(01)
{a,b,c}のみを含む、「3つの対象」から成る「世界」に於いて、
112
1 (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
2 (2)∀x(Fx) A
2 (3) Fa 2UE
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
5(5) ∀x(Gx) A
5(6) Ga 5UE
5(7) Fa∨Ga 6∨I
1 (8) Fa∨Ga 12457∨E
1 (9)∀x(Fx∨Gx) 8UI
といふ「計算」は、
1 (1)(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc) A
2 (2)(Fa&Fb&Fc) A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
5(5) (Ga&Gb&Gc) A
5(6) Ga 5&E
5(7) Fa∨Ga 6∨I
1 (8) Fa∨Ga 12457∨E
1 (〃) Fb∨Gb (8と同じ。)
1 (〃) Fc∨Gc (8と同じ。)
1 (9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 888&I
といふ「計算」に、「等しい」。
然るに、
(02)
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
③( Ga & Fb & Fc )
に於いて、
①と③ は、「同時に、真になる」ことが、「不可能」であるが、
②と③ は、「同時に、真になる」ことが、「 可能」である。
然るに、
(03)
{a,b,c}のみを含む、「3つの対象」から成る「世界」に於いて、
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「式」は、それぞれ、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
といふ「述語論理式」に、相当する。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
2 (2)∀x(Fx) A
2 (3) Fa 2UE
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
5(5) ∀x(Gx) A
5(6) Ga 5UE
5(7) Fa∨Ga 6∨I
1 (8) Fa∨Ga 12457∨E
1 (9)∀x(Fx∨Gx) 8UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
3 (4)∀x(Fx) 3UI
3 (5)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 4∨I
6(6) Ga A
6(7) ∀x(Gx) 6UI
6(8)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 7∨I
1 (9)∀x(Fx)∨∀x(Gx) 13568∨E
に於いて、
(ⅰ)の「計算」は、「正しい」が、
(ⅱ)の「計算」は、「正しく」ない。
然るに、
(06)
この場合には、連式を証明しようとする自然な試みをさしとめるのは UI に対する制限である、かくして、
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。しかし(3)は「a」を含む故、ここで ∀x(Fx)を結論することをさしとめられる(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、156頁)。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
いづれにせよ、
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Ga 1UE
3 (3) Fa A
といふ「計算」は、「マチガイ」であるものの、何故、さうなのかと言ふと、
①(Fa&Fb&Fc) ∨ (Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
③( Ga & Fb & Fc )
に於いて、
①と③ は、「同時に、真になる」ことが、「不可能」であるが、
②と③ は、「同時に、真になる」ことが、「 可能」であるからである。
といふことになる。
(08)
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
② ∀x(遇x∨奇x)├ ∀x(遇x)∨∀x(奇x)
に於いて、
② を「逆の連式」とすると、
「逆の連式」は妥当ではない。なぜならば、すべての正の整数は偶数であるか奇数であるが、すべての数が偶数ではなく、すべての数が奇数ではない。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、155頁改)
然るに、
(08)により、
(09)
さうであるならば、
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
の場合は、
①(すべての正の整数は偶数である)か、または、(すべての正の整数は奇数である)。故に、(すべての正の整数は偶数か奇数である。)
といふ「意味」になるものの、
①(すべての正の整数は偶数である)か、または、(すべての正の整数は奇数である)。
といふことはない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∀x(遇x)∨∀x(奇x)├ ∀x(遇x∨奇x)
② ∀x(遇x∨奇x)├ ∀x(遇x)∨∀x(奇x)
といふ「連式」に対する、「E.J.レモンの例」は、「適切」であるとは、言へない。
令和02年09月30F、毛利太。
2020年9月30日水曜日
2020年9月29日火曜日
『ド・モルガンの、馬の頭』の「述語論理(私の翻訳)」。
(01)
「何々の」というのも重視したいものである。
すべての馬が動物であれば、馬の頭は動物の頭である。(ド・モルガンの例)。
というようなものに備えて、「何々の」に対しても敏感であることが望ましい。
(三上章、日本語の論理、1963年、38頁)
(02)
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁)
(03)
{a,b,c}のみを含む、「3人の対象」から成る世界を仮定する。
従って、
(03)により、
(04)
1(01) Fa A
1(02)∀x(Fx) 1UI
といふ「計算」は、
1(01) Fa A
1(02)Fa&Fb&Fc 1UI
といふ「計算」に、「等しい」。
従って、、
(04)により、
(05)
1(01) 男a A
1(02)∀x(男x) 1UI
といふ「計算」は、
1(01) 男a A
1(02)男a&男b&男c 1UI
といふ「計算」に、「等しい」。
然るに、
(03)により、
(06)
1(01) 男a A
1(02)男a&男b&男c 1UI
といふ「計算」は、
1(01)aは男である。従って、
1(02)すべての人間は男である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(07)
1(01)トランプ大統領が男性である。からと言って、
1(02)すべての人間が、男性である。といふわけではない。
従って、
(03)~(07)により、
(08)
1(01) Fa A
1(02)∀x(Fx) 1UI
といふ「計算」は、「マチガイ(誤謬)」である。
然るに、
(09)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
然るに、
(10)
―「含意の定義」の証明 ―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3 (4) ~P A
3 (5) ~P∨Q 4∨I
23 (6) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 25&I
2 (7) ~~P 36RAA
2 (8) P 7DN
12 (9) Q 18MPP
12 (ア) ~P∨Q 9∨I
12 (イ) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 2ア&I
1 (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1 (エ) ~P∨Q ウDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(10)により、
(11)
① P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(11)により、
(12)
① 男a→男a
② ~男a∨男a
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(09)(12)により
(13)
① ∀x( 男x→男x)
② ∀x(~男x∨男x)
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(03)(13)により、
(14)
① ∀x( 男x→男x)
② ∀x(~男x∨男x)
といふ「論理式」は、
①( 男a→男a)&( 男b→男b)&( 男c→男c)
②(~男a∨男a)&(~男a∨男b)&(~男c∨男c)
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(03)(14)により、
(15)
①( 男a→男a)&( 男b→男b)&( 男c→男c)
②(~男a∨男a)&(~男a∨男b)&(~男c∨男c)
といふ「論理式」は、
① すべての人は、男であるならば、男である。
② すべての人は、女であるか、または、男である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(16)
① すべての人は、男であるならば、男である。
② すべての人は、女であるか、または、男である。
といふ「命題」は、明らかに、「恒に真(トートロジー)」である。
従って、
(09)~(16)により、
(17)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
といふ「計算」は、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
に対する、「代入例(SI)」として、
1(1) 馬a&∃y頭ya A
(2) (馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 11CP
(3)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)} 2UI
といふ「計算」も、「妥当」である。
然るに、
(19)により、
(20)
① ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」は、
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは馬であって、あるyがxの頭である)}。
といふ「意味」である。
然るに、
(21)
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは馬であって、あるyがxの頭である)}。
といふことは、
① 馬の頭は、馬の頭である。
といふことである。
従って、
(21)により、
(22)
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyがxの頭である)}。
といふのであれば、
① 馬の頭は、動物の頭である。
といふことになる。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
② 動=動物
として、
① ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)}
② ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
に於いて、
① 馬の頭は、 馬の頭である。
② 馬の頭は、動物の頭である。
といふ、ことになる。
従って、
(02)(12)(23)により、
(24)
1(1) (馬a&∃y頭ya) A
(2) (馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 11CP
(3)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)} 2UI
といふ「計算」と、
1(1)∀x(馬x→動x) A
といふ「連式」から、
② ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」が、「導出」できるならば、
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
(〃)All horses are animals; Therefore all horses's heads are animals' heads.
といふ「論証の妥当性」が、「証明」されたことになる。
然るに、
(25)
□□□ ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) (馬a&∃y頭ya) A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) (動a&∃y頭ya) 36&I
1 (8) 馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 27CP
1 (9)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} 8UI
然るに、
(26)
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁)
従って、
(25)(26)により、
(27)
「E.J.レモンの証明」よりも、「私の証明」の方が、「3行」だけ「短い」し、少なくとも、私自身にとっては、どちらかと言へば、「私の証明」の方が、「E.J.レモンの証明」よりも、「分かり易い」。
令和02年09月29日、毛利太。
「何々の」というのも重視したいものである。
すべての馬が動物であれば、馬の頭は動物の頭である。(ド・モルガンの例)。
というようなものに備えて、「何々の」に対しても敏感であることが望ましい。
(三上章、日本語の論理、1963年、38頁)
(02)
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁)
(03)
{a,b,c}のみを含む、「3人の対象」から成る世界を仮定する。
従って、
(03)により、
(04)
1(01) Fa A
1(02)∀x(Fx) 1UI
といふ「計算」は、
1(01) Fa A
1(02)Fa&Fb&Fc 1UI
といふ「計算」に、「等しい」。
従って、、
(04)により、
(05)
1(01) 男a A
1(02)∀x(男x) 1UI
といふ「計算」は、
1(01) 男a A
1(02)男a&男b&男c 1UI
といふ「計算」に、「等しい」。
然るに、
(03)により、
(06)
1(01) 男a A
1(02)男a&男b&男c 1UI
といふ「計算」は、
1(01)aは男である。従って、
1(02)すべての人間は男である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(07)
1(01)トランプ大統領が男性である。からと言って、
1(02)すべての人間が、男性である。といふわけではない。
従って、
(03)~(07)により、
(08)
1(01) Fa A
1(02)∀x(Fx) 1UI
といふ「計算」は、「マチガイ(誤謬)」である。
然るに、
(09)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
然るに、
(10)
―「含意の定義」の証明 ―
(ⅰ)
1 (1) P→Q A
2 (2) ~(~P∨Q) A
3 (4) ~P A
3 (5) ~P∨Q 4∨I
23 (6) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 25&I
2 (7) ~~P 36RAA
2 (8) P 7DN
12 (9) Q 18MPP
12 (ア) ~P∨Q 9∨I
12 (イ) ~(~P∨Q)&
(~P∨Q) 2ア&I
1 (ウ)~~(~P∨Q) 2イRAA
1 (エ) ~P∨Q ウDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(10)により、
(11)
① P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(11)により、
(12)
① 男a→男a
② ~男a∨男a
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(09)(12)により
(13)
① ∀x( 男x→男x)
② ∀x(~男x∨男x)
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(03)(13)により、
(14)
① ∀x( 男x→男x)
② ∀x(~男x∨男x)
といふ「論理式」は、
①( 男a→男a)&( 男b→男b)&( 男c→男c)
②(~男a∨男a)&(~男a∨男b)&(~男c∨男c)
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(03)(14)により、
(15)
①( 男a→男a)&( 男b→男b)&( 男c→男c)
②(~男a∨男a)&(~男a∨男b)&(~男c∨男c)
といふ「論理式」は、
① すべての人は、男であるならば、男である。
② すべての人は、女であるか、または、男である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(16)
① すべての人は、男であるならば、男である。
② すべての人は、女であるか、または、男である。
といふ「命題」は、明らかに、「恒に真(トートロジー)」である。
従って、
(09)~(16)により、
(17)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
といふ「計算」は、「妥当」である。
従って、
(17)により、
(18)
1(1) 男a A
(2) 男a→男a 11CP
(3)∀x(男x→男x) 2UI
に対する、「代入例(SI)」として、
1(1) 馬a&∃y頭ya A
(2) (馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 11CP
(3)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)} 2UI
といふ「計算」も、「妥当」である。
然るに、
(19)により、
(20)
① ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」は、
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは馬であって、あるyがxの頭である)}。
といふ「意味」である。
然るに、
(21)
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは馬であって、あるyがxの頭である)}。
といふことは、
① 馬の頭は、馬の頭である。
といふことである。
従って、
(21)により、
(22)
① すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyがxの頭である)}。
といふのであれば、
① 馬の頭は、動物の頭である。
といふことになる。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
② 動=動物
として、
① ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)}
② ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
に於いて、
① 馬の頭は、 馬の頭である。
② 馬の頭は、動物の頭である。
といふ、ことになる。
従って、
(02)(12)(23)により、
(24)
1(1) (馬a&∃y頭ya) A
(2) (馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 11CP
(3)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(馬x&∃y頭yx)} 2UI
といふ「計算」と、
1(1)∀x(馬x→動x) A
といふ「連式」から、
② ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」が、「導出」できるならば、
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
(〃)All horses are animals; Therefore all horses's heads are animals' heads.
といふ「論証の妥当性」が、「証明」されたことになる。
然るに、
(25)
□□□ ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) (馬a&∃y頭ya) A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) (動a&∃y頭ya) 36&I
1 (8) 馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 27CP
1 (9)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} 8UI
然るに、
(26)
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁)
従って、
(25)(26)により、
(27)
「E.J.レモンの証明」よりも、「私の証明」の方が、「3行」だけ「短い」し、少なくとも、私自身にとっては、どちらかと言へば、「私の証明」の方が、「E.J.レモンの証明」よりも、「分かり易い」。
令和02年09月29日、毛利太。
2020年9月28日月曜日
『ド・モルガンの「馬の頭」の例』は、「大変、意外」である。ただし、
(01)
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
― 10行、中略、―
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁改)
然るに、
(02)
2(2) 馬a&∃y頭ya A
(8)(馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 22CP
といふ「同一律」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
□□□ ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) (馬a&∃y頭ya) A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) (動a&∃y頭ya) 36&I
1 (8) (馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 27CP
1 (9)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} 8UI
といふ「計算」は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
② ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、すべてのxについて{(あるyが馬であって、xがyの頭である)ならば、(あるyは動物であって、xはyの頭である)}。
② すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyはxの頭である)}。
といふ「推論」、すなはち、
① すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
② すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
(ⅲ)
1 (1) ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} A
1 (2) (馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 1UE
3 (3) 馬a→∃y頭ya A
4 (4) 馬a A
34 (5) ∃y頭ya 34MPP
34 (6) 馬a&∃y頭ya 45
134 (7) 動a&∃y頭ya 36MPP
134 (8) 動a 7&E
13 (9) 馬a→動a 48CP
1 (ア) (馬a→∃y頭ya)→(馬a→動a) 39CP
1 (イ) ~(馬a→∃y頭ya)∨(馬a→動a) ア含意の定義
ウ (ウ) ~(馬a→∃y頭ya) A
ウ (エ) ~(~馬a∨∃y頭ya) ウ含意の定義
ウ (オ) (馬a&~∃y頭ya) エ、ド・モルガンの法則
ウ (カ) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) オ∨I
キ(キ) (馬a→動a) A
キ(ク) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) キ∨I
1 (ケ) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) イウカキク∨E
1 (コ) ~~(馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) ケDN
1 (サ) ~(馬a&~∃y頭ya)→(馬a→動a) コ含意の定義
1 (シ)∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)} サUI
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}├ ∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)}
といふ「推論」、すなはち、
③ すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyはxの頭である)}。故に、すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭ではない)といふことが無いのであれば、(xが馬ならば、xは動物である)}。
といふ「推論」、すなはち、
③ すべての馬の頭は動物の頭である。故に、頭が無い馬がゐないのであれば、すべての馬は動物である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
② すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
③ すべての馬の頭は動物の頭である。故に、頭が無い馬がゐないのであれば、すべて馬は動物である。
といふ「推論」は、両方とも。「妥当」である。
然るに、
(08)
②「生物学的(常識的)」には、「頭が無い馬」は存在しないが故に、
②(文字通りに、)すべての馬の頭は動物の頭である。
といふことになり、その一方で、
③「論理的(非常識的)」には、「頭が無い馬」の存在は「否定できない」が故に、
③(頭の無い馬がゐないのであれば、)すべて馬は動物である。
といふ風にしか、言へないことになる。
然るに、
(09)
∀x(Fx→Gx)
の形の文が意味していることはAのクラスにはどのようなxも存在しないということであって、xがどこか特定のクラスの中に存在しているということをいっているのではない。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、124頁)
従って、
(06)(09)により、
(10)
④ ∀x(Fx→Gx)
といふ「述語論理式」が、さうであるやうに、
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」も、
③ 馬には頭がある。
とは、言ってはゐない。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}├ ∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)}
といふ「推論」からは、
③(頭の無い馬がゐないのであれば、その限りに於いて、)すべて馬は動物である。
といふ風にしか、言へないことになる。
令和02年09月28日、毛利太。
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
― 10行、中略、―
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁改)
然るに、
(02)
2(2) 馬a&∃y頭ya A
(8)(馬a&∃y頭ya)→(馬a&∃y頭ya) 22CP
といふ「同一律」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
□□□ ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) (馬a&∃y頭ya) A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) (動a&∃y頭ya) 36&I
1 (8) (馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 27CP
1 (9)∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} 8UI
といふ「計算」は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
② ∀x(馬x→動x)├ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、すべてのxについて{(あるyが馬であって、xがyの頭である)ならば、(あるyは動物であって、xはyの頭である)}。
② すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyはxの頭である)}。
といふ「推論」、すなはち、
① すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
② すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
(ⅲ)
1 (1) ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)} A
1 (2) (馬a&∃y頭ya)→(動a&∃y頭ya) 1UE
3 (3) 馬a→∃y頭ya A
4 (4) 馬a A
34 (5) ∃y頭ya 34MPP
34 (6) 馬a&∃y頭ya 45
134 (7) 動a&∃y頭ya 36MPP
134 (8) 動a 7&E
13 (9) 馬a→動a 48CP
1 (ア) (馬a→∃y頭ya)→(馬a→動a) 39CP
1 (イ) ~(馬a→∃y頭ya)∨(馬a→動a) ア含意の定義
ウ (ウ) ~(馬a→∃y頭ya) A
ウ (エ) ~(~馬a∨∃y頭ya) ウ含意の定義
ウ (オ) (馬a&~∃y頭ya) エ、ド・モルガンの法則
ウ (カ) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) オ∨I
キ(キ) (馬a→動a) A
キ(ク) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) キ∨I
1 (ケ) (馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) イウカキク∨E
1 (コ) ~~(馬a&~∃y頭ya)∨(馬a→動a) ケDN
1 (サ) ~(馬a&~∃y頭ya)→(馬a→動a) コ含意の定義
1 (シ)∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)} サUI
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}├ ∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)}
といふ「推論」、すなはち、
③ すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭である)ならば、(xは動物であって、あるyはxの頭である)}。故に、すべてのxについて{(xが馬であって、あるyがxの頭ではない)といふことが無いのであれば、(xが馬ならば、xは動物である)}。
といふ「推論」、すなはち、
③ すべての馬の頭は動物の頭である。故に、頭が無い馬がゐないのであれば、すべての馬は動物である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
② すべての馬は動物である。故に、すべての馬の頭は動物の頭である。
③ すべての馬の頭は動物の頭である。故に、頭が無い馬がゐないのであれば、すべて馬は動物である。
といふ「推論」は、両方とも。「妥当」である。
然るに、
(08)
②「生物学的(常識的)」には、「頭が無い馬」は存在しないが故に、
②(文字通りに、)すべての馬の頭は動物の頭である。
といふことになり、その一方で、
③「論理的(非常識的)」には、「頭が無い馬」の存在は「否定できない」が故に、
③(頭の無い馬がゐないのであれば、)すべて馬は動物である。
といふ風にしか、言へないことになる。
然るに、
(09)
∀x(Fx→Gx)
の形の文が意味していることはAのクラスにはどのようなxも存在しないということであって、xがどこか特定のクラスの中に存在しているということをいっているのではない。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、124頁)
従って、
(06)(09)により、
(10)
④ ∀x(Fx→Gx)
といふ「述語論理式」が、さうであるやうに、
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」も、
③ 馬には頭がある。
とは、言ってはゐない。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
③ ∀x{(馬x&∃y頭yx)→(動x&∃y頭yx)}├ ∀x{~(馬x&~∃y頭yx)→(馬x→動x)}
といふ「推論」からは、
③(頭の無い馬がゐないのであれば、その限りに於いて、)すべて馬は動物である。
といふ風にしか、言へないことになる。
令和02年09月28日、毛利太。
2020年9月26日土曜日
「無馬之頭而非動物之頭」の「述語論理」
(01)
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故にすべての馬の頭は動物の頭である。
― 10行、中略、―
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁改)
然るに、
(02)
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) 馬a&∃y頭ya A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) 動a&∃y頭ya 36&I
1 (8) 馬a&∃y頭ya→ 動a&∃y頭ya 27CP
9(9) (馬a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya) A
9(ア) (馬a&∃y頭ya) 9&E
1 9(イ) (動a&∃y頭ya) 8アMPP
9(ウ) ~(動a&∃y頭ya) 9&E
1 9(エ) (動a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya) イウ&I
1 (オ) ~{(馬a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya)} 9エRAA
1 (カ)∀x~{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)} オUI
1 (キ)~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)} カ量化子の関係
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
② ∀x(馬x→動x)├ ~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)}
といふ「連式(Sequents)」は、両方とも、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
② すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、{(xが馬であって、あるyがxの頭であって)、尚且つ、(xが動物であって、あるyがxの頭)ではない。}といふ、そのやうなxは存在しない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
② 馬者動物也。是以、無馬之頭而非動物之頭=
② 馬者動物也。是以、無〔馬之頭而非(動物之頭)〕⇒
② 馬者動物也。是以、〔馬之頭而(動物之頭)非〕無=
② 馬は動物なり。是を以て、〔馬の頭にして(動物の頭に)非ざるは〕無し=
② 馬は動物である。そのため、馬の頭であって、動物の頭でない頭は、存在しない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
② 馬者動物也。是以、無馬之頭而非動物之頭。
といふ「漢文」は、
② ∀x(馬x→動x)├ ~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
令和02年09月26日、毛利太。
ド・モルガンが明らかに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のなかでは取り扱うことができなかった論証として挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1)すべての馬は動物である。故にすべての馬の頭は動物の頭である。
― 10行、中略、―
123 ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) ∃y(馬y&頭ay) A
3(3) 馬b&頭ab A
3(4) 馬b 3&E
3(5) 頭ab 3&E
1 (6) 馬b→動b 1UE
1 3(7) 動b 46MPP
1 3(8) 動b&頭ab 57&I
1 3(9) ∃y(動y&頭ay) 8EI
12 (ア) ∃y(動y&頭ay) 239EE
1 (イ) ∃y(馬y&頭ay)→∃y(動y&頭ay) 2アCP
1 (ウ)∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)} イUI
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、167頁改)
然るに、
(02)
1 (1) ∀x(馬x→動x) A
2 (2) 馬a&∃y頭ya A
2 (3) ∃y頭ya 2&E
2 (4) 馬a 2&E
1 (5) 馬a→動a 1UE
12 (6) 動a 45MPP
12 (7) 動a&∃y頭ya 36&I
1 (8) 馬a&∃y頭ya→ 動a&∃y頭ya 27CP
9(9) (馬a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya) A
9(ア) (馬a&∃y頭ya) 9&E
1 9(イ) (動a&∃y頭ya) 8アMPP
9(ウ) ~(動a&∃y頭ya) 9&E
1 9(エ) (動a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya) イウ&I
1 (オ) ~{(馬a&∃y頭ya)&~(動a&∃y頭ya)} 9エRAA
1 (カ)∀x~{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)} オUI
1 (キ)~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)} カ量化子の関係
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x(馬x→動x)├ ∀x{∃y(馬y&頭xy)→∃y(動y&頭xy)}
② ∀x(馬x→動x)├ ~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)}
といふ「連式(Sequents)」は、両方とも、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
② すべてのxについて(xが馬ならば、xは動物である)。故に、{(xが馬であって、あるyがxの頭であって)、尚且つ、(xが動物であって、あるyがxの頭)ではない。}といふ、そのやうなxは存在しない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
