2019年10月16日水曜日

「象は鼻と牙が長い」の「述語論理」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―
(01)
1    (1)象は鼻長い。                        A
1    (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2   (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)有る兎は象である。                      A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3  (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1    (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2   (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)   兎a                          6&E
   6 (8)      象a                       6&E
1  6 (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6 (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6 (イ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    ウ(ウ)         耳ba&長b                A
1  6 (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6 (オ)                    ~鼻ba→~長b   エUE
 2 6 (カ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6 (キ)                    耳ba→~鼻ba   カUE
    ウ(ク)                    耳ba        ウ&E
 2 6ウ(ケ)                        ~鼻ba   キクMPP
12 6ウ(コ)                         ~長b   オケMPP
    ウ(サ)             長b                ウ&E
12 6ウ(シ)             長b&~長b            コサ&I
12 6 (ス)             長b&~長b            イウシEE
123  (セ)             長b&~長b            36スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                     3セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                      ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                     テUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   テUI
12   (〃)兎は象ではない。                        テUI
従って、
(01)により、
(02)
(1)象は鼻長い。 然るに、
(2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 従って、
(ト)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻がでないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(04)
1       (1)象は鼻長い。                                   A
1       (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&長z)&∀w(長w→鼻wx∨牙wx)} A
 2      (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではないし、牙でもない。                   A
 2      (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx&~牙zx)}         A
  3     (3)ある兎は象である。                                   A
  3     (〃)∃x(兎x&象x)                                   A
1       (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∃z(牙za&長z)&∀w(長w→鼻wa∨牙wa)  1UE
 2      (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za)          2UE
   6    (6)   兎a&象a                                    A
   6    (7)   兎a                                       6&E
   6    (8)      象a                                    6&E
1  6    (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∃z(牙za&長z)&∀w(長w→鼻wa∨牙wa)  48MPP
 2 6    (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za)          57MPP
1  6    (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                            9&E
    ウ   (ウ)         鼻ba&長b                             A
    ウ   (エ)             長b                             ウ&E
1  6    (オ)                            ∀w(長w→鼻wa∨牙wa)  9&E
1  6    (カ)                               長b→鼻ba∨牙ba   オUE
 2 6    (キ)      ∃y(耳ya&長y)                            ア&E
     ク  (ク)         耳ba&長b                             A
     ク  (ケ)         耳ba                                ク&E
     ク  (コ)             長b                             ク&E
 2 6    (サ)                 ∀x(耳za→~鼻za&~牙za)          ア&E
 2 6    (シ)                    耳ba→~鼻ba&~牙ba           サUE
1  6 ク  (ス)                                  鼻ba∨牙ba   カコMPP
 2 6 ク  (セ)                        ~鼻ba&~牙ba           ケシMPP
      ソ (ソ)                                  鼻ba       A
 2 6 ク  (タ)                        ~鼻ba                セ&E
 2 6 クソ (チ)                        ~鼻ba&鼻ba            ソタ&I
 2 6  ソ (ツ)            ~長b                             コチRAA
       テ(テ)                                      牙ba   A
 2 6 ク  (ト)                             ~牙ba           セ&E
 2 6 ク テ(ナ)                             ~牙ba&牙ba       テト&I
 2 6   テ(ニ)            ~長b                             コナRAA
12 6    (ヌ)            ~長b                             スソツテニ∨E
12 6ウ   (ネ)             長b&~長b                         エヌ&I
12 6    (ノ)             長b&~長b                         イウネEE
123     (ハ)             長b&~長b                         36ノEE
12      (ヒ)~∃x(兎x&象x)                                  3ハRAA
12      (フ)∀x~(兎x&象x)                                  ヒ量化子の関係
12      (ヘ)  ~(兎a&象a)                                  フUE
12      (ホ)  ~兎a∨~象a                                   ヘ、ド・モルガンの法則
12      (マ)   兎a→~象a                                   ホ含意の定義
12      (ミ)∀x(兎x→~象x)                                  マUI
12      (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。                マUI
12      (〃)兎は象ではない。                                     マUI
従って、
(04)により、
(05)
(1)象は鼻長い。 然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではないし、牙でもない。 従って、
(ミ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ∀w(長w→鼻wx∨ 牙wx)  A
1 (2)    長b→鼻bx∨ 牙bx   A
 3(3)      ~鼻bx&~牙bx   A
 3(4)     ~(鼻bx∨ 牙bx)  3ド・モルガンの法則
13(5)   ~長b            24MTT
1 (6)   ~鼻bx&~牙bx→~長b  35CP
1 (7)∀w(~鼻bx&~牙bx→~長b) 6UI
(ⅱ)
1 (1)∀w(~鼻bx&~牙bx→~長b) A
1 (2)   ~鼻bx&~牙bx→~長b  1UE
 3(3)              長b  A
 3(4)            ~~長b  3DN
13(5) ~(~鼻bx&~牙bx)     24MTT
13(6)    鼻bx∨ 牙bx      5ド・モルガンの法則
1 (7)   長b→鼻bx∨ 牙bx    36CP
1 (8)∀w(長w→鼻wx∨ 牙wx)   7UI
従って、
(06)により、
(07)
① ∀w( 長w→ 鼻wx∨ 牙wx)
② ∀w(~鼻bx&~牙bx→~長b)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(05)(07)により、
(08)
② 象は鼻長い。⇔                               
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&長z)&∀w(~鼻wx&~牙wx→~長w)}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、あるzはxの牙であって長く、すべてのwについて、wがxの鼻でなく、尚且つ、wがxの牙でないならば、wは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(03)(08)により、
(09)
① 象は鼻長い。    ⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象は鼻長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&長z)&∀w(~鼻wx&~牙wx→~長w)}。 
といふ「等式」が、成立する。
令和元年10月16日、毛利太。

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