ~B   A
   8(9)   ~A∨~B   8∨I
 2 8(ア) ~(~A∨~B)&
         (~A∨~B)  29&I
 2  (イ)     ~~B   8アRAA
 2  (ウ)       B   イDN
 2  (エ)    A& B   7ウ&I
12  (オ) ~( A& B)&
         ( A& B)  1エ&I
1   (カ)~~(~A∨~B)  2オRAA
1   (キ)   ~A∨~B   カDN
(ⅱ)
1   (1) ~( A& B)  A
 2  (2) ~(~A∨~B)  A
  3 (3)   ~A      A
  3 (4)   ~A∨~B   3∨I
 23 (5) ~(~A∨~B)&
         (~A∨~B)  24&I
 2  (6)  ~~A      35RAA
 2  (7)    A      6DN
   8(8)      ~B   A
   8(9)   ~A∨~B   8∨I
 2 8(ア) ~(~A∨~B)&
         (~A∨~B)  29&I
 2  (イ)     ~~B   8アRAA
 2  (ウ)       B   イDN
 2  (エ)    A& B   7ウ&I
12  (オ) ~( A& B)&
         ( A& B)  1エ&I
 2  (カ)~~( A& B)  1オRAA
 2  (キ)    A& B   カDN
従って、
(01)により、
(02)
① ~( A& B)
②   ~A∨~B
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1  (1) ~(A& B)→C A
 2 (2)  ~A       A
 2 (3)  ~A∨~B    2∨I
 2 (4) ~(A& B)   3ド・モルガンの法則
12 (5)         C 14MPP
(ⅱ)
1  (1) ~(A& B)→C A
 2 (2)     ~B    A
 2 (3)  ~A∨~B    2∨I
 2 (4) ~(A& B)   3ド・モルガンの法則
12 (5)         C 14MPP
(ⅲ)
1  (1) ~(A& B)→C A
 2 (2)  ~A&~B    A
 2 (3)  ~A       2&E
 2 (4)  ~A∨~B    3∨I
 2 (5) ~(A& B)   4ド・モルガンの法則
12 (6)         C 15MPP
従って、
(03)により、
(04)
① ~(A&B)→C,~A   ├ C
② ~(A&B)→C,   ~B├ C
③ ~(A&B)→C,~A&~B├ C
といふ「連式(Sequents)」は、「3つ」とも「妥当」である。
然るに、
(05)
①  ~(A&B)⇔C は、
① {~(A&B)→C}&{C→~(A&B} に、「等しい」。
従って、
(05)により、
(06)
① ~(A&B)
といふ「論理式(双条件法)」は、
① ~(A&B)→C
といふ「論理式(条件法)」を「含んでゐる」。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ~(A&B)⇔C,~A   ├ C
② ~(A&B)⇔C,   ~B├ C
③ ~(A&B)⇔C,~A&~B├ C
といふ「連式(Sequents)」は、「3つ」とも「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1 (1) ~(A&B)⇔C            A
1 (2){~(A&B)→C}&{C→~(A&B} 1Df.⇔
1 (3)            C→~(A&B) 2&E
 2(4)                A&B  A
 2(5)             ~~(A&B) 4DN
12(6)           ~C        35MTT
従って、
(08)により、
(09)
④ ~(A&B)→C, A& B├ ~C
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
① ~(A&B)⇔C,~A   ├  C
② ~(A&B)⇔C,   ~B├  C
③ ~(A&B)⇔C,~A&~B├  C
④ ~(A&B)⇔C, A& B├ ~C
といふ「連式(Sequents)」は、「4つ」とも「妥当」である。
従って、
(10)により、
(11)
①「(Aであって、Bである)といふことでないならば、そのときに限って、Cである。」として、「Aでない。            」のであれば、Cである。
②「(Aであって、Bである)といふことでないならば、そのときに限って、Cである。」として、「      Bでない。」のであれば、Cである。
③「(Aであって、Bである)といふことでないならば、そのときに限って、Cである。」として、「Aでなくて、Bでない。」のであれば、Cである。
④「(Aであって、Bである)といふことでないならば、そのときに限って、Cである。」として、「Aであって、Bである。」のであれば、Cではない
といふ「推論」は、「4つ」とも「正しい」。
然るに、
(12)
A=弁舌がある。
B=ハンサムである。
C=やってゆけない。
従って、
(11)(12)により、
(13)
①「(弁舌があって、ハンサムである)といふことでないならば、そのときに限って、やってゆけない。」として、「弁舌がない。                  」のであれば、やってゆけない。
②「(弁舌があって、ハンサムである)といふことでないならば、そのときに限って、やってゆけない。」として、「       ハンサムでない。」のであれば、やってゆけない。
③「(弁舌があって、ハンサムである)といふことでないならば、そのときに限って、やってゆけない。」として、「弁舌がなくて、ハンサムでない。」のであれば、やってゆけない。
④「(弁舌があって、ハンサムである)といふことでないならば、そのときに限って、やってゆけない。」として、「弁舌があって、ハンサムである。」のであれば、はじめて、やってゆける
然るに、
(14)
そこで話をもとにもどしてみる。
① の場合、-a+bであると訳すと「弁舌はなくて、ハンサムというのは、あぶない(ハンサムの上に弁舌を兼ねそなえてこそ、はじめてやってゆける)」ということになる。
② の場合、すなわち -(a+b)であると「弁舌があり、その上にハンサムでないかぎり、やってゆけない」ということになる。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、325頁)
然るに、
(15)
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」が言ふ所の、
①  -a+b
② -(a+b)
といふのは、
①  ~A&B
② ~(A&B)
といふ「論理式」のことを、言ふ。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」は、
④  ~A&B⇔C,A&B├ ~C
といふ「連式」が「妥当」であると、述べてゐて、
「私の場合」は、
④ ~(A&B)⇔C,A&B├ ~C
といふ「連式」こそが「妥当」であると、言ってゐる。
然るに、
(17)
(ⅳ)
1 (1) ~A&B⇔C           A
1 (2){~A&B→C}&{C→~A&B} 1Df.⇔
1 (3)          C→~A&B  2&E
 4(4)             A&B  A
 4(5)          ~~(A&B) 4DN
14(6)         ~C       24MTT
といふ「計算(?)」は。もちろん、「マチガイ」である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「二畳庵主人(加地伸行 先生)」は、
④ ~A&B⇔C,A&B├ ~C
といふ「連式」が「妥当」であると、述べてゐるが、
④ ~A&B⇔C,A&B├ ~C
といふ「連式」は、実際には、「妥当」ではない
令和02年08月28日、毛利太。

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