② 馬者動物也。是以、無馬之頭而非動物之頭=
② 馬者動物也。是以、無〔馬之頭而非(動物之頭)〕⇒
② 馬者動物也。是以、〔馬之頭而(動物之頭)非〕無=
② 馬は動物なり。是を以て、〔馬の頭にして(動物の頭に)非ざるは〕無し=
② 馬は動物である。そのため、馬の頭であって、動物の頭でない頭は、存在しない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
② 馬者動物也。是以、無馬之頭而非動物之頭。
といふ「漢文」は、
② ∀x(馬x→動x)├ ~∃x{(馬x&∃y頭yx)&~(動x&∃y頭yx)}
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
令和02年09月26日、毛利太。
2020年9月25日金曜日
「∃x∀y(Fyx)」他を「展開」すると、
(01)
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
① ある人は、すべての人を愛してゐる(能動形)。
② すべての人はある人によって、愛されてゐる(受動形)。
といふ風に、読むことが出来る。
然るに、
(02)
① ある人Aが、すべての人を愛してゐる。
とするならば、
② すべての人は、ある人Aによって、愛されてゐる。
然るに、
(03)
② すべての人が、ある人Aと、ある人Bの内の、どちらかによって愛されてゐる。
とするならば、
② すべての人がある人によって、愛されてゐる。
としても、
① ある人Aが、すべての人を愛してゐる。
とは、限らない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」が、さうであるやうに、
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
といふ「述語論理式」に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
従って、
然るに、
(05)
なるほどつぎのことは証明できる。
122 ∃x∀y(Fxy)├ ∀y∃x(Fxy)
1 (1)∃x∀y(Fxy) A
2(2) ∀y(Fay) A
2(3) Fab 2UE
2(4) ∃x(Fxb) 3EI
2(5)∀y∃x(Fxy) 4UI
1 (6)∀y∃x(Fxy) 125EE
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、165・166頁)
然るに、
(06)
たとえば、
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
ただ一つび誤った段階は(4)のそれである。(3)は「b」を含み、その結果 UI の制限が破られている点に誤りがある。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、166頁改)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
いづれにせよ、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
が、さうであるやうに、
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
然るに、
(08)
①{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∃x∀y(Fxy) といふ『連言の、選言』は、
(ⅰ) F(xa)&F(xb)&F(xc)
(ⅱ){F(xa)&F(xb)&F(xc)}∨{F(xa)&F(xb)&F(xc)}∨{F(xa)&F(xb)&F(xc)}
(ⅲ){F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
(09)
②{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
② ∀y∃x(Fxy) といふ『選言の、連言』は、
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨F(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
然るに、
(01)(10)により、
(11)
1 (1)∃x∀y(Fxy) A
2(2) ∀y(Fay) A
2(3) Fab 2UE
2(4) ∃x(Fxb) 3EI
2(5)∀y∃x(Fxy) 4UI
1 (6)∀y∃x(Fxy) 125EE
といふ「計算」は、「(12)~(16)」のやうな、「プロセス」であると、見做すことが、出来る。
(12)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
に於いて、例へば、
①{F(aa)&F(ab)&F(ac)} が「真」であるならば、
① F(aa) は「真」であり、 ① F(ab) も「真」であり、 ① F(ac) も「真」である。
然るに、
(13)
① F(aa) は「真」であり、 ① F(ab) も「真」であり、 ① F(ac) も「真」である。ならば、
①{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)} は「真」であり、
①{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)} も「真」であり、
①{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} も「真」である。
然るに、
(14)
①{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)} は「真」であり、
①{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)} も「真」であり、
①{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} も「真」である。ならば、
②{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} は「真」である。
然るに、
(15)
①{F(ba)&F(bb)&F(bc)} が「真」であるとしても、
①{F(ca)&F(cb)&F(cc)} が「真」であるとしても、「結論(14)」は、「変はらない」。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(06)により、
(17)
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
といふ「間違った計算」の、
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
といふ「4行」は、
(1) F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
といふ「4行」に、「相当」する。
従って、
(17)により、
(18)
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
の場合は、「結果」として、
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
といふ「前提(premise)」を、
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
といふ風に、「書き換へ」てゐるが、固より、
(2)と(4)は、「同じ」ではない。
従って、
(06)(17)(18)により、
(19)
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
に「相当」する所の、
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
といふ「計算」が、「マチガイ」である。といふことは、『明白』である。
従って、
(06)(17)~(19)により、
(20)
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
といふ「間違った計算」は、
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「等式」の、
①{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
②{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「右辺」を見ることによって、「それがマチガイである。」といふことが、『明白』になる。
(21)
③{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
③ ∃x∃y(Fxy) といふ『選言の、選言』は、
(ⅰ) F(xa)∨F(xb)∨F(xc)
(ⅱ){F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}∨{F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}∨{F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}(
(ⅲ){F(aa)∨F(ab)∨F(ac)}∨{F(ba)∨F(bb)∨F(bc)}∨{F(ca)∨F(cb)∨F(cc)}(
といふ「手順」で、「展開」出来る。
(22)
④{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
④ ∃y∃x(Fxy) といふ『選言の、選言』は、
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨F(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}∨{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}∨{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}∨{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}∨{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
然るに、
(21)(22)により、
(23)
「結合法則」と「交換法則」により、
③{F(aa)∨F(ab)∨F(ac)}∨{F(ba)∨F(bb)∨F(bc)}∨{F(ca)∨F(cb)∨F(cc)}
④{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}∨{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}∨{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(24)
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
③ F=愛す。
④ F=愛す。
であるならば、
③ ∃x∃y(Fxy)≡ある人は、ある人を愛す。
④ ∃y∃x(Fxy)≡ある人は、ある人によって、愛される。
に於いて、
③ と ④ は、「同じこと」である。
従って、
(23)(24)により、
(25)
③ ∃x∃y(愛xy)
④ ∃y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」がさうであるやうに、
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
といふ「述語論理式」に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。
従って、
(04)(25)により、
(26)
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
に於いて、
①=② ではないが、
③=④ である。
令和02年09月25日、毛利太。
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」は、
① ある人は、すべての人を愛してゐる(能動形)。
② すべての人はある人によって、愛されてゐる(受動形)。
といふ風に、読むことが出来る。
然るに、
(02)
① ある人Aが、すべての人を愛してゐる。
とするならば、
② すべての人は、ある人Aによって、愛されてゐる。
然るに、
(03)
② すべての人が、ある人Aと、ある人Bの内の、どちらかによって愛されてゐる。
とするならば、
② すべての人がある人によって、愛されてゐる。
としても、
① ある人Aが、すべての人を愛してゐる。
とは、限らない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」が、さうであるやうに、
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
といふ「述語論理式」に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
従って、
然るに、
(05)
なるほどつぎのことは証明できる。
122 ∃x∀y(Fxy)├ ∀y∃x(Fxy)
1 (1)∃x∀y(Fxy) A
2(2) ∀y(Fay) A
2(3) Fab 2UE
2(4) ∃x(Fxb) 3EI
2(5)∀y∃x(Fxy) 4UI
1 (6)∀y∃x(Fxy) 125EE
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、165・166頁)
然るに、
(06)
たとえば、
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
ただ一つび誤った段階は(4)のそれである。(3)は「b」を含み、その結果 UI の制限が破られている点に誤りがある。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、166頁改)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
いづれにせよ、
① ∃x∀y(愛xy)
② ∀y∃x(愛xy)
が、さうであるやうに、
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
然るに、
(08)
①{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∃x∀y(Fxy) といふ『連言の、選言』は、
(ⅰ) F(xa)&F(xb)&F(xc)
(ⅱ){F(xa)&F(xb)&F(xc)}∨{F(xa)&F(xb)&F(xc)}∨{F(xa)&F(xb)&F(xc)}
(ⅲ){F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
(09)
②{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
② ∀y∃x(Fxy) といふ『選言の、連言』は、
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨F(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。とは、限らない。
然るに、
(01)(10)により、
(11)
1 (1)∃x∀y(Fxy) A
2(2) ∀y(Fay) A
2(3) Fab 2UE
2(4) ∃x(Fxb) 3EI
2(5)∀y∃x(Fxy) 4UI
1 (6)∀y∃x(Fxy) 125EE
といふ「計算」は、「(12)~(16)」のやうな、「プロセス」であると、見做すことが、出来る。
(12)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
に於いて、例へば、
①{F(aa)&F(ab)&F(ac)} が「真」であるならば、
① F(aa) は「真」であり、 ① F(ab) も「真」であり、 ① F(ac) も「真」である。
然るに、
(13)
① F(aa) は「真」であり、 ① F(ab) も「真」であり、 ① F(ac) も「真」である。ならば、
①{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)} は「真」であり、
①{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)} も「真」であり、
①{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} も「真」である。
然るに、
(14)
①{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)} は「真」であり、
①{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)} も「真」であり、
①{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} も「真」である。ならば、
②{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)} は「真」である。
然るに、
(15)
①{F(ba)&F(bb)&F(bc)} が「真」であるとしても、
①{F(ca)&F(cb)&F(cc)} が「真」であるとしても、「結論(14)」は、「変はらない」。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(06)により、
(17)
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
といふ「間違った計算」の、
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
といふ「4行」は、
(1) F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
といふ「4行」に、「相当」する。
従って、
(17)により、
(18)
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
の場合は、「結果」として、
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
といふ「前提(premise)」を、
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
といふ風に、「書き換へ」てゐるが、固より、
(2)と(4)は、「同じ」ではない。
従って、
(06)(17)(18)により、
(19)
(2){F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}
(3) F(ab)
(4){F(aa)&F(ab)&F(ac)}
に「相当」する所の、
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
といふ「計算」が、「マチガイ」である。といふことは、『明白』である。
従って、
(06)(17)~(19)により、
(20)
1 (1)∀y∃x(Fxy) A
1 (2) ∃x(Fxb) 1UE
3(3) Fab A
3(4) ∀y(Fay) 3UI
3(5)∃x∀y(Fxy) 3EI
1 (6)∃x∀y(Fxy) 235EE
といふ「間違った計算」は、
① ∃x∀y(Fxy)≡{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
② ∀y∃x(Fxy)≡{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「等式」の、
①{F(aa)&F(ab)&F(ac)}∨{F(ba)&F(bb)&F(bc)}∨{F(ca)&F(cb)&F(cc)}
②{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「右辺」を見ることによって、「それがマチガイである。」といふことが、『明白』になる。
(21)
③{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
③ ∃x∃y(Fxy) といふ『選言の、選言』は、
(ⅰ) F(xa)∨F(xb)∨F(xc)
(ⅱ){F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}∨{F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}∨{F(xa)∨F(xb)∨F(xc)}(
(ⅲ){F(aa)∨F(ab)∨F(ac)}∨{F(ba)∨F(bb)∨F(bc)}∨{F(ca)∨F(cb)∨F(cc)}(
といふ「手順」で、「展開」出来る。
(22)
④{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
④ ∃y∃x(Fxy) といふ『選言の、選言』は、
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨F(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}∨{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}∨{F(ax)∨F(bx)∨F(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}∨{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}∨{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
然るに、
(21)(22)により、
(23)
「結合法則」と「交換法則」により、
③{F(aa)∨F(ab)∨F(ac)}∨{F(ba)∨F(bb)∨F(bc)}∨{F(ca)∨F(cb)∨F(cc)}
④{F(aa)∨F(ba)∨F(ca)}∨{F(ab)∨F(bb)∨F(cb)}∨{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(24)
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
③ F=愛す。
④ F=愛す。
であるならば、
③ ∃x∃y(Fxy)≡ある人は、ある人を愛す。
④ ∃y∃x(Fxy)≡ある人は、ある人によって、愛される。
に於いて、
③ と ④ は、「同じこと」である。
従って、
(23)(24)により、
(25)
③ ∃x∃y(愛xy)
④ ∃y∃x(愛xy)
といふ「述語論理式」がさうであるやうに、
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
といふ「述語論理式」に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① である。
従って、
(04)(25)により、
(26)
① ∃x∀y(Fxy)
② ∀y∃x(Fxy)
③ ∃x∃y(Fxy)
④ ∃y∃x(Fxy)
に於いて、
①=② ではないが、
③=④ である。
令和02年09月25日、毛利太。
2020年9月24日木曜日
「∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}」等を展開すると、
(01)
∨E とのアナロジーは、特殊な場合として、mとnのみを含む、2つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定することによって、明らかにされる。その場合には、この世界に対して、∃x(Gx)は Gm∨Gn に等しい。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、145頁)
従って、
(01)により、
(02)
{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc である。
然るに、
(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc であるならば、
② ∀x(Fx)≡Fa&Fb&Fc でなければ、ならない。
然るに、
(03)により、
(04)
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc であって、
② ∀x(Fx)≡Fa&Fb&Fc であるならば、
③ ∀x∃y(Fyx) の場合は、「次(05)の手順」で、「展開」出来る。
(05)
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨(cc)}
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
③ ∀x∃y(Fyx)≡{F(aa)∨F(ba)∨(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(04)(05)(06)により、
(07)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}
(ⅱ)
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}&
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}&
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}
(ⅲ)
{少年a→(少女a&愛aa)∨(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女b&愛bb)∨(少女c&愛bc)}&
{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)∨(少女c&愛cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
然るに、
(08)
少年a→(少女a&愛aa)
少年b→(少女b&愛bb)
少年c→(少女c&愛cc)
であるならば、「ある少年は、少女である」といふことになり、「矛盾」する。
従って、
(07)(08)により、
(09)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ「述語論理式」は、
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「連言」に、「等しい」。
然るに、
(01)~(09)により、
(10)
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)
⑤{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx}
(ⅱ)
⑥{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)}∨
⑦{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)}∨
⑧{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)
(ⅲ)
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
従って、
(09)(10)により、
(11)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
といふ「述語論理式」は、
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「選言」に、「等しい」。
然るに、
(12)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「連言」が、「真である」といふことは、
② は「真」であり、
③ も「真」であり、
④ も「真」である。
といふ、ことである。
然るに、
(13)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
に於いて、
②と⑥ の場合、「aは少年であり」、
③と⑦ の場合、「aは少女である」ため、一見すると、「矛盾」する。
然る、
(14)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
に於いて、「a、b、c」は、「任意の名前(arbitrary name)」であって、「固有名(proper name)」ではない。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}≡
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「等式」に、「問題」は無いし、
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}≡
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「等式」にも、「問題」は無い。
然るに、
(16)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「命題」、すなはち、
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定した上での、
②{少年aは、少女bか、少女cを愛す。}そして、
③{少年bは、少女aか、少女cを愛す。}そして、
④{少年cは、少女aか、少女bを愛す。}
といふ「命題」は、結局は、
①{すべての少年は、ある少女を愛す。}
といふ「意味」になる。
(17)
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「命題」、すなはち、
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定した上での、
⑥{少女aは、bが少年であるならば、bによって愛され、そして、cが少年であるならば、cによって愛されるか、}または、
⑦{少女bは、aが少年であるならば、aによって愛され、そして、cが少年であるならば、cによって愛されるか、}または、
⑧{少女cは、aが少年であるならば、aによって愛され、そして、bが少年であるならば、bによって愛される}。
といふ「命題」は、結局は、
⑤{ある少女は、すべての少年によって、愛される。}
といふ、「意味」になる。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}≡{すべての少年は、ある少女を愛す。}
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}≡{ある少女は、すべての少年によって、愛される。}
であって、尚且つ、これらの「論理式」は、それぞれ、
①{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
⑤{少女a&(少年b→愛ba)&少女a&(少年c→愛ca)}∨{少女c&(少年a→愛ac)&少女c&(少年b→愛bc)}∨{少女c&(少年a→愛ac)&少女c&(少年b→愛bc)}
といふ風に、「展開」出来る。
従って、
(18)により、
(19)
例へば、
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}≡{象は鼻が長い。}
⑩ ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}≡{鼻は象が長い。}
といふ「述語論理式」であっても、それぞれ、「然るべき型」に、「展開」出来るに、違ひない。
令和02年09月24日、毛利太。
∨E とのアナロジーは、特殊な場合として、mとnのみを含む、2つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定することによって、明らかにされる。その場合には、この世界に対して、∃x(Gx)は Gm∨Gn に等しい。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、145頁)
従って、
(01)により、
(02)
{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc である。
然るに、
(02)により、
(03)
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc であるならば、
② ∀x(Fx)≡Fa&Fb&Fc でなければ、ならない。
然るに、
(03)により、
(04)
① ∃x(Fx)≡Fa∨Fb∨Fc であって、
② ∀x(Fx)≡Fa&Fb&Fc であるならば、
③ ∀x∃y(Fyx) の場合は、「次(05)の手順」で、「展開」出来る。
(05)
(ⅰ) F(ax)∨F(bx)∨(cx)
(ⅱ){F(ax)∨F(bx)∨(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨(cx)}&{F(ax)∨F(bx)∨(cx)}
(ⅲ){F(aa)∨F(ba)∨(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨(cc)}
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
{a,b,c}のみを含む、3つの対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
③ ∀x∃y(Fyx)≡{F(aa)∨F(ba)∨(ca)}&{F(ab)∨F(bb)∨(cb)}&{F(ac)∨F(bc)∨F(cc)}
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(04)(05)(06)により、
(07)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}
(ⅱ)
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}&
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}&
{少年x→(少女a&愛xa)∨(少女b&愛xb)∨(少女c&愛xc)}
(ⅲ)
{少年a→(少女a&愛aa)∨(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女b&愛bb)∨(少女c&愛bc)}&
{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)∨(少女c&愛cc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
然るに、
(08)
少年a→(少女a&愛aa)
少年b→(少女b&愛bb)
少年c→(少女c&愛cc)
であるならば、「ある少年は、少女である」といふことになり、「矛盾」する。
従って、
(07)(08)により、
(09)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ「述語論理式」は、
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「連言」に、「等しい」。
然るに、
(01)~(09)により、
(10)
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)
⑤{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx}
(ⅱ)
⑥{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)}∨
⑦{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)}∨
⑧{少女x&(少年a→愛ax)&{少女x&(少年b→愛bx)&{少女x&(少年c→愛cx)
(ⅲ)
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「手順」で、「展開」出来る。
従って、
(09)(10)により、
(11)
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定すると、
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
といふ「述語論理式」は、
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「選言」に、「等しい」。
然るに、
(12)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「連言」が、「真である」といふことは、
② は「真」であり、
③ も「真」であり、
④ も「真」である。
といふ、ことである。
然るに、
(13)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
に於いて、
②と⑥ の場合、「aは少年であり」、
③と⑦ の場合、「aは少女である」ため、一見すると、「矛盾」する。
然る、
(14)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
に於いて、「a、b、c」は、「任意の名前(arbitrary name)」であって、「固有名(proper name)」ではない。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}≡
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「等式」に、「問題」は無いし、
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}≡
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「等式」にも、「問題」は無い。
然るに、
(16)
②{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&
③{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&
④{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
といふ「命題」、すなはち、
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定した上での、
②{少年aは、少女bか、少女cを愛す。}そして、
③{少年bは、少女aか、少女cを愛す。}そして、
④{少年cは、少女aか、少女bを愛す。}
といふ「命題」は、結局は、
①{すべての少年は、ある少女を愛す。}
といふ「意味」になる。
(17)
⑥{少女a&(少年b→愛ba)&{少女a&(少年c→愛ca)}∨
⑦{少女b&(少年a→愛ab)&{少女b&(少年c→愛cb)}∨
⑧{少女c&(少年a→愛ac)&{少女c&(少年b→愛bc)}
といふ「命題」、すなはち、
{a,b,c}のみを含む、3人の対象から成る世界を取り扱っていると仮定した上での、
⑥{少女aは、bが少年であるならば、bによって愛され、そして、cが少年であるならば、cによって愛されるか、}または、
⑦{少女bは、aが少年であるならば、aによって愛され、そして、cが少年であるならば、cによって愛されるか、}または、
⑧{少女cは、aが少年であるならば、aによって愛され、そして、bが少年であるならば、bによって愛される}。
といふ「命題」は、結局は、
⑤{ある少女は、すべての少年によって、愛される。}
といふ、「意味」になる。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
① ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}≡{すべての少年は、ある少女を愛す。}
⑤ ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}≡{ある少女は、すべての少年によって、愛される。}
であって、尚且つ、これらの「論理式」は、それぞれ、
①{少年a→(少女b&愛ab)∨(少女c&愛ac)}&{少年b→(少女a&愛ba)∨(少女c&愛bc)}&{少年c→(少女a&愛ca)∨(少女b&愛cb)}
⑤{少女a&(少年b→愛ba)&少女a&(少年c→愛ca)}∨{少女c&(少年a→愛ac)&少女c&(少年b→愛bc)}∨{少女c&(少年a→愛ac)&少女c&(少年b→愛bc)}
といふ風に、「展開」出来る。
従って、
(18)により、
(19)
例へば、
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}≡{象は鼻が長い。}
⑩ ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}≡{鼻は象が長い。}
といふ「述語論理式」であっても、それぞれ、「然るべき型」に、「展開」出来るに、違ひない。
令和02年09月24日、毛利太。
2020年9月23日水曜日
「線形論理(Linear logic)」って「何」ですか?
(01)
(ⅰ)
1 (1)(A→B)&(A→C) 仮定
2(2) A 仮定
1 (3) A→B 1&E
12(4) B 23MPP
2(5) A→C 1&E
12(6) C 25MPP
12(7) B&C 46&I
1 (8) A→B&C 27CP
(ⅱ)
1 (1)A→~(B⇔C) 仮定
2 (2)A 仮定
12 (3) ~(B⇔C) 12MPP
12 (4) ~{(B→C)& (C→B)} 3Df.⇔
12 (5) ~(B→C)∨~(C→B) 4ド・モルガンの法則
12 (6) (B→C)→~(C→B) 5含意の定義
3 (7) (B→C) A
123 (8) ~(C→B) 67MPP
123 (9) ~(~C∨B) 8含意の定義
123 (ア) (C&~B) 9ド・モルガンの法則
12 (イ) (B→C)→(C&~B) 3アCP
1 (ウ)A→{(B→C)→(C&~B)} 2イCP
エ (エ)A& (B→C) 仮定
エ (オ)A エ&E
1 エ (カ) (B→C)→(C&~B) ウオMPP
エ (キ) (B→C) エ&E
1 エ (ク) (C&~B) カキMPP
1 (ケ)A& (B→C)→(C&~B) エクCP
コ (コ)A&(C∨~B) 仮定
コ (サ)A コ&E
コ (シ) (C∨~B) コ&E
コ (ス) (~B∨C) シ交換法則
コ (セ) (B→C) ス含意の定義
コ (ソ)A& (B→C) サセ&I
1 コ (タ) (C&~B) ケソMPP
1 (チ)A&(C∨~B)→(C&~B) コタCP
ツ(ツ)A& C 仮定
ツ(テ)A ツ&E
ツ(ト) C ツ&E
ツ(ナ) C∨~B ト∨I
ツ(ニ)A&(C∨~B) テナ&I
1 ツ(ヌ) (C&~B) チニMPP
1 (ネ) (A&C)→(C&~B) ツヌCP
従って、
(01)により、
(02)
①(A→B)&(A→C)├ A→B&C
② A→~(B⇔C)├ A&C→C&~B
といふ「連式(Sequents)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
従って、
(02)により、
(03)
①(AならばBであり)、尚且つ、(AならばCである)。従って、Aならば、BであってCである。
② Aならば、(BとCが、同時に、真である)ことない。従って、AであってCであるならば、Cではあるが、Bではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
従って、
(03)により、
(04)
A=100円をもっている。
B=缶コーヒーが買える。
C=缶ジュースが買える、
とするならば、
①(100円あれば、缶コーヒーが買え)、尚且つ、(100円あれば、缶ジュースが買える)。 従って、100円あれば、缶コーヒーと缶ジュースが買える。
② 100円あれば、(一度に、缶コーヒーと、缶ジュースの両方が買える)というわけではない。100円で、缶ジュースを買うならば、缶ジュースは買えるが、缶コーヒーは買えない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(05)
1980年代後半に見出されて脚光を浴びた新しい論理体系に 「線形論理」がある。線形論理の大きな特徴は「資源」の概念を扱えるという点にある。このことを説明するために しばしば次のような例え話が引き合いに出される。100円の缶コーヒーと100円の缶ジュースが買える自動販売機があるとする。 「100円をもっている」という命題をA、「缶コーヒーが買える」 という命題をB、「缶ジュースが買える」という命題をCとすると、この状況は「A→B」および「A→C」となる。古典論理では これから「A→B&C」が導かれるが、これは「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースが両方買える」という意味になり、 明らかに経済概念に合わない。本当は「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースのどちらか一方のみが買える」とか 「100円玉が2枚あれば缶コーヒーと缶ジュースが買える」 という命題が出て来てほしい。線形論理ではこのような状況が 正しく記述できるのである。このような例を敷延すれば、 計算機やネットワーク上で複数のプログラム(プロセス)が 共有資源にアクセスするような状況も同様であり、実際に、 そのような状況を線形論理で扱うような研究も行われている(I. 記号論理学とは何か)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
『この状況は「A→B」および「A→C」となる。古典論理では これから「A→B&C」が導かれるが、これは「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースが両方買える」という意味になり、 明らかに経済概念に合わない。』とは言ふものの、
①(A→B)&(A→C)├ A→B&C
では困る。といふのであれば、ただ単に、
② A→~(B⇔C)├ A&C→C&~B
といふ風に、書けば良い。といふことに、過ぎない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
私としては、「100円の缶コーヒーと100円の缶ジュースが買える自動販売機があるとする。」といふ「以外の例」を、知りたい。
と、思ってゐる。
令和02年09月22日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)(A→B)&(A→C) 仮定
2(2) A 仮定
1 (3) A→B 1&E
12(4) B 23MPP
2(5) A→C 1&E
12(6) C 25MPP
12(7) B&C 46&I
1 (8) A→B&C 27CP
(ⅱ)
1 (1)A→~(B⇔C) 仮定
2 (2)A 仮定
12 (3) ~(B⇔C) 12MPP
12 (4) ~{(B→C)& (C→B)} 3Df.⇔
12 (5) ~(B→C)∨~(C→B) 4ド・モルガンの法則
12 (6) (B→C)→~(C→B) 5含意の定義
3 (7) (B→C) A
123 (8) ~(C→B) 67MPP
123 (9) ~(~C∨B) 8含意の定義
123 (ア) (C&~B) 9ド・モルガンの法則
12 (イ) (B→C)→(C&~B) 3アCP
1 (ウ)A→{(B→C)→(C&~B)} 2イCP
エ (エ)A& (B→C) 仮定
エ (オ)A エ&E
1 エ (カ) (B→C)→(C&~B) ウオMPP
エ (キ) (B→C) エ&E
1 エ (ク) (C&~B) カキMPP
1 (ケ)A& (B→C)→(C&~B) エクCP
コ (コ)A&(C∨~B) 仮定
コ (サ)A コ&E
コ (シ) (C∨~B) コ&E
コ (ス) (~B∨C) シ交換法則
コ (セ) (B→C) ス含意の定義
コ (ソ)A& (B→C) サセ&I
1 コ (タ) (C&~B) ケソMPP
1 (チ)A&(C∨~B)→(C&~B) コタCP
ツ(ツ)A& C 仮定
ツ(テ)A ツ&E
ツ(ト) C ツ&E
ツ(ナ) C∨~B ト∨I
ツ(ニ)A&(C∨~B) テナ&I
1 ツ(ヌ) (C&~B) チニMPP
1 (ネ) (A&C)→(C&~B) ツヌCP
従って、
(01)により、
(02)
①(A→B)&(A→C)├ A→B&C
② A→~(B⇔C)├ A&C→C&~B
といふ「連式(Sequents)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
従って、
(02)により、
(03)
①(AならばBであり)、尚且つ、(AならばCである)。従って、Aならば、BであってCである。
② Aならば、(BとCが、同時に、真である)ことない。従って、AであってCであるならば、Cではあるが、Bではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
従って、
(03)により、
(04)
A=100円をもっている。
B=缶コーヒーが買える。
C=缶ジュースが買える、
とするならば、
①(100円あれば、缶コーヒーが買え)、尚且つ、(100円あれば、缶ジュースが買える)。 従って、100円あれば、缶コーヒーと缶ジュースが買える。
② 100円あれば、(一度に、缶コーヒーと、缶ジュースの両方が買える)というわけではない。100円で、缶ジュースを買うならば、缶ジュースは買えるが、缶コーヒーは買えない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(05)
1980年代後半に見出されて脚光を浴びた新しい論理体系に 「線形論理」がある。線形論理の大きな特徴は「資源」の概念を扱えるという点にある。このことを説明するために しばしば次のような例え話が引き合いに出される。100円の缶コーヒーと100円の缶ジュースが買える自動販売機があるとする。 「100円をもっている」という命題をA、「缶コーヒーが買える」 という命題をB、「缶ジュースが買える」という命題をCとすると、この状況は「A→B」および「A→C」となる。古典論理では これから「A→B&C」が導かれるが、これは「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースが両方買える」という意味になり、 明らかに経済概念に合わない。本当は「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースのどちらか一方のみが買える」とか 「100円玉が2枚あれば缶コーヒーと缶ジュースが買える」 という命題が出て来てほしい。線形論理ではこのような状況が 正しく記述できるのである。このような例を敷延すれば、 計算機やネットワーク上で複数のプログラム(プロセス)が 共有資源にアクセスするような状況も同様であり、実際に、 そのような状況を線形論理で扱うような研究も行われている(I. 記号論理学とは何か)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
『この状況は「A→B」および「A→C」となる。古典論理では これから「A→B&C」が導かれるが、これは「100円あれば 缶コーヒーと缶ジュースが両方買える」という意味になり、 明らかに経済概念に合わない。』とは言ふものの、
①(A→B)&(A→C)├ A→B&C
では困る。といふのであれば、ただ単に、
② A→~(B⇔C)├ A&C→C&~B
といふ風に、書けば良い。といふことに、過ぎない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
私としては、「100円の缶コーヒーと100円の缶ジュースが買える自動販売機があるとする。」といふ「以外の例」を、知りたい。
と、思ってゐる。
令和02年09月22日、毛利太。
2020年9月22日火曜日
「弟子不必不如師」の「述語論理」。
(01)
① 弟子必不レ如レ師=
① 弟子必不〔如(師)〕⇒
① 弟子必〔(師)如〕不=
① 弟子は必ず〔(師に)如か〕不=
① 弟子は必ず、師に及ばない。
(02)
② 弟子不二必不一レ如レ師=
② 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
② 弟子[必〔(師)如〕不]不=
② 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕不んば]あら不=
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 弟子必不レ如レ師。
② 弟子不二必不一レ如レ師。
に於いて、
②は、「①の否定」である。
然るに、
(04)
① 弟子は必ず、師に及ばない。
であれば、
① ∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)≡
① すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)。
といふ「述語論理式」に、相当する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
であれば、
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「述語論理式」に、相当する。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) A
1 (2)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) 1量化子の関係
1 (3)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 2量化子の関係
4 (4) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) A
5(5) ~(弟子ab&師匠ba→~及ab) A
5(6) ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 5含意の定義
5(7) (弟子ab&師匠ba)& 及ab 6ド・モルガンの法則
5(8) (弟子ab&師匠ba&及ab) 7結合法則
5(9) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) 8EI
4 (ア) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) 459EE
4 (イ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) アEI
1 (ウ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) 14イEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) A
2 (2) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) A
3(3) (弟子ab&師匠ba&及ab) A
3(4) (弟子ab&師匠ba)& 及ab 3結合法則
3(5) ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 4ド・モルガンの法則
3(6) ~(弟子ab&師匠ba→~及ab) 5含意の定義
3(7) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) 6EI
2 (8) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) 237EE
2 (9)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 8EI
1 (ア)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 129EE
1 (イ)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) ア量化子の関係
1 (ウ)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) イ量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
③ ∃x∃y(弟子xy&師匠yx& 及xy)
に於いて、すなはち、
② すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)といふわけではない。
③ あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であっ、 xはyに及んでゐる)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
③ ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)≡
③ あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であって、xはyに及んでゐる)。
といふことは、
③ ある弟子は、師匠よりも優れてゐる。⇔
③ ある師匠は、弟子に及ばない。
といふ「意味」である。
cf.
孔子は郯子・萇弘・師襄・老耼・を師としたが、郯子の仲間は、その徳のすぐれていること、孔子には及ばなかった。
(明治書院、新釈漢文大系 70、1926年、88頁)
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① 弟子不二必不一レ如レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(10)
「論理」は、「すべての人類」にとって、「共通」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「初めに(エン アルケー)」、
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「論理(ロゴス)」が有って、その「翻訳」として、
① 弟子不二必不一レ如レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
といふ「諸言語」が有るのかも知れない。
と、思ったりするのであるが、果たして、「本当に、さうなのだらうか?」。
令和02年09月22日、毛利太。
① 弟子必不レ如レ師=
① 弟子必不〔如(師)〕⇒
① 弟子必〔(師)如〕不=
① 弟子は必ず〔(師に)如か〕不=
① 弟子は必ず、師に及ばない。
(02)
② 弟子不二必不一レ如レ師=
② 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
② 弟子[必〔(師)如〕不]不=
② 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕不んば]あら不=
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 弟子必不レ如レ師。
② 弟子不二必不一レ如レ師。
に於いて、
②は、「①の否定」である。
然るに、
(04)
① 弟子は必ず、師に及ばない。
であれば、
① ∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)≡
① すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)。
といふ「述語論理式」に、相当する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
であれば、
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「述語論理式」に、相当する。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) A
1 (2)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) 1量化子の関係
1 (3)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 2量化子の関係
4 (4) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) A
5(5) ~(弟子ab&師匠ba→~及ab) A
5(6) ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 5含意の定義
5(7) (弟子ab&師匠ba)& 及ab 6ド・モルガンの法則
5(8) (弟子ab&師匠ba&及ab) 7結合法則
5(9) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) 8EI
4 (ア) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) 459EE
4 (イ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) アEI
1 (ウ) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) 14イEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy) A
2 (2) ∃y(弟子ay&師匠ya&及ay) A
3(3) (弟子ab&師匠ba&及ab) A
3(4) (弟子ab&師匠ba)& 及ab 3結合法則
3(5) ~{~(弟子ab&師匠ba)∨~及ab) 4ド・モルガンの法則
3(6) ~(弟子ab&師匠ba→~及ab) 5含意の定義
3(7) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) 6EI
2 (8) ∃y~(弟子ay&師匠ya→~及ay) 237EE
2 (9)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 8EI
1 (ア)∃x∃y~(弟子xy&師匠yx→~及xy) 129EE
1 (イ)∃x~∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) ア量化子の関係
1 (ウ)~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy) イ量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
② ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
③ ∃x∃y(弟子xy&師匠yx& 及xy)
に於いて、すなはち、
② すべてのxとすべてのyについて(xがyの弟子であって、yがxの師匠であるならば、xはyに及ばない)といふわけではない。
③ あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であっ、 xはyに及んでゐる)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
③ ∃x∃y(弟子xy&師匠yx&及xy)≡
③ あるxとあるyについて(xはyの弟子であって、yはxの師匠であって、xはyに及んでゐる)。
といふことは、
③ ある弟子は、師匠よりも優れてゐる。⇔
③ ある師匠は、弟子に及ばない。
といふ「意味」である。
cf.
孔子は郯子・萇弘・師襄・老耼・を師としたが、郯子の仲間は、その徳のすぐれていること、孔子には及ばなかった。
(明治書院、新釈漢文大系 70、1926年、88頁)
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① 弟子不二必不一レ如レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(10)
「論理」は、「すべての人類」にとって、「共通」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「初めに(エン アルケー)」、
④ ~∀x∀y(弟子xy&師匠yx→~及xy)
といふ「論理(ロゴス)」が有って、その「翻訳」として、
① 弟子不二必不一レ如レ師。
② 弟子は必ずしも、師に及ばない。といふわけではない。
③ A disciple is not always inferior to his master.
といふ「諸言語」が有るのかも知れない。
と、思ったりするのであるが、果たして、「本当に、さうなのだらうか?」。
令和02年09月22日、毛利太。
「∀y(∀xFx→Fy)」を「展開」すると、
(01)
3 つぎの定理を証明せよ。
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁)
(02)
― 私による「解答」―
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、「定理(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「形」に、「展開」できる。
然るに、
(05)
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」は、
⑤ &E(連言除去)
⑥ &E(連言除去)
⑦ ∨E(選言除去)
⑧ 含意の定義(Df.→)
⑨ &I(連言導入)
により、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「型」に、「書き換へ」ことが出来る。
然るに、
(06)
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「式」は、
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}≡
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふことは、
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふことに、他ならない。
(08)
「E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁」でいふ所の『定理(theorem)』とは『恒真式(トートロジー)』に他ならない。
然るに、
(09)
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「同一律」は、『恒真式(トートロジー)』である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
といふ「計算」、並びに、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」により、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、『定理(恒真式)』である。
令和02年09月22日、毛利太。
3 つぎの定理を証明せよ。
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁)
(02)
― 私による「解答」―
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、「定理(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「形」に、「展開」できる。
然るに、
(05)
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」は、
⑤ &E(連言除去)
⑥ &E(連言除去)
⑦ ∨E(選言除去)
⑧ 含意の定義(Df.→)
⑨ &I(連言導入)
により、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「型」に、「書き換へ」ことが出来る。
然るに、
(06)
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}
といふ「式」は、
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
{α、β、γ}が{変域(ドメイン)」である場合、
⑩{Fα→Fα}&{Fβ→Fβ}&{Fγ→Fγ}≡
⑩{αがFであるならば、αはFであり}&{βがFであるならば、βはFであり}&{γがFであるならば、γはFである}。
といふことは、
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふことに、他ならない。
(08)
「E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、203頁」でいふ所の『定理(theorem)』とは『恒真式(トートロジー)』に他ならない。
然るに、
(09)
⑩ ∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「同一律」は、『恒真式(トートロジー)』である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
1 (1) Fα A
(2) Fα→Fα 11CP
3(3) ∀xFx A
3(4) Fα 3UE
3(5) Fα 24MPP
(6) ∀xFx→Fα 35CP
(7)∀y(∀xFx→Fy) 6UI
といふ「計算」、並びに、
① (Fα∨Fβ∨Fγ)→Fy
② ~(Fα∨Fβ∨Fγ)∨Fy
③ (~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fy
④{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fα}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fβ}&{(~Fα&~Fβ&~Fγ)∨Fγ}
といふ「それ」により、
(a)├ ∀y(∀xFx→Fy)
といふ「連式」は、『定理(恒真式)』である。
令和02年09月22日、毛利太。
2020年9月20日日曜日
「量化子(quantifiers)の関係」。
(01)
① ∀x( Fx)≡すべてのxはFである。
② ∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。
③ ~∀x( Fx)≡すべてのxはFである。といふわけではない。
④ ~∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。といふわけではない。
⑤ ~∃x(~Fx)≡ あるxがFでない。といふことはない。
⑥ ~∃x( Fx)≡ あるxがFである。といふことはない。
⑦ ∃x(~Fx)≡ あるxはFでない。
⑧ ∃x( Fx)≡ あるxはFである。
に於いて、
①=⑤
②=⑥
③=⑦
④=⑧
であって、
①≠⑤
②≠⑥
③≠⑦
④≠⑧
ではない。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「等式」は、すべて、「背理法(RAA)」によって、「証明」出来る。
然るに、
(03)
(a)xは男である( Fx)。
(b)xは女でない(~Fx)。
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
の場合は、
(ⅰ) ∀x( 男x)⇔ ~∃x(~男x)
(ⅱ) ∀x(~女x)⇔ ~∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅰ)=(ⅱ) であって、
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
の場合も、
(ⅲ)~∀x( 男x)⇔ ∃x(~男x)
(ⅳ)~∀x(~女x)⇔ ∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「2通り」を、「証明」すれば、
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「4通り」を、「証明」したことになる。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ∀x( Fx) A
1 (2) Fa 1UE
3 (3) ∃x(~Fx) A
4(4) ~Fa A
1 4(5) Fa&~Fa 34&I
4(6)~∀x( Fx) 15RAA
3 (7)~∀x( Fx) 346EE
13 (8) ∀x( Fx)&
~∀x( Fx) 17&I
1 (9)~∃x(~Fx) 38RAA
(ⅱ)
1 (1)~∃x(~Fx) A
2 (2) ~Fa A
2 (3) ∃x(~Fx) 2EI
12 (4)~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 13&I
1 (5) ~~Fa 24RAA
1 (6) Fa 5DN
1 (7) ∀x( Fx) 6UI
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) ~∀x( Fx) A
2 (2) ~∃x(~Fx) A
3(3) ~Fa A
3(4) ∃x(~Fx) 3EI
23(5) ~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 24&I
2 (6) ~~Fa 35RAA
2 (7) Fa 6DN
2 (8) ∀x( Fx) 7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
∀x( Fx) 18&I
1 (ア)~~∃x(~Fx) 29RAA
1 (イ) ∃x(~Fx) アDN
(ⅳ)
1 (1) ∃x(~Fx) A
2 (2) ~Fa A
3(3) ∀x( Fx) A
3(4) Fa 1UE
23(5) ~Fa&Fa 24&I
1 3(6) ~Fa&Fa 125EE
1 (7)~∀x( Fx) 36RAA
従って、
(08)により、
(09)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(07)(09)により、
(10)
(ⅰ) ∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)(10)により、
(11)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「等式(量化子の関係)」が、成立する。
然るに、
(12)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3) ∃x(Fx&~Fx) 2DN
4(4) Fa&~Fa A
1 (5) Fa&~Fa 344EE
(6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
(7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
(8) ~(Fa&~Fa) 7UE
(9) ~Fa∨ Fa 8ド・モルガンの法則
(ア) Fa→ Fa 9含意の定義
(イ) ∀x(Fx→ Fx) アUI
従って、
(12)により、
(13)
(ⅴ)∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「命題(同一律)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(ⅵ)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3) ∃x(Fx&~Fx) 2DN
4(4) Fa&~Fa A
1 (5) Fa&~Fa 344EE
(6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
(7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
(8) ~(Fa&~Fa) 7UE
(9) ~Fa∨ Fa 8ド・モルガンの法則
(ア) Fa→ Fa 9含意の定義
(イ) ∀x(Fx→ Fx) アUI
といふ「計算」は、
(ⅵ)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
といふ「計算」で、「済ませる」ことが、出来る。
令和02年09月20日、毛利太。
① ∀x( Fx)≡すべてのxはFである。
② ∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。
③ ~∀x( Fx)≡すべてのxはFである。といふわけではない。
④ ~∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。といふわけではない。
⑤ ~∃x(~Fx)≡ あるxがFでない。といふことはない。
⑥ ~∃x( Fx)≡ あるxがFである。といふことはない。
⑦ ∃x(~Fx)≡ あるxはFでない。
⑧ ∃x( Fx)≡ あるxはFである。
に於いて、
①=⑤
②=⑥
③=⑦
④=⑧
であって、
①≠⑤
②≠⑥
③≠⑦
④≠⑧
ではない。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「等式」は、すべて、「背理法(RAA)」によって、「証明」出来る。
然るに、
(03)
(a)xは男である( Fx)。
(b)xは女でない(~Fx)。
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
の場合は、
(ⅰ) ∀x( 男x)⇔ ~∃x(~男x)
(ⅱ) ∀x(~女x)⇔ ~∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅰ)=(ⅱ) であって、
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
の場合も、
(ⅲ)~∀x( 男x)⇔ ∃x(~男x)
(ⅳ)~∀x(~女x)⇔ ∃x( 女x)
といふ「代入」を行へば、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「2通り」を、「証明」すれば、
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「4通り」を、「証明」したことになる。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ∀x( Fx) A
1 (2) Fa 1UE
3 (3) ∃x(~Fx) A
4(4) ~Fa A
1 4(5) Fa&~Fa 34&I
4(6)~∀x( Fx) 15RAA
3 (7)~∀x( Fx) 346EE
13 (8) ∀x( Fx)&
~∀x( Fx) 17&I
1 (9)~∃x(~Fx) 38RAA
(ⅱ)
1 (1)~∃x(~Fx) A
2 (2) ~Fa A
2 (3) ∃x(~Fx) 2EI
12 (4)~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 13&I
1 (5) ~~Fa 24RAA
1 (6) Fa 5DN
1 (7) ∀x( Fx) 6UI
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) ~∀x( Fx) A
2 (2) ~∃x(~Fx) A
3(3) ~Fa A
3(4) ∃x(~Fx) 3EI
23(5) ~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 24&I
2 (6) ~~Fa 35RAA
2 (7) Fa 6DN
2 (8) ∀x( Fx) 7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
∀x( Fx) 18&I
1 (ア)~~∃x(~Fx) 29RAA
1 (イ) ∃x(~Fx) アDN
(ⅳ)
1 (1) ∃x(~Fx) A
2 (2) ~Fa A
3(3) ∀x( Fx) A
3(4) Fa 1UE
23(5) ~Fa&Fa 24&I
1 3(6) ~Fa&Fa 125EE
1 (7)~∀x( Fx) 36RAA
従って、
(08)により、
(09)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(07)(09)により、
(10)
(ⅰ) ∀x(Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅲ)~∀x(Fx)⇔ ∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)(10)により、
(11)
(ⅰ) ∀x( Fx)⇔ ~∃x(~Fx)
(ⅱ) ∀x(~Fx)⇔ ~∃x( Fx)
(ⅲ)~∀x( Fx)⇔ ∃x(~Fx)
(ⅳ)~∀x(~Fx)⇔ ∃x( Fx)
といふ「等式(量化子の関係)」が、成立する。
然るに、
(12)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3) ∃x(Fx&~Fx) 2DN
4(4) Fa&~Fa A
1 (5) Fa&~Fa 344EE
(6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
(7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
(8) ~(Fa&~Fa) 7UE
(9) ~Fa∨ Fa 8ド・モルガンの法則
(ア) Fa→ Fa 9含意の定義
(イ) ∀x(Fx→ Fx) アUI
従って、
(12)により、
(13)
(ⅴ)∀x(Fx→Fx)≡すべてのxについて(xがFであるならば、xはFである)。
といふ「命題(同一律)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(ⅵ)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
(ⅴ)
1 (1)~∀x~(Fx&~Fx) A
1 (2)∃x~~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1 (3) ∃x(Fx&~Fx) 2DN
4(4) Fa&~Fa A
1 (5) Fa&~Fa 344EE
(6) ~∃x(Fx&~Fx) 35RAA
(7) ∀x~(Fx&~Fx) 6量化子の関係
(8) ~(Fa&~Fa) 7UE
(9) ~Fa∨ Fa 8ド・モルガンの法則
(ア) Fa→ Fa 9含意の定義
(イ) ∀x(Fx→ Fx) アUI
といふ「計算」は、
(ⅵ)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
といふ「計算」で、「済ませる」ことが、出来る。
令和02年09月20日、毛利太。
2020年9月19日土曜日
「(E.J.レモンの)メタ定理Ⅱ」と「真理表」について。
(01)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、
1 (1)Pであるならば、Qである。と「仮定」し、
2 (2)Pであるならば、Qでない。と「仮定」し、その上、
3(3)Pである。 と「仮定」したところ、
1 3(4) Qである。となって、その上、
23(5) Qでない。となって、
123(6)Qであると、Qでない。とが、「同時に、真」になってしまったので、止むを得ず、
123 といふ「3つの仮定」の内の、取り敢へず、
3 を「除いて」、
12だけを「残して」、同時に、
(7)Pである。を、「否定」して、Pでない。とした。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「命題計算」は、「日常言語による推論」が、「ベース」にあるため、「自然演繹(natural deducation)」と言ふに、十分に、値する。
然るに、
(03)
Goo辞書
しんりち‐ひょう〔‐ヘウ〕【真理値表】 の解説
数学や論理学で、いくつかの命題を論理演算子で合成して新しい命題を作ったとき、もとの命題と合成された命題の真偽の関係を示す表。真理表。真偽表。
従って、
(02)(03)により、
(04)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、その一方で、【真理表】を用ひても、「(機械的に)証明」出来る。
然るに、
(01)~(04)により、
(05)
「日常言語」で、「自然に演繹」出来る「事柄」を、「(機械的に)証明」する「必要」は無い。
といふ「意味」では、この場合、【真理表】は、「不要」である。
然るに、
(06)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
証明のアウトライン。仮定により、「真理表テスト」のもとにおいて トートロージーであるような wffA を選ぶ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁改)
(07)
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
―「E.J.レモン、論理学初歩」には、「解答」が載ってゐないので、私による、証明。―
(a)P&Q├ P→Q
1(1) P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3)~P∨Q 1∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(b)~P&Q├ P→Q
1(1)~P&Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨Q 2∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(c)~P&~Q├ P→Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
(d)P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~Q 1&E
2(4) Q 2&E
12(5) ~Q&Q 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(e)~P&Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P&Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(f)~P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P& Q) 25RAA
(g)P&~Q├ P∨Q
1(1)P&~Q A
1(2)P 1&E
1(3)P∨Q 2∨I
(h)~P&Q├ P∨Q
1(1)~P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3) P∨Q 2∨I
(i)P&Q├ P⇔Q
(1) P&Q A
(2) Q 1&E
(3)~P∨Q 2∨I
(4) P→Q 3含意の定義
(5) P 1&E
(6)~Q∨P 5∨I
(7) Q→P 6含意の定義
(8)(P→Q)&
(Q→P) 47&I
(9) P⇔Q 8Df.⇔
(j)P&~Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P⇔ Q A
2(3) (P→ Q)&
(Q→ P) 2Df.⇔
2(4) P→ Q 3&E
1 (5) ~Q 1&E
12(6) ~P 45MTT
1 (7) P 1&E
12(8) ~P&P 67&I
1 (9)~(P⇔ Q) 28CP
(k)~P&Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P⇔Q A
2(3) (P→Q)&
(Q→P) 2Df.⇔
2(4) Q→P 3&E
1 (5) ~P 1&E
12(6) ~Q 45MTT
1 (7) Q 1&E
12(8) ~Q&Q 67&I
1 (9) ~(P⇔Q) 28RAA
(l)~P&~Q├ P⇔Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~Q 1&E
1(4) P→Q 2含意の定義
1(5) Q→P 3含意の定義
1(6)(P→Q)&
(Q→P) 45&I
1(7) P⇔Q 6Df.⇔
従って、
(06)(07)により、
(08)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」するためには、「命題計算」と、「真理表」の、両方を、「理解してゐる」必要が有る。
然るに、
(09)
真理表は習熟しやすいものなので、この節でのわれわれの取り扱いは手早くやれるだろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
然るに、
(10)
特に第2章の第4、第5節と、第4章第2節は、本書の他の部分よりも遥かに難しい。普通の読者はとばす(つまり早く読み通す)のが賢明であろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、序ⅱ)
従って、
(11)
幸いに、私自身は、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」してゐる、つもりでゐるものの、確かに、私自身の「経験」から言っても、
「①真理表」<「②命題計算」<「③メタ定理Ⅱ」
の「順」で、「左から右へ行く程、難しい」。
(12)
以下の証明はややこみあっている(The proof that follows is rather involved)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁)
といふくらひなので、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふことに関する「証明」は、「いくぶん、複雑である」。
令和02年09月19日、毛利太。
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、
1 (1)Pであるならば、Qである。と「仮定」し、
2 (2)Pであるならば、Qでない。と「仮定」し、その上、
3(3)Pである。 と「仮定」したところ、
1 3(4) Qである。となって、その上、
23(5) Qでない。となって、
123(6)Qであると、Qでない。とが、「同時に、真」になってしまったので、止むを得ず、
123 といふ「3つの仮定」の内の、取り敢へず、
3 を「除いて」、
12だけを「残して」、同時に、
(7)Pである。を、「否定」して、Pでない。とした。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「命題計算」は、「日常言語による推論」が、「ベース」にあるため、「自然演繹(natural deducation)」と言ふに、十分に、値する。
然るに、
(03)
Goo辞書
しんりち‐ひょう〔‐ヘウ〕【真理値表】 の解説
数学や論理学で、いくつかの命題を論理演算子で合成して新しい命題を作ったとき、もとの命題と合成された命題の真偽の関係を示す表。真理表。真偽表。
従って、
(02)(03)により、
(04)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P→~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
23(5) ~Q 23MPP
123(6) Q&~Q 45&I
12 (7)~P 36RAA
といふ「計算」は、その一方で、【真理表】を用ひても、「(機械的に)証明」出来る。
然るに、
(01)~(04)により、
(05)
「日常言語」で、「自然に演繹」出来る「事柄」を、「(機械的に)証明」する「必要」は無い。
といふ「意味」では、この場合、【真理表】は、「不要」である。
然るに、
(06)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
証明のアウトライン。仮定により、「真理表テスト」のもとにおいて トートロージーであるような wffA を選ぶ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁改)
(07)
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
―「E.J.レモン、論理学初歩」には、「解答」が載ってゐないので、私による、証明。―
(a)P&Q├ P→Q
1(1) P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3)~P∨Q 1∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(b)~P&Q├ P→Q
1(1)~P&Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨Q 2∨I
1(4) P→Q 3含意の定義
(c)~P&~Q├ P→Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
(d)P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~Q 1&E
2(4) Q 2&E
12(5) ~Q&Q 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(e)~P&Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P&Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
(f)~P&~Q├ ~(P&Q)
1 (1) ~P&~Q A
2(2) P& Q A
1 (3) ~P 1&E
2(4) P 2&E
12(5) ~P&P 34&I
1 (6)~(P& Q) 25RAA
(g)P&~Q├ P∨Q
1(1)P&~Q A
1(2)P 1&E
1(3)P∨Q 2∨I
(h)~P&Q├ P∨Q
1(1)~P&Q A
1(2) Q 1&E
1(3) P∨Q 2∨I
(i)P&Q├ P⇔Q
(1) P&Q A
(2) Q 1&E
(3)~P∨Q 2∨I
(4) P→Q 3含意の定義
(5) P 1&E
(6)~Q∨P 5∨I
(7) Q→P 6含意の定義
(8)(P→Q)&
(Q→P) 47&I
(9) P⇔Q 8Df.⇔
(j)P&~Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) P&~Q A
2(2) P⇔ Q A
2(3) (P→ Q)&
(Q→ P) 2Df.⇔
2(4) P→ Q 3&E
1 (5) ~Q 1&E
12(6) ~P 45MTT
1 (7) P 1&E
12(8) ~P&P 67&I
1 (9)~(P⇔ Q) 28CP
(k)~P&Q├ ~(P⇔Q)
1 (1) ~P&Q A
2(2) P⇔Q A
2(3) (P→Q)&
(Q→P) 2Df.⇔
2(4) Q→P 3&E
1 (5) ~P 1&E
12(6) ~Q 45MTT
1 (7) Q 1&E
12(8) ~Q&Q 67&I
1 (9) ~(P⇔Q) 28RAA
(l)~P&~Q├ P⇔Q
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~Q 1&E
1(4) P→Q 2含意の定義
1(5) Q→P 3含意の定義
1(6)(P→Q)&
(Q→P) 45&I
1(7) P⇔Q 6Df.⇔
従って、
(06)(07)により、
(08)
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」するためには、「命題計算」と、「真理表」の、両方を、「理解してゐる」必要が有る。
然るに、
(09)
真理表は習熟しやすいものなので、この節でのわれわれの取り扱いは手早くやれるだろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、105頁)
然るに、
(10)
特に第2章の第4、第5節と、第4章第2節は、本書の他の部分よりも遥かに難しい。普通の読者はとばす(つまり早く読み通す)のが賢明であろう。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、序ⅱ)
従って、
(11)
幸いに、私自身は、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふ「メタ定理」を「理解」してゐる、つもりでゐるものの、確かに、私自身の「経験」から言っても、
「①真理表」<「②命題計算」<「③メタ定理Ⅱ」
の「順」で、「左から右へ行く程、難しい」。
(12)
以下の証明はややこみあっている(The proof that follows is rather involved)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、107頁)
といふくらひなので、
メタ定理Ⅱ:すべてのトートロジー的 Wff(論理式) は定理として導出可能である。
といふことに関する「証明」は、「いくぶん、複雑である」。
令和02年09月19日、毛利太。
2020年9月16日水曜日
『「鼻は象が長い。」といふわけでない。』の「述語論理」。
(01)
{象、兎、馬}を{変域(ドメイン)}とすると、
{鼻は、象が長い。}
{耳は、兎が長い。}
{顔は、馬が長い。}
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は象が長い。⇔ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬)は長くない。
② 耳は兎が長い。⇔ 耳は兎は長く、兎以外(象、馬)は長くない。
③ 顔は馬が長い。⇔ 顔は馬は長く、馬以外(象、兎)は長くない。
然るに、
(03)
1 (1)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ya&象a→長y)&(鼻ya&~象a→~長y)} A
3 (3) (鼻ya&象a→長b)&(鼻ba&~象a→~長b) A
4 (4)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
5 (5) ∃y(兎a&~象a&鼻ba) A
6(6) 兎a&~象a&鼻ba A
6(7) 兎a 6&E
6(8) ~象a 6&E
6(9) 鼻ba 6&E
6(ア) 鼻ba&~象a 89&I
3 (イ) 鼻ba&~象a→~長b 3&E
3 6(ウ) ~長b アイMPP
6(エ) 兎a&鼻ba 79&I
3 6(オ) 兎a&鼻ba&~長b ウエ&I
3 6(カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) オEI
3 5 (キ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 56カEE
3 5 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) キEI
34 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 45クEE
1 4 (コ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23ケEE
従って、
(03)
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは兎であって、象ではなく、yはxの鼻である。}従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。}
従って、
(02)(05)により、
(06)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない)。然るに、
(ⅱ)ある兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)鼻が長くない、兎が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} A
1 (2)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
1 (3)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
4 (4) ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} A
4 (5) ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} 4UE
4 (6) ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b) 5ド・モルガンの法則
4 (7) (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b) 6含意の定義
8(8) (鼻ba&象a→長b) A
48(9) ~(鼻ba&~象a→~長b) 78MPP
48(ア) ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b) 48含意の定義
48(イ) (鼻ba&~象a)& 長b ア、ド・モルガンの法則
48(ウ) (鼻ba&~象a&長b) イ結語法則
48(エ) (~象a&鼻ba&長b) ウ交換法則
4 (オ) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b) 8エCP
4 (カ) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} オUI
4 (キ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} カEI
1 (ク) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} キEI
1 (ケ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} 34クEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} A
2 (2) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} A
2 (3) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b) 2UE
4(4) (鼻ba&象a→長b) A
24(5) (~象a&鼻ba&長b) 34MPP
24(6) (鼻ba&~象a&長b) 5交換法則
24(7) (鼻ba&~象a)&長b 6結合法則
24(8) ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b) 7ド・モルガンの法則
2 (9) (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b) 48CP
2 (ア) ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b) 9含意の定義
2 (イ) ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} ア、ド・モルガンの法則
2 (ウ) ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} イUI
2 (エ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} ウEI
1 (カ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 12エEE
1 (キ)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} カ量化子の関係
1 (ク)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} キ量化子の関係
従って、
(07)により、
(08)
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}
③ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(07)(08)により、
(09)
② すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}といふわけではない。
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
といふことは、
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
といふ、ことである。
従って、
(02)(09)(10)により、
(11)
② 鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(12)
1 (1)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} A
2 (2) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} A
2 (3) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長y) 2UE
4 (4) ∃x∃y(象x&鼻yx&長y) A
5 (5) ∃y(象a&鼻ya&長y) A
6(6) 象a&鼻ba&長b A
6(7) 長b 6&E
6(8) ~(鼻ba&象a)∨長b 7∨I
6(9) (鼻ba&象a→長b) 8含意の定義
2 6(ア) (~象a&鼻ba&長y) 39MPP
2 6(イ) ∃y(~象a&鼻ya&長y) アEI
2 5 (ウ) ∃y(~象a&鼻ya&長y) 56イEE
2 5 (エ) ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y) ウEI
1 5 (オ) ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y) 12エEE
従って、
(12)により、
(13)
(ⅰ)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y( 象x&鼻yx&長y)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(~象x&鼻yx&長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、xは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、長い。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは象ではなく、yはxの鼻であって、長い。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物がゐる。然るに、
(ⅱ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅲ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。従って、
(ⅱ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。然るに、
(ⅲ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅳ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
① 鼻は象が長い。 ⇔ ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔ ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③ 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(18)
「現状」に於いて、
① ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に対して、「関心」を持ってゐる、「日本語の文法の、研究者」は、おそらくは、皆無に近い。
令和09年16日、毛利太。
{象、兎、馬}を{変域(ドメイン)}とすると、
{鼻は、象が長い。}
{耳は、兎が長い。}
{顔は、馬が長い。}
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は象が長い。⇔ 鼻は象は長く、象以外(兎、馬)は長くない。
② 耳は兎が長い。⇔ 耳は兎は長く、兎以外(象、馬)は長くない。
③ 顔は馬が長い。⇔ 顔は馬は長く、馬以外(象、兎)は長くない。
然るに、
(03)
1 (1)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ya&象a→長y)&(鼻ya&~象a→~長y)} A
3 (3) (鼻ya&象a→長b)&(鼻ba&~象a→~長b) A
4 (4)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
5 (5) ∃y(兎a&~象a&鼻ba) A
6(6) 兎a&~象a&鼻ba A
6(7) 兎a 6&E
6(8) ~象a 6&E
6(9) 鼻ba 6&E
6(ア) 鼻ba&~象a 89&I
3 (イ) 鼻ba&~象a→~長b 3&E
3 6(ウ) ~長b アイMPP
6(エ) 兎a&鼻ba 79&I
3 6(オ) 兎a&鼻ba&~長b ウエ&I
3 6(カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) オEI
3 5 (キ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 56カEE
3 5 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) キEI
34 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 45クEE
1 4 (コ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23ケEE
従って、
(03)
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは兎であって、象ではなく、yはxの鼻である。}従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。}
従って、
(02)(05)により、
(06)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない)。然るに、
(ⅱ)ある兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)鼻が長くない、兎が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} A
1 (2)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
1 (3)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 1量化子の関係
4 (4) ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} A
4 (5) ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} 4UE
4 (6) ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b) 5ド・モルガンの法則
4 (7) (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b) 6含意の定義
8(8) (鼻ba&象a→長b) A
48(9) ~(鼻ba&~象a→~長b) 78MPP
48(ア) ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b) 48含意の定義
48(イ) (鼻ba&~象a)& 長b ア、ド・モルガンの法則
48(ウ) (鼻ba&~象a&長b) イ結語法則
48(エ) (~象a&鼻ba&長b) ウ交換法則
4 (オ) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b) 8エCP
4 (カ) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} オUI
4 (キ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} カEI
1 (ク) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} キEI
1 (ケ) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} 34クEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} A
2 (2) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} A
2 (3) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長b) 2UE
4(4) (鼻ba&象a→長b) A
24(5) (~象a&鼻ba&長b) 34MPP
24(6) (鼻ba&~象a&長b) 5交換法則
24(7) (鼻ba&~象a)&長b 6結合法則
24(8) ~(~(鼻ba&~象a)∨~長b) 7ド・モルガンの法則
2 (9) (鼻ba&象a→長b)→~(鼻ba&~象a→~長b) 48CP
2 (ア) ~(鼻ba&象a→長b)∨~(鼻ba&~象a→~長b) 9含意の定義
2 (イ) ~{(鼻ba&象a→長b)& (鼻ba&~象a→~長b)} ア、ド・モルガンの法則
2 (ウ) ∀y~{(鼻ya&象a→長y)& (鼻ya&~象a→~長y)} イUI
2 (エ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} ウEI
1 (カ)∃x∀y~{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} 12エEE
1 (キ)∃x~∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} カ量化子の関係
1 (ク)~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)& (鼻yx&~象x→~長y)} キ量化子の関係
従って、
(07)により、
(08)
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}
③ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(07)(08)により、
(09)
② すべてのxとあるyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yは長く、yがxの鼻であって、xが象でないならば、yは長くない。}といふわけではない。
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
③ あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、他のxは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}
といふことは、
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
といふ、ことである。
従って、
(02)(09)(10)により、
(11)
② 鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。
③ 鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(12)
1 (1)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)} A
2 (2) ∀y{(鼻ya&象a→長y)→(~象a&鼻ya&長y)} A
2 (3) (鼻ba&象a→長b)→(~象a&鼻ba&長y) 2UE
4 (4) ∃x∃y(象x&鼻yx&長y) A
5 (5) ∃y(象a&鼻ya&長y) A
6(6) 象a&鼻ba&長b A
6(7) 長b 6&E
6(8) ~(鼻ba&象a)∨長b 7∨I
6(9) (鼻ba&象a→長b) 8含意の定義
2 6(ア) (~象a&鼻ba&長y) 39MPP
2 6(イ) ∃y(~象a&鼻ya&長y) アEI
2 5 (ウ) ∃y(~象a&鼻ya&長y) 56イEE
2 5 (エ) ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y) ウEI
1 5 (オ) ∃x∃y(~象x&鼻yx&長y) 12エEE
従って、
(12)により、
(13)
(ⅰ)∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx&長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y( 象x&鼻yx&長y)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(~象x&鼻yx&長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)あるxとすべてのyについて{yがxの鼻であって、xが象であるならば、yが長いならば、xは象ではなく、yはxの鼻であって、yは長い。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、長い。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて{xは象ではなく、yはxの鼻であって、長い。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物がゐる。然るに、
(ⅱ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅲ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
(ⅰ)鼻は象が長い(鼻は象が長く、象以外は長くない。)といふわけではない。従って、
(ⅱ)鼻が長い象がゐるのであれば、象以外にも、鼻が長い動物はゐる。然るに、
(ⅲ)鼻が長い象はゐる。従って、
(ⅳ)象以外にも、鼻が長い動物がゐる。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
① 鼻は象が長い。 ⇔ ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔ ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③ 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(18)
「現状」に於いて、
① ∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
② ~∀x∃y{(鼻yx&象x→長y)&(鼻yx&~象x→~長y)}。
③ ∃x∀y{(鼻yx&象x→長y)→(~象x&鼻yx& 長y)}。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に対して、「関心」を持ってゐる、「日本語の文法の、研究者」は、おそらくは、皆無に近い。
令和09年16日、毛利太。
2020年9月15日火曜日
「選言除去(∨I)」の「証明」。
(01)
論理式 P,Q,R について、P→R, Q→R, P∨Q がすべて真であるような任意の解釈のもとで R は必ず真になります。これは「選言除去」と呼ばれる推論規則です。
(選言除去 | 述語論理 | 論理 | 数学 | ワイズ)
然るに、
(02)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、「仮定の規則」により、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真」である。
然るに、
(03)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
123 (8) 偽 34567選言除去
である。とする。
然るに、
(04)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、「5つのR」の内、「1つのRが、偽である。」ならば、「5つのRは、すべて、偽である。」
従って、
(04)により、
(05)
1 (1)P→偽 仮定
2 (2)Q→偽 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) 偽 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) 偽 26MPP
123 (8) 偽 34567選言除去
である。
然るに、
(06)
「→」の「マトリックス(真理表)」により、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
に於いて、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
であるならば、その時に限って、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮定」は、「2つとも、偽である。」
従って、
(02)(05)(06)により、
(07)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真である。」が故に、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮言命題」を、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
であることは、無い。
従って、
(04)(07)
(08)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮言命題」を、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
とすることは、出来ない。といふのであれば、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
であると、「せざるを得ない」。
然るに、
(09)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
に於いて、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
であるならば、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
に於いても、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
3 (3)偽∨偽 仮定
であると、「せざるを得ない」。
然るに、
(10)
「∨」の「マトリックス(真理表)」により、
3 (3)P∨Q 仮定
に於いて、
3 (3)偽∨偽 仮定
であるならば、
3 (3)P∨Q 仮定
は、「偽」である。
従って、
(02)~(10)により、
(11)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
123 (8) 偽 34567選言除去
である。とすると、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」が、「同時に、3つとも、真である。」といふことは、「有り得ない。」
従って、
(02)(11)により、
(12)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真」であると、するのであれば、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
R=偽 である。
とすることは、出来ず、それ故、
必然的に、 R=真 である。
従って、
(12)により、
(13)
P→R,Q→R,P∨Q├ R
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
従って、
(01)(13)により、
(14)
論理式 P,Q,R について、P→R, Q→R, P∨Q がすべて真であるような任意の解釈のもとで R は必ず真になります。これは「選言除去」と呼ばれる推論規則です。
(選言除去 | 述語論理 | 論理 | 数学 | ワイズ)
といふ「説明」は、正しい(Q.E.D)。
令和02年09月15日、毛利太。
論理式 P,Q,R について、P→R, Q→R, P∨Q がすべて真であるような任意の解釈のもとで R は必ず真になります。これは「選言除去」と呼ばれる推論規則です。
(選言除去 | 述語論理 | 論理 | 数学 | ワイズ)
然るに、
(02)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、「仮定の規則」により、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真」である。
然るに、
(03)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
123 (8) 偽 34567選言除去
である。とする。
然るに、
(04)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、「5つのR」の内、「1つのRが、偽である。」ならば、「5つのRは、すべて、偽である。」
従って、
(04)により、
(05)
1 (1)P→偽 仮定
2 (2)Q→偽 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) 偽 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) 偽 26MPP
123 (8) 偽 34567選言除去
である。
然るに、
(06)
「→」の「マトリックス(真理表)」により、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
に於いて、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
であるならば、その時に限って、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮定」は、「2つとも、偽である。」
従って、
(02)(05)(06)により、
(07)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真である。」が故に、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮言命題」を、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
であることは、無い。
従って、
(04)(07)
(08)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
といふ「2つの仮言命題」を、
1 (1)真→偽 仮定
2 (2)真→偽 仮定
とすることは、出来ない。といふのであれば、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
であると、「せざるを得ない」。
然るに、
(09)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
に於いて、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
であるならば、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
に於いても、
1 (1)偽→偽 仮定
2 (2)偽→偽 仮定
3 (3)偽∨偽 仮定
であると、「せざるを得ない」。
然るに、
(10)
「∨」の「マトリックス(真理表)」により、
3 (3)P∨Q 仮定
に於いて、
3 (3)偽∨偽 仮定
であるならば、
3 (3)P∨Q 仮定
は、「偽」である。
従って、
(02)~(10)により、
(11)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於ける、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
123 (8) 偽 34567選言除去
である。とすると、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」が、「同時に、3つとも、真である。」といふことは、「有り得ない。」
従って、
(02)(11)により、
(12)
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
4 (4)P 仮定
1 4 (5) R 14MPP
6(6) Q 仮定
2 6(7) R 26MPP
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
1 (1)P→R 仮定
2 (2)Q→R 仮定
3 (3)P∨Q 仮定
といふ「3つの仮定」は、「3つとも、真」であると、するのであれば、
123 (8) R 34567選言除去
に於いて、
R=偽 である。
とすることは、出来ず、それ故、
必然的に、 R=真 である。
従って、
(12)により、
(13)
P→R,Q→R,P∨Q├ R
といふ「連式(Sequent)」は、「妥当」である。
従って、
(01)(13)により、
(14)
論理式 P,Q,R について、P→R, Q→R, P∨Q がすべて真であるような任意の解釈のもとで R は必ず真になります。これは「選言除去」と呼ばれる推論規則です。
(選言除去 | 述語論理 | 論理 | 数学 | ワイズ)
といふ「説明」は、正しい(Q.E.D)。
令和02年09月15日、毛利太。
2020年9月14日月曜日
「象は鼻が長い。」の「述語論理」の「説明」。
―「先程(令和02年09月14日)の記事」を補足します。―
(01)
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(〃)兎は、鼻以外(耳)も長い。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象であるとすると、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(長y&耳ya) ア&E
オ(オ) 長b&耳ba A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
然るに、
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふことは、要するに、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ、ことである。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。 とするならば、
(ⅰ)象は、鼻(と耳)が長い。
としても、「矛盾」しない。
然るに、
(09)
(ⅰ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
といふのであれば、これだけでは、
(ⅱ)兎の鼻は、長いのか、長くないのか。
といふことに関しては、「不明」である。
従って、
(04)~(09)により、
(10)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(11)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
ではなく、
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
とするならば、
(ⅰ)象は鼻は長い。
となって、
(ⅰ)象は鼻は長い。
といふことは、
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
といふ、ことである。
然るに、
(04)(11)により、
(12)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
2(2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
といふ「仮定」からは、
12(ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12(〃)兎は象でない。
といふ「結論」を、得ることは、出来ない。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」ではない。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」が、「日本語」として、「妥当」であると、するならば、
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(15)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない。
令和02年09月14日、毛利太。
(01)
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(〃)兎は、鼻以外(耳)も長い。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象であるとすると、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(長y&耳ya) ア&E
オ(オ) 長b&耳ba A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
然るに、
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふことは、要するに、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ、ことである。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。 とするならば、
(ⅰ)象は、鼻(と耳)が長い。
としても、「矛盾」しない。
然るに、
(09)
(ⅰ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。
といふのであれば、これだけでは、
(ⅱ)兎の鼻は、長いのか、長くないのか。
といふことに関しては、「不明」である。
従って、
(04)~(09)により、
(10)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(11)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
ではなく、
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
とするならば、
(ⅰ)象は鼻は長い。
となって、
(ⅰ)象は鼻は長い。
といふことは、
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
といふ、ことである。
然るに、
(04)(11)により、
(12)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
2(2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
といふ「仮定」からは、
12(ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12(〃)兎は象でない。
といふ「結論」を、得ることは、出来ない。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅰ)象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」ではない。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」が、「日本語」として、「妥当」であると、するならば、
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(15)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「否定」することは、出来ない。
令和02年09月14日、毛利太。
「象の鼻が長い」等の「述語論理」。
―「昨日(令和02年09月13日)の記事」を書き直します。―
(01)
①{象、兎、馬、犬}
であれば、
象は、動物であり、
兎も、動物であり、
馬も、動物であり、
犬も、動物である。
従って、
(01)により、
(02)
①{象、兎、馬、犬}
であれば、
① 象が動物である。
とは、言へない。
然るに、
(03)
①{象、机、車、家}
であれば、
象は、動物であり、
机は、動物ではなく
車も、動物ではなく、
家も、動物ではない。
従って、
(03)により、
(04)
①{象、机、車、家}
であれば、
① 象が動物である。
然るに、
(05)
①{象、机、車、家}
於いて、
象は、動物であり、
机は、動物ではなく、
車も、動物ではなく、
家も、動物ではない。
といふことは、
① 象は動物であり、象以外(机、車、家)は動物ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① AがBである。
ならば、そのときに限って、
② AはBであり、A以外はBでない。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1) ~A→~B 仮定
2 (2) B 仮定
3(3) ~A 仮定
1 3(4) ~B 13前件肯定
123(5) B&~B 24&導入
12 (6)~~A 35背理法
12 (7) A 6二重否定
1 (8) B→ A 27条件法
(ⅱ)
1 (1) B→ A 仮定
2 (2) ~A 仮定
3(3) B 仮定
1 3(4) A 13前件肯定
123(5) ~A&A 24&導入
12 (6) ~B 35RAA
1 (7) ~A→~B 26条件法
従って、
(07)により、
(08)
① ~A→~B≡Aでないならば、Bでない。
② B→ A≡Bであるならば、Aである。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(09)
① A以外はBでない。
② BはAである。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
③ AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)により、
(11)
① Cは、AがBである。
② Cは、AはBであり、A以外はBでない。
③ Cは、AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
① Cは、AがBである。
② Cは、AはBであり、A以外はBでない。
③ Cは、AはBであり、BはAである。
に於いて、
C=タゴール記念会
A=私
B=理事長
といふ「代入(Substitutions)」を行ふと、
① タゴール記念会は、私が理事長である。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長でない。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(13)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
三上章 先生は、
① タゴール記念会は、私が理事長である。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長でない。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=③ である。
といふことには、気付いてゐるが、
①=② である。
といふことには、気付いてゐない。
従って、
(14)により、
(15)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
に於いて、
①=② である。
といふことには、気付いてゐない。
然るに、
(16)
① 君が行く。
⑤ 君が行く道。
に於いて、
① 君(体言)が( 格助詞 )行く(終止形)。
⑤ 君(体言)が(準体助詞)行く(連体形)道。
である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 象の鼻が長い。
⑤ 象の鼻が長いこと。
に於いても、
① 鼻が( 格助詞 )
⑤ 鼻が(準体助詞)
である。
従って、
(17)により、
(18)
① 象の鼻が長い。
⑤ 象の鼻が長いこと。
であるならば、
① 鼻が( 格助詞 )
⑤ 鼻が(準体助詞)
に於いて、
①=⑤ ではないため、「注意」が、「必要」である。
然るに、
(10)により、
(19)
① 象の鼻が長い。
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅰ)象の鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象でなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて(xは兎であって、象ではななく、yはxの鼻である。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて(xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(21)により、
(22)
(ⅰ)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(22)により、
(23)
1 (1)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} 1UE
3 (4) ~象a&鼻ba→~長b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
6 (6) ∃y(兎a&~象a&鼻ya) A
7(7) 兎a&~象a&鼻ba A
7(8) 兎a 7&E
7(9) ~象a&鼻ba 7&E
3 7(ア) ~長b 49MPP
7(イ) 鼻ba 9&E
3 7(ウ) 鼻ba&~長b アイ&I
3 7(エ) 兎a&鼻ba&~長b 8ウ&I
3 7(オ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) エEI
3 6 (カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 67オEE
3 6 (キ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) カEI
35 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 56キEE
1 5 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23クEE
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(19)~(23)により、
(24)
(ⅰ)象の鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(25)
① 鼻は象が長い。
② 鼻は象は長く、象以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(25)により、
(26)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(26)により、
(27)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象でなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて(xは兎であって、象ではななく、yはxの鼻である。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて(xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(27)により、
(28)
(ⅰ)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(28)により、
(29)
1 (1)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} 1UE
3 (4) ~象a&鼻ba→~長b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
6 (6) ∃y(兎a&~象a&鼻ya) A
7(7) 兎a&~象a&鼻ba A
7(8) 兎a 7&E
7(9) ~象a&鼻ba 7&E
3 7(ア) ~長b 49MPP
7(イ) 鼻ba 9&E
3 7(ウ) 鼻ba&~長b アイ&I
3 7(エ) 兎a&鼻ba&~長b 8ウ&I
3 7(オ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) エEI
3 6 (カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 67オEE
3 6 (キ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) カEI
35 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 56キEE
1 5 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23クEE
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(25)~(29)により、
(30)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(31)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(31)により、
(32)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(32)により、
(33)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。}
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(33)により、
(34)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(34)により、
(35)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
オ(オ) 耳ba&長b A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(31)~(35)により、
(36)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(37)
① 象は鼻が長い。
③ 象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
に於いて、
①=③ であるならば、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「仮定」は、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」と、「交換」することになる。
然るに、
(35)(37)により、
(38)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」からは、
12(ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12(〃)すべての兎は、象ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることが、出来ない。
従って、
(36)(37)(38)により、
(39)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」を、「妥当」であると、する一方で、
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではないと、することは、出来ない。
然るに、
(40)
5つ星のうち5.0 この名著が切れているとは!
2011年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この名著が切れているとは嘆かわしい!「は」主題説によって本質的な日本語論を展開し、日本語論争を巻き起こした、こういう古典とも言える本は常に手に入る状態であってほしい。
(「三上章、象は鼻が長い、1960年」の、カスタマーレビュー)
然るに、
(41)
「三上章、象は鼻が長い、1960年」には、
① AがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに対する、「言及」が無い。
それ故、
(42)
私自身は、「三上章、象は鼻が長い、1960年」といふ「著作」が、「名著」であるとは、少しも、思はない。
然るに、
(43)
2016年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「日本文法入門」とあるので、特に中身を確認せず手にとったのが良くありませんでした。
結論から言うと、この本は決してゴロ寝して読むレベルのカジュアルな本ではなく、ある程度の日本語文法知識(たとえそれが西洋から輸入されたものであっても)を得て、そこそこ文法を体系的に捉えられる人が手にとって読む本だろうと感じました。
包摂判断・類概念といった専門用語からはじまり、さまざまな学者の説も交えているので、初学者にとってはちんぷんかんぷんでした。
(「三上章、象は鼻が長い、1960年」の、カスタマーレビュー)
然るに、
(44)
「三上章、象は鼻が長い、1960年」といふ「著作」は、正直にいって、私にとっても、「ちんぷんかんぷん」である。
令和02年09月14日、毛利太。
(01)
①{象、兎、馬、犬}
であれば、
象は、動物であり、
兎も、動物であり、
馬も、動物であり、
犬も、動物である。
従って、
(01)により、
(02)
①{象、兎、馬、犬}
であれば、
① 象が動物である。
とは、言へない。
然るに、
(03)
①{象、机、車、家}
であれば、
象は、動物であり、
机は、動物ではなく
車も、動物ではなく、
家も、動物ではない。
従って、
(03)により、
(04)
①{象、机、車、家}
であれば、
① 象が動物である。
然るに、
(05)
①{象、机、車、家}
於いて、
象は、動物であり、
机は、動物ではなく、
車も、動物ではなく、
家も、動物ではない。
といふことは、
① 象は動物であり、象以外(机、車、家)は動物ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① AがBである。
ならば、そのときに限って、
② AはBであり、A以外はBでない。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1) ~A→~B 仮定
2 (2) B 仮定
3(3) ~A 仮定
1 3(4) ~B 13前件肯定
123(5) B&~B 24&導入
12 (6)~~A 35背理法
12 (7) A 6二重否定
1 (8) B→ A 27条件法
(ⅱ)
1 (1) B→ A 仮定
2 (2) ~A 仮定
3(3) B 仮定
1 3(4) A 13前件肯定
123(5) ~A&A 24&導入
12 (6) ~B 35RAA
1 (7) ~A→~B 26条件法
従って、
(07)により、
(08)
① ~A→~B≡Aでないならば、Bでない。
② B→ A≡Bであるならば、Aである。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(09)
① A以外はBでない。
② BはAである。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
③ AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(10)により、
(11)
① Cは、AがBである。
② Cは、AはBであり、A以外はBでない。
③ Cは、AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(11)により、
(12)
① Cは、AがBである。
② Cは、AはBであり、A以外はBでない。
③ Cは、AはBであり、BはAである。
に於いて、
C=タゴール記念会
A=私
B=理事長
といふ「代入(Substitutions)」を行ふと、
① タゴール記念会は、私が理事長である。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長でない。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(13)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
三上章 先生は、
① タゴール記念会は、私が理事長である。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長でない。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=③ である。
といふことには、気付いてゐるが、
①=② である。
といふことには、気付いてゐない。
従って、
(14)により、
(15)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
に於いて、
①=② である。
といふことには、気付いてゐない。
然るに、
(16)
① 君が行く。
⑤ 君が行く道。
に於いて、
① 君(体言)が( 格助詞 )行く(終止形)。
⑤ 君(体言)が(準体助詞)行く(連体形)道。
である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 象の鼻が長い。
⑤ 象の鼻が長いこと。
に於いても、
① 鼻が( 格助詞 )
⑤ 鼻が(準体助詞)
である。
従って、
(17)により、
(18)
① 象の鼻が長い。
⑤ 象の鼻が長いこと。
であるならば、
① 鼻が( 格助詞 )
⑤ 鼻が(準体助詞)
に於いて、
①=⑤ ではないため、「注意」が、「必要」である。
然るに、
(10)により、
(19)
① 象の鼻が長い。
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅰ)象の鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象でなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて(xは兎であって、象ではななく、yはxの鼻である。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて(xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(21)により、
(22)
(ⅰ)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(22)により、
(23)
1 (1)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} 1UE
3 (4) ~象a&鼻ba→~長b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
6 (6) ∃y(兎a&~象a&鼻ya) A
7(7) 兎a&~象a&鼻ba A
7(8) 兎a 7&E
7(9) ~象a&鼻ba 7&E
3 7(ア) ~長b 49MPP
7(イ) 鼻ba 9&E
3 7(ウ) 鼻ba&~長b アイ&I
3 7(エ) 兎a&鼻ba&~長b 8ウ&I
3 7(オ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) エEI
3 6 (カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 67オEE
3 6 (キ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) カEI
35 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 56キEE
1 5 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23クEE
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(19)~(23)により、
(24)
(ⅰ)象の鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(25)
① 鼻は象が長い。
② 鼻は象は長く、象以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(25)により、
(26)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(26)により、
(27)
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象でなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない。}然るに、
(ⅱ)あるxとあるyについて(xは兎であって、象ではななく、yはxの鼻である。)従って、
(ⅲ)あるxとあるyについて(xは兎であって、yはxの鼻であって、yは長くない。)
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(27)により、
(28)
(ⅰ)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(28)により、
(29)
1 (1)∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} 1UE
3 (4) ~象a&鼻ba→~長b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎x&~象x&鼻yx) A
6 (6) ∃y(兎a&~象a&鼻ya) A
7(7) 兎a&~象a&鼻ba A
7(8) 兎a 7&E
7(9) ~象a&鼻ba 7&E
3 7(ア) ~長b 49MPP
7(イ) 鼻ba 9&E
3 7(ウ) 鼻ba&~長b アイ&I
3 7(エ) 兎a&鼻ba&~長b 8ウ&I
3 7(オ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) エEI
3 6 (カ) ∃y(兎a&鼻ya&~長y) 67オEE
3 6 (キ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) カEI
35 (ク)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 56キEE
1 5 (ケ)∃x∃y(兎x&鼻yx&~長y) 23クEE
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(25)~(29)により、
(30)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではなく、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(31)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(31)により、
(32)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(32)により、
(33)
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。}
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(33)により、
(34)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(34)により、
(35)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 48MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 57MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
2 6 (エ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
オ(オ) 耳ba&長b A
オ(カ) 耳ba オ&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ク) 耳ba→~鼻ba キUE
2 6 オ(ケ) ~鼻ba オクMPP
1 6 (コ) ∀z(~鼻za→~長z) ア&E
1 6 (サ) ~鼻ba→~長b コUE
12 6 オ(シ) ~長b ケサMPP
オ(ス) 長b オ&E
12 6 オ(セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b エオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(31)~(35)により、
(36)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(37)
① 象は鼻が長い。
③ 象は鼻は長い(が、鼻以外に、長い部分があるかどうかは、分からない)。
に於いて、
①=③ であるならば、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「仮定」は、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」と、「交換」することになる。
然るに、
(35)(37)により、
(38)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」からは、
12(ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12(〃)すべての兎は、象ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることが、出来ない。
従って、
(36)(37)(38)により、
(39)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎には長い耳があるが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」を、「妥当」であると、する一方で、
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではないと、することは、出来ない。
然るに、
(40)
5つ星のうち5.0 この名著が切れているとは!
2011年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この名著が切れているとは嘆かわしい!「は」主題説によって本質的な日本語論を展開し、日本語論争を巻き起こした、こういう古典とも言える本は常に手に入る状態であってほしい。
(「三上章、象は鼻が長い、1960年」の、カスタマーレビュー)
然るに、
(41)
「三上章、象は鼻が長い、1960年」には、
① AがBである。
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに対する、「言及」が無い。
それ故、
(42)
私自身は、「三上章、象は鼻が長い、1960年」といふ「著作」が、「名著」であるとは、少しも、思はない。
然るに、
(43)
2016年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「日本文法入門」とあるので、特に中身を確認せず手にとったのが良くありませんでした。
結論から言うと、この本は決してゴロ寝して読むレベルのカジュアルな本ではなく、ある程度の日本語文法知識(たとえそれが西洋から輸入されたものであっても)を得て、そこそこ文法を体系的に捉えられる人が手にとって読む本だろうと感じました。
包摂判断・類概念といった専門用語からはじまり、さまざまな学者の説も交えているので、初学者にとってはちんぷんかんぷんでした。
(「三上章、象は鼻が長い、1960年」の、カスタマーレビュー)
然るに、
(44)
「三上章、象は鼻が長い、1960年」といふ「著作」は、正直にいって、私にとっても、「ちんぷんかんぷん」である。
令和02年09月14日、毛利太。
2020年9月12日土曜日
「代入(置換)」について。
(01)
―「排中律」の「証明」―
1 (1) ~(~P∨P) A
2(2) ~P A
2(3) ~P∨P A
12(4) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
1 (7) ~P∨P 6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 17&I
(9)~~(~P∨P) 18RAA
(ア) ~P∨P 9DN
然るに、
(02)
~真≡「真ではない」≡「偽である」
~偽≡「偽ではない」≡「真である」
従って、
(02)により、
(03)
① ~P∨P
② ~P∨P
に於いて、
P=真
P=偽
といふ「代入(Substitutions)」を行ふと、
① ~P∨P≡「Pは偽であるか、または、真である。」
② ~P∨P≡「Pは真であるか、または、偽である。」
然るに、
(04)
①「Pは偽であるか、または、真である。」
②「Pは真であるか、または、偽である。」
といふことは、「恒に、真である。」
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~P∨P
② ~P∨P
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(06)
① ~(P→Q)∨(P→Q)≡「(P→Q)は偽であるか、または、真である。」
② ~(P→Q)∨(P→Q)≡「(P→Q)は真であるか、または、偽である。」
然るに、
(07)
①「(P→Q)は偽であるか、または、真である。」
②「(P→Q)は真であるか、または、偽である。」
といふことは、「恒に、真である。」
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ~(P→Q)∨(P→Q)
② ~(P→Q)∨(P→Q)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(05)(08)により、
(09)
① ~P∨P
② ~P∨P
といふ「論理式」が、「恒真式(トートロジー)」であるならば、
P=(P→Q)
P=(P→Q)
といふ「代入(Substitutions)」を行った「結果(Substitution instances)」である所の、
① ~(P→Q)∨(P→Q)
② ~(P→Q)∨(P→Q)
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」である。
(10)
① 2×3
② 2×(1+2)
であれば、「その数値(6)」に於いて、
①=② である。
従って、
(10)により、
(11)
① A×B
② A×(C+D)
に於いて、
①=② であるならば、
B=(C+D) である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
「四則演算」がそうであるやうに、
「命題計算」に於いても、
① P&Q
② P&(Q∨R)
に於いて、
①=② であるならば、「その真理値(真・偽)」に於いて、
Q=(Q∨R) である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1(1) P&Q A
1(2) Q 1&E
(3)(P&Q)→Q 12CP
(ⅱ)
1(1) P&(Q∨R) A
1(2) (Q∨R) 1&E
(3)(P&(Q∨R))→(Q∨R) 12CP
従って、
(13)により、
(14)
①(P&Q)→Q
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「2つの論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
①(P&Q)→Q
といふ「論理式」が、「恒真式」であるならば、
Q=(Q∨R)
といふ「代入(置き換へ)」を行った「結果」である所の、
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
Q=(Q∨R)
に於いて、「左辺の真理値(真・偽)」と、「右辺の真理値(真・偽)」は、「等しい」。
従って、
(15)により、
(16)
「逆」に言へば、
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「論理式」が、「恒真式(トートロジー)」であるならば、
(Q∨R)=Q
といふ「Substitution(Replacement)」を行った「結果」である所の、
①(P&Q)→Q
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
(Q∨R)=Q
に於いて、「左辺の真理値(真・偽)」と、「右辺の真理値(真・偽)」は、「等しい」。
令和02年09月12日、毛利太。
―「排中律」の「証明」―
1 (1) ~(~P∨P) A
2(2) ~P A
2(3) ~P∨P A
12(4) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
1 (7) ~P∨P 6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 17&I
(9)~~(~P∨P) 18RAA
(ア) ~P∨P 9DN
然るに、
(02)
~真≡「真ではない」≡「偽である」
~偽≡「偽ではない」≡「真である」
従って、
(02)により、
(03)
① ~P∨P
② ~P∨P
に於いて、
P=真
P=偽
といふ「代入(Substitutions)」を行ふと、
① ~P∨P≡「Pは偽であるか、または、真である。」
② ~P∨P≡「Pは真であるか、または、偽である。」
然るに、
(04)
①「Pは偽であるか、または、真である。」
②「Pは真であるか、または、偽である。」
といふことは、「恒に、真である。」
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~P∨P
② ~P∨P
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(06)
① ~(P→Q)∨(P→Q)≡「(P→Q)は偽であるか、または、真である。」
② ~(P→Q)∨(P→Q)≡「(P→Q)は真であるか、または、偽である。」
然るに、
(07)
①「(P→Q)は偽であるか、または、真である。」
②「(P→Q)は真であるか、または、偽である。」
といふことは、「恒に、真である。」
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ~(P→Q)∨(P→Q)
② ~(P→Q)∨(P→Q)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(05)(08)により、
(09)
① ~P∨P
② ~P∨P
といふ「論理式」が、「恒真式(トートロジー)」であるならば、
P=(P→Q)
P=(P→Q)
といふ「代入(Substitutions)」を行った「結果(Substitution instances)」である所の、
① ~(P→Q)∨(P→Q)
② ~(P→Q)∨(P→Q)
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」である。
(10)
① 2×3
② 2×(1+2)
であれば、「その数値(6)」に於いて、
①=② である。
従って、
(10)により、
(11)
① A×B
② A×(C+D)
に於いて、
①=② であるならば、
B=(C+D) である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
「四則演算」がそうであるやうに、
「命題計算」に於いても、
① P&Q
② P&(Q∨R)
に於いて、
①=② であるならば、「その真理値(真・偽)」に於いて、
Q=(Q∨R) である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1(1) P&Q A
1(2) Q 1&E
(3)(P&Q)→Q 12CP
(ⅱ)
1(1) P&(Q∨R) A
1(2) (Q∨R) 1&E
(3)(P&(Q∨R))→(Q∨R) 12CP
従って、
(13)により、
(14)
①(P&Q)→Q
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「2つの論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
①(P&Q)→Q
といふ「論理式」が、「恒真式」であるならば、
Q=(Q∨R)
といふ「代入(置き換へ)」を行った「結果」である所の、
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
Q=(Q∨R)
に於いて、「左辺の真理値(真・偽)」と、「右辺の真理値(真・偽)」は、「等しい」。
従って、
(15)により、
(16)
「逆」に言へば、
②(P&(Q∨R))→(Q∨R)
といふ「論理式」が、「恒真式(トートロジー)」であるならば、
(Q∨R)=Q
といふ「Substitution(Replacement)」を行った「結果」である所の、
①(P&Q)→Q
といふ「論理式」も、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
(Q∨R)=Q
に於いて、「左辺の真理値(真・偽)」と、「右辺の真理値(真・偽)」は、「等しい」。
令和02年09月12日、毛利太。
2020年9月10日木曜日
「括弧」と「返り点」と「漢文の、目による直読」。
(01)
① 如揮快刀断乱麻=
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕
に於いて、
如〔 〕⇒〔 〕如
揮( )⇒( )揮
断( )⇒( )断
といふ「移動」を行ふと、
① 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
① 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し。
(02)
② 如揮快刀断乱麻者=
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
に於いて、
如〔 〕⇒〔 〕如
揮( )⇒( )揮
断( )⇒( )断
といふ「移動」を行ふと、
② 〔(快刀)揮(乱麻)断者〕如=
② 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つ者が〕如し。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「括弧」は、両方とも、
①〔( )( )〕
②〔( )( )〕
であって、「同じ」になる。
然るに、
(04)
① 如下 揮二 快刀一 断中 乱麻上⇒
① 快刀一 揮二 乱麻上 断中 如下=
① 快刀一を 揮二って 乱麻上を 断中つが 如下し。
然るに、
(05)
② 如下 揮二 快刀一 断二 乱麻一 者上⇒
② 快刀一 揮二 乱麻一 断二 者上 如下=
② 快刀一を 揮二って 乱麻一を 断二つ 者上が 如下し。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、それぞれ、
① 下 二 一 中 上
② 下 二 一 二 一 上
であって、「同じ」ではない。
然るに、
(07)
① 如下揮二快刀一断中乱麻上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
ではなく、
① 如下揮二快刀一断二乱麻一#上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
であるならば、
① 如揮快刀断乱麻#。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、それぞれ、
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 二 一 上
であって、「同じ」になる。
然るに、
(08)
① 如揮快刀断乱麻#。
に於いて、
① #
は「ダミー」であって、「意味も、音も無い」ものと、する。
加へて、
(09)
① 如揮快刀断乱麻#。
に於いて、
① #
は、「省く」ことが出来る、とする。
従って、
(07)(08)(09)
(10)
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
であるため、この場合は、
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、両方とも、
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 二 一 上
といふ風に、「同じ」になる。
然るに、
(11)
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
といふ「返り点」は、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
と書いても、「同じ」ことであり、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「それ」は、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「括弧」と、「同じ」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
①〔( )( )〕
といふ「括弧」は、
① 下 二 一 二 一 上
といふ「返り点」に「相当」する。
然るに、
(13)
「返り点」は、「その発想」として、
(ⅰ)「漢文訓読」の「語順」を表し、尚且つ、
(ⅱ)飽くまでも、「漢字」に付く。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
「返り点」の「発想」からすれば、
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
に於いて、
② に関しては、「有り得る」が、
① に関しては、「有り得ない」。
然るに、
(15)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」に於ける、「補足構造」は「共通」であって、「括弧」を用ひて、それ「表す」とすると、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「形」になる。
然るに、
(16)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
② 如揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」の、
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「補足構造」が、「分かった時点」で、
② 〔(快刀)揮(乱麻)断者〕如=
② 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つ者が〕如し。
といふ「訓読の語順」が、「一意的に、定まる」ことになる。
従って、
(17)により、
(18)
例へば、
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者(孟子集注)。
といふ「漢文」の、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ「補足構造」が、「分かった時点」で、
③ 欲{人之[〔(無)能〕不]所}雖然多而(節)不未{[〔(其本心)失〕不者]有}不=
③ 欲は{人の[〔(無き)能は〕不る]所なりと}雖へども、然れども、多くして(節せ)ざれば未だ{[〔(其の本心を)失は〕不る者]有ら}不。
といふ「訓読の語順」が、「一意的に、定まる」ことになる。
然るに、
(19)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」を、
③ 欲は人の無き能は不る所なりと雖へども、然れども、多くして、節せざれば、未だ其の本心を失は不る者有ら不。
と「訓読」出来さえすれば、
③ 欲は人の無き能は不る所なりと雖へども、然れども、多くして、節せざれば、未だ其の本心を失は不る者有ら不。
といふ「語順」を下に、
③ 欲 雖二 人 之 所一レ 不レ 能レ 無 然 多 而 不レ 節 未レ 有上 不レ 失二 其 本 心一 者上 。
といふ「返り点」を、付けることが、出来る。
然るに、
(20)
徂徠は、書を千遍読めば意味はおのずとわかる(「読書千遍、其義自見」)とはどういうことか、幼時にはわからなかったと云う。意味がわからないのに読めるはずがなく、読めればわかっているはずだと思ったからである。しかし後になって、中華では文字列をそのままの順で読むために、意味がわからなくとも読めること、それに対して。日本では中華の文字をこちらの言語の語順に直して読むために意味がとれなければ読めないことに気づく(勉誠出版、続「訓読」論、2010年、17頁)。
(21)
徂徠は「題言十則」のなかで以下のように述べている。
中華の人多く言へり、「読書、読書」と。予は便ち謂へり、書を読むは書を看るに如かず、と。此れ中華と此の方との語言同じからざるに縁りて、故に此の方は耳口の二者、皆な力を得ず、唯だ一双の眼のみ、三千世界の人を合はせて、総て殊なること有ること莫し。
ここでの「読書」は、文脈からして音読であろう(勉誠出版、「訓読」論、2008年、27・244頁)
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」に対して、
③ 欲 雖二 人 之 所一レ 不レ 能レ 無 然 多 而 不レ 節 未レ 有上 不レ 失二 其 本 心一 者上 。
といふ「返り点」を付けるためには、
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」が、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ風に、見えるまで、「ひたすら、見る」しかない。
然るに、
(23)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」が、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ風に、見える人であれば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」くらひは、それを「見た瞬間に」、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、「訓読」出来ることになる。
然るに、
(24)
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」を「見ると同時」に、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、「訓読」出来るのであれば、その人は、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」を「目によって、直読」してゐることなる。
然るに、
(25)
p.9に「また、訓読ということには、大きな限界があるものなのであって、先人は、目による直読によって、その限界を乗り越えて来ていたのであることを忘れてはならない。」
p.385に「わが国における漢学の発達は、右のように、目による直読式の読法が、大きな基礎になっていたのであって、訓点による読誦は、この直読による暗記を助けるためのものであったともいうことができる」と書かれている。(p.7から9に同じ趣旨の事が書いてある)
私は、著者のいう『目による直読式の読法』の基本的な読み方・考え方を知りたくて、様々な本を物色していますが残念な事に出会えません。
(「鈴木直治、中国語と漢文、1975年」のカスタマーレビュウー)
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
『目による直読式の読法』の基本的な読み方を、マスターするには、
取り敢へず、例へば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
等の「漢文(白文)」に対して、
④ 我非[欲〔揮(快刀)断(乱麻)〕者]。
といふ「括弧」を、付ける「練習」をすれば良い。
(27)
「ある程度」、それが出来るようになったならば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文(白文)」を見たら、そのまま、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、読むように、すれば良い。
令和02年09月10日、毛利太。
① 如揮快刀断乱麻=
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕
に於いて、
如〔 〕⇒〔 〕如
揮( )⇒( )揮
断( )⇒( )断
といふ「移動」を行ふと、
① 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
① 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し。
(02)
② 如揮快刀断乱麻者=
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
に於いて、
如〔 〕⇒〔 〕如
揮( )⇒( )揮
断( )⇒( )断
といふ「移動」を行ふと、
② 〔(快刀)揮(乱麻)断者〕如=
② 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つ者が〕如し。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「括弧」は、両方とも、
①〔( )( )〕
②〔( )( )〕
であって、「同じ」になる。
然るに、
(04)
① 如下 揮二 快刀一 断中 乱麻上⇒
① 快刀一 揮二 乱麻上 断中 如下=
① 快刀一を 揮二って 乱麻上を 断中つが 如下し。
然るに、
(05)
② 如下 揮二 快刀一 断二 乱麻一 者上⇒
② 快刀一 揮二 乱麻一 断二 者上 如下=
② 快刀一を 揮二って 乱麻一を 断二つ 者上が 如下し。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、それぞれ、
① 下 二 一 中 上
② 下 二 一 二 一 上
であって、「同じ」ではない。
然るに、
(07)
① 如下揮二快刀一断中乱麻上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
ではなく、
① 如下揮二快刀一断二乱麻一#上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
であるならば、
① 如揮快刀断乱麻#。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、それぞれ、
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 二 一 上
であって、「同じ」になる。
然るに、
(08)
① 如揮快刀断乱麻#。
に於いて、
① #
は「ダミー」であって、「意味も、音も無い」ものと、する。
加へて、
(09)
① 如揮快刀断乱麻#。
に於いて、
① #
は、「省く」ことが出来る、とする。
従って、
(07)(08)(09)
(10)
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
であるため、この場合は、
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
に対する「返り点」は、両方とも、
① 下 二 一 二 一 上
② 下 二 一 二 一 上
といふ風に、「同じ」になる。
然るに、
(11)
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
といふ「返り点」は、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
と書いても、「同じ」ことであり、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「それ」は、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「括弧」と、「同じ」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
①〔( )( )〕
といふ「括弧」は、
① 下 二 一 二 一 上
といふ「返り点」に「相当」する。
然るに、
(13)
「返り点」は、「その発想」として、
(ⅰ)「漢文訓読」の「語順」を表し、尚且つ、
(ⅱ)飽くまでも、「漢字」に付く。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
「返り点」の「発想」からすれば、
① 如下揮二快刀一断二乱麻一上。
② 如下揮二快刀一断二乱麻一者上。
に於いて、
② に関しては、「有り得る」が、
① に関しては、「有り得ない」。
然るに、
(15)
① 如揮快刀断乱麻。
② 如揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」に於ける、「補足構造」は「共通」であって、「括弧」を用ひて、それ「表す」とすると、
① 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「形」になる。
然るに、
(16)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
② 如揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」の、
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)者〕。
といふ「補足構造」が、「分かった時点」で、
② 〔(快刀)揮(乱麻)断者〕如=
② 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つ者が〕如し。
といふ「訓読の語順」が、「一意的に、定まる」ことになる。
従って、
(17)により、
(18)
例へば、
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者(孟子集注)。
といふ「漢文」の、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ「補足構造」が、「分かった時点」で、
③ 欲{人之[〔(無)能〕不]所}雖然多而(節)不未{[〔(其本心)失〕不者]有}不=
③ 欲は{人の[〔(無き)能は〕不る]所なりと}雖へども、然れども、多くして(節せ)ざれば未だ{[〔(其の本心を)失は〕不る者]有ら}不。
といふ「訓読の語順」が、「一意的に、定まる」ことになる。
然るに、
(19)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」を、
③ 欲は人の無き能は不る所なりと雖へども、然れども、多くして、節せざれば、未だ其の本心を失は不る者有ら不。
と「訓読」出来さえすれば、
③ 欲は人の無き能は不る所なりと雖へども、然れども、多くして、節せざれば、未だ其の本心を失は不る者有ら不。
といふ「語順」を下に、
③ 欲 雖二 人 之 所一レ 不レ 能レ 無 然 多 而 不レ 節 未レ 有上 不レ 失二 其 本 心一 者上 。
といふ「返り点」を、付けることが、出来る。
然るに、
(20)
徂徠は、書を千遍読めば意味はおのずとわかる(「読書千遍、其義自見」)とはどういうことか、幼時にはわからなかったと云う。意味がわからないのに読めるはずがなく、読めればわかっているはずだと思ったからである。しかし後になって、中華では文字列をそのままの順で読むために、意味がわからなくとも読めること、それに対して。日本では中華の文字をこちらの言語の語順に直して読むために意味がとれなければ読めないことに気づく(勉誠出版、続「訓読」論、2010年、17頁)。
(21)
徂徠は「題言十則」のなかで以下のように述べている。
中華の人多く言へり、「読書、読書」と。予は便ち謂へり、書を読むは書を看るに如かず、と。此れ中華と此の方との語言同じからざるに縁りて、故に此の方は耳口の二者、皆な力を得ず、唯だ一双の眼のみ、三千世界の人を合はせて、総て殊なること有ること莫し。
ここでの「読書」は、文脈からして音読であろう(勉誠出版、「訓読」論、2008年、27・244頁)
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」に対して、
③ 欲 雖二 人 之 所一レ 不レ 能レ 無 然 多 而 不レ 節 未レ 有上 不レ 失二 其 本 心一 者上 。
といふ「返り点」を付けるためには、
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」が、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ風に、見えるまで、「ひたすら、見る」しかない。
然るに、
(23)
③ 欲雖人之所不能無然多而不節未有不失其本心者。
といふ「漢文」が、
③ 欲雖{人之所[不〔能(無)〕]}然多而不(節)未{有[不〔失(其本心)〕者]}。
といふ風に、見える人であれば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」くらひは、それを「見た瞬間に」、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、「訓読」出来ることになる。
然るに、
(24)
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」を「見ると同時」に、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、「訓読」出来るのであれば、その人は、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文」を「目によって、直読」してゐることなる。
然るに、
(25)
p.9に「また、訓読ということには、大きな限界があるものなのであって、先人は、目による直読によって、その限界を乗り越えて来ていたのであることを忘れてはならない。」
p.385に「わが国における漢学の発達は、右のように、目による直読式の読法が、大きな基礎になっていたのであって、訓点による読誦は、この直読による暗記を助けるためのものであったともいうことができる」と書かれている。(p.7から9に同じ趣旨の事が書いてある)
私は、著者のいう『目による直読式の読法』の基本的な読み方・考え方を知りたくて、様々な本を物色していますが残念な事に出会えません。
(「鈴木直治、中国語と漢文、1975年」のカスタマーレビュウー)
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
『目による直読式の読法』の基本的な読み方を、マスターするには、
取り敢へず、例へば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
等の「漢文(白文)」に対して、
④ 我非[欲〔揮(快刀)断(乱麻)〕者]。
といふ「括弧」を、付ける「練習」をすれば良い。
(27)
「ある程度」、それが出来るようになったならば、
④ 我非欲揮快刀断乱麻者。
といふ「漢文(白文)」を見たら、そのまま、
④ 我は快刀を揮って乱麻を断たんと欲する者に非ず。
といふ風に、読むように、すれば良い。
令和02年09月10日、毛利太。
「恒真式(トートロジー)」と「推論の規則」。
(01)
―「含意の定義」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P&~Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) Q 13MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6) Q&~Q 45&I
1 (7) ~(P&~Q) 26RAA
8 (8) ~(~P∨ Q) A
9 (9) ~P A
9 (ア) ~P∨ Q 9∨I
89 (イ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8ア&I
8 (ウ) ~~P 9イRAA
8 (エ) P ウDN
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨ Q オ&I
8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8カ&I
8 (ク) ~Q オキRAA
8 (ケ) P&~Q エク&I
1 8 (コ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) 7ケ&I
1 (サ)~~(~P∨ Q) 8コRAA
1 (シ) ~P∨ Q サDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6) ~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア) ~(P&~Q) 29RAA
1 (イ) ~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
(02)
―「ド・モルガンの法則」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) ~(~P&~Q) A
2 (2) ~( P∨ Q) A
3 (3) P A
3 (4) P∨ Q 3∨I
23 (5) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 24&I
2 (6) ~P 35RAA
7(7) Q A
7(8) P∨ Q 7∨I
2 7(9) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 28&I
2 (ア) ~Q 7RAA
2 (イ) ~P&~Q 6イ&I
12 (ウ) ~(~P&~Q)&
(~P&~Q) 1ウ&I
1 (エ)~~( P∨ Q) 2エRAA
1 (オ) P∨ Q オDN
(ⅱ)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ~P&~Q A
3 (3) P A
2 (4) ~P 2&E
23 (5) P&~P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 25RAA
7(7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7(9) Q&~Q 78&I
7(ア)~(~P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨E
(03)
―「排中律」の「証明(Ⅰ)」―
1(1) ~(~P∨P) A
1(2) ~~P&~P 1ド・モルガンの法則
(3)~~(~P∨P) 12RAA
(4) ~P∨P 3DN
(04)
―「排中律」の「証明(Ⅱ)」―
1 (1) ~(~P∨P) A
2(2) ~P A
2(3) ~P∨P A
12(4) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
1 (7) ~P∨P 6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 17&I
(9)~~(~P∨P) 18RAA
(ア) ~P∨P 9DN
然るに、
(05)
(ⅰ)
1(1)~P∨P A
1(2) P→P 1含意の定義
(ⅱ)
1(1) P→P A
1(2)~P∨P 1含意の定義
従って、
(05)により、
(06)
① ~P∨P(排中律)
② P→P(同一律)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
1(1) P A
(2) P→P 11CP
(3)~P∨P 2含意の定義
に於いて、
(1)の場合は、「Pなので、 Pである。」といふ「意味」であり、
(2)の場合は、「Pならば、 Pである。」といふ「意味」であり、
(3)の場合は、「Pでないか、Pである。」といふ「意味」である。
然るに、
(08)
(1)「Pなので、 Pである。」
(2)「Pならば、 Pである。」
(3)「Pでないか、Pである。」
に於いて、
(1)は、さうではないが、
(2)は、「恒に、真である。」
(3)も、「恒に、真である。」
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① ~P∨P(排中律)
② P→P(同一律)
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(07)により、
(10)
1(1) P A
(2) P→P 11CP
(3)~P∨P 2含意の定義
であるため、
#(1) P
#(2) P→P
#(3)~P∨P
に於いて、上から順に、
#=1
#=
#=
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「恒真式(トートロジー)」とは、『それ証明する際に、「仮定(#)の数」が「0個」となる所の、「論理式」である。』
然るに、
(12)
(ⅰ)
1(1) P A
1(2) P∨P 1∨I
(3) P→(P∨P) 12CP
(4) ~P∨(P∨P) 3含意の定義
(5)(~P∨P)∨P 4結合法則
(〃) (排中律)∨P 4結合法則
(ⅱ)
1 (1) P&P A
1 (2) P 1&E
(3) (P&P)→P 12CP
(4)~(P∨P)∨P 3含意の定義
5 (5)~(P∨P) A
5 (6)~P∨~P 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~P 6冪等律
5 (8) ~P∨P 7∨I
9(9) P A
9(ア) ~P∨P 9∨I
(イ) ~P∨P _589ア∨E
(〃) 排中律 _589ア∨E
(ⅲ)
1(1)~(~P&P) A
1(2) P∨~P 2ド・モルガンの法則
(3)~(~P&P)→(P∨~P) 12CP
(4) (~P&P)∨(P∨~P) 3含意の定義
(〃) (矛盾)∨(排中律) 3含意の定義
従って、
(11)(12)により、
(13)
例へば、
① P→(P∨P)
②(P&P)→P
③(~P&P)∨(P∨~P)
といふ「3つの論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(ⅳ)
1 (1) P→Q A
2(2) P A
12(3) Q 12MPP
1 (4) P→Q 23CP
(5)(P→Q)→(P→Q) 15CP
従って、
(09)(11)(14)により、
(15)
④(P→Q)→(P→Q)
④(A→B)→(A→B)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(16)
[規則]
1 代入の規則
一つの恒真式の命題変項を他の命題変項、または論理式でおきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
④ P→P(同一律)
に於いて、
P=P→Q
といふ「代入」行った「結果」である所の、
④(P→Q)→(P→Q)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(18)
① Aが、「恒真式(トートロジー)」であって、
② A=B であるならば、当然、Bも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(18)により、
(19)
「ある恒真式(トートロジー)」と、「等しい論理式」は、「その論理式」も「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(20)
(ⅰ)
1 (1)P→(Q→R) A
2(2)P&Q A
2(3)P 2&E
12(4) Q→R 13MPP
2(5) Q 2&E
12(6) R 45MPP
1 (7) P&Q→R 26CP
(ⅱ)
1 (1) P&Q→R A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P&Q 23&I
123(5) R 14MPP
12 (6) Q→R 35CP
1 (7)P→(Q→R) 26CP
従って、
(20)により、
(21)
④ P→(Q→R)
⑤(P&Q)→R
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(22)
④ P→(Q→R)
⑤(P&Q)→R
に於いて、
P=(A→B)
Q= A
R= B
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
従って、
(21)(22)により、
(23)
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(15)(17)(19)(23)により、
(24)
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
といふ「論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(25)
2 推論の規則
論理式「A」と「A→B」が共に真ならば、論理式Bも真である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(24)(25)により、
(26)
⑤((A→B)&A)→B といふ「論理式」は「恒真式」であって、
⑤ 論理式「A→B」と「A」が共に真ならば、論理式Bも真である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
2 推論の規則
論理式「A」と「A→B」が共に真ならば、論理式Bも真である。
論理式「A→B」と「A」が共に真ならば、論理式Bも真である。
といふ「規則」は、
⑤(A&(A→B))→B といふ「論理式」は「恒真式」である。
⑤((A→B)&A)→B といふ「論理式」は「恒真式」である。
といふことと、「同じこと」である。
令和02年09月10日、毛利太。
―「含意の定義」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P&~Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) Q 13MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6) Q&~Q 45&I
1 (7) ~(P&~Q) 26RAA
8 (8) ~(~P∨ Q) A
9 (9) ~P A
9 (ア) ~P∨ Q 9∨I
89 (イ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8ア&I
8 (ウ) ~~P 9イRAA
8 (エ) P ウDN
オ(オ) Q A
オ(カ) ~P∨ Q オ&I
8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
(~P∨ Q) 8カ&I
8 (ク) ~Q オキRAA
8 (ケ) P&~Q エク&I
1 8 (コ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) 7ケ&I
1 (サ)~~(~P∨ Q) 8コRAA
1 (シ) ~P∨ Q サDN
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6) ~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア) ~(P&~Q) 29RAA
1 (イ) ~(P&~Q) 1367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ) ~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エカRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
(02)
―「ド・モルガンの法則」の「証明」―
(ⅰ)
1 (1) ~(~P&~Q) A
2 (2) ~( P∨ Q) A
3 (3) P A
3 (4) P∨ Q 3∨I
23 (5) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 24&I
2 (6) ~P 35RAA
7(7) Q A
7(8) P∨ Q 7∨I
2 7(9) ~( P∨ Q)&
( P∨ Q) 28&I
2 (ア) ~Q 7RAA
2 (イ) ~P&~Q 6イ&I
12 (ウ) ~(~P&~Q)&
(~P&~Q) 1ウ&I
1 (エ)~~( P∨ Q) 2エRAA
1 (オ) P∨ Q オDN
(ⅱ)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ~P&~Q A
3 (3) P A
2 (4) ~P 2&E
23 (5) P&~P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 25RAA
7(7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7(9) Q&~Q 78&I
7(ア)~(~P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨E
(03)
―「排中律」の「証明(Ⅰ)」―
1(1) ~(~P∨P) A
1(2) ~~P&~P 1ド・モルガンの法則
(3)~~(~P∨P) 12RAA
(4) ~P∨P 3DN
(04)
―「排中律」の「証明(Ⅱ)」―
1 (1) ~(~P∨P) A
2(2) ~P A
2(3) ~P∨P A
12(4) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
1 (7) ~P∨P 6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
(~P∨P) 17&I
(9)~~(~P∨P) 18RAA
(ア) ~P∨P 9DN
然るに、
(05)
(ⅰ)
1(1)~P∨P A
1(2) P→P 1含意の定義
(ⅱ)
1(1) P→P A
1(2)~P∨P 1含意の定義
従って、
(05)により、
(06)
① ~P∨P(排中律)
② P→P(同一律)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
1(1) P A
(2) P→P 11CP
(3)~P∨P 2含意の定義
に於いて、
(1)の場合は、「Pなので、 Pである。」といふ「意味」であり、
(2)の場合は、「Pならば、 Pである。」といふ「意味」であり、
(3)の場合は、「Pでないか、Pである。」といふ「意味」である。
然るに、
(08)
(1)「Pなので、 Pである。」
(2)「Pならば、 Pである。」
(3)「Pでないか、Pである。」
に於いて、
(1)は、さうではないが、
(2)は、「恒に、真である。」
(3)も、「恒に、真である。」
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① ~P∨P(排中律)
② P→P(同一律)
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(07)により、
(10)
1(1) P A
(2) P→P 11CP
(3)~P∨P 2含意の定義
であるため、
#(1) P
#(2) P→P
#(3)~P∨P
に於いて、上から順に、
#=1
#=
#=
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「恒真式(トートロジー)」とは、『それ証明する際に、「仮定(#)の数」が「0個」となる所の、「論理式」である。』
然るに、
(12)
(ⅰ)
1(1) P A
1(2) P∨P 1∨I
(3) P→(P∨P) 12CP
(4) ~P∨(P∨P) 3含意の定義
(5)(~P∨P)∨P 4結合法則
(〃) (排中律)∨P 4結合法則
(ⅱ)
1 (1) P&P A
1 (2) P 1&E
(3) (P&P)→P 12CP
(4)~(P∨P)∨P 3含意の定義
5 (5)~(P∨P) A
5 (6)~P∨~P 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~P 6冪等律
5 (8) ~P∨P 7∨I
9(9) P A
9(ア) ~P∨P 9∨I
(イ) ~P∨P _589ア∨E
(〃) 排中律 _589ア∨E
(ⅲ)
1(1)~(~P&P) A
1(2) P∨~P 2ド・モルガンの法則
(3)~(~P&P)→(P∨~P) 12CP
(4) (~P&P)∨(P∨~P) 3含意の定義
(〃) (矛盾)∨(排中律) 3含意の定義
従って、
(11)(12)により、
(13)
例へば、
① P→(P∨P)
②(P&P)→P
③(~P&P)∨(P∨~P)
といふ「3つの論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(ⅳ)
1 (1) P→Q A
2(2) P A
12(3) Q 12MPP
1 (4) P→Q 23CP
(5)(P→Q)→(P→Q) 15CP
従って、
(09)(11)(14)により、
(15)
④(P→Q)→(P→Q)
④(A→B)→(A→B)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(16)
[規則]
1 代入の規則
一つの恒真式の命題変項を他の命題変項、または論理式でおきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
④ P→P(同一律)
に於いて、
P=P→Q
といふ「代入」行った「結果」である所の、
④(P→Q)→(P→Q)
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(18)
① Aが、「恒真式(トートロジー)」であって、
② A=B であるならば、当然、Bも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(18)により、
(19)
「ある恒真式(トートロジー)」と、「等しい論理式」は、「その論理式」も「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(20)
(ⅰ)
1 (1)P→(Q→R) A
2(2)P&Q A
2(3)P 2&E
12(4) Q→R 13MPP
2(5) Q 2&E
12(6) R 45MPP
1 (7) P&Q→R 26CP
(ⅱ)
1 (1) P&Q→R A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P&Q 23&I
123(5) R 14MPP
12 (6) Q→R 35CP
1 (7)P→(Q→R) 26CP
従って、
(20)により、
(21)
④ P→(Q→R)
⑤(P&Q)→R
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(22)
④ P→(Q→R)
⑤(P&Q)→R
に於いて、
P=(A→B)
Q= A
R= B
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
従って、
(21)(22)により、
(23)
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(15)(17)(19)(23)により、
(24)
④ (A→B)→(A→B)
⑤((A→B)&A)→B
といふ「論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(25)
2 推論の規則
論理式「A」と「A→B」が共に真ならば、論理式Bも真である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(24)(25)により、
(26)
⑤((A→B)&A)→B といふ「論理式」は「恒真式」であって、
⑤ 論理式「A→B」と「A」が共に真ならば、論理式Bも真である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
2 推論の規則
論理式「A」と「A→B」が共に真ならば、論理式Bも真である。
論理式「A→B」と「A」が共に真ならば、論理式Bも真である。
といふ「規則」は、
⑤(A&(A→B))→B といふ「論理式」は「恒真式」である。
⑤((A→B)&A)→B といふ「論理式」は「恒真式」である。
といふことと、「同じこと」である。
令和02年09月10日、毛利太。
2020年9月9日水曜日
「(E.J.レモンの)自然演繹の規則」と「公理系PL」。
(01)
標準的な命題論理に対して健全で完全な公理系はいろいろなものが作れます。一つの具体例を示してみましょう。
公理系PL
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
推論規則 P→Q と P から Q を導いてもよい。
定義1 P&Q は ~(~P∨~Q)の略記である。
定義2 P→Q は ~P∨Q の略記である。
(矢野茂樹、まったくゼロからの論理学、2020年、167頁改)
然るに、
(02)
1 (1) P∨P A
2 (2) P A
3(3) P A
1 (4) P 12233∨E
(5)(P∨P)→P 14CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
「公理系PL(公理1)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(04)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
(3)P→(P∨Q) 12CP
従って、
(01)(04)により、
(05)
「公理系PL(公理2)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐導入(∨I)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(06)
1 (1) P∨Q A
2 (2) P A
2 (3) Q∨P 2∨I
4(4) Q A
4(5) Q∨P 4∨I
1 (6) Q∨P 12345∨E
(7)(P∨Q)→(Q∨P) 16CP
従って、
(01)(06)により、
(07)
「公理系PL(公理3)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(08)
1 (1) P→Q A
2 (2) P∨R A
3 (3) P A
1 3 (4) Q 13MPP
1 3 (5) Q∨R 4∨I
6(6) R A
6(7) Q∨R 6∨I
12 (8) Q∨R 23567∨E
1 (9)(P∨R)→(Q∨R) 28CP
(ア)(P→Q)→((P∨R)→(Q∨R)) 19CP
従って、
(01)(08)により、
(09)
「公理系PL(公理4)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「肯定肯定式(MPP)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)P→(Q→R) A
2(2)P&Q A
2(3)P 2&E
12(4) Q→R 13MPP
2(5) Q 2&E
12(6) R 45MPP
1 (7) P&Q→R 26CP
(ⅱ)
1 (1) P&Q→R A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P&Q 23&I
123(5) R 14MPP
12 (6) Q→R 35CP
1 (7)P→(Q→R) 26CP
従って、
(10)により、
(11)
① P→(Q→R)
②(P&Q)→R
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
① P→(Q→R)
②(P&Q)→R
に於いて、
P=(A→B)
Q= A
R= B
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① (A→B)→(A→B)
②((A→B)&A)→B
然るに、
(13)
① A→A≡「AならばAである。」
といふ「論理式」は、「同一律(トートロジー)」である。
従って、
(13)により、
(14)
① (A→B)→(A→B)≡「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
であっても、「同一律(トートロジー)」である。
然るに、
(15)
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
は、「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① (A→B)→(A→B)≡ 「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② は「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(16)により、
(17)
「肯定肯定式(MPP)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(01)(16)(17)により、
(18)
「公理系PL(推論規則)」は、「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(01)(18)により、
(19)
「公理系PL(推論規則)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「肯定肯定式(MPP)」と「条件的証明(CP)」と「&‐導入(&I)」で、「証明」出来る。
(20)
(ⅰ)
1 (1) P& Q A
2 (2) ~P∨~Q A
1 (3) P 1&E
4 (4) ~P A
1 4 (5) P&~P 34&I
4 (6) ~(P& Q) 15RAA
1 (7) Q 1&E
8(8) ~Q A
1 8(9) Q&~Q 78&I
8(ア) ~(P& Q) 19RAA
2 (イ) ~(P& Q) 2468ア∨E
12 (ウ) (P& Q)&
1 (エ)~(~P∨~Q) 2ウRAA
(ⅱ)
1 (1)~(~P∨~Q) A
2 (2) ~P A
2 (3) ~P∨~Q 2∨I
12 (4)~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
7 (7) ~Q A
7 (8) ~P∨~Q 7∨I
1 7 (9)~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 18&I
1 (ア) ~~Q 79RAA
1 (イ) Q アDN
1 (ウ) P& Q 6イ&I
従って、
(20)により、
(21)
① P& Q
② ~(~P∨~Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(20)(21)により、
(22)
「公理系PL(定義1)」は、
仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「&‐導入(&I)」と「背理法(RAA)」と「∨‐除去(∨E)」と「∨‐導入(∨I)」と「二重否定(DN)」で、「証明」出来る。
然るに、
(23)
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2(2) P&~Q A
2(3) P 2&E
2(4) ~Q 2&E
12(5) Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 46RAA
1 (8) Q 7DN
1 (9) ~P∨ Q 8∨I
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 2367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エキRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(23)により、
(24)
① P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(23)(24)により、
(25)
「公理系PL(定義2)」は、
「仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「肯定肯定式(MPP)」と「&‐導入(&I)」と「背理法(RAA)」と「二重否定(DN)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
従って、
(01)~(25)により、
(26)
公理系PL
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
推論規則 P→Q と P から Q を導いてもよい。
定義1 P&Q は ~(~P∨~Q)の略記である。
定義2 P→Q は ~P∨Q の略記である。
の全ては、『(E.J.レモンの)自然演繹の規則』で、「証明」出来る。
然るに、
(16)(17)(18)により、
(27)
もう一度、確認すると、
① (A→B)→(A→B)≡ 「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② は「肯定肯定式(MPP)」 であって、
② は「公理系PL(推論規則)」である。
然るに、
(01)~(09)により、
(28)
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
は、全て、「恒真式(トートロジー)」であるし、
公理2 P→(P∨Q)
の場合は、『(E.J.レモンの)自然演繹の規則』でいふ所の、「∨‐導入の規則(∨I)」である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
「公理(Axioms)」も、「規則(Rules)」も、結局は、「恒真式(tautology)」である。
然るに、
(30)
もし証明をやってみたいのであれば、もっと証明がやりやすい公理系として「自然演繹」と呼ばれる公理系がありますから、それをお薦めします。
(矢野茂樹、まったくゼロからの論理学、2020年、170頁)
然るに、
(31)
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系L は、証明の構文規則に関する「10個の基本的規則(Primitive rules)」だけを持つ。
(ウィキペディア改)
従って、
(29)(30)(31)
(32)
「自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。」とは、言ふものの、「規則(Rules)」も、「公理(Axioms)」の「一種」である。
令和02年09月09日、毛利太。
標準的な命題論理に対して健全で完全な公理系はいろいろなものが作れます。一つの具体例を示してみましょう。
公理系PL
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
推論規則 P→Q と P から Q を導いてもよい。
定義1 P&Q は ~(~P∨~Q)の略記である。
定義2 P→Q は ~P∨Q の略記である。
(矢野茂樹、まったくゼロからの論理学、2020年、167頁改)
然るに、
(02)
1 (1) P∨P A
2 (2) P A
3(3) P A
1 (4) P 12233∨E
(5)(P∨P)→P 14CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
「公理系PL(公理1)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(04)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
(3)P→(P∨Q) 12CP
従って、
(01)(04)により、
(05)
「公理系PL(公理2)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐導入(∨I)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(06)
1 (1) P∨Q A
2 (2) P A
2 (3) Q∨P 2∨I
4(4) Q A
4(5) Q∨P 4∨I
1 (6) Q∨P 12345∨E
(7)(P∨Q)→(Q∨P) 16CP
従って、
(01)(06)により、
(07)
「公理系PL(公理3)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
(08)
1 (1) P→Q A
2 (2) P∨R A
3 (3) P A
1 3 (4) Q 13MPP
1 3 (5) Q∨R 4∨I
6(6) R A
6(7) Q∨R 6∨I
12 (8) Q∨R 23567∨E
1 (9)(P∨R)→(Q∨R) 28CP
(ア)(P→Q)→((P∨R)→(Q∨R)) 19CP
従って、
(01)(08)により、
(09)
「公理系PL(公理4)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「肯定肯定式(MPP)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)P→(Q→R) A
2(2)P&Q A
2(3)P 2&E
12(4) Q→R 13MPP
2(5) Q 2&E
12(6) R 45MPP
1 (7) P&Q→R 26CP
(ⅱ)
1 (1) P&Q→R A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P&Q 23&I
123(5) R 14MPP
12 (6) Q→R 35CP
1 (7)P→(Q→R) 26CP
従って、
(10)により、
(11)
① P→(Q→R)
②(P&Q)→R
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
① P→(Q→R)
②(P&Q)→R
に於いて、
P=(A→B)
Q= A
R= B
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① (A→B)→(A→B)
②((A→B)&A)→B
然るに、
(13)
① A→A≡「AならばAである。」
といふ「論理式」は、「同一律(トートロジー)」である。
従って、
(13)により、
(14)
① (A→B)→(A→B)≡「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
であっても、「同一律(トートロジー)」である。
然るに、
(15)
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
は、「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
① (A→B)→(A→B)≡ 「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② は「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(16)により、
(17)
「肯定肯定式(MPP)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(01)(16)(17)により、
(18)
「公理系PL(推論規則)」は、「肯定肯定式(MPP)」である。
従って、
(01)(18)により、
(19)
「公理系PL(推論規則)」が「恒真式(トートロジー)」であることを、
「仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「肯定肯定式(MPP)」と「条件的証明(CP)」と「&‐導入(&I)」で、「証明」出来る。
(20)
(ⅰ)
1 (1) P& Q A
2 (2) ~P∨~Q A
1 (3) P 1&E
4 (4) ~P A
1 4 (5) P&~P 34&I
4 (6) ~(P& Q) 15RAA
1 (7) Q 1&E
8(8) ~Q A
1 8(9) Q&~Q 78&I
8(ア) ~(P& Q) 19RAA
2 (イ) ~(P& Q) 2468ア∨E
12 (ウ) (P& Q)&
1 (エ)~(~P∨~Q) 2ウRAA
(ⅱ)
1 (1)~(~P∨~Q) A
2 (2) ~P A
2 (3) ~P∨~Q 2∨I
12 (4)~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 13&I
1 (5) ~~P 24RAA
1 (6) P 5DN
7 (7) ~Q A
7 (8) ~P∨~Q 7∨I
1 7 (9)~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 18&I
1 (ア) ~~Q 79RAA
1 (イ) Q アDN
1 (ウ) P& Q 6イ&I
従って、
(20)により、
(21)
① P& Q
② ~(~P∨~Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(20)(21)により、
(22)
「公理系PL(定義1)」は、
仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「&‐導入(&I)」と「背理法(RAA)」と「∨‐除去(∨E)」と「∨‐導入(∨I)」と「二重否定(DN)」で、「証明」出来る。
然るに、
(23)
(ⅰ)
1 (1) P→ Q A
2(2) P&~Q A
2(3) P 2&E
2(4) ~Q 2&E
12(5) Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 46RAA
1 (8) Q 7DN
1 (9) ~P∨ Q 8∨I
(ⅱ)
1 (1) ~P∨ Q A
2 (2) P&~Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P&~Q) 25RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q 2&E
2 7 (9) Q&~Q 78&I
7 (ア)~(P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(P&~Q) 2367ア∨E
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) P&~Q ウエ&I
1 ウエ(カ)~(P&~Q)&
(P&~Q) イオ&I
1 ウ (キ) ~~Q エキRAA
1 ウ (ク) Q キDN
1 (ケ) P→ Q ウクCP
従って、
(23)により、
(24)
① P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(23)(24)により、
(25)
「公理系PL(定義2)」は、
「仮定の規則(A)」と「&‐除去(&E)」と「肯定肯定式(MPP)」と「&‐導入(&I)」と「背理法(RAA)」と「二重否定(DN)」と「∨‐導入(∨I)」と「∨‐除去(∨E)」と「条件的証明(CP)」で、「証明」出来る。
従って、
(01)~(25)により、
(26)
公理系PL
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
推論規則 P→Q と P から Q を導いてもよい。
定義1 P&Q は ~(~P∨~Q)の略記である。
定義2 P→Q は ~P∨Q の略記である。
の全ては、『(E.J.レモンの)自然演繹の規則』で、「証明」出来る。
然るに、
(16)(17)(18)により、
(27)
もう一度、確認すると、
① (A→B)→(A→B)≡ 「(AならばBである)ならば(AならばBである)。」
②((A→B)&A)→B ≡「((AならばBである)であってA)であるならばBである。」
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② は「肯定肯定式(MPP)」 であって、
② は「公理系PL(推論規則)」である。
然るに、
(01)~(09)により、
(28)
公理1 (P∨P)→P
公理2 P→(P∨Q)
公理3 (P∨Q)→(Q∨P)
公理4 (P→Q)→((P∨R)→(Q∨R))
は、全て、「恒真式(トートロジー)」であるし、
公理2 P→(P∨Q)
の場合は、『(E.J.レモンの)自然演繹の規則』でいふ所の、「∨‐導入の規則(∨I)」である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
「公理(Axioms)」も、「規則(Rules)」も、結局は、「恒真式(tautology)」である。
然るに、
(30)
もし証明をやってみたいのであれば、もっと証明がやりやすい公理系として「自然演繹」と呼ばれる公理系がありますから、それをお薦めします。
(矢野茂樹、まったくゼロからの論理学、2020年、170頁)
然るに、
(31)
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系L は、証明の構文規則に関する「10個の基本的規則(Primitive rules)」だけを持つ。
(ウィキペディア改)
従って、
(29)(30)(31)
(32)
「自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。」とは、言ふものの、「規則(Rules)」も、「公理(Axioms)」の「一種」である。
令和02年09月09日、毛利太。
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